イントロダクション
テーブルに近づくクワーク。「オーダーかい?」 エズリ:「ええ…ティラミン・ビール※1をお願いね。」 ベシア:「僕はロミュラン・エール※2。」 オドー:「…スプリング・ワイン※3をグラスで。」 クワーク:「いつからスプリング・ワインなんか飲むようになった? 酒はやらないんじゃないのか?」 「キラの分だよ。じき礼拝が終わって合流するはずだ。」 ベシア:「噂をすればだ。」 「ああ。」 クワークの店に入るキラに話すオドー。「どうでした。」 テーブルにつくキラ。「とってもためになった。ランジェン・テルナ※4のお説教がもう素晴らしくて。」 エズリ:「どんなお説教だったの?」 「自分を虐げた人々を許すのが大切って話。」 オドー:「うむ。許しだけで、2時間か。」 ベシア:「実行は難しいからね。」 「うーむ。」 キラ:「どうしたの?」 「別に。……ただちょっと、その…あなたはよく何時間も礼拝に出てるから、私も信者だったら…一緒に行けていいなと思いまして。」 エズリ:「あてられちゃうわ。」 キラ:「来てくれればそれは嬉しいけど、預言者を信じてなきゃあまり意味がないと思うわ。」 オドー:「ああ…発光体体験をしてみたらどうなるでしょう。」 「まず信じる心がなきゃ何も起きないわ。」 「うらやましいね。絶対的に信じられる大きな存在があると、心が安らぐもんなんでしょうねえ。」 ベシア:「そう思うなら、宗教はいろいろあるよ。」 エズリ:「別の神様を信じたらどうする? クリンゴンとか。」 キラ:「彼が何かを得ればいいのよ。」 ベシア:「それじゃ、敵の心臓を食べなきゃな。」 エズリ:「死んだらスト・ヴォ・コーへ行くのよ。」 「断食修行したりね。」 オドー:「だが、別の修行に帰依しても、キラと一緒に礼拝に行けないじゃないか。それじゃ意味がない。」 エズリ:「やだな、ほんとにあてられちゃう。」 笑うキラ。 キラの部屋。 ソファーでパッドを読んでいる。ドアチャイムが鳴った。「はい。」 やってきたのはベイジョー人だ。 キラ:「あ…ヴェデク・ファラ※5!」 ファラ:「ネリス。」 抱き合うキラ。「驚いたわ、ここへ何しに来たの?」 ファラ:「ああ、君に会いに来たんだ。」 「ほんと? とにかく入ってかけて。」 「ああ。」 「今お茶を入れるわ。前大学に連絡したんだけど、修行で休職してるって聞いたけど。」 「相変わらずさ。常に答えを追い求めてる。」 「そこがほかのヴェデクと全然違うのよね。信仰は旅なんでしょ?」 お茶を受け取るファラ。「ありがとう。終わりのない旅だ。もう中佐になったのか。説教中椅子でモジモジしてる小さな女の子だったのが、つい昨日のようなのになあ。」 キラ:「収容所に椅子なんかなかったじゃない。そう、床に座ってたわ。」 「うん、効果的だったのかもしれんな。立ってた私に威厳が出て。」 「もう威厳たっぷり。『ネリス、悟りへの三つの鍵は何だ。』」 「答えられるか?」 「慈悲、謙虚さ、信仰。」 「覚えていたのか。」 「先生が良かったから。ヴェデクがいてくれたから、収容所で生き延びられた。」 「…見せたい物がある。」 ファラは小さな包みを渡した。 キラ:「何なの?」 その中には、小さな結晶のような物が入っていた。 手の中で突然、それは光り出す。キラがファラを見た直後、キラの身体は転送されていく。 ファラは浮かない顔をした。 もう一つのカーデシア製ステーション。 実体化したキラに、ベイジョー人のブリン※6が話しかけた。「ようこそ、エムポック・ノール※7へ。」 キラ:「エムポック・ノール? そんなはずないわ。」 「ディープ・スペース・ナインからは、遥か彼方ですが、このトランスポンダーで、ここまで転送できました。」 キラが持っている物を示す。 「その赤い腕章…パー・レイス・カルトの信者ね。※8」 周りにもベイジョー人たちがいる。 笑うブリン。「真の預言者を信じてるんです。」 キラ:「なぜ私をここへ?」 「それはマスターにお聞きになるのがいいでしょう。」 「それでそのマスターって誰なの?」 答えが返ってきた。「私だ。」 中央に立っていた男が振り向く。 そのカーデシア人を、キラはもちろん知っていた。「……デュカット※9。」 |
