マパリアンエール※5にパザファ※6を垂らしたのがお気に入りだったねとグラスをグリルカに渡すクワーク。覚えていたのか、それは嬉しいというグリルカ。クリンゴン人でブラッドワインを飲まないのは君だけだからな、あとプルーンジュースというクワーク。聞き返すグリルカに、気にするなという。グリルカの家に乾杯、いついつまでも強く誇らしくあれ、美しい主人と共にというクワーク。エールに口をつけたグリルカは、お前は理想の結婚相手ではなかったがバーテンダーとしては超一流だなという。クワークはそりゃ最高の誉め言葉だ、それでしがないバーに来てくれた理由は、仕事かい遊びかいと聞く。グリルカはトゥメック※7を見てから、クワークに話し出した。我が一族は惑星連邦とクリンゴン帝国の対立のせいで、経済的に大打撃を被ったという。戦いで多くを失った、船も土地も戦士たちもだ。戦争か、俺に言わせりゃ戦争なんて何の得にもならないというクワーク。グリルカは一門の財政は危機に瀕しているという。じゃあ財政記録を見せてくれないか、もちろん会いに来ただけがそれが目的じゃないことはわかっているが、なんとかできるかもとクワークはいう。いいだろう、そんなに見たいなら財政記録にアクセスすることを許してやろうとグリルカはいった。礼を言うクワーク。立ち上がるグリルカ。するとクワークの肩をいきなりグリルカの護衛のソポック※8がつかんだ。生きていたければ必死でやれよ、失敗したら命はないというソポック。
司令室にターボリフトで戻る、ウォーフとダックス。事故だったのにクワークは、夫を殺したのは自分だといったのと笑うダックス。なぜだと聞くウォーフ。店に客を呼ぶためよ、大繁盛したとダックスは言う。でもグリルカが現われ、クワークはクリンゴン帝国へと連れて行かれ結婚した。またなぜだと聞くウォーフ。今から話すところよ、女性だからグリルカは一門の長にはなれないでしょというダックス。だからクワークと結婚して家を渡すまいとしたが、結局グリルカが長になることが認められ、その場でクワークとは離婚した。知る限りでは2人はそれ以来会っていないとダックスは言う。ウォーフは便宜上の結婚だなという。それはグリルカには好都合だったでしょうけど、クワークにはいい迷惑よというダックス。クワークはどうでもいい、あんな下品な奴は彼女にはふさわしくないというウォーフ。ダックスはウォーフに、もしかして悪いパーマック※9にかかったんじゃないのと聞く。それは伝染するのかとシスコが聞いた。持ち場につく2人。シスコは野球ボールをダックスに投げた。パーマックとはクリンゴン語で恋という意味で、もっと過激なニュアンスだけどというダックス。ウォーフがというシスコ。驚くことじゃないでしょうというダックスに、キラの妊娠もあるしなというシスコ。
これでキラのくしゃみは少し楽になるはずだとマスクを手に取るベシア。少しというオブライエンに、ベイジョーの女性は10万年もくしゃみをし続けてきたんだぞ、それを一晩にして治せるわけないという。ベシアは極秘情報だが、ドイツが奇襲をかけてくるという噂がある、待ち伏せしてやっつけてやろう※10という。オブライエンがそのマスクを付けてみると、くしゃみをしてしまった。君には逆効果だというベシア。ホロスイートには行けない、キラが何かしでかすと困るもんでというオブライエン。まだ喧嘩してるのかというベシア。誰からそんなことをというオブライエンに、風の噂で、狭いステーションだろという。馬鹿言えだだっ広いぞというオブライエン。念の為にいっておくが喧嘩なんかしてないというオブライエンに、それならいいけどというベシア。足のむくみに効くというベイジョーの薬草を手渡す。タケオ※11っていう薬草だが飲む時はフルーツジュースに解かして飲んでというベシア。オブライエンはこの前のマカラ※12みたいにまずくないだろうなと聞く。キラに出す薬を全部味見してるのかいと聞かれ、いや、キラが不味いといっていたんだというオブライエン。忘れてたけどキラに湿疹ができた、太股の裏に、軟膏をもらえないかなという。ベシアがいつ気がついたんだいと聞くと、風呂から出すのを手伝った時だから昨日だなという。風呂から出るのを手助けと聞き直すベシア。僕の子供がお腹にいるんだから当然だろというオブライエン。ベシアは、それで見えたかいと聞く。おいよせよ、バスタオルを広げて待ってたんだから見えないというオブライエン。笑い、ケイコは何も言わないのか、君がキラを風呂から出すのを見てというベシア。何も気にしてないさ、我々は大人だからねとオブライエンは言う。大人として成熟した関係を築いているというオブライエンに、そりゃケイコとキラはそうだけど君はというベシア。僕が何だと聞くオブライエン。絶対みただろうとベシアは言った。オブライエンは何も言わずに薬を受け取り出て行った。微笑むベシア。
