USS Kyushuトップに戻る

ヴォイジャー 簡易エピソードガイド
第131話「愛しのフェア・ヘブン」
Fair Haven

dot

・イントロダクション
※1機関車が到着した。荷物を運ぶ人々。駅の名前は、「フェア・ヘブン※2」。
遠くに山の見える街。馬車が通る。掃除をしている女性。
人々に声をかけながらやってきたのは、帽子を被ったパリスだ。満足げに息を吸う。「ハー。」
女性が挨拶する。「おはよう、トム。」
「おはようございます、グレイス※3さん。」
※4が声をかけてきた。「おや、どこ行くんだい?」
パリス:「サリヴァンの店※5さ。一緒にどうだい。」
「付き合いたいがちょいと問題が起きてね。」
「ああ、そりゃ残念。」
「いいかね、トミー、ミー・ボーイ。主は素晴らしい妻を授けて下すった。出会った日のことは忘れんよ。あれはドーリン※6の市に行くところだった。いや、キルキー※7だったかな。今キルキーじゃ、いいマス※8が釣れるそうだ。」
「誰がそんなこと言ったんだ?」
「ティモシー・ライアン※9さ。神のご加護で奴は釣りに夢中なんだ。でもライアンは半月も釣りをしていない。風邪だと言うが、怪しいな。かみさんに呪いをかけられたんだ。」
「それで、あんたはどうしたの?」
「わしんとこは…ちょいと不運に見舞われてな。この世にいい女はいないもんだな。」
「女房に逃げられたか?」
「頼むよ、恵んでくれないか。」
「いくらだ。」
「ほんの 1シリングか 2シリングあれば十分だ。」
「とっとけ。」 金を渡すパリス。
「きっと神の恵みがあるぞ!」 男は歩いていった。
「はあ。」
パリスは何かに気づいた。

女性と楽しそうに話していたキム。背広を着ている。パリスが話しかける。「ハリー! サリヴァンの店に行く約束だろ。」
キム:「ああ…ごめん。ちょっと花に見とれてて。すまん。こちらはマーギーだ。」
「知ってる。ちょっと失礼するよ。」
マーギー※10:「楽しかったわ、ハリー。」
キム:「僕もさ。」
歩きながら、ため息をつくパリス。
キム:「どうしたんだ?」
「忠告しておく。マギー・オハローランには近づくな。彼女、でっかい熊手をもった養豚家と付き合ってる。」
「妹いたっけ?」
「いないさ。」
「あー、じゃあホロマトリックスをちょっと調整してくれよ。」
「いやだめ。変えるつもりはない。フェア・ヘブンは今のままで完璧だ。」
「だったら、妖精※11を作ってくれないか?」
笑うパリス。「だめだ。妖精もだめ。異星人もだめ。宇宙船もね。俺はクルーが癒される街にしたいんだ。」
自転車でやってきたドクターがベルを鳴らす。「やあ、諸君。」 黒い服装をしている。
パリス:「神父。面白い懺悔はあったかい?」
「私には守秘義務がある、ミスター・パリス。」
「わかった。サリヴァンの店に入るところだけど、ドクターもどう?」
「お供しよう。どっちにしろ、1時には教会に戻らないと。」
「救急かい?」
「そうじゃない。日曜のミサのために説教を考えるんだよ。罪深い君たちも、必ず顔を出すように。」
笑みを浮かべるマーギーを見つめていたキム。
パリス:「冗談だろ?」
キム:「彼を神父にしたのは君だ。」
「ハー。」 3人は店に入った。

※1: 明らかに VOY第86・87話 "The Killing Game, Part I and II" 「史上最大の殺戮ゲーム(前)(後)」でもホロデッキプログラムとして使われた、ロサンゼルス、ユニヴァーサルスタジオの「ヨーロッパの街路」で撮影されています

※2: Fair Haven

※3: Grace
(Duffie McIntire) 名前は訳出されていません

※4: シーマス Seamus
(リチャード・リール Richard Riehle TNG第125話 "The Inner Light" 「超時空惑星カターン」のバターイ (Batai)、ENT第81話 "Cold Station 12" 「コールド・ステーション」などのジェレミー・ルーカス (Jeremy Lucas) 役) 後にも登場。声: 渡部猛、TNG クンペックなど

