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ヴォイジャー エピソードガイド
第71話「名誉の日」
Day of Honor

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・イントロダクション
※1※2第2貨物室。セブン・オブ・ナインがアルコーヴで休んでいる。扉が開く音がした。目を開き、アルコーヴを離れるセブン・オブ・ナイン。やってきたチャコティに話しかける。「チャコティ副長。」 「話があるそうだが。」 「あなたが人員の責任者だと聞いた。船の人員の、任務の割り当てを決めているそうだが。」 「そうだ。」 「私はこうして、独りで過ごすのに慣れていない。ここに独りでいると、時間が経つのがとても遅い。」 「それはわかるが、どうしたい。」 「慎重に考えたが、私も船で任務につきたい。」 「希望する職務はあるか?」 「ああ。」
高音を発しながら、蒸気が吹き出している。「今度は何!」と駆け寄るトレス。ヴォーラック※3が答える。「冷却インジェクターに亀裂です。」 「見りゃわかるわよ、何で塞がないの。」 「塞ごうとしてるんです。」 蒸気と音は止まった。できるじゃない、といいその場を離れるトレス。ヴォーラックは追いかけ、「中尉、冷却アセンブリを再調整してはどうでしょうか。圧力バルブの放出量を管理しやすくなると思いますが」という。「それもそうね。明日の朝一でやってちょうだい。でも今日はだめ。」 「でもなぜ、明日まで待つと亀裂が大きくなる可能姓が…」というヴォーラックにトレスは言った、「今日はだめよ、ヴォーラック。」
機関室に入るパリス。不機嫌なトレスにいう。「やあ、おはよう、頼まれた操舵コントロールの分析結果だ。」 「どうも」といいパッドを受け取るトレス。「今夜のディナー、大丈夫だよね。」 「どうかしら、仕事になるかも。」 「あ、そう、わかった。で儀式を行うか、ちゃんと考えたの?」 「考えたわ。それで、やめる。今日は朝から最悪。こんな日にまた妙なクリンゴンの儀式を行うなんて、まっぴらごめんよ。」 「君が言い出したことだぞ。」 「わかってる。あの時はちょっと感傷的になって、一瞬儀式を受ける気になったけど、もう嫌なの。」 「なるほど、一時の気の迷いか。」
"I overslept this morning because I forgot to tell the computer to wake me... and then the acoustic inverter in my sonic shower blew out."

「今朝私寝坊したのよ、コンピューターに時間いうの忘れて。それから超音波シャワーのインバーターが爆発。」

"That'll make your hair stand on end...."

「そりゃついてなかったね。」

"So I didn't have time for breakfast, and when I got here two people were out sick so I had to cancel the fuel cell overhaul, and then an injector burst for no apparent reason and started spewing plasma coolant...."

「当然朝食は食べる暇なくて、ここへ来たら 2人病欠だから燃料セルのオーバーホールは中止。なぜかインジェクターも亀裂が入って、プラズマが吹き出したわよ。」
「確かに今日は日が悪そうだ。」 「だからすごくカリカリしてるの。そばにいるととばっちりを受けるかもよ。」 「いや、僕は遠慮しとく。ディナー考えといて。」 パリスは出て行く。入れ違いに入って来たチャコティに「気を付けて」と言い残して。理解できないチャコティ。
「面白いことが起こったぞ」とトレスにいうチャコティ。「どんな?」 「セブン・オブ・ナインが仕事をしたいそうだ。」 「結構ね。」 「機関部で働きたいと。」 「なんで!」 「ボーグはトランスワープ※4・コンジットを使って超ワープで移動している。その技術を使えれば…」 「トランスワープなんて私たち何一つ知らないのに、素人が手を出したら危険よ。」 「だからセブン・オブ・ナインが来る。君と働きたいって。」 「何が狙いかしらね。」 「彼女も集合体から切り離されて辛いんだろう。何かしたいんだ。」 「あなたも随分甘チャンよね。はっきり言うけど、彼女は機関部に欲しくない。」 「はっきり言うがこれは命令だ。従ってくれたまえ、中尉。」 「了解しました。」 出ていくチャコティ。トレスは納得できていなかった。
※1: 日本ではこのエピソードの前に "Nemesis" 「ヴォリ防衛隊第4分隊」という放送順ですが、本国放送順では逆です (ちなみに製作番号順では日本放送順と同じ)。当サイト内では TNG 以降は本国放送順で統一しているため、このエピソードを第71話としています

