ヴォイジャー 簡易エピソードガイド
第106話「侵略されたホロデッキ」
Bride of Chaotica!
イントロダクション
モノクロの映像。雷の後にタイトル画像が映される。"The Adventures of Captain Proton"。 ナレーター※1の声。『さあ、「キャプテン・プロトンの冒険」※2です。第18章「ケオティカの花嫁!」※3。悪の帝王ケオティカ※4はグッドハート※5嬢をさらった。クモ人間の女王※6、アラクニア※7へのいけにえなのだ。』 捕まっているグッドハートは、絹を裂いたような声で叫んだ。「キャーッ!」 笑うケオティカ。 ナレーター:『キャプテン・プロトンは遥か惑星X※8 を目指す。破壊の砦※9を潰すために。だがケオティカの死の光線※10が放たれた。船は炎に包まれて、危うしプロトン。』 ロケット船※11の中で、砦のてっぺんから船に注がれる光線の映像を観ている 2人。バスター・キンケードことキム。「こないだ炎に包まれてないぞ。予告編いつも間違ってるよな。」 そしてキャプテン・プロトンことパリス。「これで客を劇場に呼ぶんだよ。」 キム:「ハラハラさせてね。」 「古き良き時代。いいじゃないか。」 パネルを操作するパリス。「行くぞ。」 「OK、キャプテン。」 「さあ、ショーを始めようか。コンピューター、第18章を始めてくれ。」 音楽が演奏される。 キム:「通信が入っています。ケオティカからです。」 パリス:「映像化しろ。」 乱れた映像が鮮明になり、叫ぶグッドハートが映し出された。ケオティカは言う。『キャプテン・プロトンじゃないか。降伏しろ!』 パリス:「冗談じゃないね。ミス・グッドハートを放せばこのまま帰ろう。」 『それは無理だな。おまえの美しい秘書はクイーン・アラクニアにいけにえにして捧げると約束してあるのだ。』 また叫ぶグッドハート。 キム:「ただで済むと思うな。」 笑うケオティカ。『うーん、済ませるとも。一度は死の光線を逃れたようだが、今度はそうはいかぬぞ。』 映像が終わった。 キム:「武器を装填してる。」 パリス:「衝撃に備えろ。」 揺れる船。「命中だ。エンジン両方やられた。」 「舵取りジェット※12が故障してる。」 潜望鏡を覗きこむキム。地表が迫っている。「高度が落ちてるぞ!」 パリス:「着陸装置が動かない。捕まれ!」 大きな衝撃が何度も続いた後、静かになった。 キム:「ハッチを開ける。」 ハッチが開き、地面が見える。 パリス:「ここが惑星X だ。」 「どうなるんだっけ。」 「確か、ここでケオティカの兵士たちと戦って、奴らの制服を奪うんだ。そして洞窟から砦へ忍び込む。」 銃を手にする 2人。 「おい、捕虜の女の子が出てくるんじゃなかったのか。」 「焦るな。破壊の砦に忍び込んでる。ケオティカのハーレムだ。行くぞ。」 「ぴったりついてくよ。」 岩だらけの地表を歩くキム。「どっかで見たような感じだな。最後に行ったのどこだっけ。」 パリス:「水星の鉱山※13だったろ。」 「そっくりだ。」 「ハ、セットの使い回しさ。少なくともここには、噴火する火山はないよ。おー、見たまえ。あれが破壊の砦だ。」 遠くに大きな建物が見える。 キム:「でも、あんなとこまでどうやって上るの。」 「言っただろ、地下の洞窟からだよ…」 「地下の洞窟。それだ。」 突然辺りが揺れた。 キム:「火山はないんじゃないの?」 「ないよ。」 キムは何かに気づいた。「なあ、トム。」 頭上に色のついた光の塊のようなものが浮いており、音を発している。 パリスは言った。「どう見てもケオティカじゃないな。」 |
