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ディープスペースナイン エピソードガイド
第173話「心の決死圏」
Extreme Measures

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・イントロダクション
ベシア:『医療主任日誌、宇宙暦 52645.7。キラ中佐、ガラック、オドーがステーションへ戻ってきた。最善を尽くしてはいるが、未だにオドーの病気を治す治療法は見つかっていない。』
医療室。
オドーはポッドの中に入っている。「残された時間は。」
トリコーダーを使うベシア。「何とも言えない。」
オドー:「大体の予想はつくはずです。」
「かも知れん。だがその前に言わせてくれ。一連のナディオン※1放射で病気の進行は遅れてきてる。」
「私は後どのくらい生きられるんですか。」
「1週間だ。もってもせいぜい 2週間だろう。」
「感謝します。キラに会わせて下さい。」
「くれぐれも言っておくけど、僕はまだあきらめてない。君もあきらめてもらっちゃ困る。」
「わかりました。お願いします。キラを呼んで下さい。」
ベシアは出ていった。
その後、キラがやってくる。椅子に座り、オドーに近づく。
手を握り合う二人。
キラ:「気分はどう?」
オドー:「良くなった。この、ジュリアン特製のベッドが、苦痛を和らげてくれます。」
「よかった。」
「…すぐに戻った方がいい。」
「私はどこにも行かないわ。ダマールとガラックがいれば、反乱軍はやっていける。」
「ダマールが…必要なのは、実際に反乱軍を組織し、戦ったことがある者です。あなただ。ガラックじゃない。」
「私はどこにも行かない。あなたとこうしていたいの。」
「私は、あなたに…行って欲しいんだ。」
「なぜ?」
「…あなたは、この同じ部屋で…バライルが死ぬのを見た。※2それがどれだけあなたを苦しめたか。あなたが覚えてる最期の私の姿が…死んでいく姿であって欲しくない。」
涙を浮かべるキラ。「…それは私が選ぶことよ?」
オドー:「そうかも知れん。私の望みを、あなたに…押しつけるのは、わがままなのかも。だがそれでもこの世で…最期に見るものが、あなたの…泣き顔では辛すぎる。」
「私はこう見えても感情を抑えるのは得意なの。…驚くわよ?」
「無理はしないで。行って下さい、ネリス。」
キラは涙を流した。「わかったわ。」
オドーの顔に手を触れるキラ。
オドー:「ああ…私は、その行為にふさわしい姿ではない。」
キラ:「どんな姿だろうと構いはしない。」
キラはオドーに口づけをした。キラの手に触れるオドー。
キラ:「言いたいことが、ありすぎて、何から言えばいいのか。」
オドー:「愛してるとだけ。聞きたいのはそれだけです。」
「…愛してるわ、オドー。」
「私も、愛してます。」

シスコに報告するオブライエン。「何度かテストを行った後で、ブリーン兵器の概略図を艦隊の技術部に送っておきました。もう予備報告がくる頃と。」
キラがやってきた。「そろそろ戻るべきかと思います。」
ガラック※3:「ええ、その通りです。ダマールのアジトを探す、ジェムハダーのパトロール船を避けねばなりません。グズグズしていると、パトロールルートを変えられてしまう。」
シスコ:「チーフ。彼らが発つ前に聞きたいことは。」
オブライエン:「ありません。必要な情報は揃ってます。」
「いいだろう。2人の健闘を祈ろう。」
礼をして医療室を出ていくガラック。
キラ:「感謝します。…ジュリアン。」
ベシア:「手は尽くすよ。」
振り返らずに去るキラ。
シスコ:「ドクター。私にできることはあるかね。ほかに艦隊医療部から、取り寄せたい情報は。」
ベシア:「いえ、ありません。もう全て揃ってます。」
オブライエン:「…大佐、実は治療法を研究する以外にも、ある手だてを講じてるんです。」
「マイルズ。」
「言った方がいい。」
シスコ:「チーフ、続けたまえ。何を隠してるんだ?」
ベシア:「…このステーションへセクション31 から誰かを来させようと、してるんです。」
「セクション31 と何の関係がある。」
オブライエン:「オドーが感染したのは彼らの責任だと考えています。」
「何?!」
ベシア:「オドーは今から 3年前、艦隊本部へ赴き、検査を受けた際に…感染させられたんです。」
オブライエン:「彼らはオドーがほかの創設者たちとつながるたびに、菌を広めることを狙ったんでしょう。」
シスコ:「…そんな馬鹿な。…連邦の一員ともあろう人間が、虐殺に手を染めるとは。なぜもっと早く報告しなかったんだ。」
「…報告すれば…」
ベシア:「マイルズは言いたがったんです、私が止めました。私の責任です。」
シスコ:「なぜ報告しなかったのかと聞いてるんだ!」
「証拠がないし、第一私たちの疑念を大佐が知れば、司令部に報告されるに決まってる。そうなれば、セクション31 が手を打たないわけがありません。事実はもみ消されます。」
「それで、進展はあったのかね。」
「はい、私一人の力ではどうにもならないことがわかりました。ここじゃ治療法は見つからない。そこで、マイルズと私はセクション31 に接近することにしたんです。数日前、私が治療法を発見したという偽のメッセージを、艦隊医療部に送りました。」
オブライエン:「連中がその事実を知れば必ず、その治療法を抹消しに来るはずです。ドミニオンの手に渡ることを恐れて。」
シスコ:「つまりこのステーションに、スパイをおびき寄せるわけだな。わかった。それが成功したとしたら…」
ベシア:「その人物を捕まえ、知っていることを全て聞き出します。関係者とか、もちろん治療法の隠されてる場所も。」
「どうやって聞き出すつもりだ。素直に話す連中じゃない。」
「ああ…実は、手に入れてあるんです。ロミュランの記憶スキャナーを、大佐。」
「ほう…。連邦は法律で使用を禁じている。それも私に報告しなかった理由の一つだな。」
「そうです。」
「たとえ…法律上や倫理上の問題を、脇へおいておくとしてもだ。…それにしても随分的が遠いなあ。」
「わかってます。でもオドーを救う方法はこれしかない。」


