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ディープスペースナイン エピソードガイド
第122話「眠れるステーション エムポック・ノール」
Empok Nor

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・イントロダクション
店に入ってきたキラたちをクワークがようこそと出迎えた。今日は静かねというダックスに丁度谷間で、混み合って来る前に先にご注文を伺いましょうという。ティラミンビールを注文するダックス。その時店の奥から大きな騒音が聞こえてきた。何だというウォーフ。何のことです、あれは甥っ子とチーフ・オブライエンがコンジットを修理してるんですというクワーク。また鳴り響く騒音。クリンゴンレストランにしようというウォーフに、ダックスもそっちの方が静かねという。3人は出て行った。そこを通りかかったノーグ※1に、いつになったら騒音が止むのかを聞くクワーク。修理が済んで安全が確認されてからだよというノーグ。急いでやれ、でないと客が逃げちまうというクワーク。差し入れしてよというノーグに、何をだと聞く。ノーグはルートビア※22つといった。また鳴る騒音にクワークは耳を抑えた。
コンジットに入っているオブライエンとノーグ。ハイパースパナ※3、光カプラと言われ道具を渡していくノーグ。3つ目は言われる前に道具を渡し、オブライエンはどうして次はフェイズデコンパイラだとわかったと聞く。作業を見ていましてというノーグに、なかなかやるなというオブライエン。父はチーフをすごく誉めてました、何でも直せる人だってと言うノーグ。エンジニアはそれが仕事だ、これでいいぞというオブライエン。ノーグも一緒に横になり、素晴らしいと誉める。だがコンジットからは煙が噴き出してきた。むせる2人。
応急処置はしましたが故障範囲が広いんです、プラズマ分配マニフォルド※4を交換しなくてはと言うオブライエン。複製できないのかと聞くシスコに、カーデシアのマニフォルドはベータマトリックス※5を使っているので複製できないんですという。ガル・デュカットに連絡してマニフォルドシステムのスペアがないか聞いてみるのはどうですと言うオドー。大喜びで助けてくれるだろう、ほかに方法はないかと尋ねるシスコ。今は使われていないトレヴァス星系※6のカーデシアのステーションから失敬してくるという手がありますというオブライエン。エムポックノール※7とシスコはいった。DS9と同じ構造で1年前に閉鎖されたステーションで今は使われていません、しかしプラズママニフォルドシステムはまだ使えるかもしれないというオブライエン。付近でのドミニオンの活動もここ数ヶ月はなく、戦略的には価値のない星域だ。しかし一つ問題があります、カーデシア人が基地から撤退する時は侵入者撃退対策として罠を仕掛けていくのが普通なんですと言うオドー。罠を解除するにはカーデシア人でないといけない。ではカーデシア人を連れて行けばいいわけだと言うシスコ。
大佐は君を何て説得したんだというオブライエンに、志願したとは思わないと聞くガラック※8。2人はシャトルに乗り込む。笑い、脅されたんだろと言うオブライエン。違います、賄賂をつかまされたんです、私の店のスペースを増やしてくれるというガラック。最近の仕立ての機械はかさばるのでねという。来てくれて嬉しいよと言うオブライエンだが、ガラックは何も言わない。どうしたんだと聞くオブライエン。いやはや全く、最近皆さん私を信用しているみたいですと言うガラック。何て言うか居心地が悪くて、そのうち食事に招待されるかもしれませんと言う。そうか、それなら僕は君を食事に招待するのはやめておくというオブライエン。ありがとうございますというガラックに、礼なんていい、借りができたしな、カーデシア人が仕掛けた罠を解除するのは僕向きじゃないと言う。当然です、得意分野ですから心配なくというガラック。その話を聞いていたオブライエンの部下であるエンジニアのボクタ※9は、罠の解除だと、それならこの任務には志願しなかったと仲間にいう。ごみ処理よりは面白そうだろ、それにエンジニアがフェイザーが撃てるなんて滅多にないと言うペチェッティ※10。お気の毒だけどあなたが撃てるのはネズミだけよと言うストルゾフ※11。エムポックノールは無人だったから腹ペコよという。心配するな、お前らのことは俺が守ってやるというアマロ※12。4人のエンジニアはシャトルに乗った。続いてフェイザーライフルを持ったノーグがやってきた。何のようだ候補生と言うアマロに、同行させて頂きます、閣下※13と言う。待っていたぞというオブライエン。光栄です、閣下と一緒に任務に参加できて感激ですというノーグ。だがその閣下はやめてもらいたいというオブライエン。ノーグはわかりました、チーフと言った。よし出発だ、エムポックノールへ向かうぞというオブライエン。

