TNG エピソードガイド
第134話「ホロデッキ・イン・ザ・ウエスト」
A Fistful of Datas
イントロダクション
※1※2『航星日誌、宇宙暦 46271.5。我々はダイノニカス7号星※3の軌道に入ったが、合流する予定の輸送船ビコ※4が遅れ到着は 48時間後となる。空いた時間を利用して、クルーは日頃なかなかできない趣味にいそしんでいる。…ひとときの安らぎだ。』 惑星軌道上のエンタープライズ。 楽譜がモニターに表示されている。ジャケットを脱いでいるピカードは、レシクの笛※5を吹いていた。 伴奏が流れる。 ピカード:「…コンピューター、再生停止。クラリネットをオーボエに変えて。録音スタート。」 ドアチャイムが鳴った。 ピカード:「…コンピューター、一時停止。入れ。」 データとラフォージが、ピカードの部屋に入った。 ピカード:「どうかしたか。」 ラフォージ:「艦長、実験のために機関部のコンピューターを 2、3時間ほど切らせていただきたいんです。…船のシステムが故障した際に、データを非常用の中枢コンピューターとして使う実験です。」 データ:「理論的には船の主要システムのコンピューターは、私のニューロネットワークで代用できるはずです。」 ピカード:「ふーん、面白いアイデアだな。結果が出たら是非知らせてくれ、実験を許可する。」 ラフォージ:「上手くいけば、主要システム以外にも応用できるかもしれません。…センサーシステムや武器の…」 「ああ、君の狙いはよくわかっているよ。進めてくれ。」 2人が出ていくのを見たピカード。「…コンピューター、もう一度一小節目からだ。」 吹き始めるが、またドアチャイム。 ピカード:「…録音一時停止、入れ。」 パッドを持ったクラッシャー。「ジャン・リュック? 朝の食卓※6のことでお話があって来たの。」 ピカード:「朝の食卓。」 「劇よ。」 「ああ何だ、劇のことか。…あれは確かに面白いドラマだが、残念ながら私はセリフを覚える時間がない。…それに、演技は得意じゃないんでね。」 「心配いらないわよ。」 笑うクラッシャー。 「そうか?」 「お願いしたいのは脇役なの。」 「…ほう?」 「セリフも 2つしかないから大丈夫。」 「それで?」 「厳格な執事の役よ。」 「考えてまた返事するよ。」 近づくクラッシャー。「きっと似合うわよ、ジャン・リュック?」 ピカード:「フン。」 「…リハーサルは今日の 1時半からよ?」 出ていくクラッシャー。 「…コンピューター、もう一度第一小節からだ。」 吹き始める瞬間、ドアチャイムが鳴った。 ピカード:「…録音一時停止、入れ!」 今度はウォーフだ。「艦長、お邪魔して申し訳ありません。」 ピカード:「…構わんよウォーフ、入れ。」 「この空き時間を利用してクルーに安全訓練を行いと考え、計画を立ててみました。ご覧下さい。」 「…確かにいい計画ではあるが※7、数週間後に第118宇宙基地※8から新しいクルーが入る。…訓練はその後の方がいいだろう。」 「そうですか、では代わりにこの空き時間にフェイザーシステムの点検を行います。」 立ち上がるピカード。「どうした、ウォーフ。そうやって、わざわざ仕事を作って働きたい理由でもあるのか?」 ウォーフ:「いいえ、ただ私は時間を有効に使おうと…」 「せっかくの休みだぞ、自分のために有効に使うんだ。わかったな?」 「…わかりました、失礼します。」 ウォーフは出ていった。 「…コンピューター、もう一度再生と録音をやり直す。初めからだ。」 コンピューター※9を持って遊んでいるアレキサンダー・ロジェンコ※10。ドアの音に反応し、起き上がった。「父さん! どうだった?」 ウォーフは自室の椅子に座り込んだ。「…艦長は仕事は後でもいいと言って下さった。」 正座しているアレキサンダー。「じゃあ行けるんだね?」 ウォーフ:「…そういうことだ。」 アレキサンダーは帽子を手にした。「西部へ出発!」 被せられたカウボーイハットを見たウォーフは、ため息をついた。 |
※1: このエピソードは、ピカード役パトリック・スチュワートの監督作品です。担当した 5話中、TNG第111話 "Hero Worship" 「暗黒星団の謎」以来で 3話目となります (参考) ※2: 1993年度エミー賞で、音響ミキシング賞を受賞しました ※3: Deinonychus VII deinonychus=ディノニクス (デイノニクス)、恐竜の一種 ※4: Biko U.S.S.ビコ、オーベルト級 (エンサイクロペディアではオリンピック級と誤記)、NCC-50331。オーベルト級は輸送船向きではないという見方もあります。南アフリカ人の市民権運動家、スティーヴン・ビコにちなんで ※5: Ressikan flute TNG第125話 "The Inner Light" 「超時空惑星カターン」より ※6: Something for Breakfast ※7: カットが切り替わると、ピカードがパッドに添えている手の位置が変わっています。また直後に、パッドが上下逆さまになっていることがわかります ※8: Starbase 118 ※9: プロップの外側には、5インチのフロッピーディスク・ドライブのカバーがいくつも用いられています ※10: Alexander Rozhenko (ブライアン・ボンソール Brian Bonsall) 前話 "Rascals" 「少年指揮官ジャン・リュック・ピカード」に引き続き登場。声:高山みなみ |