※1: nadion
原子核内の高速相互作用に関連した亜原子粒子。VOY第4話 "Time and Again" 「24時間の過去」でも言及

※2: DS9第59話 "Life Support" 「バライルの死」より

※3: Garak
(アンドリュー・J・ロビンソン Andrew J. Robinson) 前話 "Tacking into the Wind" 「嵐に立つ者たち」に引き続き登場。声:大川透

・本編
※4プロムナード。
オブライエンは、クワークの店にいるベシアに気づいた。独りでダーツをしている。
中に入るオブライエン。「眠れないのか?」
ベシア:「とても。」
「鍵は?」
「適当にこじ開けた。仕事かい?」
「相変わらずブリーン兵器のパワーテストだ。」 刺さったダーツを取るオブライエン。
「本を読んでも、同じページを何度も読み返してるだけでね。」
「何の本?」
「…『それは最高であり、最悪の時だった。』」
「二都物語※5。おふくろが好きだった。」
「僕も気に入ってる。でも今夜は、ほかのことが気になって。」
「オドーか。」
「セクション31 だ。何人の人間がオドーを病気にしたのかって考えてた。何人が関わったのかって。コンピューター技師、医者、保安部員、提督、記録係。少なくとも、73人は関わっていたよ。」
「…7万人とでも言い出すのかと思ったよ。」
力を込めてダーツを投げつけるベシア。「あの、秘密組織に! あの、連中に! 惑星連邦をめちゃくちゃにされてたまるか! 僕が壊滅させてやる。」
驚くオブライエン。「…俺もそれに異論はない。賛成だ。だが今は…オドーに集中しろ。彼を救うことに。それが先決じゃないか?」
ベシア:「…わかった。」
「もう休もう。」
「そうだな、だが気を抜くなよ。そろそろセクション31 が、罠を仕掛けてくる頃だ。」
「ああ、わかってる。」

ベシアの部屋。
ベッドの上のベシアは、目を開けた。「ライト。」
前と同じように、椅子にスローン※6が座っている。「やあ、ドクター。」
ベシア:「また会うとは思わなかった。」
「君に頼みがあってね。」
「へえ。」 本を横へ置くベシア。「それは偶然だな。実は僕も頼みが、あったんだ。」 コンピューターのボタンを押す。
その瞬間、スローンの周りにフォースフィールドが張られた。
スローン:「……状況を察するに私は、ショックを受け、同時に感心すべきかな?」
ベシア:「別に? どう感じようが結構。」 コミュニケーターに触れる。「こちらベシア。」
オブライエン:『どうした?』
「スローンがお見えだ。抑制フィールドを張ってある。」
『すぐ行く。』
「頼むよ。ベシア、以上。」
スローン:「狙いは何かね。」
「そりゃあんたと同じだよ。治療法だ、オドーの病気の。」
「何を言ってる。もう見つけたんだろ。」
ベシアは微笑んだ。
スローン:「…ほう…? そういうことか。医療部へのメッセージは餌だったというわけだ。」
フェイザーを調整するベシア。「飲み込みが早くて助かるよ。」
笑うスローン。「なるほど? 参ったね。…それで、この私をどうする気だ。保安部に突き出すというのなら、時間の無駄だぞ? 証拠はどこにもない。」
ベシア:「保安部にもどこにも突き出す気はない。安心しろ。」 フォースフィールドを解除する。
「じゃあ…」
だがスローンはベシアに撃たれた。気を失う。