※1: Nog
前話 "Blaze of Glory" 「最後のテロリスト」に続いて登場

※2: root beer
地球の炭酸飲料で、数種類の植物の根の酵母とエキスから作られます。DS9第74話 "The Way of the Warrior, Part II" 「クリンゴンの暴挙(後)」など

※3: hyperspanner
プラズマ注入器の調整に使われる技術用道具。DS9第100話 "The Ship" 「神の船」より

※4: plasma distribution manifold

※5: ベータマトリックス構成機 beta matrix compositor

※6: Trivas system
訳出されていません

※7: Empok Nor
DS9の元の名前であるテロックノール (Terok Nor) に似ています。原題

※8: エリム・ガラック Elim Garak
DS9第112・113話 "In Purgatory's Shadow" "By Inferno's Light" 「敗れざる者(前)(後)」以来の登場

※9: Boq'ta
(Andy Milder VOY第170話 "Renaissance Man" 「偽りのクルー」のナー (Nar) 役) 青い肌をしたボリア人 (Bolians)。TNG第66話 "Allegiance" 「姿なき誘拐犯」など

※10: Pechetti
(Tom Hodges)

※11: Stolzoff
(Marjean Holden)

※12: Amaro
(Jeffrey King) 4人とも階級章なし

※13: 単に最後の "sir" のこと。やはり訳しにくいようです。ちなみに以前は「隊長」と訳されていたことも (DS9 "The Ship")