本編
輝く太陽。旧西部の町並み。 安楽椅子の上でパイプをくわえる老人は、金属の音に目を向けた。 靴についた拍車が、歩く度に音を鳴らす。立ち止まった。 隣にはもう一人。保安官の格好をした、ウォーフとアレキサンダーだ。 ウォーフ:「ここはどこだ?」 アレキサンダー:「デッドウッド※11、19世紀の地球の町だよ。…西部劇の舞台※12。」 「それで我々の役割は?」 「父さんが保安官で、僕が副保安官。」 「ということは、正義を守るのが仕事か。」 「そう。」 2人は歩いていく。 機関室。 回路にケーブルをつなぐラフォージ。 ラフォージに道具を渡すデータ。「ジョーディ?」 ラフォージ:「ん?」 「最近ヒゲを剃っていないようだが、まだずっと伸ばすつもりなのか?※13」 「…そうしようかと思ってるつもりなんだけど、似合うかな?」 「自然界の成長過程にあるものはどれもそうだが、途中の段階で最終的な形を予測するのは難しい。」 データの頭の回路にケーブルをつなぐラフォージ。「もう 2、3日もすれば、格好がつくだろう。…じゃお前の予備端末にアクセスするぞ?」 データ:「いま開けるよ。」 頭の真後ろに触れ、そこの回路も露わになった。 装置を使うラフォージ。「お前のこういう姿って、何回見ても慣れないんだよな。」 データ:「理解できないなあ。似たような電子回路は仕事でいつも見ているだろうに。普段は平気で扱っているじゃないか。」 「お前をただの電子回路とは思ってないよ。」 「ありがとう。…君もただの有機生命体とは違う。」 「…よし、準備できた。いいか?」 「始めよう。コンピューターインターフェイス接続。…接続完了した。」 「よーしじゃあ…やってみるか。」 ウォーフは口笛に足を止めた。2階にいる女性が、露わになった足を見せている。 ウォーフ:「このプログラムはお前が作ったのか。」 アレキサンダー:「そうだよ? バークレイ※14さんも一緒に。」 「…あとでバークレイによく言っとかんとな。」 銃声が聞こえた。犬の鳴き声。 走る 2人。 ピアノを弾く男性。トランプを楽しむ客。 柱の手配書に、2発目の銃弾の跡がついた。 ピストルを持っている男。「こんな下手な絵を描いたの、どこのどいつだ。見つけたらただじゃおかねえぞ?」 隣のヒゲを生やした悪党※15が笑う。 男:「俺はこんな優男か?」 笑い続ける悪党。 男:「うるせえんだよ。んな大口開けてっと、ハエが飛び込むぜ?」 また笑う悪党は、酒を飲んだ。「あんたには敵わねえぜ、セニョール・イライ。」 目を留めた。 ウォーフと共に酒場※16に入ってくるアレキサンダー。「あれが悪者だよ。名前はイライ・ホーランダー※17。あだ名は『早撃ちイライ※18』って言うんだ。…23人殺してる。西部一の悪党で、腕が立つガンマンなんだよ。油断すると危ないからね。」 ウォーフ:「奴を逮捕すればいいのか?」 「できればね。」 「フン。」 近づくウォーフ。「ホーランダー、逮捕する。」 「…やる気か?」 ウォーフは一発殴り、ホーランダーを倒した。 息を呑むカウンターの女性、アニー・メイヤーズ※19。 ウォーフ:「一緒に来てもらおう。」 アレキサンダー:「ダメだよ、そんなんじゃあ。コンピューター、プログラム一時停止。」 手を離すウォーフ。空中で静止したままのホーランダー。 ウォーフ:「何がまずい。」 アレキサンダー:「簡単すぎるんだもん、もっと悪者と闘ったりしなきゃ。…でないとつまんないよ。…コンピューター、プログラムの難易度をレベル4 までアップして、僕と父さんが酒場に入ってきたところからやり直し。」 人物が全員消えた。 アレキサンダー:「行こう、父さん?」 2人が外に出ると、コンピューターの音が鳴った。 ピアノを弾く男性。トランプを楽しむ客。 柱の手配書に、2発目、3発目と銃弾の跡がついた。 ピストルを持っているホーランダー。「こんな下手な絵描いたの、どこのどいつだ。見つけたらただじゃおかねえぞ? 俺がこんな優男か?」 笑い続ける悪党。 ホーランダー:「うるせえんだよ。んな大口開けてっとハエが飛び込むぜ?」 また笑う悪党は、酒を飲んだ。「あんたには敵わねえぜ、セニョール・イライ。」 目を留めた。 共に酒場に入ってくるウォーフとアレキサンダー。 ピアノの演奏を止める男性。客も静かになる。 逃げるように離れていく客たち。ピアノのふたが閉められる。 ウォーフ:「何で出ていく。」 