※1: ドクター役の中博史さんが兼任 ※2: "The Adventures of Captain Proton" ホロデッキプログラム名。VOY第95話 "Night" 「暗黒の汚染空間」など ※3: "Bride of Chaotica!" 原題 ※4: Chaotica (Martin Rayner) ケオティカ博士 (Dr. Chaotica)。VOY "Night" 以来の登場。声:小室正幸 ※5: コンスタンス・グッドハート Constance Goodheart VOY "Night" 以来の登場。エキストラ扱い ※6: 蜘蛛人間の女王 Queen of the Spiderpeople 「クモ人間族の女王」と訳されている個所もあり ※7: Arachnia クイーン・アラクニア Queen Arachnia ※8: Planet X ※9: Fortress of Doom ※10: 死の光線銃 death ray ※11: rocket ship ※12: steering jet ※13: Mines of Mercury VOY "Night" でも言及 (「水星」とだけ吹き替え) |
あらすじ
ホロデッキのプログラムを終わらせることも、外部と通信することもできない。ヴォイジャーはワープ航行が中断されてしまった。層状の亜空間にはまってしまい、通常エンジンでも抜け出せない。ホロデッキ内の歪みは数が増え、大きくなっている。パリスたちは転送で外に出ることができた。プログラムがいまだ稼動中のホロデッキでは、歪みからスーツ姿の男たちが形成された。同類の光子生命体を探しに別次元から来たという、彼ら 2人を捕まえたケオティカ。処刑といって一人は殺され、もう一人は逃げ去った。ケオティカは戦争のため「死の光線銃」を準備させる。 3日が過ぎ、レプリケーターなどのシステムに影響が及んでいるため、クルーは不都合な生活を強いられていた。スラスターで亜空間からゆっくりと抜け出る作戦が取られるが、うまくいかない。ホロデッキにエネルギー反応があり、向かうパリスとトゥヴォック。ケオティカのロボットから情報を得て、ケオティカが亜空間に棲むエイリアンと戦争を行っていることが判明した。そしてスーツ姿の男が、パリスたちの前に姿をあらわした。 彼によると、ケオティカは既に 53人の光子生命体を殺していた。トゥヴォックは自分たちが炭素ベースの生命体と説明するが、理解してもらえない。ホロデッキを出たパリスたちは対応策を話し合う。まず光子ベースであるドクターに協力してもらうこと、そしてケオティカを倒すことが必要だ。ケオティカの死の光線銃を破壊するためには、彼の砦を守っている「雷シールド」を内部から停止する必要がある。ケオティカが愛していると設定されているキャラクター、クモ人間の女王、アラニクアを演じて潜入するのが最良だ。そして白羽の矢が立ったのは、ジェインウェイ。パリスのレクチャーを受け、ジェインウェイはクイーン・アラクニアとなってケオティカの前に現れた。 アラクニアを演じ切り、ジェインウェイは男に嗅がせれば自分の言いなりになるという「フェロモン」の器を手に入れた。アラクニアの軍を砦に入れるためという理由で、雷シールドを下ろすようにケオティカに頼む。「地球の大統領」を演じるドクターは光子生命体と接触し、キャプテン・プロトンに全てを任せるように説得させた。ジェインウェイはプロトンの船がケオティカを攻撃してくることを知り、兵士の銃を奪ってシールドを解除させるようにケオティカに命じる。しかし逆に拘束されてしまった。 ジェインウェイは切り札であるフェロモンを使い、ケオティカの部下に自分を解放させ、銃を奪った。ケオティカに雷シールドを下ろさせ、そして彼を撃つジェインウェイ。パリスの船から破壊ビームが死の光線銃に浴びせられ、ケオティカもビームを受ける。ヴォイジャーは亜空間から開放され、通常空間に戻ることができた。ケオティカは必ず復讐すると言い残し、息を引き取った。通信機の画面上に表示される「ジ・エンド」の文字。しかしその後に、「?」マークと共にケオティカの笑い声がこだました。 |
用語解説など
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感想
細かいところを言えば不可解だったりする個所はあるのですが、そういうことを考えずに (考えると駄目な) 楽しめる娯楽作ですね。音楽や画面の切り替わりを「観て楽しむ」作品といえます。ジェインウェイ (マルグルー) の「クイーン・アラクニア」の演技は見事です。 |
第105話 "Latent Image" 「ドクター心の危機」 | 第107話 "Gravity" 「ブラックホールと共に消えた恋」 |