・本編
ガラックとノーグはコマを使ったゲームをしている。何をしていると聞くガラックに、再編成ですというノーグ。負けてるのにかと言うガラック。だからこそです、資産を守らないといけないと言うノーグ。これは経済取り引きじゃない、そもそも資産を守ろうとするからこうなったんだ、積極的に攻撃に出ないとだめだと言うガラック。そっちの番ですと言うノーグに、いらついてきたなと言う。フェレンギ人にカーデシアのゲームをさせるのはクリンゴン人に口を閉じてものをかめと言うようなものだというガラック。コトラ※14は軍を再編成したり資産を守ったりではなく、大胆な戦略を持って行動に出るゲームだと説明する。オブライエンに向かって、ノーグと代わってください、セトリック3※15の英雄とぜひコトラで対戦してみたいというガラック。チーフのお手柄はみんな知っています、たった24人の部下を率いてカーデシアのバリカ※16の二個大隊を相手に大勝利を収めたんですからねと話す。その半分の真剣さでコトラをやればいい勝負になるというガラック。今は軍人じゃない、エンジニアだよというオブライエン。そうかな、ドクター・ベシアとホロスイートで何時間も過ごすのは修理してるからですかと言うガラック。何が言いたいと聞くオブライエンに、昔の戦闘機のパイロットの格好をして過去の戦争で楽しんでるでしょという※17。それはただの遊びさ、ゲームだよというオブライエン。コトラもそうですよ、ぜひあなたのような勇者と対戦してみたいんですというガラック。また今度なと言うオブライエン。
そこへペチェッティが欲しいもののリストを持ってきた。分類は3つ、皮質機材はマニフォルドとプラズマアニコイラ、準皮質機材はEPSマトリックスコンバーターなどで、ほかに欲しいものはバイパス転換器などなどですという。カーデシアのバッジや勲章って言うのは何だと聞くオブライエン。それは趣味で、もしいいのがあったらというペチェッティに、任務はお遊びじゃない、お前のコレクションを増やすために行くんじゃないというオブライエン。ペチェッティは了解と言ってパッドを受け取り下がった。笑うオブライエン。
シャトル※18はワープ航行を続ける。もうすぐエムポックノールですというノーグ。ワープ航行停止、フルスキャンを命じるオブライエン。操縦をノーグと代わる。目の前にはDS9にそっくりなステーション※19が現れた。メインパワーも生命維持システムも全く作動していません、生命反応もなしと言うノーグ。転送可能域に入ろうと言うオブライエン。だが転送は危険で、カーデシア以外のシグナルをキャッチすると、転送信号にスクランブルがかかる※20ようになっていると言うガラック。ドッキングで行くことにするオブライエン。パッドは閉鎖されているため、目標塔からだ。エアロックに罠はというノーグに、当然仕掛けてある、ドッキングする前に誰かが解除しないとねと言うガラック。ノーグは僕が志願しますというが、やめなさい、心意気は買うがDNAまではごまかせないというガラック。無事にエアロックを抜けられるのは抜けられるのはカーデシア人の私だけでしょうと言い、奥へ行った。
シャトルはパイロンに近づいた。暗いステーションの中で宇宙服※21を着たガラックがライトを持ち作業を行う。スイッチを入れると、次々と明かりがともっていった。
医療室のコンピューターにも電気が入った。そこに置かれている保存チューブ。中でカーデシア人が目を覚ました。
ドッキングしたシャトル。オブライエンたちが降りてくる。エムポックノールへようこそというガラックに、ご招待ありがとうというオブライエン。どうぞご遠慮なく、何でも持っていってくださいというガラック。みんないいか、これから3つの班に分かれるとオブライエン。ノーグとストルゾフは僕と皮質機材を探す、ペチェッティとアマロは準皮質機材を、ボクタとガラックはそれ以外を、警備システムはガラックが解除してくれたが油断はするな、必ずスキャンしながら進むようにしようと続ける。もし不審なものがあったら触らずに助けを呼べというオブライエン。出発する。
それぞれのグループはトリコーダーで道を調べながら進んでいく。ガラックは階段を上ろうとした時に、何か青いものが手についてしまった。生命維持化合物だというボクタ。何でそんなものがここにというガラック。近くの部屋が空いていることに気づき、中へ入る。そこには3つの保存チューブがあった。一つのチューブは上から梁が落ちていて、表面のガラスが割れている。梁をどけ中を開けると、そこにはミイラ化した死体があった。カーデシア人で、死後およそ1年経っている。これを見ろ、と言いバッジを取り出すボクタ。面白いというガラック。連隊のバッジで、第1階級※22・第3歩兵大隊※23のものだ。きっとペチェッティが喜ぶぞというボクタ。残り2つの保存室は最近開いたようだなとガラックは言った。
コイルスパナ※24、フラックスカプラと道具を指示するオブライエン。だがフラックスカプラはシャトルに忘れてきましたというノーグ。すぐ取ってきます、閣下、いえチーフという。走っていった。ため息をつくオブライエン。そこへガラックから通信が入り、医療室まで来てください、見せたいものがあるという。すぐ行くと答えるオブライエン。ストルゾフと共に向かう。
ノーグはエアロックに戻った。しかしそこにはシャトルはなかった。外を見ると、シャトルは目標塔から離れ漂っている。何でシャトルがというノーグ。その直後、シャトルは爆発してしまった。慌てて戻るノーグ。

※14: kotra

※15: Setlik III
カーデシア戦争中に奇襲の被害を受けた、連邦の辺境の惑星。TNG第86話 "The Wounded" 「不実なる平和」より

※16: Barrica
訳出されていません

※17: ブリテンの戦い (Battle of Britain) のこと。DS9第83話 "Homefront" 「地球戒厳令(前)」など

※18: 名称は不明。上部にロールバーと呼ばれる部分がついたタイプです

※19: 本当にDS9と全く同じです。強いて言えば……傾いています

※20: パターンスクランブラー pattern scrambler
DS9第109話 "The Darkness and the Light"「一人、また一人、そして…」の転送妨害起爆装置 (remat detonator) も、パターンスクランブラーの一種

