副長日誌私的記録、宇宙暦49005.3。艦長の許可を得てシャトルを借り、しばし母艦を離れる。父の命日ごとに行う儀式、パクラ※1のためだ。
チャコティはシャトルの後部に座り、まじないの道具を広げた。川の石を手に取る。「ア・クー・チ・モヤ、父の魂を呼び寄せたまえ、言葉を交わしたい。我父の名は、コロパック※2。故郷は果てしなく遠い。名もなき宇宙の精霊よ、どうかわが願いを聞き届け、父と引きあわせたまえ。ア・クー・チ・モヤ。」
その頃、ケイゾン艦ではシャトルをスクリーンに捉えていた。縄張りを荒らすとどうなるか思い知らせてやらねばという、リーダーのラジーク※3。俺に任せろという部下のハリーズ※4に、今度はカー※5に行かせるという。まだ無理だろうというハリーズ。行かせてやれ、何週間も前からチャンスをくれと急っついているというラジーク。あいつにやれると思うかと聞かれ、お前だって最初から自信があったわけではないだろうという。カーについにお前が真のオーグラ※6になる日が来たといえと命じるラジーク。
チャコティは瞑想していた。急に船が揺れた。コンピュータがフェイザーによる攻撃だと報告する。船尾シールドに軽度の損傷。相手はケイゾンのシャトルだ。連続して攻撃してくるケイゾン船。通信チャンネルを開き、なぜ攻撃したかを尋ねるチャコティ。お前はケイゾン・オーグラの領内に侵入しているというカー※7。まだ子供だ。そうとは知らなかった、敵意はないから攻撃を止めれば出ていくというチャコティ。領域を侵してただで済むと思っているのかというカーに、いいか坊や、母艦はすぐそこにいるんだという。それに対しカーは、馴れ馴れしく呼ぶな、お前なんか殺してやると言い再び攻撃してきた。
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※1: Pakra
※2: Kolopak 後に登場
※3: ジャー・ラジーク、ジャル・ラジック Jal Razik (パトリック・キルパトリック Patrick Kilpatrick DS9第158話 "The Siege of AR-558" 「戦争の影−AR558攻防戦−」のリース (Reese)、VOY第149話 "Drive" 「愛の危機」のアサーン (Assan) 役) 声: 津田英三
※4: ジャー・ハリーズ Jal Haliz (ティム・デザーン Tim deZarn TNG第144話 "Starship Mine" 「謎の潜入者」のサトラー (Satler)、DS9第141話 "Wrongs Darker than Death or Night" の Halb Daier、VOY第159話 "Repentance" 「宿命の殺人星人」のイェディック (Yediq) 役) 声: 松本大
※5: Kar
※6: ケイゾン・オーグラ Kazon-Ogla VOY第1・2話 "Caretaker, Part I and II" 「遥かなる地球へ(前)(後)」に登場
※7: (エイロン・アイゼンバーグ Aron Eisenberg DS9のノーグ役) 声: 岡野浩介
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