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ヴォイジャー 簡易エピソードガイド
第108話「夢を食う謎のワームホール」
Bliss

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・イントロダクション
小さな船がエネルギー武器を発射する。その船に向かって、反対側から稲妻状の攻撃が注がれる。
船の中はひどく損傷しており、一人の年老いた異星人※1がいきまいている。「あー! 参ったか。」 椅子に座る異星人。
「おかしいな。そう慌てるなって。今こっちから突っ込んでやるぜ。」 前方の窓から、大きく広がる口のようなものが開いているのが見える。 「あ? 俺の心が読めんだろ?」
攻撃を受ける。「わかったよ。来るなら来い。食えるなら食ってみろ。えー、クソったれめ。もちこたえてくれえ。」
叫ぶ男。巨大な口の中へ入っていく船。

※1: (W・モーガン・シェパード W. Morgan Sheppard TNG第32話 "The Schizoid Man" 「コンピューターになった男」のアイラ・グレーヴス博士 (Dr. Ira Graves)、映画 ST6 "The Undiscovered Country" 「未知の世界」のクリンゴン人司令官役) 声:辻親八、TNG/DS9 オブライエンなど

・あらすじ
ヴォイジャーは地球へつながるワームホールを発見した。プローブで調査が行われる。デルタ・フライヤーでパリス、ナオミと共に帰還したセブンは、ワームホールに浮き足立つクルーを目にする。ニュートリノのレベルが異常であるが、ワームホールの向こう側から届いた宇宙艦隊のメッセージによれば、それは気にする必要がないのだという。さらに続々とクルーに宇宙艦隊からの吉報が届く。セブンはアクセス制限がかけられていた艦長日誌を読み、ジェインウェイも最初はワームホールに疑いをもっていたものの、次の日誌の補足では既に本物だと信じていることがわかった。ニーリックスや、一緒にシャトル任務に出ていたパリスさえも喜んでいる。セブンはドクターを起動し、クルーを調べるように頼んだ。ヴォイジャーはワームホールに近づき、そして地球の映像を受け取った。
天体測定ラボで独りで調査を行うセブンは、ワームホールの内部にセンサーでは引っかからなかった宇宙船があるのを見つけ、呼びかける。相手は、あの年老いた異星人。帰れ、お前らはだまされていると言う男。だがパワーを節約するという理由から、トゥヴォックによってラボの通信が切られてしまった。何者かに操られていると警告するセブンだが、トゥヴォックは天体測定ラボへの出入りを禁じた。貨物室に戻ったセブンは、ナオミが隠れているのを見つけた。彼女も影響を受けていないのだ。また、医療室のドクターは、ワームホールがホログラムに影響するということでオフラインになっていた。さらにセブンのボーグ・インプラントが停止されられることになる。
ワームホールは目前だ。セブンは貨物室で、インプラントが停止される前にフォースフィールドを張った。ナオミの助けを借りてフェイザーを手に取り、機関室へ転送する。機関部員を麻痺させ、エンジンを止めようとするが、ジェインウェイの操作によって電磁流がセブンを直撃し、気を失ってしまった。ワームホールの中へ入るヴォイジャー。しかし実際には巨大な生物であり、口がふさがれてしまう。スクリーンではワームホールにしか見えていない。
クルーは皆、地球へ帰還したイメージを見せられたまま、眠ってしまった。妻と出会う幻想を見るトゥヴォックも同様だ。依然影響を受けていないナオミは機関室へ向かい、セブンを起こす。直径 2,000キロ以上の生命体の中にいることが判明し、あの異星人、クワタイと連絡をとる。ヴォイジャーを夢だと信じないクワタイを説得し、転送して事情を聞く。巨大生命体はテレパシーによって乗組員をだまし、船を誘い込んで食べるのだというクワタイ。彼は内部から神経部を攻撃しようとしたものの、逆に胃袋へ誘い込まれたのだった。クワタイは長年に渡り、この「モンスター」を追っているのだ。
ドクターを起動させ、脱出法を探る。生命体のテレパシーが非常に強いため、他のクルーを起こすことはできない。クワタイの 3,000人の仲間も、39年前に生命体に食われてしまった。クワタイは殺す方法を提案するが、ドクターは生命体の生理機能を利用して体外へ排出させることにした。クワタイの船と協力し、作戦が始まる。効果があり、2隻とも外に出た……はずだったが、それはセブンが生命体にだまされていたのだ。もう一度実行され、今度は本当に体外へ排出された。目を覚ますクルー。クワタイは再び、モンスターの中へ入っていった。