アレキサンダー:「撃たれたくないから逃げるんだよ。」 ウォーフはホーランダーに近づく。「ホーランダー、お前を逮捕する。」 ホーランダー:「へえ? 本気で俺を捕まえられると思ってんのか?」 立ち上がり、カウンターの酒を汲む。「考え直して帰った方がいいぜ?」 悪党も立ち、笑みを浮かべる。 銃に手を掛けるホーランダー。「どうする?」 悪党もショットガンを手にした。 ウォーフ:「お前が殺人を犯したという証拠は挙がっている。」 ホーランダー:「ああ、殺したさ。23人殺った。もう一人ぐらい殺すのなんざ、俺にとっちゃ何でもねえのさ。」 椅子を蹴り倒した。「それによう、てめえみてえなブサイクな野郎、殺したところで罪にはならねえ。全く何てツラだ。お前の親父はアルマジロか?」 笑う悪党。 ウォーフの後ろに近づいていたホーランダーの子分※20が、動きを見せた。 アレキサンダー:「保安官、後ろ!」 子分に椅子で頭を殴られるウォーフ。息を呑むアニー。 ウォーフには全く応えていない。驚いて殴りかかってきた子分を、逆に倒した。 続いて悪党をテーブルに殴り飛ばす。 周りを見るウォーフは、笑みを浮かべた。「思ったよりやりがいのあるゲームじゃないか。」 ホーランダー:「ご機嫌だな、保安官。」 カウンターの上に座り、銃を向けている。「だがここまでだぜ。」 起き上がるホーランダーの部下。 ホーランダー:「よーしみんな、ズラカるぞ! その前に、金目のもんを頂いてな。」 ウォーフ:「人殺しの上に強盗とは何て奴だ。」 ホーランダーは銃を回した。「これも生きていくためでね。」 その時、ホーランダーの帽子が吹き飛んだ。 撃ったのは入口に来ているトロイだ。「もっとマシな仕事でも探した方がいいんじゃないの?」 アレキサンダー:「…カウンセラー・トロイも誘っといたんだ。西部劇好きなんだって。」 ホーランダー:「この礼は必ずするぜ。」 銃を回し、納める。 機関室。 データ:「次に、長距離スキャナーシステムにアクセス開始。」 ラフォージ:「前方センサーインターフェイス、リンク完了。鮮明にスキャンできてる。」 「次は、右舷慣性制動装置だ。標準メンテナンスチェックを行う。」 「リンク完了。メンテナンスチェック、実行中。主要システムは全部いけるなあ。次は、二次的システムの方も試してみよう。重力制御から。」 「重力制御…」 データは首を動かし、目を閉じた。 ラフォージ:「どうした?」 データ:「ニューロネットワークに、エネルギーの変動が発生した。一旦、コンピューターとのインターフェイスを切る。…インターフェイス、接続解除。」 回路ランプの明滅が遅くなる。 「大丈夫か?」 「ポジトロニック・サブプロセッサーに一時的な電圧上昇が見られたが、もう何ともない。」 「何かインターフェイスのコードに、不安定なとこがあったのかなあ。」 ラフォージはデータからケーブルを外した。「実験を再開する前に一度、システム分析をしといた方がいいな。…インターフェイスプログラムを調べよう。」 データはそばのトリコーダーを手にした。 ふいにそれを空中で回し、ポケットに納めた。 |
※11: Deadwood サウスダコタ州に実在。ロサンゼルスのワーナー (一部資料では Universal Studios) 「ウェスタン通り」撮影用地で、一日のロケ。室内部分はパラマウント第16ステージ ※12: Ancient West 現代では「旧西部 (Old West)」と呼ぶのに対し、さらに古い言い方になっています。あとで「大昔の西部」「西部劇」とも訳されています ※13: 今回と次回の第135話 "The Quality of Life" 「機械じかけの小さな生命」のみ、ヒゲを生やしています ※14: Barclay レジナルド・バークレイ (Reginald Barclay)、前回は TNG第128話 "Realm of Fear" 「プラズマ放電の謎」に登場 ※15: Bandito (ジョージ・サーヴェラ Jr. Jorge Cervera, Jr) LD でのキャラクター名は「パンチョ」。声:立木文彦、DS9 コール、VOY カラ、叛乱 ガラティンなど ※16: 映像内では確認できませんが、脚本によれば「ゴールド・ストライク (=金の鉱脈) 酒場 (Gold Strike Saloon)」 ※17: Eli Hollander (ジョン・パイパー・ファーガソン John Pyper-Ferguson) 共同脚色ブラノン・ブラガがカリフォルニア州立大サンタクルーズ校に通っていた頃の、映画学校の先生から取った名前。声:藤原啓治、DS9 初代ベシアなど ※18: 原語では「ボーズマンの殺し屋」。モンタナ州ボーズマン (ボズマン) は、ブラガの故郷。のちに ENT第24話 "Desert Crossing" 「幻影の戦士」で、ファースト・コンタクトの場所として設定されます。