※1: Til'amin froth TNG第170話 "Eye of the Beholder" 「謎の幻覚テレパシー」でも言及 ※2: Romulan ale 強いアルコール飲料。映画 ST2 "The Wrath of Khan" 「カーンの逆襲」など ※3: spring wine ベイジョーのアルコール飲料。DS9第86話 "Return to Grace" 「新たなる戦線」など ※4: Ranjen Telna ※5: Vedek Fala (Norman Parker) 声:小林勝也 ※6: Brin (Mark Piatelli) 声:梅津秀行 ※7: Empok Nor トレヴァス星系に位置する、カーデシアの宇宙ステーション。DS9=テロック・ノールと同じ形状です。DS9第122話 "Empok Nor" 「眠れるステーション エムポック・ノール」など ※8: DS9第151話 "Image in the Sand" 「砂漠からの呼び声」より ※9: Dukat (マーク・アレイモ Marc Alaimo) DS9第150話 "Tears of the Prophets" 「決意の代償」以来の登場。声:幹本雄之 |
本編
エムポック・ノール。 キラ:「あなたが? パー・レイス・カルトのリーダーなの?」 デュカット:「聞きたいことが山ほどあるだろうね。疑問には全て答える。悪いが、外してくれ。」 ベイジョー人たちは出ていった。 デュカット:「まずは断りもせず、君をここへ連れてきたことを謝らせてくれ。」 キラ:「構わないわ。エムポック・ノールを見たいと思ってたから。あなたがここに神殿を造ったことを、ドミニオンは知ってるの?」 「この基地は、長くうち捨てられたままだったんだ。我々が使っても彼らは文句など言わないと思うがね。その髪型…変えたんだねえ。」 「その耳…ピアスしたのね。」 耳のピアスに触れるデュカット。「ああ。新しい家族と交わした、信仰の誓いの印にね。」 キラ:「新しい家族? あなたが指導者に選ばれたのもよくわかるわ、悪の信仰だもの。」 「君はパー・レイスたちを誤解してるよ、ネリス。私のこともね。」 取り合わないキラ。 デュカット:「カーデシアがベイジョーを占領した時、君らの神、預言者たちが何もしなかったのはなぜか。君は考えたことがあるかね? 自問してみたことがあるか? なぜ、ベイジョーの民を苦しみから救って下さらなかったのか。」 キラ:「預言者の御心は深淵で、私たちにわからないこともあるわ。」 「そう言いながらも、虚しい言葉を口にしているのが、自分でもよくわかっているんだろう。もっとわかりやすい答えがある。完璧に、理にかなったな。預言者は、ベイジョーの真の神ではない。パー・レイスこそが…」 笑うキラ。 デュカット:「彼らはベイジョー人の生活により深く関わろうとしたため、聖なる神殿から追放された。君たち、ベイジョーの民の幸福を思ったがためにだ。彼らの思いは実らなかった。預言者たちとの戦いに敗れ、逃げざるを得なかったからだ。」 キラ:「古代文書に書かれたことはでたらめだって言うの?」 「ああ、君もわかっているだろう。歴史というのは、常に勝者の手によって書かれるものだからな。だがこれから…次のショーが始まるだろう。パー・レイスたちは必ず聖なる神殿を奪回すると決意されている。」 「どうしてそんなことわかるの?」 「ビジョンの中で、告げられた。私は選ばれし者だ。」 「本当にそう信じてるのか、ただ振りをしてるのか、もしくは…正気じゃないかね。」 「その、どれでもないな。神の御手が私に触れたのだ。……ふん、以前の私とは違う。ああ、認めよう。私が初めて、パー・レイスの器となりこの身体に受け入れた時は、正直言って純粋な利己的な理由からだったよ。パー・レイスがワームホール内に入る手助けをして、預言者を追い出すこと、それだけが目的だった。ただシスコへの復讐を果たしたいがためだったんだ。だがそれが、私の人生に思いもかけない影響をもたらした。パー・レイスに身体を貸したのはほんの短時間だったが……私は、目を開かれた。」 「それってジャッジアを…殺す前、それとも後?」 「ああ…。あれは実に不運だった。だが、仕方なかったんだ。聖なる神殿が危機にあった時、彼女が偶然…いたのだ。」 嘲笑するキラ。 デュカット:「ああ、ネリス。パー・レイスが私の中にお入りになった時のことを、君に伝える言葉があればいいんだが。」 キラに近づく。「これまでの全ての価値観が覆った。深い慈愛を感じた。私や、ベイジョーの民へのね。私はその時、これからもベイジョーと運命をすべきなんだと悟ったんだ。」 キラ:「占領時代に何千万人が死ぬのを見届けたほかにもってこと?」 「…あれほどの悲劇を生み出して、私がどれほど苦しんだか、君は知らないだろ。だがベイジョー占領を引き起こしたのは、私じゃない。預言者たちだ。」 