目を覚ますスローン。ベッドに横になっている。
近くではベシアとオブライエンが作業していた。
手を挙げたスローンだが、やはり体の周りにフォースフィールドが張られていた。
その反応する音に気づくベシア。「起きたか。」
スローン:「いきなり撃つとは…随分、野蛮なやり方だ。」
「進んでそこに上がるとは思えなかったんでね。」
「確かにそうだな。やあ、チーフ。家族は元気か? みんな無事かな?」
オブライエン:「どういう意味だ。」
「別に? 何も起こらなきゃいいと思っただけだ。」
ベシア:「相手にするな、チーフ。君を動揺させる気だ。」
「気楽なもんだ。彼には心配すべき妻も子供もいない。信じろ、チーフ。私の身に何かあれば…」
「何だ? 家族を殺すか? 失望したよ、スローン。あんたがそんなこけおどしを使うとはな。」
笑うスローン。「それで? 何をされるのか当てた方がいいのか? それとも君の審判を待ってた方がいいのか。」
ベシア:「何もしやしないさ。オドーの治療法を見つけたいだけだ。それに協力してもらう。」
「なぜ私が知ってると思う。」
「あんたが来たのは僕が、治療法を見つけたと思ったからだ。それを抹消しに来た。つまり、治療法を知っているということだ。目的のものを抹消するには正確にそれを知っていなきゃならん。」
「…大した論理だなあ。治療法を抹消したければ、研究室ごと爆破してしまえばいい。」
「おいよせよ、スローン。それじゃずさんすぎる。あんたはもっと慎重な男だ。治療法を抹消しに来たからには、その頭の中に、僕が必要な情報があるはずだ。」
「私が話すと思うのか?」
「いいや? 死ぬまで抵抗し続けるだろうな。」
オブライエン:「いいぞ?」
ベシアは小さな機械を手に取る。「わかるか? ロミュラン精神探査機だ。あまり感心できる装置ではないが、効果は…非常に高い。」
スローン:「連邦は使用を禁止してるはずだ。」
「へえ、あんたの口からそんなセリフが出てくるとはな?」
額に探査機をつけられるスローン。「…私は、ほんとに治療法のことなんか何も知らないんだ。」 うろたえ始める。
ベシア:「それならそれでも構わない。」
「シスコがこのことを知ったら…」
オブライエン:「大佐は全てを知った上で、許可してくれた。」
「ジュリアン。オドーのことは気の毒に思う。だが、治療法を教えるわけにはいかん。創設者の手に渡る危険を冒すわけにはいかんのだ。」
ベシア:「もうその決断を下すのはあんたじゃない。」
「…君を誤解してた。無知な理想主義者だと思ってたが、君は危険な男だ。君のような考えは、連邦を破滅に導く。だから私のような人間が、守らねばならん。んん…」
突然、スローンは体を揺らし始めた。
ベシア:「クソ!」 フォースフィールドを解除する。
オブライエン:「どうしたんだ!」
「自殺を図った! 脳の神経遮断装置を起動させたんだ。手遅れになる前に早く何とかしないと。」 精神探査機を取り外すベシア。
「彼が死んだら?」
「オドーも死ぬんだ!」


※4: 公式サイトに、クワークがオドーと一緒にいる写真が掲載されています。脚本によれば、本来はこの前 (オープニング直後) に入るはずだったシーンのようで、撮影はされたもののカットされたみたいですね (日本語版だけのカットではありません)

※5: "A Tale of Two Cities"
チャールズ・ディケンズ作。1859年

※6: Sloan
(ウィリアム・サドラー William Sadler) DS9第166話 "Inter Arma Enim Silent Leges" 「闇からの指令」以来の登場。声:佐々木勝彦

静かになったスローン。
オブライエン:「容態は。」
ベシア:「今は安定してる。だが脳に相当の、ダメージを受けたのは確かだ。1時間以内に、大脳皮質の機能が停止するだろう。」
「治療法を隠すために、自殺まで図るとはなあ。」
「逃げられないと悟ったのさ。セクション31 の黒い秘密を外部に漏らすことは、どうしてもできなかったんだ。だが、まだ頭の中に治療法はある。」
「我ながら残酷だと思うけど、精神探査機を今使うことはできないのか?」
「記憶経路は遮断されてる。情報を盗ませないための手段だろう。だが、何とかして手に入れる方法があるはずだ。」
「もう安らかに死なせてやろう。」
「マイルズ。多重記憶翻訳機を作ろう。」 コンピューターに向かうベシア。
「つまり俺に多重記憶翻訳機を作れってことか?」

作業するオブライエン。「馬鹿げてるよ。」
ベシア:「いや、やる価値はある。」

何本ものケーブルを扱うオブライエン。「…さっきからパワーリレーやら位相コイルやらを散々つなぎ直させてるが、何のテストもしないでお前の思い通りに動く保証はないからな?」
ベシア:「テストならもう済んでるさ、僕の頭で!」

