ヴォイジャー 簡易エピソードガイド
第26話「管理者サスピリア」
Cold Fire
イントロダクション
10ヶ月前、ヴォイジャーは管理者という名の生命体にデルタ宇宙域へ飛ばされた。管理者の死と共に地球へ戻る道は絶たれたが、ただ1つだけ望みが残されていた。もう1人仲間がいたが、昔出ていったと話す管理者。だがどこかにいる、彼女を探せと言った。※1 10ヶ月後。トゥヴォックの部屋で香が焚かれ、ケスとの精神融合が始まった。心を解放して周囲に耳を澄ませるんだ、思考や感情、艦内の全てとささやくトゥヴォック。何が聞こえると尋ねる。小さな、大勢の人の声が聞こえてきた。クルーたちの思考や感情だが、漠然としか感じ取っていないというトゥヴォック。1つを選び出し神経を集中する、オーケストラの演奏を聴きながら一つの演奏に耳を澄ませるようにと教える。聞こえてきたと喜ぶケスに、感情を抑えるんだ、常に平常心を保ってというトゥヴォック。失敗した時のことを気にする必要はないと忠告する。聞こえてきたのはニーリックスの考えていることだった。予想通りだ、彼とは感情面でつながっているから集中しやすいというトゥヴォック。ニーリックスは髪を切っているところのようだ。切り過ぎだと怒るニーリックスの心の声に、思わず笑ってしまうケス。トゥヴォックは手を放し、テレパシー能力を本気で高めたいと思っているなら激しい感情を抑制できるようにならなくてはという。笑っただけじゃないというケスに、明日はヴァルカンの感情抑制法を教えよう、そうすれば笑いたくても抑えられるという。ありがとうと礼を言い、ケスは出て行った。 ケスが医療室に入ってくる。遅刻だというドクターに、今日は訓練が長引いちゃってと謝る。昨日も一昨日もそうだったじゃないか、ヴァルカン人は意外と時間にルーズなんだなというドクター。明日からは遅れないように気をつけるからというケスに、成果はと尋ねる。今日は神経を集中する練習、予知能力の訓練、超越状態へ到達する方法も習ったと話すケス。楽しそうだねというドクター。かなり上達したっていわれたというケスに、ドクターは向き直り、上達することはいいことだという。ただ一つ心配なのは、その特殊な力が障害になって…と話していると、部屋に高い音が響きはじめた。音の発信源を探す。それは保管されていた、管理者の亡骸だった。揺れながら音を発している。ドクターがトリコーダーで調べるが、音も揺れも止まってしまった。 |
※1: VOY第1・2話 "Caretaker, Part I and II" 「遥かなる地球へ(前)(後)」より。このように映像を使って以前のエピソードの説明がされることは珍しいことです
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あらすじ
亡骸の塊は、管理者と同じスポロキスト型の生命体のエネルギーに共鳴して生命反応を出していた。管理者が言っていた仲間かもしれない。塊をコンパス代わりにして探す。トゥヴォックは驚異的な力を持っていた管理者のことを考え、対抗策としてスポロキスト型の毒物を作ることを始めた。塊の反応をたどると、人口建造物を発見した。管理者のアレイ型ステーションにそっくりだが、10分の1のサイズしかない。スポロキスト型生命体の反応はないが、内部には2,000人以上のオカンパ人がいることがわかった。通信するジェインウェイ。しかし基地からは威嚇攻撃され、相手のオカンパ人はすぐに立ち去れというのだった。 300年以上前にステーションは建てられており、ケスも惑星を出た仲間のことは初めて聞いたという。ケスが仲介役を務め、ステーションのオカンパ人のリーダー、タニスたちとの会合が始まる。タニスたちはヴォイジャーを死の船と呼び、管理者を殺した奴らだという。タニスはケスと2人きりで話すことを望み、水耕栽培室に案内するケス。タニスは自分が14歳であること、もう1人の管理者と同じ種族、サスピリアによってオカンパの能力を引き出されたことを話す。一瞬にして栽培室の植物を成長させてみせた。タニスはステーションでサスピリアとテレパシーで話し、少女はお前にやろう、それより船だとサスピリアは言った。 サスピリアは違った次元におり、必要としている時だけ実体化するとジェインウェイたちに話すタニス。タニスの協力でケスの能力を引き出す訓練が始まった。手を触れずにカップを動かしたり、さらには心の火を起こして冷めた飲み物を沸騰させることもできた。サスピリアとの会合場所に到着するヴォイジャー。ケスは液体を沸騰させる能力をトゥヴォックに見せるが、暴走して止めることができずにトゥヴォックの血液までも高熱にしてしまった。血を流し倒れるトゥヴォック。 トゥヴォックは助かったが、自分の力に恐怖を覚えるケス。栽培室でタニスはケスに生命の本質を感じる方法を教え、そしてケスは心の火を起こして植物を全て枯らしてしまう。これでヴォイジャーにいられないことがわかっただろうというタニスは、純粋な感情と思考だけが存在する亜空間へサスピリアに連れていってもらおうと誘った。 サスピリアと思われる反応を捉えた。だがサスピリアは直接機関室へ侵入し、占拠してしまう。ケスはステーションに行くか、まだ迷っていた。ジェインウェイが機関室へ行くと、1人の少女が泣いていた。サスピリアだ。ケスはサスピリアの存在を感じ、ヴォイジャーを破壊しようとしていることがわかった。サスピリアは管理者を殺したとして、恨みを持っていたのだ。本性を現したサスピリアは、ジェインウェイを苦しめ船の構造を破壊しにかかる。タニスはケスを無理矢理連れて行こうとし、ニーリックスを壁に打ち付けた。ケスは能力を使い、血を流し苦しみ出すタニス。同時にサスピリアもひるんだ。解放されたジェインウェイは用意しておいた毒物をサスピリアに撃った。傷付けるつもりはない、ただ故郷へ返して欲しいだけというジェインウェイ。だがサスピリアは本来の姿に戻り、タニスを連れて亜空間へ逃げて行った。タニスが消えると、ケスの特殊能力もなくなっていた。トゥヴォックによるケスの訓練は続く。 |
用語解説など
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感想
パイロット版で張られた伏線を元にし、さらにケスの秘められた能力 (さらに伏線となりますが) についても触れた好エピソードです。死にそうになりながらも全くケスを責めず、見守るトゥヴォックが彼らしいですね。 |
第25話 "Tattoo" 「天の精霊」 | 第27話 "Maneuvers" 「ケイゾンの謀略」 |