デュカットの胸元をつかむキラ。「よくもぬけぬけとそんなことを。」 デュカット:「預言者はベイジョーを見捨てた。私は彼らが敷いた道を、ただ歩いただけに過ぎないんだ。今は真の預言者たちと、歩んでいる。」 立ち上がる。「ここで、共同体を作っているんだよ。私が信者たちを、このエムポック・ノールに連れてきた。魂の浄化を進めるためにね。パー・レイスたちが晴れて聖なる神殿に戻る日に備えてだ。」 「それでもしもその日がきたら、一体どうなるの?」 「全ては御心次第だ。時がきたらきっと、私に明かして下さるだろう。」 「ふん、予想するにその御心とやらで、きっとまたあなたがベイジョーの指導者になるんでしょうね。」 「…君の心は、まだ私への怒りに満ちているな。いつか君が解き放たれることを祈るのみだ。…実は、ここへ連れてきたのは君にも共同体に参加して欲しいからなんだ。慈しみの心に満ちた信者たちの暮らしを見てもらいたい。彼らは、私を信じている。」 デュカットを指さすキラ。「信じてなんかいない。…何か汚い手を使ってるんでしょ? こんなのは、偽の…信仰だわ。」 デュカット:「ネリス。どうか心を開いてくれ。私たち二人は結ばれているんだ。共に生きる、運命なんだ。」 |
DS9。 部屋に入るシスコ。先にいたオブライエンに声をかける。「ご苦労。」 一緒に来たオドーに尋ねた。「いないのに気づいたのはいつだ。」 オドー:「今朝です。朝いつも私のオフィスに寄るはずなんで。」 「入室記録は調べたか。」 「19時過ぎに尋ねてきた者があったようです。部屋にいたのはほんの 10分ほどですが。」 やってきたウォーフに聞くシスコ。「何かわかったか。」 ウォーフ:「記録によれば、昨夜以降基地を離れた船は一隻だけです。今朝のベイジョーへの輸送船です。だがキラは乗っていなかった。」 部屋を調べているオブライエン。「大佐、タキオンエネルギーの痕跡があります。」 オドー:「転送ビームか。」 「ああ、ドミニオンのシグナルです。」 「転送先は探知できるか。」 「無理だなあ。シグナルがほとんど消えてる。」 シスコ:「ドミニオンの転送可能域は我々より広い。最大転送距離は。」 ウォーフ:「誘導トランスポンダーを使った場合には、最大 3光年です。」 オブライエン:「そのトランスポンダーを使ってますね。これに包んでた。」 布をシスコに渡す。 オドー:「3光年も先に。ということはキラはドミニオン領域の奥深くに連れ去られたんだ。」 エムポック・ノール。 キラは部屋のドアを開けようとするが、ロックがかかっている。 何度も叩くが効果はない。ため息をつき、座るキラ。 外からドアが開けられた。入ったのは、ヴェデク・ファラだった。 キラ:「そのうち現れると思ってたわ。」 ファラ:「怒るのも無理はない。」 「…怒る? いいえ、哀れに思ってるの。やすやすとデュカットにだまされて、こんなカルト教団に入るだなんて。」 「私はデュカットよりずっと前からこの『カルト』を信奉している。占領末期から心は決まっていた。…この教えが我々の…受難の訳を説いてくれた。」 「収容所で……預言者を信じようと言ったのはあなたよ、それがみんなを支えたの。なのによりによってそのあなたが裏切るの?」 「預言者が我々を裏切ったんだ。ずっと前にな。」 「預言者が示される道は必ずしも平坦じゃない。だからって憎しみや恐れに逃げるの?」 「君もそれを言うのか。我々信者は憎しみに支配されているとレッテルを貼られてきた。しかし真実からはほど遠い。」 「パー・レイスは選ばれし者を殺そうとしたわ。※10」 「デュカットは全く関係していない。シスコ大佐を襲った少年は誤った信念をもち勝手にやった。我々は平和的だ。」 「だったら私を…解放してくれる?」 「ネリス。マスターは君の心の平安を願ってここへ連れてきたんだ。」 「奴はあなたを、利用してるのよ! …自分の目的のためにあなたの信仰を歪めさせてね。」 「全く頑固だな。それが君の欠点だ。」 「あなたは信じやすすぎるわ。」 「…デュカットが初めてやってきた時、受け入れる気はなかった。だが次第にわかったんだ。パー・レイスたちがこの…残虐な男を、浄化なさったと。…これこそ神の奇跡じゃないか。」 「占領中に死んだ同胞のことを、忘れたとは言わせない。…数千万人を殺したデュカットを許せるの?」 「私の教えは無駄だったか。一番大切なことをわかってない。人に最も大事なのは許すことだ。」 「……許せないことだってある。」 「…我々の暮らしを、見ていってくれ。ここに理想の共同体を築こうとしている。