スローンの頭部に機械が取り付けられている。
ベシア:「…で、神経インターフェイスが僕の海馬に基本パターンを供給する。」
オブライエン:「…降参だ。これでもう 3回説明を聞いたが、サッパリわからん。」
「僕を信じてくれ。自信があるんだ。」
「だが、お前の意識がスローンの意識とつながったとして、その後どうなる?」
「彼が意識下で経験することが、僕が理解できるようなイメージや音に置き換えられる。つまりだ。スローンの脳にある神経経路が、僕には…本物の道やら廊下やら、そういう物に見えるんだ。」
「ほう、じゃあつまりお前は、『治療法』という宝物を探してその廊下をさまようわけか。」
「そういう単純な旅になるならいいけど、もっとシュールになるかもしれない。スローンの子供時代に迷い込んだりね。」
「…彼は…そのお前の存在に気づくのか?」
「やってみなきゃわからない。……この脳死に近い状態で、どれくらい意識が残っているものだろうか。」

頭につける機械を手にするオブライエン。「戻りは?」
ベシア:「遺伝子を強化したおかげで、自分の生体機能を制御できる。治療法を見つけたら、すぐ戻るよ。視床下部に血圧を 40%上げるように命令すれば、装置は自動的にリンクを解除する。」
「お前が正気を失ったら? あるいはまだ、意識がつながってるうちにスローンが死んでしまったら?」
「そりゃ最悪の場合は、死ぬだろうな。だがそんなヘマはしないさ。」
「俺も行くよ。」
「何?」
「聞こえたろ、議論の余地はないぞ? お前はスローンの頭の中に入るなんて考えた時点でイカレてんだ。正気の俺がついていくのが当然だろ?」
「…大佐に見つかるのが心配で、ついて来るんじゃないのか?」
「ま、それもある。」
「ベッドを用意しよう。」

ベッドに横になり、機械を操作するオブライエン。「時間は?」
ベシア:「スローンの脳は、43分で停止する。その間に治療法を探して、戻ればいい。アナライザー、オンライン。いいか?」
「嫌だけど、やるしかないだろ?」
2人は同時に機械を頭につけた。
その横にはスローン。
意識下に入る。

そこは DS9 のターボリフト内だった。
オブライエン:「ジュリアン。」
ベシア:「マイルズ。」
「ターボリフトだ。」
「そのようだな。」
「乗った覚えはないぞ?」
「ここは頭の中だ、忘れるな。」
「スローンのか。本当の俺たちは…ラボにいる?」
「そうだ。これは単なるイメージに過ぎない。」
「じゃどこへ行くんだ?」 音が大きくなってきた。
「わからない。だがこの調子ならすぐに着くさ。」 揺れるターボリフト。



ターボリフトのスピードが増す。
ベシア:「来てよかったろ!」
オブライエン:「こんなに楽しいとはな!」
急に静かになった。
ベシア:「で、どう思う?」
オブライエン:「止まったようだ。」
「ほんとに?」
「もしくはすごくゆっくり下がってるか。」
「手を離してみる?」
「…そうだな。…離せよ。」
「どうして。君が離せ。」
「よせよ。言い出しっぺはお前だろ?」
「わかった。じゃ同時に離そう。」
「3つ数えてな。」
同時に数える 2人。「1、2…3。」 手を離す。
ベシア:「ほらな。心配ないさ。」
オブライエン:「…してないさ。」
また動き出した。慌てて手をつかむ。
そして、また止まった。
オブライエン:「今度は何だ!」
ベシア:「いい質問だ。」
ドアが開いた。
そこには私服のスローンが立っていた。「ドクター。チーフ・オブライエン。ようこそ! 2人に会えて、嬉しい限りだ。」
ターボリフトから降りるベシア。「喜んでもらえてよかったよ。オドーの治療法を教えてくれれば、こっちも嬉しい。」
スローン:「もちろんそのつもりだ。拒否する気は毛頭ない。だがまず、会ってもらいたい人たちがいる。」
オブライエン:「悪いが時間に追われる身でね。」
「着いたばかりだ。…そうか。忘れてたよ。ここにいる間に私が死ねば君らも…死ぬことになる。…確かに、その事態は避けねばならん。急ぐとしよう。」
スローンの腕をつかむベシア。「治療法を聞くまで、どこにも行かん。」
スローン:「…わかった。そこまで言うなら…単純にヌクレオチドを配列させたものだ。Radodine... uh, lidestolinine... asporanine, adenine...」 異常に早口になり、何を言っているのかわからない。
オブライエン:「もう一回言ってくれ。」
「Lidestolinine, asporanine...」
ベシアはスローンを壁に押しつけた。「ふざけてる暇はないんだよ!」
スローン:「信じてくれ、私はほんとに言おうとしてるんだ。」
「じゃ早く言えよ。」
「言えないんだ! Lidestolinine, asporanine, adenine... わかったか? 私の一部が、言うのを拒んでいる。先にラウンジへ来てくれ。」
オブライエン:「言う通りにした方がいい。」
「君らが疑うのも無理はないが、治療法を知りたければ…信じてもらうしかない。時間がないぞ。」
「彼の言う通りだ。」
ベシアはスローンを離した。
スローン:「こっちへ。」
ついていく 2人。