※2: このエピソードは、後にノヴェライズ版が出版されています。→Amazon.comスカイソフトの解説・注文ページ参照

※3: Vorik
(アレキサンダー・エンバーグ Alexander Enberg TNG第127話 "Time's Arrow, Part II" 「タイム・スリップ・エイリアン(後)」の若い記者、TNG第167話 "Lower Decks" 「若き勇者達」のトーリク少尉 (Ensign Taurik) 役。後にも別役で出演) ヴァルカン人男性の宇宙艦隊少尉。第58話 "Blood Fever" 「消えた村の謎」以来の登場。声:森田順平、きちんと統一されています

※4: transwarp 革新的な推進技術。TNG第152・153話 "Descent" 「ボーグ変質の謎」、VOY第31話 "Threshold" 「限界速度ワープ10」など

・本編
ジェインウェイがセブン・オブ・ナインに話している。 「セブン・オブ・ナイン、あなたはもうボーグと連絡を取らないといったわね。私はそれを信じたいわ。」 「それは保証する。」 「機関室にいる時の注意事項をいちいち説明する気はないけど、ルールはあります。こっちのやり方に従ってもらうわ。トレスの下に出頭して、彼女の命令に従ってちょうだい。」 「了解した。」 「もう一つ、あなたの呼び名のセブン・オブ・ナイン。ちょっと固いのよね。元々の名前で呼ばれるのはどう? 『アニカ』って。」 「私はそれが自分の名前とは思えない。」 「そうね。でも長いのも呼びづらいし…。それじゃこれは? 『セブン』。」 「不正確だが、許容範囲だ。」 トゥヴォックからジェインウェイに通信が入った。ブリッジへ来てください、船が接近中ですという。作戦室を出るジェインウェイ。セブンも遅れて続く。
損傷は多いが機能しています、エネルギー放射が弱いと報告するトゥヴォック。ワープ航行は不可能と思われる。数十名の生命反応、船から通信だ。名乗るジェインウェイ。「惑星連邦の宇宙艦ヴォイジャーの艦長、キャスリン・ジェインウェイです。」 「私はラーミン※5。わが種族はカターティ※6といいます。見ておわかりのようにこのような有り様で、お会いするのが申し訳ない。人口のほとんどは 1年前ボーグに襲われ、同化されて、全てを失いました。」 弱々しい声で話すラーミン。ジェインウェイは少しの間の後、言った。「脱出できた人数は?」 「30の船で数千人。何百万から残ったのはそれだけです。」 「お察しします。」 「艦長、こんな我々でも、かつては技術もあり繁栄していたのです。」 「わかります。」 「これを言うのは心苦しいが、私は飢えに苦しむ 88名の命を預かっている。食料と薬品が必要です。どうか我々を助けてもらえませんか。」 「もちろん、私たちもできる限りのことはします。」 「お心、本当に感謝します。調子に乗るようなのですが、そのほかに少量でいいんです、トリウム※7のアイソトープを分けてはもらえないでしょうか。それがないと、我々のシステムは機能しないので。」 「一応調べてみますが、何とかできるでしょう。」 「あなたは我々の種族にとっての救世主です、艦長。ありがとう。」 通信は終わった。
セブンやヴォーラックが作業を行っている。ヴォーラックにトリウムのアイソトープが出来上がったか尋ねるトレス。「ニュートリノの吸収を抑えることができないんです。」 「プラズマの温度を上げてみたら。用意できたら艦長に渡して。」 「了解。」 トレスは黙々と作業しているセブンに話しかける。「ねえ聞くけど、カターティの人たちの話とか聞くと、いくらか良心がとがめたりする?」 「……いいや。」 「それだけ? ただ『いいや』?」 「それ以上何を望むのか。」 「まあ少なくとも、何十億の命を破壊してきたっていう認識とか、自分がしたことへの弁明。罪悪感があればもっといいけど。」 「何の罪悪感だ。」 「わかんないの?」 「トランスワープ・コンジットに必要なタキオンバーストのパラメーターをセットした。だが、メインディフレクターの調整には数時間かかる。アルコーヴで待っているのが一番いいと思う。」 「そうしてちょうだい。」 歩いて行くセブン。また不機嫌になるトレス。