デュカットや我々を恐れる必要はないと、わかるはずだ。」 外を示すファラ。キラは出ていく。 ステーション内の整備が続いている。 ファラ:「核融合ジェネレーターは一基しか動いてないから、レプリケーターなどは…まだ使えない。」 キラ:「食料はどうしてるの。」 「基地の下部階層を水耕栽培農場にしたよ。」 「じゃあ医療品なんかは、どう調達するの? ベイジョーから持ち込んでるの?」 「貨物シャトルがあるからね。それで逃げようなんて考えないでくれよ。…言っておくが、ドッキングエリアにはびっしり警備がついているぞ。それに後は、君を連れてきた転送機にもな。」 「ついでに聞くけど、私…ここを自由に歩き回っていいの?」 「もちろん。マスターの希望通り、自分の家だと思ってくれ。ミカ※11。こちらはネリスだ。」 紹介された女性は、お腹がふくらんでいる。「ようこそ。」 キラ:「予定日はいつ?」 ミカ:「もう今日明日にも。」 歩いていった。 ファラ:「…彼らはマスターの祝福を受けて、この共同体初の子供を儲けるんだよ。」 キラ:「それってじゃあ、子供を作るのにデュカットの許可が…いるってこと?」 「この誓約には禁欲の誓いも含まれる。マスターが夫婦に真の精神的絆を認めた場合にのみ、例外として子供が認められる。」 「なるほどね。」 「気に入らないんだろ?」 「そりゃあ…」 「かつてベイジョー人は世俗の快楽をむさぼることをよしとしなかった。」 置いてある、棒状のヒーターに手をかざすファラ。「皮肉なものだ。カーデシア人が我々をあるべき姿に戻してくれたんだ。」 「ええ、しかもあれだけ世俗の快楽をむさぼり尽くしてるカーデシア人がね。」 「それは昔の話だ。パー・レイスの祝福を、受ける前のね。」 「大した祝福ね。」 貨物室に入るファラたち。 奥にあるものを見て、キラはため息をついた。 ファラ:「見事なものだろ?」 若い男が壁画を描いていた。中央にデュカットがおり、ベイジョー人たちが集まっている絵だ。 ファラ:「ベニヤン※12はミカの夫なんだ。」 キラ:「ああ、そうなの。おめでとう。なかなか下りないものなんでしょ、子供を作る許可は。」 ベニヤン:「あなたは我々には否定的だと聞いている。寛容になれと言われてます。」 「そう願いたいわね。」 「…マスターは、どうしてこんな人を…」 ファラ:「ベニヤン。」 キラ:「いいのよ。」 ベニヤン:「ここへ来るまで大変な苦労だった。部外者に理解してもらう必要はないんだ。」 「でしょうね。」 「誤解しないで下さい。あなたにもパー・レイスの愛を感じて欲しい。ただだめでも、僕には関係ない。悪いけど。」 「いえ、ちっとも。大体…私いつも思うのよねえ。他人にしつこく自分の信仰を説く人って、結局…自分が信じてないからなのよ。」 「僕には迷いはない。」 「そこが恐ろしいのよね。悪いけど。」 ベイジョー語の祈りが始まっている。 中央の神殿に入るキラたち。集まったベイジョー人の中には、ベニヤン夫妻もいる。 デュカットが現れた。「コスト・ノヴァルト・アモージャン、我が子らよ。」 繰り返す一同。「コスト・ノヴァルト・アモージャン。」 デュカット:「では心を開き、共に祈ろう。」 みな詠唱を続ける。 その様子を見ているキラ。 前に立っている者が、腰にフェイザーを持っていることに気づいた。素早く抜き取る。「動くな。デュカット! そこを動かないで。ほかの人はみんな床に伏せて! 早く床に伏せて!」 うろたえるベイジョー人たち。 だがベニヤンが、デュカットの前に立った。 キラ:「どきなさい。」 ベニヤン:「いやだ。」 他の信者たちもデュカットの前に集まる。 ファラ:「もうやめたまえ。でなければ全員殺すがいい。」 後ろへ下がるキラ。男が立ちふさがる。そしてキラは後ろから殴られた。倒れて気を失う。 キラに近づくデュカット。「…彼らが私を信じているのがわかっただろ。」 |
※10: DS9 "Image in the Sand" より。正確には「パー・レイス・カルトは…」 ※11: Mika (Maureen Flannigan) 声:西田絵里 ※12: Benyan (Jason Leland Adams) 声:高宮俊介 |