廊下を歩くスローン。「落ち着け、死ぬのは私だ、君じゃない。」
オブライエン:「なぜここなんだ?」
「というと?」
「なぜあんたの頭の中がディープ・スペース・ナインになるんだ?」
「君らにくつろいで、欲しいからさ。」
ベシア:「なぜ。」
「客を迎える礼儀だろ。」
ドアを開けるスローン。
上級士官室ではパーティが開かれていた。
スローン:「諸君! ちょっと注目してくれ。しばらくの間、私の話に耳を傾けて欲しい。…今私はここに、友や家族と、最期の再開を果たすことができた。これを機に、私は愛する君たちに、謝罪をしたい。苦労をかけて、すまなかった。…私は人生の全てを、連邦を維持し、守るために捧げてきた。私が全力で遂行してきた責務は、常に何よりも優先された。両親より、妻より、子供たちより。」 それらしき人たちがいる。「私は秘密の世界に住み、破壊工作と、裏切りを続けた。私は人生の大半を、自分の行為を隠すことに、費やしてきたのだ。今、人生を振り返ってみても…何も残っていない。まるで存在してなかったようだ。…私は、君たち全員を欺いてきた。それだけじゃない。自分も欺いてきた。今更謝ったところで…罪は消えない。それでも、謝らずにはいられないのだ。私が死んでも、どうか泣かないでくれ。祝って欲しい。私は死をもって影の世界から抜け出し、ついに証明することができるのだ。生きていたことを。」
列席者から拍手が起こった。ため息をつくスローン。
一人の女性が近づく。「感動したわ、ルーサー※7。」 キスをする。
スローン:「…諸君。紹介しよう、妻のジェシカ※8だ。こちらはドクター・ベシアに、チーフ・オブライエン。彼らのおかげでここに来られた。」
「おかげでルーサーは救われましたわ。私も。正直言って彼との結婚生活は地獄でした。でも、お二人のおかげで、いい思い出に変わりました。」
オブライエン:「それはよかった。」
スローン:「ドクター、君が…教えてくれたんだ。…イデオロギーなど、人としての優しさに比べたら、何の価値もないことを。私たちは一体何者なのか、それを決めるのは信念じゃない。行動だ。」
ベシア:「そうとも。いや、ありがとう。こっちこそ、力になれて嬉しいよ。あ…もしよかったら…」
「オドーの治療法だろ? 喜んで教えよう。ジェシカ、君に預けといたパッドを貸してくれ。」
ジェシカ:「ああ、待って。ここにもってるわ。」 カバンからパッドを取り出す。
「ありがとう。これだ、ドクター。」
その時、スローンはフェイザーで撃たれた。叫ぶジェシカ。
撃ったのも、スローンだった。セクション31 の制服を着ている。「悪いな、ドクター。それを渡すわけにはいかん。」 歩いていった。
いつの間にか上級士官室には誰もいなくなっている。
オブライエン:「ジュリアン…」
ベシア:「僕に聞いたってわからないよ!」 ドアへ向かう。
開けると、向こう側はディファイアント内のような廊下になっていた。
廊下に入り振り向くと、既にドアは別のものになっている。
オブライエン:「やっぱりな。」
ベシア:「何が。」
「簡単に済むわけがない。」


※7: Luther
ファーストネームは初言及 (ルーサー・スローン)

※8: Jessica
(Jacqueline Schultz) ジェシカ・スローン

DS9。
並んだ 3人のベッド。
シスコ:「一体これはどういうことなんだ。」
エズリ:「わかりません。チーフにソニックシャワーの修理を頼んでおいたんだけど来ませんでした。…コンピューターに居場所を聞いて来たらこの状態でした。この人誰か知ってますか?」
「スローンだ。セクション31 で働いてる。」
「…ってことは、単なるメディテーションセラピーではありませんね。」
「そのようだな。」 連絡するシスコ。「シスコから医療室。」
『医療室です。』
「大至急、医療チームを第4研究室へ。」
『了解。』

