10ヶ月前、ヴォイジャーは管理者という名の生命体にデルタ宇宙域へ飛ばされた。管理者の死と共に地球へ戻る道は絶たれたが、ただ1つだけ望みが残されていた。もう1人仲間がいたが、昔出ていったと話す管理者。だがどこかにいる、彼女を探せと言った。※1
10ヶ月後。トゥヴォックの部屋で香が焚かれ、ケスとの精神融合が始まった。心を解放して周囲に耳を澄ませるんだ、思考や感情、艦内の全てとささやくトゥヴォック。何が聞こえると尋ねる。小さな、大勢の人の声が聞こえてきた。クルーたちの思考や感情だが、漠然としか感じ取っていないというトゥヴォック。1つを選び出し神経を集中する、オーケストラの演奏を聴きながら一つの演奏に耳を澄ませるようにと教える。聞こえてきたと喜ぶケスに、感情を抑えるんだ、常に平常心を保ってというトゥヴォック。失敗した時のことを気にする必要はないと忠告する。聞こえてきたのはニーリックスの考えていることだった。予想通りだ、彼とは感情面でつながっているから集中しやすいというトゥヴォック。ニーリックスは髪を切っているところのようだ。切り過ぎだと怒るニーリックスの心の声に、思わず笑ってしまうケス。トゥヴォックは手を放し、テレパシー能力を本気で高めたいと思っているなら激しい感情を抑制できるようにならなくてはという。笑っただけじゃないというケスに、明日はヴァルカンの感情抑制法を教えよう、そうすれば笑いたくても抑えられるという。ありがとうと礼を言い、ケスは出て行った。
ケスが医療室に入ってくる。遅刻だというドクターに、今日は訓練が長引いちゃってと謝る。昨日も一昨日もそうだったじゃないか、ヴァルカン人は意外と時間にルーズなんだなというドクター。明日からは遅れないように気をつけるからというケスに、成果はと尋ねる。今日は神経を集中する練習、予知能力の訓練、超越状態へ到達する方法も習ったと話すケス。楽しそうだねというドクター。かなり上達したっていわれたというケスに、ドクターは向き直り、上達することはいいことだという。ただ一つ心配なのは、その特殊な力が障害になって…と話していると、部屋に高い音が響きはじめた。音の発信源を探す。それは保管されていた、管理者の亡骸だった。揺れながら音を発している。ドクターがトリコーダーで調べるが、音も揺れも止まってしまった。
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※1: VOY第1・2話 "Caretaker, Part I and II" 「遥かなる地球へ(前)(後)」より。このように映像を使って以前のエピソードの説明がされることは珍しいことです
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