眠っているキラ。額の汗をぬぐうのはデュカットだ。 目を覚ましたキラは、デュカットの手を払いのけた。 デュカット:「だめだよ。急に動いては。」 キラは上着を脱がされ、下着の後ろもはだけていることに気づいた。背中を怪我している。すぐに上着を取るキラ。 デュカット:「傷の具合を見るために、上着を脱がせただけだ。」 皿を持ってくる。「食事を用意しておいたよ。」 キラ:「ハ!」 「ああ…食べた方がいい。ここへ来てから、何も口にしていないだろ。」 キラはナイフとフォークを目にした。 デュカット:「それで私を刺すつもりか? …しかし…私を殺して何になると言うんだね? そんなことをしても、エムポック・ノールからは出られないんだぞ。私を殉教者にするだけだ。」 キラ:「そうねえ。ぜひとも無事でいてもらいたいわ。そのうち信者も、あなたがペテン師だってことわかるでしょうから。」 「私は信者たちを愛している。彼らも私を慕ってる。さっきの神殿での出来事を見れば、君にも理解できるだろう。」 「あなたはいつもその状態を願っていた。支配した上でベイジョーの民に慕われることをね。でもなぜ私たちに憎まれたのか、まるでわかっていない。」 「私がいなかったら、占領時代はもっと悲惨だったろう。」 「感謝しろと言うの?」 笑うキラ。「…あなたは鉱石加工工場で仲間を死ぬまで働かせた。そしてテロック・ノールを我が物顔に練り歩き、ベイジョーの女たちを選り取り見取り。しかも彼女たちが、望んでたと信じ込んでね。」 「君の母親※13は望んでいた。」 「子供から引き離させることを? 私たちを生き延びさせるためにやったことだわ。」 「私を愛してた。」 「母は…そう思い込むしかなかったのよ。ほんとの愛とは違うわ。」 「ふーん…。そうかもしれない。ああ…もしも本当に私が、君の母親を苦しめたなら、後悔してもしきれない。当時私が犯した様々な罪を含めてねえ。だからこそ、パー・レイスたちがこの機会を与えて下さって感謝している。今君たちに償うことができるんだからな。」 「どうやって? 理想の占領地を作ってやり直すの? あなたがやってることはまさにそれだわ。基地を一つ手に入れ、言いなりになるベイジョー人たちをはべらせる。しかも最高なのは、今回…ほんとに慕われてること。あ、愚かな盲信とはいえね。あなたを慕ってる。」 「君を呼び寄せて、本当によかった、ネリス。まさに感動だあ。君は…ベイジョーの美徳を全て、体現しているんだからなあ。その情熱。その強さ。パー・レイスが君を私のそばにおこうとなさるわけがやっとわかった。」 「どうしてなの?」 「君の心を開くことができれば、ほかのどんなベイジョー人の心でも、開けるだろう。これは私への試練なんだ。喜んで受けよう。これを乗り越えた時、私はパー・レイスのよりよきしもべと、なれるだろう。」 チャイムが鳴る。「入れ!」 ブリンが入った。「ミカのお産が、始まりました。」 デュカット:「さあ、行こう! この祝福の時を、共に分かち合いたい。」 手を差し出す。 その手を取ることなく、キラは立ち上がった。 医療室。 人々が集まっている。みんな嬉しそうだ。 やってきたデュカット。「やあ、ベニヤン。今日は素晴らしい日だなあ。我々の共同体に初めて産まれる子の父だ。名誉なことだぞ。」 ベニヤン:「私とミカは、マスターと共に信仰に生きます。」 「君たちには期待しているよ。君らの後に、たくさんの家族が続くだろう。いつの日か、エムポック・ノールは子供たちの笑い声に包まれるのだ。」 ファラはキラに言う。「気に入らないんだろうな。」 キラ:「ええ、子供をパー・レイスの教えに従うよう、育てるなんてね。」 「今日は、晴れの良き日だ。また口論を始めて台無しにしたくはない。君にはベイジョーの神は預言者、私にはパー・レイスだ。今は、そうしておこう。」 「ええ、いいわ。ただどちらか一方は間違ってるのよ。」 歓声が上がる。助産婦と共に、赤ん坊を抱いたミカが出てきた。だがミカの顔は浮かない表情だ。 ベニヤンは赤ん坊を見た。その顔は、カーデシア人とベイジョー人の特徴を兼ね備えていた。 二人は顔を見合わせる。 デュカットも赤ん坊を見て、その顔に気づいた。ミカの顔を見る。そして赤ん坊を抱き上げ、こう言った。「パー・レイスが…お印を贈って下さったぞ。我が子らよ、良い印だ。今日ここに、奇跡が起こったのだ。この子を見ろ。ベニヤンとミカの愛が蒔いた、命の種に、母の胎内で奇跡が起こった。」 一同は赤ん坊の顔を見て驚く。キラやファラも同様だ。 デュカット:「…私と君たちの誓約の生きた証として産まれたのだ。」 ミカとベニヤンは、二人とも険しい表情をしている。 デュカット:「…ああ、今日は何とめでたい日だ。今、パー・レイスたちが我々に微笑みを投げかけて下さっているに違いない。神々を称え、感謝しよう。」 祈り始めるベイジョー人たち。「コスト・アモージャン…」 ファラやベニヤンたちも唱え始める。 無言のキラ。 |