廊下を歩くオブライエン。「もう何分経った?」
ベシア:「23分11秒だ。」 どのドアのスイッチを押しても開かない。
「ああ、まずいな。」
「治療法を見つけて戻るまで、20分もない。」
「全部鍵がかかってる。どこに隠すかはスローン次第だ。ひょっとしたらもう通り過ぎたかも。」
「何が言いたい。」
「奴が望まなきゃ治療法は見つからない。ここは奴の頭の中だ。」
※9の声が響いた。「お前たち! 止まるんだ。」 セクション31 のメンバーだ。
ベシア:「何か用か!」
「ここは立ち入り禁止だ。」
オブライエン:「他人の頭の中だもんな。」
ベシア:「…スローンを探してる。」
男:「スローンさんは今お忙しいんだ。」
「僕らには時間がないんだ。すぐにスローンに会わせ…」
ベシアは撃たれた。痛みに肩を押さえる。
オブライエン:「何をする!」
ベシア:「ほんとに痛いぞ!」
男:「奴は連邦を脅かした。」
オブライエンは男につかみかかるが、逆に殴られた。
フェイザーで腹部を撃たれる。それでも男を殴ると、倒れた。
男はそのまま消滅する。
オブライエンも座り込んだ。「あ…大丈夫か。」
ベシア:「大丈夫なもんか!」
「…おかしくないか? 現実の世界じゃないんだから、痛いわけがない。」
「スローンの意識が、僕らが本当の痛みを感じるよう、感覚刺激を送ってるんだ。だから本当に撃たれたように痛む。推測だけどな。」
「ああ…何となくわかった。あ…もうそろそろ戻った方がいいんじゃないか?」
「戻れない。」
「どういう意味だ。」
「やってみたんだが、視床下部が反応しないんだ。怪我のせいらしい。」
「…ちょっと待てよ、ここから出られなきゃ死ぬんだぞ!」
「わかってるさ! でも撃たれたんだ。体がそう思い込んでる。」
笑うオブライエン。「…信じられんよ。」
ベシア:「…すまない。」
「それで、これまでか?」
「そういうことだ。」
「……おい…ケイコに言っとけばよかった。…俺たちの計画を。」
「何でわざわざ。」
「俺がなぜこんなことをしなけりゃならなかったか知って欲しいんだ。」
「ケイコならわかってくれるよ。僕のためだって。」
「ああ…それがまずいんだよ。…彼女よく言ってた。お前とどっちが大事かって。」
「…何馬鹿なことを…」
「ハハ…だろ?」
「でも、僕の方が大事…かもな。」
「何? 正気かよ、ケイコは俺の妻だぞ、愛してる。」
「そりゃ当然だよ。君の奥さんだ。」
「ああ。」
「だけど、僕の方が大事だろって言ってるんだ。」
「いや、それはない。」
「…ケイコより一緒にいる。」
「仕事だからだろ?」
「趣味だって合う。」
「ジュリアン、いい加減にしてくれよ。」
「ダーツ、ラケットボール※10、ヴィックのラウンジ、アラモ砦、もっと続ける?」
「妻を、愛してる。」
「僕はエズリを、愛してる。」
「ほんとに?」
「ああ。」
「言ったのか。」
「まだだ。でも言う。」
「そうか。ヘ、いつ。」
「時がきたら。…だけど、君の方が…好きかな。ほら、僕は認めたぞ。」
「…ああ、そうだな。…俺は妻を愛してる。」
ベシアは光に気づいた。「あれは?」 廊下の奥が光っている。
オブライエン:「トンネルだ。」
「何の。」
「そりゃあ……あの世へ続くトンネルだよ。」
「へえ、あれが。何て言うか、もっと立派なトンネルかと思ってたけどな。」
「嘘だろ、おいおい冗談じゃないぞ。ここで、ただじっと死ぬのを待ってるわけには、いかない! ほら、立つんだジュリアン、しっかりしろ!」 立ち上がる 2人。
「ああ…」
「もう一探しだ。」 光と反対側に歩くオブライエン。
「何の意味がある。」
「自分の務めは最後まで果たせってことだよ。」
「トラヴィスとクロケットか。」
「最後のドアだ。」 ドアのスイッチを押すオブライエン。

ベシアは目を開けた。
ウォーフ:「大佐、ドクターが意識を回復しました。」
機械を外すベシア。「ああ…マイルズは。」
オブライエンも起きあがった。「大丈夫。」
シスコ:「目的の情報は手に入れたのか。」
ベシア:「いえ、残念ながら。もう一度戻ります。」
「スローンは死にかけてる。君も死んでもいいのか。」
「死なせません。絶対に。」 スローンの機械を外すベシア。「コルドラジン※11、10ミリグラム。」 部下から受け取る。
バンディ看護婦※12がモニターを監視している。「アルファ波が減衰しています。」
ベシア:「スティミュレーター。そう簡単に死なせはしないぞ。共鳴周波を上げろ、10%。」
「神経シナプスが、停止します。」
「わかってるさ! ニューロトロパン※13、50ミリ。起きろ、スローン。起きてくれ!」
「完全に停止しました。」
「見せろ!」 コンピューターにつく。
首を振るバンディ。シスコはウォーフに合図する。
ベシアに近づくウォーフ。「ドクター。もう無駄です。ドクター。」
ウォーフの手を振り払うベシア。
オブライエン:「もう終わりだ、ジュリアン。あきらめろ。」
ベシアは振り返った。「オドーも助からないっていうことだぞ。」


