2人の乗ったシャトル。クワークはインフェルナプライムまでどれくらいかを聞く。197時間17分だ、多少誤差はあろうがというオドー。それなら時間潰しに何かやらないとな、フィズビン※5でもやってみないかと言いカードを配り出すクワーク。オドーはカードゲームはやらないと言う。教えてやる、簡単なんだと言うクワークに、はっきり言わんとわからんか、カードゲームはしたくないと言うオドー。するにしても、お前とはやりたくないという。負けが恐いかと言うクワークに、笑うオドー。クワークはそれにしても、そういう性格は可変種だってことから来ていると思っていたと言う。同胞から一人遠く離れ、自分を理解してくれない人と暮らす。何も食わず何も飲まず、眠りもしない、女にも興味がないと言うクワーク。性格が暗くなるのも当たり前だと言う。だけど今は可変種じゃなく固形種だ、面白い人生を送りたけりゃ手を伸ばしてつかみとるだけでいいと話す。だがそうはしていない、固形種だろうが可変種だろうが自分を愛することができない人間嫌いなんだ、それがあんたでこれからもずっと変わらないだろうなとクワークは言った。オドーは何と言われようがカードはやらないと言う。じゃあ1週間黙って座ってるしかないなと言うクワーク。オドーはうなずき、持っていたパッドをまた読み始めた。何読んでるんだと聞くクワークに、お前にはつまらないという。クワークはパッドを取り上げた。返さなきゃ逮捕かと言うクワーク。内容を読み始める。「彼は歩き出した。木の吊り橋が彼が一歩踏み出すたびに前後に揺れ動いた。彼女の手が喉元へと動き、ブローチの留め金を外した。そしてショールが肩から滑り落ちた。彼女の濡れた肌が月光を浴びて輝いた。稲妻が光り、2人の激しい鼓動と同じリズムで雷鳴が轟き渡った。」オドーはもうやめろといい、取り返した。さっきの発言は取り消す、やっぱりあんたも男だったんだなと言うクワーク。こういう類の小説が好みなら、持っている「ヴァルカンの愛の奴隷」※6の初版本を売ってやってもいいと言う。仕事で読んでるだけだ、遊びじゃないと言うオドー。こういう本は犯罪者の心理を知るのに役立つ、これは周知の事実だが、恋愛がらみの妄想と言うのが殺人事件の動機としては非常に多いと続ける。「ヴァルカンの愛の奴隷」には殺人はない、でも内容はぶっ飛んでるよと言うクワーク。オドーはあきらめろよといい、いくらからかおうが、暗い性格だとけなそうが結局はお前の負けは決まったと言う。今回のことが片付いたら私はDS9へ戻るが、お前は一生を連邦の懲罰植民地で過ごすことになると言う。先のことはわからんというクワークにうなずく。せめて容疑が何かくらいは教えてくれよと言うクワーク。オドーは極秘捜査だからだめだと言い、具体的なことは絶対に漏らすなと言われているという。席に戻り、読書の続きがあるんでねと言った。クワークも隣に座り、一人でカードを扱い始めた。
司令官室にノーグ※7がやってきた。ノーグ士官候補生でありますと名乗る。楽にしていいぞと言うシスコに、休めの姿勢をとる。椅子を指差すシスコ。失礼しますといい座るノーグ。シスコも2年生の時に第137基地※8に実習に出たことを話し、赴任した当初は保安だったが今では人生で最大の思い出として残っていると言う。そうですかというノーグ。シスコは実習生のルールは簡単だと言い、出された命令に従うことと邪魔をしないことだと言う。わかりました、全力を尽くしますと言うノーグ。シスコは野球ボールをノーグに転がした。後個人的なことを一つ、ジェイクとルームメイトになってくれてありがとうと言うシスコ。こちらこそというノーグ。シスコは2人でいろいろと楽しいことを計画しているんだろうなと言う。暇があれば、任務が優先ですからと言うノーグ。ご心配なく、ジェイクはお任せをといった。指導して、ちゃんとさせますといいうなずく。それを聞いて安心したよ、ノーグ候補生と言うシスコ。野球ボールを受け取り、下がってよろしいという。ノーグは回れ右をして部屋を出て行った。
