モノクロの映像。雷の後にタイトル画像が映される。"The Adventures of Captain Proton"。
ナレーター※1の声。『さあ、「キャプテン・プロトンの冒険」※2です。第18章「ケオティカの花嫁!」※3。悪の帝王ケオティカ※4はグッドハート※5嬢をさらった。クモ人間の女王※6、アラクニア※7へのいけにえなのだ。』
捕まっているグッドハートは、絹を裂いたような声で叫んだ。「キャーッ!」
笑うケオティカ。
ナレーター:『キャプテン・プロトンは遥か惑星X※8 を目指す。破壊の砦※9を潰すために。だがケオティカの死の光線※10が放たれた。船は炎に包まれて、危うしプロトン。』
ロケット船※11の中で、砦のてっぺんから船に注がれる光線の映像を観ている 2人。バスター・キンケードことキム。「こないだ炎に包まれてないぞ。予告編いつも間違ってるよな。」
そしてキャプテン・プロトンことパリス。「これで客を劇場に呼ぶんだよ。」
キム:「ハラハラさせてね。」
「古き良き時代。いいじゃないか。」 パネルを操作するパリス。「行くぞ。」
「OK、キャプテン。」
「さあ、ショーを始めようか。コンピューター、第18章を始めてくれ。」
音楽が演奏される。
キム:「通信が入っています。ケオティカからです。」
パリス:「映像化しろ。」
乱れた映像が鮮明になり、叫ぶグッドハートが映し出された。ケオティカは言う。『キャプテン・プロトンじゃないか。降伏しろ!』
パリス:「冗談じゃないね。ミス・グッドハートを放せばこのまま帰ろう。」
『それは無理だな。おまえの美しい秘書はクイーン・アラクニアにいけにえにして捧げると約束してあるのだ。』
また叫ぶグッドハート。
キム:「ただで済むと思うな。」
笑うケオティカ。『うーん、済ませるとも。一度は死の光線を逃れたようだが、今度はそうはいかぬぞ。』
映像が終わった。
キム:「武器を装填してる。」
パリス:「衝撃に備えろ。」
揺れる船。「命中だ。エンジン両方やられた。」
「舵取りジェット※12が故障してる。」
潜望鏡を覗きこむキム。地表が迫っている。「高度が落ちてるぞ!」
パリス:「着陸装置が動かない。捕まれ!」
大きな衝撃が何度も続いた後、静かになった。
キム:「ハッチを開ける。」
ハッチが開き、地面が見える。
パリス:「ここが惑星X だ。」
「どうなるんだっけ。」
「確か、ここでケオティカの兵士たちと戦って、奴らの制服を奪うんだ。そして洞窟から砦へ忍び込む。」 銃を手にする 2人。
「おい、捕虜の女の子が出てくるんじゃなかったのか。」
「焦るな。破壊の砦に忍び込んでる。ケオティカのハーレムだ。行くぞ。」
「ぴったりついてくよ。」
岩だらけの地表を歩くキム。「どっかで見たような感じだな。最後に行ったのどこだっけ。」
パリス:「水星の鉱山※13だったろ。」
「そっくりだ。」
「ハ、セットの使い回しさ。少なくともここには、噴火する火山はないよ。おー、見たまえ。あれが破壊の砦だ。」
遠くに大きな建物が見える。
キム:「でも、あんなとこまでどうやって上るの。」
「言っただろ、地下の洞窟からだよ…」
「地下の洞窟。それだ。」
突然辺りが揺れた。
キム:「火山はないんじゃないの?」
「ないよ。」
キムは何かに気づいた。「なあ、トム。」
頭上に色のついた光の塊のようなものが浮いており、音を発している。
パリスは言った。「どう見てもケオティカじゃないな。」
|
※1: ドクター役の中博史さんが兼任
※2: "The Adventures of Captain Proton" ホロデッキプログラム名。VOY第95話 "Night" 「暗黒の汚染空間」など
※3: "Bride of Chaotica!" 原題
※4: Chaotica (Martin Rayner) ケオティカ博士 (Dr. Chaotica)。VOY "Night" 以来の登場。声:小室正幸
※5: コンスタンス・グッドハート Constance Goodheart VOY "Night" 以来の登場。エキストラ扱い
※6: 蜘蛛人間の女王 Queen of the Spiderpeople 「クモ人間族の女王」と訳されている個所もあり
※7: Arachnia クイーン・アラクニア Queen Arachnia
※8: Planet X
※9: Fortress of Doom
※10: 死の光線銃 death ray
※11: rocket ship
※12: steering jet
※13: Mines of Mercury VOY "Night" でも言及 (「水星」とだけ吹き替え)
|