※13: キラ・メルーのこと。DS9第141話 "Wrongs Darker than Death of Night" 「憎悪を超えて」より |
神殿。 キラ:「私にはどうしてもわからない。あなたは頭のいい人よ。なのにあんな話を信じるの、父親がデュカットなのは明らかじゃない。」 ファラ:「…君はマスターを憎んでいる、だから奇跡が起きたという素晴らしい事実さえ…否定してしまうんだよ。」 「あ…あいつの言うことなら、何だって無条件に信じるって言うの?」 「……それが信仰だ。それだけは君にも理解できると思うがね。…あの赤ん坊は、パー・レイスが我々に示されたお印だというのが、なぜそんなに信じられない。神の力は我々の理解を超える。君らの預言者は、ドミニオン艦隊をまるごと忽然と消してしまった。それよりよほど信じやすいと思うがね。」 「もっとすごい奇跡を見たわ。ミカが夫の前で泣き崩れなかったことよ。彼がデュカットの作り話を信じないんじゃないかって、怯えきった目をしてた。」 「それは色眼鏡で見るからだ。」 「あ…これがほんとに、奇跡だと信じてるのなら、幸せな夫婦と話をさせてよ。」 後ろを向くファラに言うキラ。「どうしたの? 真実を知るのが怖いの?」 向き直るファラ。「…真実は明らかだ。ただありもしない疑惑で騒ぎを起こして欲しくない。」 キラは笑ってうなずく。「なら静かにやるわ。」 デュカットの絵を描いているベニヤン。 ファラ:「ああ、順調に仕上がってるねえ。」 キラ:「カーデシアとハーフの子供を一人描き足したら? 奇跡の記念に。」 ベニヤン:「もう構図は決まってる。」 「奇跡の子供の父になれるなんて、とても名誉なことなんでしょうねえ。」 「ああ。」 「デュカットが子供を作る許可を与えたのは正解だったってことね。」 「マスターと共に…何度も祈った。」 「彼と 2人で祈ったことは?」 「あるさ。」 「ミカは?」 ベニヤンはキラを見た。「……ああ。」 ファラ:「ネリス。仕事の邪魔だ、行こう。」 貨物室を出て行く 2人。考えているベニヤン。 廊下を歩くキラ。「ミカを探さなきゃ。」 ファラ:「次は、ベニヤンの時より穏やかに話を進めてもらいたいね。」 廊下を独りで歩いているデュカット。周りを気にしている。 エアロックに入る。そこではミカが待っていた。「ごめんなさい。」 デュカット:「なぜ早く私の子だと言わなかったんだ。」 「わかりません。違うことを祈ってた。」 「ああ、ミカ。あの夜のことは悪かったと思っている。私の弱さだ。君は、あまりに美しかった。」 「私はマスターを恨んではいません。」 「誰かに話したか?」 「いいえ。」 「ベニヤンにもか?」 「彼、奇跡だと信じようとしてる。でも疑ってます。もしも聞かれたら、嘘はつけないかもしれません。」 廊下でベイジョー人に尋ねていたキラ。「ありがとう。ミカはそっちへ行ったって。」 ファラも続く。 デュカットはミカに言う。「心配ない。必ず、全てうまくいく。ここでしばらく待ってから、部屋に戻りなさい。気を強くもち、祈るんだ。」 うなずくミカの顔に手を触れ、デュカットは出ていく。 だがエアロックの内側のドアを閉めてしまった。呆然とデュカットを見つめるミカ。 そしてコンソールを操作するデュカット。警告音が鳴る。 外側のドアが開き始めた。猛烈な勢いで空気が抜けていく。 必死でドアにすがりつくミカ。空気が完全に抜け、ミカは倒れた。 手をさしのべるミカ。デュカットは目をそらす。 ミカは気を失った。 キラの声が聞こえる。「ミカー? ミカ。」 立ち去るデュカット。 キラはエアロックの中を見た。「ミカ。」 すぐに外側のドアを閉める。 ベッドの上にいるミカ。 助産婦※14:「危ないところでした。」 ベニヤンが見守る。 デュカットがやってきた。「容態は。」 助産婦:「減圧のせいで、髄膜の組織が膨張を起こしています。朝まで眠らせておかないと。」 「だが、回復するんだろ?」 「大丈夫です。」 「ブリン。ドッキングリングを閉鎖だ。エアロックを全部チェックするんだ。そしてこんな事故が、二度と起きないようにしてくれ。」 キラ:「事故ですって? ミカに何をしたの。あなたが赤ん坊の父親だってみんなに言おうとしたから?」 ファラ:「キラ!」 「だから殺そうとしたんでしょ?」 「やめなさい。」 デュカット:「ファラ、構わないんだ。ネリスは動転して、妄想を口走ってるだけだ。」 キラ:「ミカはもう嘘をついてくれないわよ。」 ブリンたちに命じるデュカット。「彼女を部屋へ連れて行って、休ませてやれ。」 