出てきたノーグに、どうだったと聞くキラ。安心されましたと言うノーグ。実習がんばってよと言うキラに、ご期待下さいと言い歩いていった。
ノーグと一緒に部屋に入り、ライトを点けるジェイク。ご感想はとノーグに聞く。死んで聖なる宝物殿に来た気分だ、狭苦しい寮に比べればこの部屋はまさに天国だと言う。気持ちわかるよ、ついに独立だと喜ぶジェイク。もう誰にも指図されなくて済むと言う。ノーグはテーブルのホコリを確かめ、荷物を解く前に部屋の掃除を頼もうと言う。昨日やってくれたと言うジェイクに、やっぱり人任せはだめだな、自分でやらないとというノーグ。奇数日は僕が掃除する、偶数日はお前がやれと言う。毎日掃除するっていうのかと言うジェイクに、違う、一日交代でいいんだというノーグ。荷物を取ってくると言い、急がないともう遅いからなと言った。今日は何して遊ぶ、ドムジョットかホロスイートかというジェイクに、遊びたいけど荷物を出したらもう寝る時間だと言うノーグ。消灯は22時だと言う。そんなに早く寝るなんて冗談じゃないと言うジェイクに、じゃあ好きな時に寝ろよと言う。でも朝4時半から運動だと付け加えた。筋肉だよ、骨と皮膚の間に存在するものだと言うノーグ。僕と運動をしてれば、そのうちお前にもついてくると言った。ノーグは笑い、部屋を出ていく。ジェイクは腕の筋肉を確かめ、あきれた顔をした。
シャトル。クワークは一人でカードを投げている。オドーは席につくと、持ってきたスープを飲み始めた。クワークはまたか、その癖よせよという。何の癖だと聞くオドーに、唇をならす癖だと言う。鳴らしてないと言い、また静かに飲むオドー。ほらその音だ、聞こえないのかと言うクワーク。オドーはこの4日間聞こえたものは、お前の愚痴だけだと言う。このシャトルは変な音だらけだ、不愉快だなと言うクワーク。聞いてみろ、あの低い音だと言う。オドーには聞こえない。クワークは1時間前から聞こえてきたと言う。うるさいなら船室に戻ったらいいだろうと言うオドーに、ここは寒いが船室はもっと寒いと言う。クワークはしゃがみ、コンピュータを操作し始めた。勝手に室温設定を変えるんじゃないと言うオドーに、うるせえな、寒くて死んじまうと言う。クワークはやっぱりまだあの音がすると言い、シャトルの後部へ歩き始めた。オドーは唇の音がうるさいので何も聞こえないと言う。どこから聞こえてくるんだろうと捜すクワークに、お前の頭の中だろうというオドー。わざと唇から音を立ててクワークの邪魔をする。クワークはここから音がすると言って、床のハッチを指差した。不完全燃焼緩和サーキットの音じゃないのかと言い、オドーも来る。それなら甲高い音がするはずだろ、これは低い音だと言うクワーク。ハッチを開けて調べようと言う。オドーはコンピュータを操作し、もし逃げようと企んでいるのなら無駄だと言う。すると今度はピーという音に変わったというクワーク。オドーにも聞こえる。ハッチのふたを開けてみると、回路に何かの装置がつけられていた。冗談じゃない、見ろよこれというクワーク。オドーは時限爆弾だと言った。
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※5: fizzbin TOS第49話 "A Piece of the Action" 「宇宙犯罪シンジケート」でカークがでまかせに言ったカードゲーム。クワークはカークのことを知っていたのでしょうか?
※6: Vulcan Love Slave
※7: Nog DS9第92話 "Shattered Mirror" 「鏡の裏のジェニファー」以来の登場。こちら側の世界のノーグとしては DS9第84話 "Paradise Lost" 「地球戒厳令(後)」以来。なお今回から声優が変わっており、坂口賢一、岩永哲哉、山口勝平 (この方が今までほとんどのノーグの声) に続き4代目ノーグとなります。声優の名前は不明です
※8: 第137宇宙基地 Starbase 137
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