TNG第118話 "Cause and Effect" 「恐怖の宇宙時間連続体」には U.S.S.ボーズマンが登場 ※19: Annie Meyers (ジョイ・ギャレット Joy Garrett 1993年2月に死去) 姓は言及されていません。声:さとうあい、旧ST4 ウフーラなど ※20: Henchman エキストラの、ニック・ディミトリ (Nick Dimitri、TNG第141話 "Tapestry" 「運命の分かれ道」のノーシカンその2 (Nausicaan #2)、第175話 "Emergence" 「知的生命体“エンタープライズ”」のタクシードライバー (Taxi Driver) 役。スタント) が演じています。LD にはラフォージ役星野さんの兼任で、ナイマンというキャラクター名が掲載されています。格闘家のハンス・ナイマンから (勝手に) つけた名前だと思われますが、この子分のことかもしれません (ただし、うめき声のみ) |
デッドウッド。 牢屋に入れられているホーランダーは、トランプを扱っている。 ウォーフ:「奴をどう処理すればいいんだ。裁判を開くのか、このまま処刑するのか。」 アレキサンダー:「連邦警察が来るまで留置所に入れといて、その後裁判のために街※21に連れてくんだ。」 ホーランダー:「悪いけど、俺がいつまでもここにいると思うなよ。親父が聞いたら黙っちゃいないさ。」 ウォーフ:「『親父』がここから出してくれるとでも言うのか。」 「そうさ。死人が山ほど出るだろうよ。墓掘りは大忙しだな。」 アレキサンダー:「あんたの父さんなんて保安官の敵じゃないよ。」 ウォーフ:「そうだ、誰だろうと町の平和を乱す者は許さん。」 笑うホーランダー。「強気だな?」 トロイ:「甘いわね。」 テーブルに足を載せており、マッチに火をつけた。「あんたの手に負える相手じゃない。」 ウォーフ:「3人で力を合わせれば怖いものなどないだろう。」 「待ってよ。私はただの通りがかりで、あんたが困ってたから手を貸しただけよ? …副保安官でも何でもないんだからね?」 鍵を置くウォーフは、小声になった。「カウンセラー、ぜひ力を貸していただきたいんです。」 トロイ:「デュランゴ※22よ、私の名前はデュランゴ!」 「わかった、カウンセラー・デュランゴ。…臨時に副保安官になってもらえないだろうか。」 「金次第ねえ。」 タバコの息を吹きかけるトロイ。「ま、500ドルってとこかな?」 「アレキサンダー、どうも大金らしい。何とか用意しろ。」 アレキサンダー:「了解、銀行に行って引き出してくる。」 保安官オフィスを出ていった。 「カウンセラー、どうしてこの時代のことにそんなに詳しいんですか。」 トロイ:「小さい頃、父がよく大昔の西部の話をしてくれたの。それで私、前から一度やってみたかったのよね? 『謎の流れ者』の役って。」 頭の後ろで腕を組んだ。 アニーがやってきた。 目を開くウォーフ。 アニー:「あー…」 いきなりウォーフとキスした。「見てて惚れ惚れしちゃった。」 驚くトロイ。 アニー:「あの悪党を相手に一歩も引かないんだもの。」 ウォーフ:「いやあ、どうも。あなたは…」 「アニーよ、忘れないでよ。今晩うちに来て? …分厚いビーフステーキを御馳走するわ? デザートはとっておきのグースベリーパイ※23。」 トロイ:「美味しそうじゃない。」 「それに、ディナー用に買ったばっかりのキャンドルを灯すわ? 特別に、あんたのためにね?」 ウォーフ:「お誘いは嬉しいんだが、今夜は行けない。囚人を、見張らないと。」 トロイ:「見張りなら私がしててやるよ。二人でゆっくりしてくればいい。」 「気を遣ってくれなくてもいい。…保安官としての任務を放り出すわけにはいかないのでミス※24・アニー、すまないがお断りする。」 アニー:「ほかに女がいるんだね? 見当はついてるよ、ラングフォードの店※25の商売女だろう!」 「誰だって?」 平手打ちするアニー。出ていった。 ホーランダー:「あんた女の扱いなっちゃねえなあ?」 トロイは咳き込んだ。 ピカードの部屋。 ピカード:「コンピューター、ピカード・モーツァルト※26三重奏プログラム1※27。トラック1、2、3 再生。テンポアレグロ。」 椅子に座って聴くピカード。だが音楽が乱れ始めた。 全く別の曲になる。 ピカード:「コンピューター、再生停止。…今の演奏プログラムの名称は何だ。」 コンピューター※28:『ピカード・モーツァルト三重奏です。』 頭を押さえているクラッシャー。「…やりましょう。」 リハーサル室※29には、衣装を着たライカー含め 3人しかいない。 クラッシャー:「それじゃあ、第2幕の頭からね?」 ライカーはパッドを持ち、一人前に立った。 クラッシャー:「じゃあ始めて。」 手を広げるライカー。「…『フィリス・カタス。それがお前の正式な学名。四足歩行の動物、生まれながらに肉食…』」 クラッシャー:「ちょっと待って? ウィル、何読んでるの。」 