連れて行かれながら、キラはベニヤンに言った。「ミカに近づけちゃだめよ。」 デュカットは外のベイジョー人たちに話す。「全員でミカの回復を祈ろう。」 詠唱を始める。 デュカットの部屋。 祭壇の前でひざまづいている。「お許し下さい。……誘惑に負けたのです。一時の色欲に目がくらみ、私に示された道を、見誤ってしまった。ミカが目覚める時、目覚めを願っていますが…信者は真実を知ることになる。そして、私を拒絶する。あなた方を拒絶するでしょう。誓約が、破られるのです。そうさせてはならない。道を、お示し下さい。お願いします。…お願いします。」 神殿の前で鐘が鳴らされる。 部屋にいるキラは、通信で入るその音に気づいた。 医療室の助産婦。「礼拝の時間じゃないのに。」 ベニヤン:「僕がついてる、行って下さい。」 「いいの。行って。」 出ていくベニヤン。 神殿に集まったベイジョー人。 デュカット:「コスト・ノヴァルト・アモージャン、我が子らよ。」 一同:「コスト・ノヴァルト・アモージャン。」 「今夜、祈っていた時、パー・レイスからビジョンを賜った。これが私に下される最期のビジョンだと仰せられた。」 ざわつく信者たち。「理由がある。これは、恵みだ。パー・レイスたちが、我々を彼らの元へ迎えて下さるのだ。」 話を聞いているキラ。『…聖なる神殿を奪い返す聖戦を、共に戦うため…神々の戦士として迎えて下さる。』 医療室にも流れる通信。『…我々は天の宮殿に上るのだ。』 話し続けるデュカット。「物質としての肉体は、この責務の邪魔になる。よって肉体を捨てねばならない。数時間後、一日の始まりの時、我々は最期に今一度ここで集い、我々を現世につなぎ止める肉体を脱ぎ捨てて、パー・レイスたちの腕に抱かれるべく、旅立つのだ。」 話に聞き入っているキラ。 ファラは祈り始めた。他の信者も続ける。 キラは立ち上がり、ドアを叩いた。 |
※14: Midwife (ミリアム・フリン Miriam Flynn) 声:羽鳥靖子 |
キラの部屋に、デュカットが入る。「…ディープ・スペース・ナインにメッセージを送ったよ。一日二日で、君の迎えを誰か、送ってよこすだろう。」 キラ:「信者の信頼を失いたくないのね。彼らを殺してたとしても、驚かないけど。あなた自身が喜んで死ぬとはとても思えない。」 「ハ。ネリス、君は…何もわかっていないんだな。パー・レイスが我々を迎えてくれるんだ。喜んでくれ。」 「喜ぶ? 50人のベイジョー人が死ぬのよ。」 「なら見せよう。苦しまず、死ぬことができる。」 小さなかけらを取り出すデュカット。「プロマジン※15だ。オブシディアン・オーダーの工作員が捕まった時のために開発された、自害用の薬だ。すぐに死ねるだけでなく、数時間以内に死体は完全に塵になってしまう。敵に身元を探られるような危険も全くない。塵。…残るのは、ただそれだけだ。この不完全な宇宙で、私が歩んできた痕跡はそれだけ。だが私はそれで、本望なんだ。これから、パー・レイスの元へと旅立つんだからな。」 出ていくデュカットに、キラは言った。「本当に信じてるのね。」 デュカット:「…お別れだ、ネリス。」 部屋を出る。 神殿。 信者たちは、皿からプロマジンを一粒ずつ手にしている。赤ん坊を抱いたベニヤンは、2粒を取った。 キラはドアのコンソールを開けて分解し、ケーブルを引き抜いた。 部屋にあるヒーターを開ける。 デュカットが神殿に現れた。「我が子らよ。時はきた。我々はこの世界を後にするのだ。」 キラはケーブルをヒーターにつなぎ、離れた。 赤くなっていくヒーター内。オーバーロードを起こし、ドアが開いた。手でこじ開け、外に出るキラ。 デュカットは話を続ける。「旅立ちの今、我々の心にあるのはただ一つ。喜びだ。パー・レイスの聖なる光の中で、我々全員が一つになるのだ。」 神殿へ向かうキラ。デュカットの声が響く。「今日が最大の記念日となるだろう。パー・レイスが我々を身元に迎えて下さる。」 プロマジンを見せるデュカット。「故郷へ呼び戻して下さるのだ。これが、我々の救済を助けてくれる。コスト・ノヴァルト・アモージャン。我が子らよ。」 一同:「コスト・ノヴァルト・アモージャン。」 2階からその様子を見ていたキラは、柵を乗り越えた。 デュカット:「恐れることはない。さあ、共に逝こう。」 プロマジンを口に近づける。 だがキラの声がさえぎった。「デュカット!」 見上げるベイジョー人。「誰か止めろ!」 デュカットに向けて飛び降りるキラ。一緒に近くのプロマジンが入った皿も倒れる。 デュカットは床に散らばったプロマジンから、一つを選ぼうとしている。 