※21: TOS以来、初の TVシリーズでの宇宙服 (環境服) の使用になります。映画第8作 "Star Trek: First Contact" 「ファースト・コンタクト」で使用されたもの

※22: First Order

※23: Third Battalion
2人のカーデシア人は Tom Morga と Christopher Doyle が演じました

※24: coil spanner


全員医療室に集まった。シャトルが勝手にステーションから離れて自爆するはずがないだろというオブライエン。この保存室から出た2人の仕業と考えるのが妥当ですというガラック。ペチェッティは第3歩兵大隊の兵士が2人歩き回ってるんだとしたらやばいですよという。皆殺しがモットーだからだ。単純なモットーですが、信じて戦う兵士は強いですよというガラック。なぜカーデシア人は撤退する時に2人の兵士を残したんでしょうかというノーグ。基地を守るためよ、侵入者があれば目覚めるようプログラムされていたのかもしれないというストルゾフ。2人がいるのは確かだ、シャトルを爆破したことからいって友好的ではなさそうだというオブライエン。ストルゾフはこっちが自己紹介しないから怒ってるのかもしれないという。呼びかけようというアマロ。だがトリコーダーで通信できない。オブライエンのも同じで、妨害フィールドを張ったらしい。脱出して助けを呼びましょうというボクタ。どうやって、亜空間トランシーバーはカーデシアが撤退する時に壊していったというペチェッティ。のろしを上げるっていう手もありますけどねというアマロ。オブライエンはそれはいけるかもしれないといった。ディフレクターグリッドはほとんど無傷だ、フィールドコイルを調整して共変パルスを打ち出すことができればという。ステーションを昔の電信機のように使ってSOSを送れるというペチェッティ。DS9まで届く強いパルスを出すには強力なパワーが必要となる。オブライエンはペチェッティとストルゾフに居住区に降り、ミクロフュージョン反応を復活させるように命じた。ボクタにはコンジットG-4のマグネティックフローフィールドを再調整、アマロを護衛につかせる。ノーグとガラックは自分と一緒に貨物室のシグナル発生装置をセットアップするというオブライエン。通信機はなるべく使わないように、敵に居場所が知られるという。質問はと聞き、ないのを確認して作業にかかった。
オブライエンのグループ。さっきのストルゾフの意見には同意できない、一体誰が味方の残したステーションに残ることを志願しますかというガラック。目覚めないかもしれない、いくら勇猛果敢でも考えにくい、ほかに理由があるはずですという。ノーグはフェイザーライフルを構え、近くを護衛する。かもしれない、でも謎が解けるまで長居するつもりはないと言うオブライエン。全く地球人ってのはミステリーの楽しみ方を知らないなというガラック。僕もミステリー小説は好きだ、寝る前に読むのはいいが自分が殺されるのはねというオブライエン。ノーグのすぐ近くには、ディスラプターを持ったカーデシア人が潜んでいた。だが気づいていない。誤解しないで下さい、このステーションから逃げ出したいんですよ、でもこの謎が解けない限りはすっきりしませんからねというガラック。とにかく今はシグナル発生装置のセットアップが先決だ、謎解きなら後でたっぷり時間があるというオブライエン。カーデシア人はノーグの後ろについていく。その時オブライエンが手伝うようにノーグを呼んだ。隠れるカーデシア人。そのすぐ横を歩いていくノーグ。カーデシア人は別の方へ歩いて行った。
作業を行うペチェッティ、近くでフェイザーを持っているストルゾフ。銃口を向けるのはやめろというペチェッティに、大丈夫よ、ロックしてあるからというストルゾフ。ふいに2階のターボリフトの扉が閉まった。ストルゾフがフェイザーを、ペチェッティがライトを向けるが誰もいない。あなたがやったのとの問いに首を振るペチェッティ。1階へ降りてくる音がする。2人はターボリフトの脇についた。扉が開いたら行くわよと小声で話すストルゾフ。開いた。合図と共に飛び出し、フェイザーを向ける2人。だがやはり誰もいない。気がつかないでターボリフトを動かしたのかなというペチェッティ。上を見てくるというストルゾフに、わかったという。ペチェッティはライトを持ち歩き始める。ライトで照らしたところにカーデシアのエンブレムがあることに気づいた。顔がほころぶ。だがその瞬間、横のガラスが割れ敵に捕まれた。ストルゾフを大声で呼ぶが、中に引きずり込まれていく。ストルゾフはフェイザーを構え、ペチェッティと呼んだ。コムバッジを叩き、オブライエンを呼ぼうとする。しかし後ろから殴られ、ストルゾフは絶叫を上げながら1階へ落ちていった。
ストルゾフを呼ぶオブライエン。返事はない。すぐに向かう。
だがそこにいたのは、既に息絶えたストルゾフだった。脈を確認し、ため息をつくオブライエン。すぐ近くではペチェッティも死んでいたのだった。