「何ってセリフです。」 「そんなセリフないわよ。」 パッドを手にするクラッシャー。「『お前の視覚、嗅覚、そして聴覚…』」 「思い出した、これはデータが作った詩だ※30。」 「何で?」 クラッシャーは操作する。「台本が消えてる。入ってるのは詩ばっかりだわ。」 機関室でアイソリニアチップを調べ、分解したパッド※31に戻すラフォージ。「ふーん、機能はどこも異常なしだ。多分、情報検索ネットワークの問題でしょう。台本ファイルを呼び出す代わりに、データの文章ファイルを呼び出したんだ。」 データ:「ジョーディ、この故障は我々の実験と関係あるのかもしれない。」 「うーん。コンピューターをレベル2 の分析にかけて、ほかに異常が出ていないか調べるか。」 「私は自分のシステムをチェックする。」 「そうしてくれ。」 クラッシャー:「…台本ファイルが見つかったら知らせてね?」 「ご心配なく、どっかに入ってますよ。」 金の入った袋を持って、独り歩いているアレキサンダー。中身を確認する。 角を曲がったところで、待ち伏せしていた男に口を押さえられた。 炭坑の中。連れてこられるアレキサンダーの後ろには、悪党たちがいる。 口と手を結ばれたアレキサンダーは声を上げた。 悪党:「捕まえてきやしたぜ?」 奥から出てくる人物。「うちの息子はどこだ。」 口を開けられるアレキサンダー。「誘拐されるなんて予定にないよ! コンピューター、プログラムを停止しろ。…コンピューター、プログラム停止しろって言ってんだよ!」 その男は、ヒゲを生やしたデータだった。 悪党:「こいつどうします、殺しますか?」 データ:「待て。そいつは生かしておいた方が、使い道がある。」 |
※21: 原語では「ラピッドシティ」 ※22: Durango ※23: gooseberry cobbler ※24: 原語では「ミズ」 ※25: Miss Langford's House of Pleasure ※26: Mozart ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト (Wolfgang Amadeus Mozart)、1756〜1791年 ※27: Picard Mozart trio, program 1 作曲家 Jay Chattaway によって、モーツァルト風の音楽が作られました ※28: コンピューター音声 Computer Voice (メイジェル・バレット Majel Barrett) 声はアニー役のさとうさんが兼任 ※29: 観察ラウンジのセットを改装 ※30: TNG第131話 "Schisms" 「謎の第3次亜空間」より、「スポットに捧げる」("Ode to Spot") のこと ※31: パッドの内部構造が明らかになった唯一の例 |
データの部屋。 スポット※32をなでているデータは、レプリケーターに注文した。「スペシャル・キャットフード、ナンバー127※33。」 器を取り出す。「スポット? お前は味にうるさいから、特別に新しいキャットフードを調合してやったんだぞ?」 床に置くが、スポットは逃げるようにキャットフードから離れた。 データ:「うーん。全くどうしたら気に入るのか、私には予想もつかないよ。ま、どうせお腹が空いたら戻ってくるだろ。」 デスクにつくデータ。スポットが飛び乗ってきた。 データ:「スポット。そこにいたら仕事が進まないだろ。」 下に降ろす。また上がるスポット。 データ:「ダメだろう、どけって言ってんだよ!」 スポットをまた降ろし、操作を続ける。 ピアノが演奏される酒場。ウォーフが入った。 アニー:「何の用なの?」 ウォーフ:「副保安官を捜してるんだが、ここに来なかったか。」 「知らないわ? 何飲む?」 「じゃあ…クリンゴン・ファイヤワイン※34。」 笑うアニー。「ここはカンザスじゃないのよ? あるわけないじゃないの、そんな気取ったヨーロッパのお酒なんか。…あんたには代わりにシェリー酒をあげるわよ。ラングフォードの店じゃ、よくシェリーが出るんだって? 何さ。フン!」 歩いていく。 帽子を被ったデータが悪党たちを連れて、やってきた。止まるピアノの演奏。 データ:「ご機嫌よう、保安官。」 ウォーフ:「少佐、あなたもですか。」 「私はフランク・ホーランダー※35。…何をジロジロ見てる。」 「別に? 何でもありません、ホーランダーさん。…何の用です?」 「息子を返せ。」 酒を飲むウォーフ。「無理な相談だ、あんたの息子には裁判が待ってる。」 データ:「そう言うな、まず話し合おうじゃないか。…ただでとは言わん、代わりに君の望みのものをあげよう。」 「フン、何と引き換えでも断る。」 「…そうかねえ。いい話だと思うが? 副保安官と、交換では?」 「…何をした!」 「フン。」 「今どこにいる。…私は断じて、犯罪者とは取引はしない。…イライは必ず裁判にかける!」 データはウォーフに肩に手をかけた。