ブリンたちに捕まるキラ。「この男の魂胆がわからないの? 真実を隠そうとしてるだけなのよ!」 うろたえる信者たち。 デュカットは、まだ必死に床を探している。 ファラがデュカットを起こした。「大丈夫ですか? みんな静かに。この聖なる瞬間を誰にも邪魔させてはいけない。」 別の皿からプロマジンをデュカットに渡そうとするファラ。だがデュカットは受け取らない。 キラ:「どうしたの、デュカット。飲みなさいよ! どの錠剤も同じでしょ?」 自分のプロマジンを見るベイジョー人たち。 デュカット:「我が子らよ。聞いてくれ。」 キラ:「そうよ、言いなさい。一緒に死ぬつもりなんかさらさらないって言ってやったらどう?」 騒ぎ出すベイジョー人。「何だって?」 「これはどういうことなんだ!」 デュカット:「私にはまだ務めがある。」 信者の声は大きくなる。「俺たちをだました!」 デュカット:「パー・レイスの光へ、ほかの者たちを導く役目があるんだ。」 「今更何なの?」 「みんな死ぬんでしょ?」 「何なんだ、一体。」 ベニヤン:「これは奴の子だ! その上ミカを殺そうとしたんだ!」 「俺たちをだましたんだ。」 ベイジョー人たちは、プロマジンをデュカットに投げつける。 デュカット:「パー・レイスは私の罪を許された。許しを与えられたんだ。」 「だましやがって!」 「何て奴だ!」 「嘘つきー!」 「嘘つきめー!」 「パー・レイスたちのご意思を疑うのか。私を裁く資格があるのか!」 「ずっと私たちをだましてたのね!」 「こら! だましやがって!」 「だましたな!」 「嘘つきめー!」 「もう終わりだ。誓約は…破られた!」 デュカットは、耳のピアスを引きちぎった。 「嘘つきー!」 「お前たちにパー・レイスの愛はわかりゃあしない。誰にもな!」 「黙れ!」 「嘘つきめ!」 ベニヤン:「ペテン師めー!」 「ひどいわ!」 デュカットは腕の機械を叩いた。転送され、姿が消える。 驚き、静かになるベイジョー人たち。 ファラは座り込み、プロマジンを飲み込んだ。 駆け寄るキラ。「ファラ、だめよ!」 抱きつく。「ああ…。どうして…。」 ファラ:「信仰だ。ネリス。信仰だ…。」 息を引き取る。 ワープ中のディファイアント。 オドー:「ヴェデク・ファラは気の毒でした。」 食堂にはベニヤンと、赤ん坊を抱いたミカが離れて座っている。 キラ:「彼が死ぬ間際に言ったことをずっと考えてるの。死んでも信仰を貫くって意味だったのか、それとも…信仰に裏切られたのか。」 「もう知る手だてはない。とにかく信者たちは打ちのめされボロボロだが、何とか立ち上がり前に進むしかないんでしょうねえ。」 「私、デュカットは彼らの信頼を得たくて信仰を利用しただけだと思ってた。でもそうじゃなかった。彼は変わった。」 「もしあなたが止めなかったら、信者を全員殺してた。だがその死体の山に、奴の死体はなかったでしょう。そう聞くと変わったとは思えません。」 「正気じゃないと思うだろうけど、デュカットは本当に自分がパー・レイスたちに仕えてると信じてたのよ。」 ため息をつくオドー。「ないとは、言えないでしょうね。」 キラは言った。「だとすると奴は、かつてなく危険な存在になってる。」 帰還するディファイアント。 |
※15: promazine |
感想
デュカットは第7シーズンでは初登場となります。今度はカルト教団の教祖となって帰ってきました。以前ジャッジアを殺した時のパー・レイスの「器」となったデュカット、そしてベイジョー人の間に生まれたもう一つの信仰を見事に融合させています。ワームホールが復活した時点でパー・レイス教は消えたのかと思っていましたが、そうではなかったんですね。 3度目の登場となる究極の (?) 使い回し、エムポック・ノールもおなじみとなりました。なおデュカットとミカの赤ん坊はアニマトロニクスによる人形だそうです (アップになるところだけ)。どう見ても本物にしか見えませんが…。 邦題ではいらない単語をつけてネタバレになっていますが、原題の "Covenant" =「誓約」を最後まで信じていたデュカット。もはや完全にドミニオン/カーデシアから離れた (とはいえドミニオンの技術はしっかり利用しているところが、ややこしいのですが…) 彼が、次はどうなっているか要注目です。 |
第158話 "The Siege of AR-558" 「戦争の影−AR558攻防戦−」 | 第160話 "It's Only a Paper Moon" 「ペーパームーンに抱れて−戦争の影パートII」 |