2人の遺体に布をかけるオブライエンたち。きっといきなり襲われたんだ、敵は内部センサーで居場所をつかんだんだというボクタ。落ち着け、必ず脱出できるから余計なことを考えるな、ペチェッティは死ぬ前にミクロフュージョン反応をほぼ復活させてくれたというオブライエン。残りは僕がやる、それからそれから貨物室に戻る、コンジットはどうしたと尋ねる。終わってますというボクタ。それじゃアマロと補助コントロールへ行ってパルス発生装置の調整を行ってくれと命じるオブライエン。アマロは2階を見張っている。別れるんですかというボクタに、仕方がない、SOSを打たなければここからは脱出できないんだというオブライエン。でももし我々がというボクタに、がんばってくれと頼む。俺がついてるから平気だよというアマロ。ペチェッティにもストルゾフがついていた、でもどうなったというボクタ。ガラックをつかせよう、それなら安心かというオブライエン。うなずくボクタ。だがガラックは申し訳ないが、私にはほかにやることがあるという。ただ殺されるのを黙って待つ気はありません、もちろん2人の敵を探しに行くという意味です、そして始末しますという。泣き言を聞いていたらひどい頭痛がしてきましてねといい歩き出すガラック。チーフに逆らうと頭痛だけでは済まなくなるぞといい、アマロはガラックにフェイザーを向けた。撃ちたくてたまらないんだろうね、カーデシア人を殺せるのなら誰でもいいんだというガラック。アマロよせというオブライエン。ガラックが敵を始末してくれるならそれに越したことはないという。さすがチーフですね、一緒に昔のようにカーデシア人を殺しに行きましょう、復讐したくありませんかというガラック。いいや、ただ脱出したいだけだというオブライエン。本能を抑え込んでいるんですね、でも心のどこかにセトリック3の英雄が眠っているはずだというガラック。オブライエンは時間がない、行けと言った。ガラックは歩いて行った。オブライエンはノーグに、ボクタとアマロと一緒に行くように言う。だがボクタは平気ですといい、ノーグはチーフと、ガラックが敵を捕まえに行ってくれたから安心しましたという。2人は向かった。
医療室。コンピューターを操作し、アクセス却下、アクセス却下、ほかに言うことはないのかというガラック。しきりに首をかいている。ないらしいなという。近くで物音がした。2階からカーデシア人が降りてきた。アクセス却下、馬鹿の一つ覚えだというガラック。やってきた敵が医療室に入った時には、ガラックの姿はなかった。ディスラプターを構え、ゆっくりと中を歩く敵。保存チューブの近くを通りすぎる。その時チューブが開き、私にようかとガラックは言いディスラプターを発射した。その場に倒れるカーデシア人。いい気分だ、最高だなとガラックはいった。
ガラックはなぜセトリック3にこだわるんでしょうかというノーグ。怒らせたいんだろうというオブライエンに、でも手柄を立てたんでしょという。だからっていい思い出とは限らない、軍人だったとは言え人を殺したからなというオブライエン。何を言ってるんです、そんな御謙遜を、大勢殺したでしょうにという、戻ってきたガラック。どうやって入ってきた、ドアはロックしたのにというノーグに、開ける方法はいくらでもあるさ、素人でもないしという。