クワークの店。クワークとグリルカはテーブルで話し合いを終え、クワークは歩いて行った。ウォーフが、カウンターでグラスの酒を指で舐めているモーンのところに近づいた。悪いな、このことは後でちゃんと謝るというウォーフ。そして俺の席に座るなと怒鳴ると、モーンをつかみ投げ飛ばした。椅子に座ってカウンターを叩き、バーテンダー、ブラッドワインだという。何だ、この変な臭いは、腐ったゴミの山でもあるのかと振り返るウォーフ。そしてグリルカの横に座っているソポックを見て、お前が臭いのかという。人に話しかけられたら立て、それとも馬鹿にしてるのかと近寄るウォーフ。立ち上がるソポック。トゥメックがメヴヤップ※13とソポックに叫ぶ。にらみ合うウォーフとソポック。トゥメックはウォーフ、モーグの息子よというと、話があるといい歩き出した。後を追うウォーフ。
グリルカたちから少し離れたところで、トゥメックはウォーフに祖国との戦いを挑んでも時間の無駄だという。グリルカはお前とは結婚することはできない、お前の家は没落しお前も追放の身だという。礼を失するつもりはないというウォーフ。礼を失してはいない、お前は名誉を重んずる男だというトゥメック。しかしはっきり言えば、お前はグリルカとはやっていけないという。理由を聞くウォーフ。トゥメックはクリンゴンの女を手に入れたことがあるのかと聞き、いいえとウォーフは答えた。恥じることではない、お前は地球人に育てられ、価値観を受け入れ艦隊士官となったというトゥメック。クリンゴンの女はわからんだろうという。いろいろと聞いて知っていますというウォーフ。しかしトゥメックはその知識はしまっておけ、グリルカの意志だ、黙って立ち去れとたしなめる。モーグの息子よ、二度と戻ってくるでないぞというのだった。ウォーフはその場を離れた。
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※5: Maporian ale
※6: pazafer
※7: Tumek (ジョセフ・ラスキン Joseph Ruskin TOS第46話 "The Gamesters of Triskelion" 「宇宙指令! 首輪じめ」のガルト (Galt)、DS9第66話 "Improbable Cause" 「姿なき連合艦隊(前編)」のカーデシア人情報屋、VOY第107話 "Gravity" 「ブラックホールと共に消えた恋」のヴァルカン・マスター (Vulcan Master)、ENT第1話 "Broken Bow, Part I" 「夢への旅立ち(前編)」のスリバン・ドクター (Suliban Doctor)、映画 "Star Trek: Insurrection" 「スター・トレック 叛乱」のソーナ人士官その3 役) "The House of Quark" にも登場。声:円谷文彦
※8: ソポック Thopok (フィル・モリス Phil Morris TOS第12話 "Miri" 「400才の少女」の軍帽をかぶった男の子、VOY第128話 "One Small Step" 「電磁空間アレース4」のジョン・マーク・ケリー中尉 (Lt. John Mark Kelly)、映画スタートレック3 "The Search for Spock" 「ミスター・スポックを探せ!」の Foster 練習生 (Trainee Foster)、新スパイ大作戦 (Mission: Impossible) のグラント・コリアー (Grant Collier) 役。(初代) スパイ大作戦のバーニー・コリア (Barney Collier) を演じたグレッグ・モリス (Greg Morris) の実の息子。後のDS9にも登場)
※9: par'Mach 原題にも使われています
※10: ホロスイートプログラムのブリテンの戦い (Battle of Brittain)。DS9第83話 "Homefront" 「地球戒厳令(前)」など
※11: takeo herbs
※12: makara herb
※13: mev yap クリンゴン語で「やめろ」"Stop."。TNG第81話 "Reunion" 「勇者の名の下に」より
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