※9: Operative
(Tom Holleron)

※10: racquetball
壁にボールを当てるために小さなパドルを使用する、ハンドボールに似たスポーツ。DS9第31話 "Rivals" 「詐欺師エル・オーリアン星人」より

※11: cordrazine
強力な興奮剤。TOS第28話 "The City on the Edge of Forever" 「危険な過去への旅」など

※12: Nurse Bandee
(Kate Asner エドワード・アズナーの娘) 名前は言及されていません。DS9第142話 "Inquisition" 「記憶なきスパイ」で名前だけ言及された人物

※13: neurotropan

ベッドのオドーに伝えるベシア。「すまない、オドー。実に残念だよ。」
オドー:「わかってます、ドクター。あなたのせいじゃない。あなたはよくやってくれた。感謝しています。」
「まだ何か、僕にできることあるか。」
「ありがとう。でも今はただ独りにして下さい。」
「わかった。」 出ていくベシア。

医療室で待っていたオブライエン。「どうだった?」
ベシア:「…冷静だ。僕なんかより。」
「ああ…お互い少し、休もう。…ジュリアン。」
「いい、わかってる。そう、僕は手を尽くした。だがそれが何になる。」 ベシアは歩いていった。
オブライエンも続く。

自室のベッドの上に座るベシア。ため息をつき、読みかけの本を手に取る。
文章を読む。「『それは最高で…』」

本を読むオブライエン。「『最悪の時だった。』 書き出しの文だろ。」
ベシア:「それが 294ページに載ってる。」
「ミスプリじゃないか? また最初から始まってる。」
「ありえない。エズリに借りたんだ。その前はジャッジアので、彼女も確かに読んでた。」
「エズリと、本の貸し借りを?」
「そんなこと今関係ないだろ。」
「彼女がお前をからかったのかもしれない。」
「そんなことありえない。スローンだよ! まだ戻ってないんだ。」
「馬鹿な、ここは俺の部屋だぞ? ケイコも隣の部屋で寝てる。」
「いや寝てない。スローンにステーションへ戻ったと思わされてるだけだ。だから読みかけのところで最初に戻ってる。」
「294ページ以降を、まだ知らないというわけか?」
「だからスローンも書けなかった。」
「でもなぜこんなことを。」
「治療法に近づいてるんだ。」
「だとすると、目覚める前に入ろうとした…あの部屋だな。」
突然ステーション全体が揺れた。
オブライエン:「これは…」
ベシア:「もうすぐ、スローンの意識もなくなる。時間がない。」
ドアが開くと、あの廊下に通じていた。

2人は先へ進む。大きな揺れが続く。
ベシア:「ここだ。」
オブライエン:「確かか?」
「間違いない。」
ドアを開けると、中にスローンがいた。部屋の中には大量の紙が散らかっている。
数多くの機械も備えつけられている。
ベシア:「スローン。」
椅子ごと振り向くスローン。「…セクション31 へようこそ。」
ベシア:「来た理由はわかってるな。」
「まさか助けは期待してまいな?」
ベシアは置いてあるパッドを確認し始めた。
スローン:「そのパッドを調べなくていいのか。」
ベシア:「治療法が欲しいんだ。調査報告じゃない。」
「ただの調査報告じゃない。ジャレシュ・インヨー※14のだ。」
「前大統領の?」
「ああ、いかにも。」
さっき置いたパッドを手に取るベシア。「大変だ。内閣にもスパイがいる。」
オブライエン:「余計な気を散らすな?」 大量の紙を手にしている。
スローン:「この狭い部屋の中に、宝が腐るほど転がっているのだ。さて何が見つかるかな?」
ベシア:「クロノスの作戦について。マートク総裁に見せればきっと喜ぶ。」
オブライエンはパッドを手にした。「ジュリアン。見てくれ。」
ベシア:「ラドディン、ラデストロニン、アスポロニン、アデニン※15。これだ。」
部屋では爆発が始まる。
オブライエン:「早くここから出よう。」
ベシア:「待ってくれ。」
「どうして。」
「このファイルは、全て 31 に関するスローンの記憶だ。これさえあれば組織ごとぶっ潰せる。」 パッドを集めていくベシア。
「また来ればいい。」
スローン:「それは無理だ、チーフ。現実の世界には、こんな建物も部屋もない。我々には司令部などないのだ。…このファイルは、選び抜かれた人物の頭の中にしか存在しない。私がその一人だ。…本気でセクション31 を壊滅させたいのなら…チャンスは今しかない。」 死に近づいているようだ。
ベシア:「そうだ、せっかくのこのチャンスを見逃すわけにはいかない。」
オブライエン:「ジュリアン!」
「何だよ。」
「このままいれば、俺たちはここで死ぬ。俺たちが死ねばオドーも死ぬぞ!」
スローン:「私の全ての秘密が、君のものになるのだ。そう、望みさえすればな。」
「オドーには君が必要だ、それを忘れるな!」
ベシアはパッドを置いた。
スローン:「君は大きな間違いを犯してる、ドクター。」
ベシア:「そうは思わない。」 両手を自分の頭に当てた。
スローンは声をあげる。「ああ…」