・用語解説など
パリスの階級を全て「中尉」と誤訳しています。原語ではもちろん少尉といっているのですが、謎です

ナオミが VOY第99話 "Once upon a Time" 「火山惑星からの生還」でニーリックスにもらった、フロッターのぬいぐるみを持っています

キムとパリスのセリフに出てくる異星人は、訳されていないものにマロン人やカーデシア人があります

"I'm a doctor, not a dragon slayer." 「私は医者だ、ドラゴンバスターじゃない。」

セブンのセリフ 「船体の能率がまた 30%落ちた」は 13%の誤り

セブンが閲覧した艦長日誌と、最後のシーンの宇宙暦が「52542.3」で全く一致しています。

ナオミ・ワイルドマン
Naomi Wildman
(スカーレット・ポマーズ Scarlett Pomers) VOY第105話 "Latent Image" 「ドクター心の危機」以来の登場。声:永迫舞
タペル
T'Pel
(Marva Hicks) 惑星ヴァルカンの市民で、トゥヴォックの妻。VOY第24話 "Persistence of Vision" 「ボーサ人の攻撃」以来の登場。セリフ・クレジットなしのエキストラ扱い

セクター001
Sector 001
太陽として知られる G2型恒星と、地球などの 9つの惑星を含んだ領域。TNG第74話 "The Best of Both Worlds, Part I" 「浮遊機械都市ボーグ(前編)」など
クラス5 のプローブ
第5級探査機 class-5 probe
中距離偵察用探査機。TNG第136話 "Chain of Command, Part I" 「戦闘種族カーデシア星人(前編)」など
デューテリウム
重水素 deuterium
核に陽子と中性子を一つずつ、その周りに一つの電子が回っている水素の同位元素。TNG第130話 "Relics" 「エンタープライズの面影」など
ボイラン
Boylen
階級は乗組員 (訳出なし)
ホワイト
White
マーク
Mark
マーク・ジョンソン (Mark Johnson)。ジェインウェイと恋仲だった男性。VOY第83話 "Hunters" 「宇宙の闇に住む狩人」など
クラウディア・ハンセン
Claudia Hansen
実在するかは不明
ランチュアナ・セクター
ランチュアナ星域 Lan'tuan Sector
カディス・コット
Kadis-Kot
盤上で遊ぶゲーム。VOY第101話 "Infinite Regress" 「遥かなるボーグの記憶」より
(イシュメイル)
Ishmael
(エイハブ)
Ahab
イシュメイルと共に、ハーマン・メルヴィル作「白鯨」の登場人物。ドクターがクワタイをエイハブ船長にたとえて "An Ishmael to your Ahab?" 「エイハブとイシュメイルか?」と言っていますが、「生涯を復讐に捧げるか?」としか訳されていません。映画第8作 "Star Trek: First Contact" 「ファースト・コンタクト」でも言及

・感想
セブンとナオミとドクターという、ヴォイジャーの黄金トリオによるエピソード。帰れたとした時の様子が垣間見れたりして、結構見ごたえがあります。ということは、実際の最終回では今回出たような地球側の対応はないということでしょうか…?
いつも通りセブンとナオミに集中しすぎているのは残念ですが、原語でもあるように「エイハブ」なクワタイといい、ワームホールとモンスターの描写といい、面白い話でした。


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