「話は終わってない。」 痛むウォーフ。「手加減して下さいよ。」 データ:「君の冗談を聞いている暇はない。」 「…少佐? コンピューター、プログラム停止。」 ウォーフに詰め寄る 3人。 データ:「出ていくのはあまり利口な手ではないぞ?」 データを見たウォーフは、素早く外に出た。銃を撃つ悪党たち。 酒場のドアが動く。 早撃ちの練習をしていたトロイ。「どうしたの?」 オフィスの鍵を掛けるウォーフ。「…ホロデッキの安全装置が故障している。アレキサンダーが危ない。」 トロイ:「…ウォーフ、あなた撃たれてるじゃない!」 左腕に血が見えている。「コンピューター、プログラム終了。…トロイからピカード艦長。トロイから保安部!」 スカーフを巻く。 「ホーランダーの父親が現れた。だがそいつが、データ少佐にそっくりだった。」 「データ?」 「だがあれは別人だ。何かがデータとは違う。奴がアレキサンダーをさらったんだ。」 声が聞こえた。「はあ何だ、ザマねえなあ。可哀想に怪我しちまってよ。」 牢屋のホーランダーの姿が、データになっていた。「どうした? うちの親父が手荒な真似したかい?」 笑う。 |
※32: 今回からアメリカンショートヘアに変わっています ※33: feline supplement 127 TNG第85話 "Data's Day" 「ヒューマン・アンドロイド・データ」では、番号は 74 でした (その際の吹き替えは「ネコの餌 (を頼む。) 74番」) ※34: Klingon fire wine ※35: Frank Hollander |
トロイは尋ねた。「データ?」 データ/ホーランダー:「…何?」 「どうして急にイライの顔がデータの顔に変わったの?」 ウォーフ:「…俺の息子はどこにいる。…答えろ!」 データ/ホーランダーの首元をつかむ。 データ/ホーランダー:「落ち着きなって、保安官さん。俺に怪我させるとまた親父が怒るぜ?」 トロイ:「ウォーフ、待って。」 データ/ホーランダーは離された。「ヘ。」 トロイ:「たとえホロデッキの安全装置が壊れていても、コンピューターの作ったプログラムに変わりはないわ。ストーリーの最後までいけば、自動的に終わるようにできてるはずよ。物語に沿って進んでみた方がいいわ。」 ウォーフ:「…そうかもしれない。これから町の住民に聞き込みをしてみる。誘拐を見ていた者がいるかもしれない。」 オフィスを出ていった。 ため息をつくトロイ。 『航星日誌、補足。エンタープライズの随所で、システム異常が発生している。ラフォージ少佐とデータ少佐がその原因を突き止めたようだ。』 観察ラウンジ。 ラフォージは部屋に入った。「我々の実験の影響でコンピューターのサブルーチンが一部変わってしまったものと思われます。」 データ:「インターフェイスに異常が発生して、サブルーチン C-47※36 と私のプログラムが入れ替わったのです。」 ジャケットを着ているピカード。「C-47 の機能は?」 ラフォージ:「ライブラリーアクセス機能と、レプリケーターと、レクレーションプログラムですから大きな支障はありません。」 データ:「艦長の音楽プログラムが急にドヴォルザーク※37に変わったのもそのためです。最近、彼の作品を分析していたものですから。」 「芝居の台本が消えたのも同じです。フードディスペンサーの異常も。」 ライカー:「一部のフードディスペンサーで、キャットフードしか出なくなったんです。」 ピカード:「キャットフード。」 データ:「スポットのために新しい餌を調合していたんです。」 「…で、解決にはどのくらいかかる。」 「いま異常の起きた回路を特定し、分離している最中です。俺の睨んだところじゃ 2時間以内に終わるでしょう。」 「いま何と言った。」 「処理は、2時間以内に終わるだろうと言いました。」 ライカー:「いま確か『俺※38』と言ったぞ。」 「…そのような言葉を使った記録は残っていません。そっちの間違いじゃねえか?」 ラフォージ:「データ、やっぱりおかしいぞ。」 「何がだよ。」 ピカード:「…いやあ…ラフォージ少佐、データを機関部に連れてって何か問題がないか見てくれるか。」 ラフォージ:「了解。」 データの歩き方は、がに股風になっていた。入口に置かれた植物に、痰を吹き入れる仕草をする。 顔を見合わせるピカードとライカー。 地図※39を見ているトロイ。ふと音に振り向いた。 データ/ホーランダーが扱っているトランプ。その動きは人間の速度を超えていた。 データ/ホーランダー:「…何か俺に用かい、姉ちゃん。」 ドアを叩く音。鍵を開けるトロイ。 ウォーフ:「目撃者がいた。アレキサンダーは銀行から戻る途中に、ホーランダーの手下にさらわれたらしい。…奴らのいそうな場所を捜索しよう。」 トロイ:「厄介なことがわかったの。さっきイライがカードを切ってたんだけど、データと同じものすごいスピードだったわ。彼はデータじゃないけど能力はデータと同じなのよ。