これを見てください、ペチェッティが生きていればさぞかし喜んだでしょうと言いバッジをオブライエンに手渡すガラック。どこで手に入れたと聞くと持ち主からですという。敵を殺したんだねというノーグに、一人はね、もう一人だという。ところで戦士の死んだ体からサンプルを取り分析したところ、あまり嬉しくない結果が出ましたという。どうやら彼は大量の精神異常作用発動薬※25を飲まされていたようですとガラックは言った。なんでというオブライエン。わかりません、ただこの薬は人を好戦的にしますという。薬のタンパク質はカーデシア人のよそ者嫌いの性向を増幅させる。推測では軍部の実験に使われたのだと思います、高等司令部は兵士たちのモチベーションを高める方法を模索していたのでしょうというガラック。カーデシア人でない者を憎むよう薬を投与したのかというオブライエン。じゃあなぜあなたを襲ったんですと聞くノーグに、それはいい質問だねというガラック。実験が失敗したのかもしれない、手がつけられなくなって保存室に入れたとか、というオブライエン。ずっと仮説を立てるのもいいですがね、一度始めたことは早くやり終えてしまいたいというガラック。オブライエンは立ち上がり、ガラックに近寄った。何ですというガラックに、別人みたいだ、仕立て屋の顔じゃないというオブライエン。仕立て屋じゃありません、少なくとも今はねといい、ガラックは歩いていった。
昔ガラックにスーツを頼んで、できてきたら袖丈が長かったと話すボクタ。アマロは警護している。僕は怒って、ガラックにもう一度直させたというボクタ。何が言いたいんだというアマロ。あんな恐い男だと知っていたら怒鳴り込まなかったよ、ガラックは2人目も殺すかなというボクタ。アマロは2人目は俺が殺してやりたいと言った。気持ちわかるよというボクタ。ストルゾフは親友だった、アカデミーの同期さという。その近くには、ガラックがいた。汗をかき、また首をかいている。スパーリングのパートナーだった、初めて対戦した時女だから手加減してやろうと思ったもんさというアマロ。ガラックは敵のカーデシア人に気づいた。ノックダウンされてそんな考えはどっかに吹き飛んだよ、格闘技にかけちゃ男の俺もかなわなかった、彼女のワンツーは抜群だったなと話しているアマロ。ガラックは敵を追いかける。右でフェイントをかけてバックハンドで首へチョップが来る、いつもやられた、一度彼女の得意技を使ってやっつけたかったというアマロ。きっと喜んでくれたのにという。こいつが外れない、コイルスパナを取ってくれないかというボクタ。道具箱のところに座り、どんなやつだと聞くアマロ。端に2つ突起のあるやつだというボクタ。だが急に苦しんだ叫び声を上げ始めた。見るとカーデシア人が頭を踏みつけている。ボクタの声はしなくなった。アマロとカーデシア人が向き合う。その時カーデシア人は後ろから撃たれた。撃ったのはガラックだ。ボクタを見て首を振るアマロ。このコイルスパナを取ってくれといわれて、一瞬背を向けた隙に、という。ガラックはそれを取り、馬鹿をしたな、もっと馬鹿なことにはこれはコイルスパナじゃないといった。そして突然、それでアマロの腹を刺した。痛みに声を上げるアマロ。これはフラックスカプラさとガラックはいった。倒れるアマロ。ガラックはその場を離れた。

