貨物室。 
 エアロックから出てくるイエイツ。「それで最後ね? キルビー※19に出発の最終チェックをお願い。」 
 応える部下。「了解。」 
 荷物を取るイエイツ。 
 そこへシスコがやってきた。早歩きでイエイツに近づく。「私が間違っていた。預言者の意思などどうでもいい。君と結婚したい。問題が起きたらその時だ。」 
 イエイツ:「…ベン、本気なの? また気が変わるなら今のうちに言って。」 
 「本気だ。君を愛してる。」 
 抱き合う二人。 
 イエイツ:「ああ…」 
 シスコ:「よし、急ごう。」 
 「どこに?」 
 「驚くぞう。」 
 笑うイエイツ。
  
 ベシアは上級士官室に入った。既にキラたちがいる。 
 オブライエン:「どうにか間に合った。」 
 ベシア:「僕も 20分前に聞いた。」 
 グラスを渡すクワーク。「俺もさあ。参ったぜえ。」 
 ベシア:「どうも。」 
 「…全く人騒がせな大佐だ。」 
 「エズリたちは、出られないな。」 
 オブライエン:「今頃 2人で、祝いの品でも探してるかも。」 
 キラはクワークの差し出すグラスを断った。 
 クワーク:「ノーグ※20、飲むか?」 
 オドー:「いつもなら、こういう式に出る時私の方が仏頂面を注意されるんですがね。……あの二人が、ベイジョーの式を取りやめたのはなぜでしょう。預言者たちが許してくれるといいが。」 
 キラ:「そうね。」 
 笛が鳴らされる。ノーグが吹く、ボースン・パイプだ。 
 ロス提督※21と話していたシスコ。 
 ドアが開き、ドレスを着たイエイツがいる。 
 出迎えるジェイク。「とっても綺麗だ。」 
 イエイツ:「ありがとう。」 
 オドーはノーグに言う。「よかったぞ。」 
 ノーグ:「数分しか練習してないわりには、でしょ?」 
 並ぶ列席者。 
 シスコとイエイツの間に立つロス。「諸君、私の最も楽しい任務の一つは、提督の特権で部下の結婚式に立ち会うことです。本日、キャシディ・ダニエル・イエイツ※22と、ベンジャミン・ラファイエット・シスコの結婚を執り行う名誉を授かりました。キャシディ、汝はこの男を夫として受け入れ、死が二人を分かつまで愛し続けることを誓いますか?」 
 イエイツ:「誓います。」 
 「ベンジャミン、汝はこの女を妻として受け入れ、死が二人を分かつまで愛し続けることを誓いますか?」 
 イエイツを見るシスコ。「…誓います。」 
 見守るキラ。 
 ロス:「この指輪は、二人の愛の象徴となる物です。そして生涯、今日の誓いを守るための証です。」 
 イエイツはシスコに指輪をはめた。「指輪に誓って、結婚いたします。」 
 シスコも指輪を受け取り、それをイエイツの指にはめていく。「指輪に誓って。」
  
 シスコの意識は飛んだ。心臓の鼓動。 
 預言者サラ※23:「この結婚は間違っていますよ、ベンジャミン?」 
 シスコ:「自分で決めたことだ!」 
 「お前の試練は近い。強くおなりなさい。」 
 「彼女は力の源だ。なぜわかってくれないんです。」 
 「強行すれば、悲しみが訪れるでしょう。」 
 「あなたが私の母親なら、愛という物をよくご存じのはずだ。キャシディがそばにいなければ私は幸せになれません。」 
 「お前の道は困難です。」 シスコを胸元に抱き寄せる、預言者サラ。「道を変えることは、できない。」 
 「わかってます。」 
 「…気をつけなさい、息子よ。」
  
 シスコの動きが止まっていた。 
 ロス:「ベン?」 
 シスコ:「…指輪に誓って。」 はめ終えた。「結婚いたします。」 イエイツの手を握る。 
 「惑星連邦の名によって、この二人が夫婦になったことを、ここに宣言いたします。」 
 拍手が起こる。二人はキスをした。 
 喜ぶ一同。
  
 ジェムハダー船。 
 ダマールがやってきた。「話がある。」 
 ウェイユン:「ああ…。」 
 「船がどこに向かっているのか、教えてくれ。」 
 「…もちろん。今お知らせしようと思っていたところでした。」 
 「どうだか。」 
 「ダマール、今まで状況を知らせず、誠に申し訳なかった。カーデシアのリーダーたるもの、当然我々の行動全て把握しておくべきです。きっと、お前も…喜んでくれるはず。」 ダマールの肩をつかむウェイユン。
  
 ブリーン船。 
 ウォーフはエズリを見ていた。 
 エズリ:「いい加減にして。…何なのよ。ずっと押し黙ったままで。」 
 ウォーフ:「……本気で君を信じたのが馬鹿だった。」 
 「…一体それどういう意味?」 
 「君は私と君自身の名誉を汚した。」 
 「…意識を失ってる時に何か口走った?」 
 「いつから彼にそういう感情を。」 
 「彼って?」 
 「ドクター・ベシアだ。」 
 「え?」 
 「尋問から戻って君は奴の名前を呼んだ。」 
 「ほんと?」 
 「ああ! 奴を愛しているとね。」 
 「ジュリアンを? 愛してると言ったの?」 
 「否定したってだめだ。」 
 「ああ…ウォーフ? …聞いて? ジュリアンが素敵だってことは私も認めるわ? …確かにとても魅力的な人だけど、私は別に…」 
 「愛しているんだろ?」 
 「違うわ!?」 
 「じゃあなぜ奴の夢を。」 
 「…夢は無意味だと言ったのはあなたよ?」 
 「思い出したよ。ジャッジアも奴に同じ思いを抱いていた。」 
 「彼女と比べるのはやめて!」 
 ブリーン人たちがやってきた。機械音で何かを告げる。
  
 転送で実体化するブリーン人とウォーフ、エズリ。 
 そこはウェイユン、ダマールのいるジェムハダー船だった。 
 ブリーン人に言うウェイユン。「やっとお会いできた。」 
 話すブリーン人。 
 ウェイユンは彼らの言葉を理解できるようだ。「手土産?」 ブリーン人の中にいる、ウォーフたちを目にする。「これはこれは。ようこそ。お前たちは歴史の目撃者だ。ドミニオンとブリーンの同盟誕生の、瞬間です。これで世界が変わる。」 
 ウォーフとエズリは顔を見合わせた。微笑むウェイユン。
 
 
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※19: Kilby
  
※20: Nog (エイロン・アイゼンバーグ Aron Eisenberg) DS9第165話 "Badda-Bing, Badda-Bang" 「アドリブ作戦で行こう!」以来の登場。声:落合弘治 
  
※21: Admiral Ross (Barry Jenner) DS9第166話 "Inter Arma Enim Silen Leges" 「闇からの指令」以来の登場。声:石波義人
  
※22: Kasidy Danielle Yates ミドルネームは初言及
  
※23: Sarah (Deborah Lacey) 前話 "Penumbra" に引き続き登場。声:羽鳥靖子
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