ヴォイジャー 簡易エピソードガイド
第133話「心に響く歌」
Virtuoso
イントロダクション
『艦長日誌、宇宙暦 53556.4。故障したコーマー※1船の修理をかってでた。コーマー人クルーは、軽傷を負っており、ドクターが治療している。』 医療室。男の異星人※2が怪我をしている。「私に近づくな!」 ドクター:「協力しないんなら治療できませんよ。」 「確かにこの船の医師の治療を受けると同意したが、こんな原始的なコンピューターマトリックスとは知らなかった。」 「原始的じゃありませんがね、ご安心を。」 「フン。」 「500万以上の治療方法がプログラムされてるんですから。」 「虫に血を吸わせたり?」 「いいえ。でもお望みなら喜んでやりますがね。」 女性のコーマー人がドクターに話しかける。ゆっくりと。「私達は、大丈夫。自分達の、船に、戻りたいの。あなたの、上司に、連絡して、もらえるかしら。」 通信するドクター。「ドクターより艦長。医療室へ。」 ジェインウェイ:『今向かってます。』 ドクターは女性の真似をし、身振りを交えながら応えた。「艦長が、今すぐ、ここに、来ます。よければ、艦長を待つ間、あなたが、そちらで、お待ちを。」 その場を離れるドクター。 女性は男性に言う。「何だかとても…イライラするプログラムね。」 男性:「そうだ、いっそ言語サブルーチンを停止してしまえばいい。」 コンピューターに触ろうとする男性。 ドクター:「勝手なことはやめて下さい!」 ジェインウェイが入る。「お客様はどう?」 ため息をつくドクター。「怪我は軽傷です。マナーの悪さはひどいもんですがねえ。」 「ドクター。」 男性:「我々の船の状況はどうなんだ。」 「それが実は…我々より高度なテクノロジーで苦労してるんです。」 「トラブルの原因は君達の船なんだ。古めかしいスキャン装置から発せられた信号のせいで、推進システムがダウンしてしまった。」 女性:「すみません、艦長。彼が失礼なことを言いまして。これまでほかの種族と交流がなかったものですから。特に劣った種族とは。」 ジェインウェイ:「修理は…あなた方の優れたテクノロジーでお願いします。」 男性:「先に傷の治療をしてもらいたいんだがねえ。このホログラム以外に治療できる者はいないのかね!」 「彼以上の適任はいません。」 ため息をつく男性。 女性:「仕方ないですわ。」 ジェインウェイ:「ご不自由をおかけしますが、ご辛抱のほどを。」 振り向いた時に表情を変え、出ていくジェインウェイ。 ドクター:「こちらへどうぞ。」 コーマー人がベッドへ向かう。ドクターは準備をしながら、何の気なしに歌を口ずさみ始めた。一斉に振り返るコーマー人たち。 声に出して歌うドクター。「線路は続くーよー、どーこまでもー。野ーを越え山越ーえー、谷越えてー。」※3 男性:「それは何だ?」 いつの間にかドクターのそばにコーマー人が集まっている。 ドクター:「これ? ハイポスプレーです。」 「いや、今していたことだ。」 「治療の準備ですよ。」 女性:「違う。声でしていたこと。」 「声って、歌ですか?」 「『歌』。」 男性:「もう一度頼む。」 「ええ、もう一度お願い。」 ドクターは微笑んだ。 |
※1: Qomar CC では種族名として Qomarian、公式サイトでは Qomari という表記も ※2: Abarca (Ray Xifo) 名前はセリフ中では言及されていません。声:辻村真人 ※3: 「線路は続くよどこまでも」 "I've Been Working on the Railroad" アメリカ民謡、佐木敏 作詞。なお、本編冒頭の「ダイナは誰かと一緒…」というのは原語での続きの歌詞です。参考 |
あらすじ
コーマー人は技術的には優れていたが、音楽を知らなかった。母星へヴォイジャーを招待し、食堂でリサイタルが開かれる。コーマー人はドクターの歌には大変興味を示すが、他人が弾く楽器などは面白くないらしい。 ドクターはコーマー星で歌うことになり、コンサート用に講堂の改造が行われる。衣装を変えたドクターは、ステージでコーマー人の大きな拍手を受けた。 ヴォイジャーにドクターへの大量のファンレターが送信され、船内にはコーマー人があふれかえる。小さなドクターが歌うホログラム装置を食堂で配り、医療室には仮病の患者が詰めかける。そしてコーマー人の女性はドクターに星に是非残るように頼むのだった。 ジェインウェイは反対するが、ドクターはコーマーに残ることを希望した。パリスに医療室を任せ、セブンと最後の挨拶をする。彼女はドクターが去ることに腹を立てていた。女性に呼ばれてコーマーへ行ったドクターは、そこで彼女が開発した優れたホログラムを目にする。 ドクターを元にして作られたそのプログラムは、より高い音域を出すこともできる。ドクターは自分も高い声を出せるよう、医療データベースを削除するようトレスに頼むが、そうすればあなたではなくなると言うトレス。ドクターはコーマーで最後のコンサートを見事にやり遂げたが、もはや彼へのコーマー人の興味は薄れ、高音で、しかも複数の歌声を同時に出せる新型ホログラムの方に盛大な拍手が送られる。ヴォイジャーへ戻ったドクターは復職願いを出した。セブンはドクターに、「私はあなたの忠実なるファンだ」というファンレターを渡す。セブン自身からのものだ。彼女が出ていった後、ドクターは再び歌を口ずさむのだった。 |
用語解説など
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感想
またもやドクターの歌が中心となったエピソード。ロバート・ピカードさん本人、吹き替えの中さん両方の歌に加え、多種多様なドクターの衣装も見所でしょう。 最後のセブンとのシーンも確かに感動的なのですが、なぜかとってつけたような印象を受けます。それでも、コーマーでの最後の歌の後にジェインウェイが一瞬涙を拭うといった描写はよくできていますね。 以前も書いたのですが、歌には是非字幕をつけてもらいたいものです。特に最後の「つばめは古巣へ」は、あるとなしでは印象がかなり違うと思います。とはいえイタリア語だから、米国の視聴者も必ずしもわかっているわけではないんですが…難しいところですね。 |
第132話 "Blink of an Eye" 「超進化惑星の煌き」 | 第134話 "Memorial" 「虐殺の記憶」 |