※5: Sullivan's

※6: Dooleen

※7: Kilkee

※8: 鱒 trout

※9: Timothy Ryan

※10: マーギー・オハローラン Maggie O'halloran
(Henriette Ivanans) 後にも登場

※11: 原語ではレプラコーン (leprechaun)。参考

・あらすじ
そのアイルランドの酒場へやってきたジェインウェイは、店の主人、マイケル・サリヴァンと話す。一方ヴォイジャーには嵐のような現象である中性子波が接近しており、15時間後には飲み込まれる。先に対策をして乗り切ることにした。フェア・ヘブンに戻ってきたジェインウェイは、再びサリヴァンと会う。
2人で会話し、ゲームをして楽しむ。ヴォイジャーは中性子波の中に入った。抜け出すまでは 3日かかるが、クルーはフェア・ヘブンで楽しんでいた。ジェインウェイはサリヴァンのパラメータを変更し、教養をつけ、自分好みの容姿にし、そして妻がいる設定を削除した。
自分の服装や髪型も変えたジェインウェイは、新たなサリヴァンと出会う。ジェインウェイがサリヴァンを気に入っていることを知り、からかうチャコティ。ジェインウェイはサリヴァンと踊り、キスを交わした。
その後ジェインウェイは急にホロデッキに行かなくなる。サリヴァンはジェインウェイが突然去ったことで、酒を飲み荒れていた。店では乱闘が起こる。ドクターはジェインウェイの話を聞く。彼女がサリヴァンの行動を再び好きなように変更しようとして、そこで彼が幻想に過ぎないと悟ったために、ホロデッキに行かなくなったのだった。ドクターはホログラムであっても、恋愛は変わらないと話す。
中性子の最も濃い部分に遭遇するヴォイジャー。抜け出すためにはホロデッキを含めたあらゆるパワーをディフレクターに集中するしかない。実行され、ヴォイジャーは中性子波から無事出ることができた。その結果フェア・ヘブンのデータは大半が失われてしまい、修復には何ヶ月もかかる。ジェインウェイは残っていたサリヴァンを呼び出し、別れの挨拶をする。また会えるかもしれないと言い、プログラムを終了するジェインウェイ。だが最後に一つの修正を加えた。今後は自分でサリヴァンのサブルーチンを変更できないように。そしてプログラムを保存するのだった。


・用語解説など
マイケル・サリヴァン
Michael Sullivan
(Fintan McKeown) 後にも登場。声: 田中秀幸、TNG バークレイ。なぜ先週で起用しなかったんでしょうねぇ…
フラニー (フランシス)
Frannie (Francis)
(Jan Claire) サリヴァンの妻という設定だったホロキャラクター

リアム
Liam
中性子波
neutronic wavefront
オックス・アンド・ラム
Ox and Lamb
クレア郡
County Clare
ケイティ・オクレア
Katie O'clare
フェア・ヘブンでのジェインウェイの名前 (になってしまった?)
ジョナサン・スウィフト
Jonathan Swift
(1667〜1745) 「ガリバー旅行記」の作者
ドクター・ギルロイ
Dr. Gilroy
マリガン神父
Father Mulligan
フェア・ヘブンでのドクターの役
トリニティ・カレッジ
Trinity College
宇宙酔い
space sickness
VOY第118話 "Relativity" 「過去に仕掛けられた罪」でも
マトンのクリームキャベツ添え
mutton, creamed cabbage
原語では「マトンか、クリームキャベツか…」と言っている様にも思えます
ブラッドソーセージ
blood pudding
ガルウェイ
Galway
ジェイン・エルドン
Jane Eldon
ショーン・ゴーガティ
Sean Gogarty
オデール城
Castle O'dell
ダブリン
Dublin
マイルズ・オブライエンの故郷。DS9第83話 "Homefront" 「地球戒厳令(前編)」より
「もえいずる丘、見えない心」
"Hills Most Green, Hearts Unseen"
「ダニー・ボーイ」
"Danny Boy"
参考
モジー・ドネガン
Mossie Donegan

・感想
クルーも息抜きをしていますが、内容自体もヴォイジャーお決まりのホロデッキもので、息抜きでした。中身より雰囲気だけといったところですね。
シェ・サンドリーヌ、ダヴェンポート夫人、パクソー (ポリネシア)・リゾート、ダ・ヴィンチの工房、そしてキャプテン・プロトン。残念ながらアイルランドについてあまり明るくない私にとっては、いまいち魅力がないものに思えました。それでも大規模な撮影はさすがですね。予算も全部そちらへ注ぎ込まれてしまったような感じで…。
ところでホロデッキのパワーは他には転用できなかったはずでは?


dot

previous第130話 "Pathfinder" 「遥か彼方からの声」 第132話 "Blink of an Eye" 「超進化惑星の煌き」previous
USS Kyushuトップ | ヴォイジャー エピソードガイド