※25: psychotropic drug

オブライエンは作業が終わり、ボクタを呼ぶ。返事はない。アマロも同じだ。ノーグと共に向かう。
そこでは口から血を流しながら、痛みに耐えているアマロがいた。早くあいつを、というアマロ。落ち着け、あいつって誰だと聞くオブライエン。ガラックです、奴に刺されたといい、そのまま息を引き取った。何でガラックがこんなというノーグ。行こう、まだ近くにいるだろうというオブライエン。フェイザーを構え、歩き出す。だけどおかしいですよ、ガラックは味方でしょというノーグ。オブライエンはいや違うといい、薬の影響だといった。きっとガラックも薬に触れてしまったんだ、気づくべきだったというオブライエン。アマロをわざと挑発した時も、敵を殺しに出て行った時も変だったという。次は僕たちを殺しに来るというノーグ。説得したらどうでしょう、殺したくなるのは薬の影響だといえばという。アマロの殺し方を見ただろ、聞くはずがないさというオブライエン。ディフレクターグリッドをセットアップして、早くSOSを出しましょうというノーグ。オブライエンはガラックは計画を知っている、きっと邪魔するという。でもやってみないと、というノーグ。いや無理だ、SOSを打とうとしてもう4人の部下を失ったんだぞというオブライエン。ガラックの言う通り敵が襲ってきた時迎え撃つべきだったんだ、敵が来るのを待つのではなく自分から行くと言う。行こう、ガラックの後を追うんだというオブライエン。いたら殺すと聞くノーグ。ほかに方法がなければ殺すとオブライエンはいった。うなずくノーグ。進み始める。
どこかにあるのはわかってるんだぞ、ああ、そこにあったかというガラック。コミュニケーターを押し、ガラックよりチーフ・オブライエン、何が見つかったか教えてあげましょうかという。コトラのボードです、ステーションの司令官が残していったんですね、コマは散らばっていましたがテーブルの下で最後の一つを見つけましたという。それを聞いたオブライエンとノーグはすぐに歩き出した。どうです、まさに今のこの状況を象徴しているゲームだと思いませんかというガラック。2人の戦い、心も戦略も2つ、お互い相手を出し抜こうと敵の守りの穴を探しているという。前に出たり下がったりしながらというガラック。オブライエンは二手に分かれ、ノーグには通路から司令室へ、自分は司令官室から入ることにする。ただゲームと違っているところは生死がかかっているところだ、そのおかげで一層楽しめますがね、こんなに楽しい思いは何年ぶりかですよと笑うガラック。胸が高鳴り沸き立つ血が体中を流れています、生き返った気分だという。あなたもそうでしょう、チーフというガラック。オブライエンはコムバッジで合図を取った。扉を手で開け、中に入るノーグ。ガラックはいない。司令官室から入ってきたオブライエン。ノーグはテーブルに置かれたコトラを見た。オブライエンが司令室に入ろうとしたその時、扉が閉まった。フォースフィールドが張られ、それ以上入れない。中ではガラックがノーグにつかみ掛かった。フェイザーライフルを取られ、ガラックはノーグに銃を突き付けた。あなたの最後のコマを捕まえました、返して欲しければ私から取り戻してごらんなさいといい、ガラックはノーグを連れ歩いていった。