…だから同じ顔をした父親も、きっとデータと同じくらい…」 またドアが叩かれた。銃を手にするウォーフ。 外を確認する。トロイも構えた。 招き入れるウォーフ。 データ/フランクだ。「息子に面会に来た。」 ウォーフ:「銃を置いていけ。」 ウォーフに渡すデータ/フランク。「この銃をよく見ておくといい。…すぐにこいつを相手にすることになる。」 データ/ホーランダー:「親父ー!」 「イライ!」 向き合う二人。「もてなしてもらってるか?」 「こいつらひでえんだよ。ぶち込まれてから一度も飯食ってねえし、保安官の野郎は銃で脅すしよう。」 「父さんに任しておけ。借りは返してやる。…あのよそもんは。」 「知らねえよ、名前も言わなかった。…けど保安官とグルになりやがって、あのウィンチェスター※40で俺を脅すんだ。」 「おとなしく待ってろ、晩飯までにはうちに帰してやる。」 ウォーフに近づくデータ/フランク。「もう一度だけ、考え直すチャンスをやろう。流血沙汰を避けたかったら、息子を釈放しろ。」 ウォーフ:「…やむをえん、取引に応じよう。副保安官と交換にお前の息子を釈放する。」 「…そう言うだろうと思っていたよ。取引は 2時間後、酒場の前で待っていろ。…私は貸し馬屋の前にいる。…このよそもんは連れてくるな。」 手を広げるデータ/フランク。 「よかろう!」 ウォーフは銃を返した。 データ/ホーランダーを見るデータ/フランク。データ/ホーランダーはうなずいた。 出ていくデータ/フランク。 トロイ:「…私の知ってる西部劇では必ず、悪者は約束を破るのよ? 私も行くわ?」 ウォーフ:「これは男と男の約束だ。」 「そんな綺麗事はここじゃ通用しないの、この西部ではね! おまけに相手はアンドロイドのスピードと、完璧な正確さを備えたガンマンなのよ? このまま行っては、ただ殺されに行くようなものだわ。」 |
※36: Subroutine C-47 ※37: アントニン・ドヴォルザーク Antonin Dvorak 1841〜1904年。原語では曲名の「スラヴ舞曲」も言っています ※38: 原語ではデータが "I reckon..." と言ったことに対して ※39: デッドウッドはサウスダコタ州のはずですが、アリゾナ州の地図 ※40: Winchester |
機関室。 ライカーがやってきた。「どうだ、データ。」 データ:「よう! 副長さん。」 ため息をつくラフォージ。 ライカー:「何かわかったことは?」 データ:「まあ、要は俺の頭のメモリーの一部が…」 突然口調が元に戻る。「船のコンピューターのレクレーションデータベースと入れ替わってしまったのです。」 ラフォージ:「主に、19世紀のアメリカ西部に関するファイルのようです。」 ライカー:「言葉も西部なまりか。」 データ:「ま、そういうこった。」 「インターフェイスの実験が、原因なのか。」 ラフォージ:「そうなんです。でもデータのプログラムを元通りにするためのメモリー処理※41を始めましたから、あと 2、3時間で直りますよ。」 「レクレーションデータベースの方はどうなってるんだ。」 「そちらも、メモリー処理をしてますから後 1、2時間ってとこです。」 歩いていくライカーにデータは言った。「副長! おとなしく待ってな、晩飯の時間までには直してやるよ。」 ライカー:「頼む。」 手書きの見取り図に書き込むウォーフ。「俺の位置はこの道の東の端だ。フランクはこちら側から来ると言ってた。…奴がこの地点まで来れば射程距離内だ。」 トロイ:「わかったわ、アレキサンダーはどうする?」 「酒場の前に樽があった、その陰なら少しは安全だ。」 ドアを叩く音がし、2人は銃を持った。確認して開けるウォーフ。 アニーだ。「…もう、苦労したわよ? ほらニューサムさん※42からもらってきてあげたわ、電報打つ機械。」 箱に入っている道具を手にするウォーフ。「ああ、これでいい。」 アニー:「あんたのためにこんなに尽くしてくれる女がほかにいる?」 コミュニケーターをいじくり始めるウォーフ。 咳払いするトロイ。 ウォーフ:「ああ、そうか。いやあ感謝するよ、ミス・アニー。恩に着る。」 笑うアニー。時計が鳴った。 4時だ。 時計は 5時15分を指している。 ウォーフの腰には、コミュニケーターと付随した装置がついている。「コミュニケーターのバッテリーに接続してそこからエネルギーを取るようにした。」 トロイ:「…それでどのくらいもつと思う?」 「…せいぜい 15秒ぐらいだろう、パワーも不安定。」 「成功を祈りましょう。」 デッドウッド。 外に出てくるデータ/ホーランダー。ウォーフが続く。 「閉店」の看板を掲げる店。道の端に立つ 2人。 反対側に現れたのは、データ/フランクとアレキサンダーだ。タバコに火をつけるデータ/フランク。 データ/フランクはアレキサンダーを押した。歩き始めるアレキサンダー。 ウォーフもデータ/ホーランダーに合図した。 