スローンの意識から出たベシア。
エズリ:「ジュリアン? 大丈夫?」
ベシア:「エズリ。君はすごく…綺麗だ。」
照れるエズリ。
シスコ:「治療法はわかったか。」
ベシア:「そう思います。試してみなければわかりませんが。スローンは。」
「ほんの 2分前に死んだよ。君らも危険だった。」
オブライエンも起きた。「ジュリアン。今度誰かの頭ん中行く時は、独りで行けよな。」
ベシア:「わかった。」
ため息をつくオブライエン。

医療室。
ハイポスプレーをセットするベシア。「言っとくが、少々不快かもしれん。」
オドー:「痛みを伴うというんなら、そう言って下さい。」
「かなり痛みを伴うと思う。」
「わかりました。お願いします。」
首元に注射される。
うめくオドー。一旦表面が液体状になる。
そして体は元通りになった。確かめるオドー。
ベシアは微笑んだ。
オドー:「ああ…。」

またダーツを投げているベシア。
オブライエン:「オドーが完治するのは?」
ベシア:「形態マトリックスの回復に時間がかかる。それでも 2、3日で治るだろう。」
「ああ…ほーら、見ろよ。クワークの奴、こんないい酒隠しやがって。」 カウンターからボトルを取り出すオブライエン。
ラベルを見るベシア。「僕より古い。」
オブライエン:「何? …お前まだ子供だったのか。」
笑うベシア。グラスを掲げる。「尊敬すべき、大先輩に。」
オブライエン:「フン、嫌味だな。オドーに。」
口にする 2人。
ベシア:「ワーオ!」
オブライエン:「ほんとにワーオだ! …一つ聞くが、スローンの心に…もう少し長くいられたら、セクション31 をぶっ潰せたと思うか?」
「今となってはわからない。一つ確かなのは、スローンには確実に僕を止められる、切り札があったってことだ。だが奴はあること※16を、思いつけなかった。」
「何だよ。」
「君さ。マイルズ・エドワード・オブライエンに。」
「ヘヘ…友情に。」
また乾杯する。
オブライエン:「ワーオ…。ああ、そろそろ戻るよ。食事だ。ケイコが用意をしてる。」
ベシア:「夜中だぞ。」
「ああ、そうだ。いい女だろ?」
「そりゃあ、愛してるわけだ。」
「うーん、その通り。心から愛してる。」
ベシアはダーツを一本手にした。
戻ってくるオブライエン。「来るか?」
ベシア:「ぜひ。」
出ていく前に、ベシアは遠くからダーツを投げつけた。
それはダーツ盤の中央に、見事に突き刺さった。


※14: Jaresh-Inyo
2372年時点の連邦大統領 (議長)。グラゼライト人。DS9第83話 "Homefront" & 第84話 "Paradise Lost" 「地球戒厳令(前)(後)」に登場。いつの間にか交代したようです。なお原語ではベシアが "former President Inyo" と言っていますが、「ジャレシュ・インヨー」で一つの名前なので切り離せないはず…

※15: 順に radodine, lidestolinine, asporanine, adenine

※16: 吹き替えでは「それ」となっていて、意味が異なっています。ここで言う「切り札」は当然オブライエンではなく、最後のシーンでスローンが見せたセクション31 の数々のデータのことです。その誘惑に対してベシアを帰るように説得したオブライエンのことを、スローンは考えつけなかった…という意味になります

・感想
最終章 7話目ということで、今回もさぞサブレギュラーが大量に登場して、いくつもの並行ストーリーが進展すると思いきや…全く予想を裏切られました。実質的なゲストはスローンだけ、しかもレギュラーもベシアとオブライエンがほとんどで、登場する場面も DS9 ばかりです。人を食ったような低予算丸出しぶりが、このシリーズらしくて何とも痛快ですね。
スタートレックお得意の「精神世界」ものなので、スローンの意識に入れば予想もつかないような突飛なシーンが出るのかと思っても、それでもやはり DS9 という意地の悪さ (?)。せいぜいディファイアントのような通路が出てくるだけで、何もそこまで…と逆に笑ってしまいます。
精神ものは奇妙奇天烈な内容になってしまうことも多いのですが、比較的ストレートでした。最終章なのにこういうエピソードを入れてしまう懐の深さが良いです。


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