フォースフィールドが解除され、司令室へ入るオブライエン。コトラのボードをひっくり返した。チーフの番ですよ、どうします、攻撃か撤退か降伏かというガラックの声が聞こえてくる。薬のせいだ、負けるな、戦ってくれというオブライエン。戦う、最高の気分なのに、ゲームに心が躍るなんて何年かぶりですよといいながら、ノーグを縛るガラック。これはゲームじゃないというオブライエンに、ゲームです、ゲームというのはプレイヤーの人間性をあらわにするという。どこにいると聞かれるが、ガラックはノーグを人質に取った時私を殺したいと思ったでしょう、目にはっきり殺意が出ていましたよという。部下を無事に返して欲しいだけだというオブライエン。いやあなたは殺人鬼だ、私もです、品行方正な連邦士官の仮面の下には獣が隠れている、私と同じだというガラック。君とは違うというオブライエンに、同じです、セトリック3で何人カーデシア人を殺ました、10人、20人、100人という。覚えてないねというオブライエン。しかし気持ちは覚えているでしょう、これ以上カーデシア人に部下を殺させまいとうって出た時の気持ちというガラック。血には血を、敵を殺すのは楽しかったはずです、瞳から生気が失われていくのを見るのは快感だったはずだという。どうしても決着を付けたいならいいだろう、蹴りを付けよう、君と僕1対1でというオブライエン。それこそ望みです、プロムナードで落ち合いましょうというガラック。丸腰でなというオブライエンに、武器なしでという。向かうオブライエン。引き金を引きたい気持ちをどんなに我慢しているか、お前にはわかるまいといいノーグにフェイザーを向けるガラック。大事な人質だからなという。
オブライエンはプロムナードにやってきた。フェイザーのライトで前を確認しつつ、進む。急に前に人影が現れた。しかしそれは、吊られたストルゾフの遺体だった。横にはアマロやボクタたちのものもある。忠実な部下たちが応援していますよ、殺されてもあなたに恨みはないようですというガラックの声が聞こえてきた。私の支持者は少ないですがやはり忠実ですよ、丸腰でという約束でしょうという。ノーグに銃を突き付けたガラックが見えた。君だって持ってるだろと言われ、気づかなかったな、でも銃は必要ありませんね、銃を床にというガラック。君からだというオブライエンに、あなたからだ、でないとノーグとはお別れという。だめですチーフというノーグ。心配することはないさ、丸腰の相手は撃たない、それじゃ楽しくないというガラック。オブライエンは持ってたフェイザーライフルをゆっくりと床に置いた。もう1丁隠していませんか、後ろにというガラック。オブライエンはトリコーダーとフェイザーピストルも取り出し、一緒に置いた。いやはやこれだからというガラック。君の番だといわれ、正直すぐ撃ち殺したいところですがそれではせっかくの楽しみが味わえませんからねというガラック。銃を置いた。構えるオブライエン。2人は殴り合いを始めた。だがすぐに倒されるオブライエン。がっかりですよチーフ、あなたの目にあるのは血に飢えた輝きではなく、恐怖だけだというガラック。オブライエンは立ち上がるが、また殴られ、蹴られてしまう。情けない、とても軍人とは言えないていたらくだというガラック。その通り、僕はエンジニアさというオブライエン。そしてコミュニケーターを押し、脇へ逃げた。するとトリコーダーが反応し、フェイザーと共に爆発を起こした。吹き飛ばされるガラック。オブライエンはノーグに無事かと聞いた。自分は大丈夫ですというノーグ。ガラックに近づくオブライエン。ガラックは倒れたままだ。ガラックは死んだんですかと聞くノーグ。いいや、生きてるよとオブライエンはいった。
DS9の医療室。ガラックはベッドで寝ている。2、3日で元気になるよ、神経を冒していた例の薬はもう中和したからねと言うベシア。穏やかな顔だ、あの時とは別人みたいだよというオブライエン。ある意味別人さ、薬で攻撃本能が目覚め、人格を乗っ取ったわけだと言うベシア。自分でもどうしようもなかったろうという。話していいかと聞くオブライエンに、少しならというベシア。ガラックは目を覚ました。いろいろあったが無事にプラズママニフォルドは持って帰れたよ、今組み込んでるところだというオブライエン。任務完了ですねというガラックに、とはいえ全然計画通りには行かなかったがねという。事情聴取があるそうだというと、それはさっき聞きましたというガラック。一つお願いがあるんですというガラックに、事情を言えば大丈夫だというオブライエン。そのことじゃありません、本当に申し訳なかったと、アマロの奥様に伝えて欲しいんですというガラック。本当なら自分で言いに行きたいんですが歓迎されないでしょうからという。伝えておくというオブライエンに礼を言う。爆発で肋骨が2本折れていたんだってねというオブライエン。大したことありませんよ、フェイザーにもっと近かったら死んでいたかもしれませんしというガラック。正直に言うと殺す気だったというオブライエンに、ガラックはわかってますよと言った。それじゃまたなといい、オブライエンは部屋を出ていった。


・感想
DS9の姉妹ステーションがあったというのは突然登場したような設定で驚きましたが、ストーリーの根幹はそれではなくガラックとオブライエンの戦いでした。普段は温厚なガラックとは180度違い、全く手に負えなくなりますね。カーデシアとオブライエンの関係は、TNGの "The Wounded" などを見ていれば理解できると思います。


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