その時、建物の上に隠れた悪党が姿を見せた。やはりデータの姿になっている。 別のドアを開けるのも、データになった子分だ。 すれ違うアレキサンダーとデータ/ホーランダー。憎らしい顔でアレキサンダーを見る。 銃を構えるデータ/悪党。 データ/フランクは声を上げた。「イライ、伏せてろ!」 ウォーフ:「隠れろ!」 走るアレキサンダー。 ウォーフは腰の装置を起動させた。自身を取り囲むように、繭状のフォースフィールドが現れる。 銃を撃つデータ/フランク。だがフォースフィールドのおかげで全く効果がない。 何発撃っても同じだ。弾がなくなった。 だがフォースフィールドも消えてしまった。 ウォーフを狙うデータ/子分。 しかし、隠れていたトロイが銃を向ける。「下手な真似すると命はないわよ?」 データ/悪党:「セニョール・フラーンク!」 銃を投げる。 見上げるデータ/フランク。宙を舞うピストル。 データ/フランクは受け取った。腰の銃に手を掛けるウォーフ。 構えるデータ/フランク。ウォーフは素早く銃を撃った。 データ/フランクの銃に当たり、弾き飛ばす。唖然とするデータ/悪党。 両手を広げるデータ/フランク。「あんたの勝ちだ。撃ちな。」 ウォーフは銃を構えた。酒場に隠れているアレキサンダー※43と目が合う。 ウォーフ:「二度とこの町にその汚いツラを見せるな!」 データ/ホーランダーたちに話すデータ/フランク。「引き上げるぞ。」 みな歩いていく。 ウォーフに近づくトロイ。2人は酒場に入った。 アレキサンダーが入口で待っていた。「父さん!」 抱きつく。 ウォーフ:「大丈夫だったか。」 「うん。」 「…プログラム終了。」 トロイ:「…どうして終わらないの? まだ何かストーリーが残ってるのかしら。」 「コンピューター、プログラム終了!」 声が飛んだ。「保安官!」 データの姿になったアニーが 2階にいた。泣きながら階段を下りてくる。「何て男らしくて心が広いの? …私もう、あなたにメロメロ。」 ウォーフ:「コンピューター…プログラム終了!」 データ/アニーはウォーフの目の前に来た。 ウォーフ:「コンピューター、早く!」 ウォーフに身を寄せるデータ/アニー。「んー。」 ウォーフは目を閉じた。 コンピューターが反応し、周りの映像は全て消えた。 データ/アニーが消えたことを確認し、ため息をつくウォーフ。 オーベルト級の宇宙艦※44が、エンタープライズのそばに来ている。 『航星日誌、宇宙暦 46278.3。エンタープライズのコンピューターも、データ少佐のプログラムも正常に戻った。輸送船ビコも到着し、無事に合流できた。』 眠っているアレキサンダーに近づく、制服姿のウォーフ。 離れようとした時、アレキサンダーが口を開いた。「父さん? …あんなことがあったから、もう西部劇するの嫌になっちゃったんじゃない?」 ウォーフ:「……もしまたデッドウッドの町に危険が忍び寄れば、その時は保安官の出番だ。…副保安官もな。」 微笑むアレキサンダー。 ウォーフは、帽子に目を留めた。それを被り、自室の鏡の前に立つ。 早撃ちの真似をし、銃の形にした自分の手を見た。微笑む。 ダイノニカス7号星を離れるエンタープライズ。 衛星の向こうに夕焼けのように輝く、恒星へ向かっていく。 |
※41: 進行型メモリ消去 progressive memory purge ※42: Old Man Newsome 吹き替えでは「ニュートンさん」 ※43: スチュワート監督が事前に観た西部劇映画「シェーン」(1953) のオマージュになっており、似たシーンがあります ※44: 映画 ST3 "The Search for Spock" 「ミスター・スポックを探せ!」のグリソムを流用。2隻の船の映像自体は、TNG第95話 "The Drumhead" 「疑惑」の使い回し |
感想など
西部劇+ホロデッキ異常の典型的コメディ。監督したスチュワートも DVD 特典で長々と語っているように、俳優やスタッフの楽しさが画面から伝わってくるようです。ハーモニカのベテランを呼んだという音楽も振るってますね (サウンドトラック第4巻に収録)。ホロデッキの中でも外でもデータが影響するところは、理論的にはよくわかりませんが無理矢理納得させてしまうものがあります。スパイナーが演じた 5つのキャラは、大塚さんの演技も必聴です。 原題は「荒野の用心棒」、米題 "A Fistful of Dollars" (1964) のモジリ。Robert Hewitt Wolfe の初脚本にして TNG 唯一の作品であり、その後 DS9 で数多くのエピソードを手がけました (一覧)。旧西部の話としては、ほかに TOS "Spectre of the Gun" 「危機一髪! OK牧場の決闘」と、ENT "North Star" 「ウエスタン」がありましたね。ラフォージ役の星野さんは西部劇ファンなのに、ホロデッキには全く関係しないので残念がったとか。 |