食事をしているトレス。落ち着かない。食べるのをやめ、腕を組むトレス。ニーリックスがやってきた。「こりゃムードメーカーのやる気がそそられる顔だねぇ。どうかしたの。」 「きっと私は手に負えないわよ。」 「難しいほど燃えるね。」 ニーリックスは皿に盛られた料理を見せた。「それでご機嫌取るつもり?」と尋ねるトレス。「ブラッドパイ※8だ。名誉の日※9だろ。」 「なんであんたが知ってるの。トムがしゃべったんでしょ。」 「い、いや違うよ。俺は記念日とか覚えとくのが好きなんだ。記憶が正しければ、クリンゴンの家族は名誉の日にブラッドパイを食べる風習があるはずだよ。」 「…ご厚意には感謝するけどね、ニーリックス、今回の伝統だけは無視することに決めたから、ブラッドパイはなし。私がクリンゴンとして適格か、去年の行動を省みることもしない。」 「了解した」といい、立ち去ろうとするニーリックス。だが向き直り、トレスの前に座った。「なあベラナ、君がどうして暗い顔をしているのかは知らないけど、一つ言ってもいいかな。」 「ええ、どうぞ。」 「君はほら、激しい気性をいつもコントロールしている。でもそれが限界点に達すると、誰かに爆発させる。」 「まあ、大体当たってるわね。」 「俺が圧力バルブになるよ。」 「何?」 「俺を使って、圧力を抜くんだ。いつでも俺に向かって毒づいて、悪口いって憂さ晴らせよ。俺は全然気にしない。そうすれば自分の中に溜め込む必要もなくなるだろう。」 「……そんなこと言ってくれるのはあんただけ。ありがとニーリックス。でもそんなひどいことできないから。」 「いつでも話聞くよ」といい席を立つニーリックス。トレスは呼び止めた。「ニーリックス。名誉の日のことだけど、やった方がいいと思う?」 「伝統になっているものには必ず、なんか意味がある。」 「私も考えたのよ。母に教わったことを思い出して。子供の頃ほどは嫌だと思わないんだけど、私も段々クリンゴンっぽくなってきたのかしら。」 「儀式は受けておいて損はないと思うけど。」 「どんな影響を受けるのか、それが怖いの。」 ニーリックスはトレスの腕に手を置いた。「いいわ、ブラッドパイちょうだい」とトレスはいった。やってやるわ、といい食べ始める。微笑むニーリックス。
いくつもの火が灯った洞窟※10の中。トレスが入る。後ろからクリンゴン※11が現れた。「コプラ! そこを行くのはどこの戦士だ。」 「私はベラナよ。」 「自らの名誉を守りに来たのか。」 「そのつもりよ。ええ。」 「お前に儀式を最後まで受ける覚悟はあるのか。」 「受けなきゃ仕方ないんでしょ。何すればいい?」 「長く辛い試練だぞ。まず、ターグ※12の心臓を食べて、汝の罪を清めろ。」 別のクリンゴンが持って来た皿から、一つまみを取るトレス。ウパパに「パクロー!」といわれ、口に運んだ。話し続けるクリンゴン人。「そうだ。ターグの心臓は、それを食べた者に勇気をもたらす。次は、神なるカーレスの聖杯※13より、モトロック※14を飲むのだ。」 聖杯を受け取るトレス。「飲め! 偉大なる神、勇者カーレスをたたえるのだ。」 トレスは飲み干し、せきをした。「カーレスは、その戦場において、敵という敵を倒し、強大な帝国を作り上げた。お前はどのような戦いを経験した?」
"I haven't built any empires... and I can't say that I've personally defeated any enemies in battle. But you have to realize, I'm not living among warriors."

