ヴォイジャー 簡易エピソードガイド
第149話「愛の危機」
Drive
イントロダクション
小惑星帯を進むデルタ・フライヤーを、パリスが操縦している。 急に向きを変えたため、後ろに座っているキムに重力がかかる。顔を歪める。 パリス:「どうした、ハリー。真っ青だぞ。」 キム:「僕はテスト飛行に志願したんだ。これは特攻任務じゃないんだよ。」 「この新型デルタ・フライヤー※1が危険に弱かったら、洒落にならないだろうが。」 態勢が元に戻った。 キム:「今度そんな真似したら、一から作り直すことになるぞ。」 笑うパリス。 コンピューターに反応が出る。 キム:「右舷方向から船体が高速で接近中。」 パリス:「シールド。」 「距離、50キロメートル。10。真横に並んだ。」 窓から、異星人の船が隣に見える。 パリス:「いい船だ。惚れ惚れする。」 キム:「スキャンしてる。」 「こちらはトム・パリス中尉。そちらの船籍を述べよ。」 女性の声が返ってきた。『特定方向を向いた排気孔に、補強されたドライバーコイル。きっととても速いんでしょうね。』 「…どこへでもすぐ行ける。」 『スキャナーをチェックして。小惑星群の反対側に、彗星が見えるはずよ。私たちのうち、どちらが早く行きつけるかしら。』 「挑戦してるみたいだなあ。」 『受ける気はある?』 考えるパリス。 キム:「おい、間違ってもあるなんて言うなよ?」 パリス:「これはテスト飛行だよな。」 操作を始める。 「そうだけど。」 「レースでの闘いぶりを見れば、船の良し悪しは一目瞭然じゃないか?」 ため息をつくキム。 パリス:「スタートは? 3つ数えようか?」 異星人船はスピードを上げ、前へ行った。先には彗星が見える。 「必要ないらしい。」 操縦桿を倒すパリス。 デルタ・フライヤーは相手を追いかけ、彗星へ向かった。 |
※1: 前話 "Imperfection" 「セブンの涙」で先に登場しました。前話の宇宙暦は 54129.4 ですが、このエピソードで後ほど触れられる宇宙暦は 54058.6 になっています。つまり放送では後ですが、時系列的には先ということになります |
あらすじ
競争に勝ったデルタ・フライヤー。相手の船は故障し、パイロットのイリーナを転送収容する。ヴォイジャーで修理することにした。トレスは久々に週末をパリスと過ごすため、みんなにホロデッキの時間を借りてもらっている。イリーナは種族間の平和条約締結を記念して開かれる、亜光速レースの参加者だった。もちろんパリスもフライヤーで出ることにし、ジェインウェイの許可が下りた。パリスはトレスとの約束を忘れていたが、あっさりとトレスはレースに参加することを認めた。パリスが去り、浮かない顔をするトレス。 トレスは、パリスとは不釣合いなのかと感じていた。和平直後でまだ不安定な各国家の代わりに、ヴォイジャーでレースのセレモニーを行う。一癖ある参加者もいるようだ。各種族が見守る中、スタート地点に船が集まる。パリスの副操縦士として乗り込んだのは、キムではなくトレスだった。ヴォイジャーの光子魚雷の合図で、レースが始まった。 順調に進むデルタ・フライヤー。ヴォイジャーではニーリックスが実況する。トップに躍り出たフライヤーだが、事故が発生したという連絡が入りレースは中止される。イリーナの副操縦士が怪我を負い、それは船に仕掛けられた破壊工作のせいだった。 平和を望まぬ者の仕業らしいが、それに屈しないためにもレースは次の日に再開されることになった。イリーナに好意をもっているキムは、彼女の副操縦士として立候補する。再開されたレース中で、パリスとトレスの仲がぎくしゃくし始める。イリーナの船に不調が起こり、危うく爆発に巻き込まれそうになったキムの目の前では、銃を突きつけるイリーナが立っていた。 イリーナは自ら船に破壊工作を行っていたのだ。キムは銃を奪うことができたが、他の船などに連絡はできない。トレスに不満があることを知ったパリスは、船を止めてしまった。イリーナがデルタ・フライヤーを気にするのを見て、キムはゴールした時に爆発するようになっていることを知る。パリスはトレスといることこそが一番大切なのだと話し、突然結婚のプロポーズをした。その時キムから送られたモールス信号により、破壊工作に気づく。ワープコアを捨てるしかない。爆発を最小限に押さえるため星雲へ向かい、爆風に巻き込まれたが成功した。そして休暇を楽しむパリスとトレスの乗ったデルタ・フライヤーには、後ろに缶を模した貨物がつけられ、船体に「結婚しました」と書かれていた。 |
用語解説など
|
感想
久しく忘れられていたようなパリスとトレスの関係が一気に進展し、結婚までしてしまいます。披露宴がないのか不思議ですが、以前第112話 "Course: Oblivion" 「崩壊空間の恐怖」の冒頭で (流動生命体だったとはいえ) 見せたからでしょうか。 ありそうでなかった宇宙レースは、CG をフルに使った見ごたえがあるものです。最後の 2隻の船の視点を頻繁に切り替えるのも良かったですね。一度は見ておきたいエピソードです、一度は。 |
第148話 "Imperfection" 「セブンの涙」 | 第150話 "Repression" 「狙われたマキ」 |