「私は帝国を作ってないし、個人的には誰か敵を殺したこともないんだけど、でも戦士の時代じゃないから割り引いてよね。」

"Then how do you expect to distinguish yourself?"

「ではどのような手段で自らを証明する。」

"I don't know. I guess I'm doing the best I can."

「知らない。一生懸命やってるけど。」
「ハ! 情けない答えだ。だが先に進もう。戦士は大いなる痛みに耐えねばならない。その気概を表すため、槍※15で 20回突かれる、槍の儀式※16を行う。その後、バトラフの達人と刃を交えてもらう。最後に、ゴラス※17の硫黄の海を渡ってもらって終了だ。」 「ちょっと、悪いんだけど、話聞いてたらやる気なくなっちゃった。絶対やりたくない。私帰る。」 だがクリンゴン人はトレスの腕をつかみ、「待て、終わるまでは帰れんのだ、パターク!」という。周りから 2人のクリンゴンが、槍でトレスに電撃を与える。倒れるトレス。だがトレスは一人の槍をもう一人に当てた。投げ飛ばされるトレス。逆にそのクリンゴン人を倒した。「どうもありがとう、楽しかったわ」と言い、洞窟を出ていくトレス。
トレスは自室の椅子に座っていた。チャイムが鳴る。入って来たのはパリスだ。「探したよ。ホロデッキにいたんだね。」 「そうよ。」 「つけっぱなしになってたよ。クリンゴンが頭から湯気出して怒ってた。」 「ほんと?」 「目の周りに真っ黒いあざ作ってさ。相当機嫌の悪いのと関わったんだろうねぇ。」 「面白いわよ。」 「で、どうだった?」 「しなかった。話題変えて構わない?」 「悪いけど構うんだ。一日中怒ったコブラみたいじゃ、周りも参るよ。あのプログラムは 2人で作ったんだろ? 何があったかくらい、教えてもらう権利はある。」 「あんなの下らない。意味のない自己満足よ。名誉なんかに何の意味があるの。」 「意味はあるよ。君の一部なんだから。今までずっと逃げてきたんだろ。」 「偉そうに何様よ。」 「心配してるんだ。でもそうやって、ずっと僕をはねつけるのなら、ここにいる意味もないよな。」 「そうよ。独りにしてちょうだい。」 「心配ない。近寄る人みんなにそういう態度をとってりゃ、すぐ独りになれる。」 そのままパリスは部屋を出て行った。

※5: Rahmin
(マイケル・A・クラウィック Michael A. Krawic DS9第40話 "The Maquis, Part I" 「戦争回避(前編)」のウィリアム・パトリック・サミュエルズ (William Patrick Samuels)、ENT第28話 "Carbon Creek" 「スプートニクの飛んだ夜に」の Stron 役) 声:小形満

※6: Caatati

※7: thorium
元素記号 Th。原子番号 90

※8: ロケッグの血のパイ rokeg blood pie
伝統的なクリンゴン料理。TNG第34話 "A Matter of Honor" 「錯綜した美学」など

※9: Day of Honor
原題かつ邦題

※10: カーレスの洞窟 Caves of Kahless。ホロデッキプログラム「名誉の日」

※11: 名前は Moklor
(Kevin P. Stillwell) 声:小野健一

※12: targ
クリンゴンの動物。TNG第6話 "Where No One Has Gone Before" 「宇宙の果てから来た男」など

※13: Grail of Kahless
カーレスは TNG第149話 "Rightful Heir" 「クリンゴン神カーレスの復活」などに登場した、初代皇帝

※14: mot'loch

※15: クリンゴンの槍 Klingon painstik
一方の端が放電する部分になっている、儀式用の棒。TNG第40話 "The Icarus Factor" 「イカルス伝説」など

※16: 20の槍の儀式 Ritual of Twenty Painstiks

※17: Gorath

ヴォイジャーと並行する、3隻の船。ラーミンがヴォイジャーのクルーに話している。「今いる 3隻だけでも乗員は 200名以上。その全員が栄養失調に苦しんでいます。一番ひどいのは子供たちだ。どの子の親も自分は食べずに子供に与えているが、それでも、食料が足りない。赤ん坊の泣き声はやまず、一晩たりと満足に眠れた夜はない。」 適当な惑星を見つけて定住しようと思わなかったのかね、と尋ねるトゥヴォック。もちろん、でもどこでも歓迎されなかった。こちらが与えるものがないと、どこの星でも我々を泥棒扱いだというラーミン。窮状は察するが物資にも限りがある、全員に十分なほどは渡せませんというチャコティに、失礼ですが我々から見ればあなた方は贅沢だ、病気で弱っているわけでもない、様々なエネルギー源もある、レプリケーターも、クルーは素晴らしい栄養状態だといった。明らかに困っている我々を助けるよりも、自分の腹を満たす方に熱心だというラーミン。それは言い過ぎだ、こんなに親切な人はほかにいない、でも全員に十分な物資をやったらこっちが何にもなくなっちまうとニーリックスは反論する。ジェインウェイに分けられる物資はと聞かれ、それぞれに船に数百キロだという。あげなさい、ドクターにも医療物資を渡すように伝えてというジェインウェイ。ありがとう、この艦とクルーに神が微笑まんことを、というラーミン。ジェインウェイはトゥヴォックに転送室に案内するように命じた。
セブンと一緒にターボリフトから出るパリス。「トランスワープ・コンジットは初めてだ。何か注意事項はある?」 「あなたは何も知らないのだから、トランスワープに入る際は私が舵を取る。」 「覚えは早いんだけどな。」 すると、別の通路を歩いていたラーミンがセブンに気づき、「あいつは何者だ」と指を差す。「かつてボーグだった人間だ」というトゥヴォック。「ボーグ!」と叫び、セブンへ近づくラーミン。「集合体との接続は解いた。害はない。」 「妻はどこだ、子供をどこへやった。」 制止させるトゥヴォック。パリスも間に入る。「私の家族に何をした、家族に何をしたんだ」と狼狽するラーミン。トゥヴォックはラーミンを連れて行きながら、パリスに行きたまえといった。ラーミンの叫びは続く。「全てを失ったんだぞ。家族も故郷も…」
パリスはセブンに話す。「済まなかったねぇ。」 「何がだ?」 「え? 今の彼の反応。」 「実害はない。」 「そう。」 「この艦にも彼と同じような反応を示す者が多い。」 「残念ながらね。迷惑してる?」 「いや。」 「まあ、少なくとも僕は違う。
We all have a past. What matters is now."

誰にでも過去はある。大事なのは今だ。」
「何を言いたいのかわからないが。」 「だから、もしここでの生活に溶け込むのに助言が必要な時は、いつでも言ってよ。」 「その申し出、覚えておこう。」
機関室。システム準備完了というセブン。一瞬試すだけよ、コンジットを開けて、できる限りのデータを集めたら、すぐに閉めるというトレス。一歩一歩着実にいくわという。ディフレクターに一時的なタキオンマトリックスを設定、作動中ですというヴォーラック。トレスはブリッジに連絡を入れ、実験準備完了ですと伝えた。始めて、ここでモニターしてるわ、というジェインウェイ。十分な亜空間フィールド作成にワープスピードが必要です、一時的にこちらで艦を動かしますとトレスは言う。ジェインウェイは許可し、通信を終えた。「速度、ワープ2以上」というトレスにパリスも同じことを言い、わかってるという。顔を見合う 2人。ヴォイジャーはワープに入った。
現在ワープ2.3 と伝えるパリス。トレスはヴォーラックにタキオンの放出開始を命じる。マトリックス起動。セブンは、亜空間フィールドが形成されない、マトリックスの出力を高めては、という。ヴォーラックに指示するトレス。変化があり、亜空間フィールドが出現。だが警告音が鳴り響いた。モニターを調べ、タキオン粒子が推進システムに漏れてるというトレス。ディフレクターを閉じるが、粒子漏れが止まらない。室内で火花が飛ぶ。ジェインウェイから通信が入る。タキオン粒子がワープコアに流入していますというトレスに、コアの反応が止められないなら機関室を脱出するように命じるジェインウェイ。了解し、また報告しますというトレス。ヴォーラックは中継動力を全て切断してもタキオンレベルが上がっているという。トレスは仕方ないわといい、全員脱出を指示した。部屋を出ていく機関部員たち。あなたもよ、出てというトレスに、まだできることが、というセブン。これは命令よ、というトレス。大きく船が揺れた。出ていくセブン。「僕は君より上官だからね」といい操作するパリス。「何とかコアを中和しなくちゃ」といい、コアに近づくトレス。「じゃあこっちはダイリチウムマトリックスを分離させる。」 「効果なし。もう一度。」 「だめだ、もうすぐコアに亀裂が入るぞ!」 「最後にもう一つだけ。」 「ベラナ、もう時間がない。」 「でも…」 「脱出するんだ。」 2人もワープコアを離れた。コンピューターに指示するトレス。「コンピューター、ワープコアの廃棄を準備。承認コード、トレス オメガ・ファイ・9・3※18。」 機関室を出たトレスは、座り込みながら最後の命令を下した。「コンピューター、ワープコアを廃棄。」 ヴォイジャーの下部から、棒状のワープコアが排出された。※19そのままワープを抜ける。トレスはジェインウェイに、コアを廃棄しましたと伝えた。ジェインウェイはチャコティと顔を見合わせる。
"Welcome to the worst day of my life."

「人生最悪の日だわ」
とトレスは言った。

※18: 保安アクセスコード (security access code)。"Torres omega-phi-9-3"

※19: ヴォイジャーのワープコアは VOY第13話 "Cathexis" 「幽体離脱」でも廃棄しましたが、映像で見られたのは初めて。映画 "Star Trek: Insurrection" 「スター・トレック 叛乱」でも

コアのなくなった機関室で、トレスがヴォーラックに指示を出す。まずは通常エンジンを使えるように、ニコレッティ※20とお願いという。了解するヴォーラック。機関室に入るジェインウェイに報告するトレス。「艦は停止、コアは数百万キロの彼方で、通常エンジンもダメージを受けています。推進力はスラスターだけです。」 「エンジンが直るまでどのくらい?」 「まだ被害分析の段階で見通しが立ちません。トランスワープ・コンジットの出だしは散々です。例のボーグなら、アルコーヴへ帰しました。もう利用価値がありませんから。」 「まだコアは無傷なんでしょ? トム、シャトルで見つけに行って。できればもって帰ってちょうだい。」 はい艦長、というパリス。きっと不安定です、トラクタービームをかける前に修復しないと、というトレスに、ジェインウェイはあなたも一緒に、とにかく使える状態でもって帰ってと命じた。機関室を出ていく 2人。
シャトルが発進した。軽く揺れる。「近くでイオン嵐が発生してる」というトレスに、「コースを変更して、避けよう」というパリス。トレスは腕を組む。「まだ何かあるのかしら。コアをもち帰ったらベッドに直行してぐっすり朝まで眠ってやるわ。早く今日を終わらせなくちゃ。」 「でもほかにどんな災難がある。コアを捨てる以上に悪いことなんか、もうないだろう。」 「私のせいかも。全部私が引き寄せたのかもしれない。」 「僕はただの偶然だと思うよ。」 音が鳴る。「センサーがポリメタリック物質に反応した、コアかもしれない。」 「ワープコアの波形だわ。でも別の何かがある。船だわ。このセンサー結果は、カターティの船のエネルギー反応と一致してる。」 「コアを守ってくれてるのかも。」 「そうね。」 「見えたぞ。」 カターティ船から、ワープコアへ向かってビームが出ている。「ちょっと、何してんだ」というパリス。「トラクタービームをかけてるのよ。」 「シャトル・コクレイン※21よりカターティ船へ。応答せよ。」 『それ以上近づくな。我々はコアの回収作業中だ。※22』 「そりゃ偶然、僕らもだよ。」 『我々が先に見つけたのだ。邪魔をすると攻撃する。』 トレスは言う。「わかってる? コアはとても危険な状態なのよ。その状態で下手に引っ張ったら、反物質爆発を起こすわ。」 応答はない。「何よ!」 「コアを破壊されたら、一巻の終わりだ」というパリス。トラクタービームを妨害するため、後ろのコンピューターを操作するトレス。カターティのトラクタービームに向かって、青いビームが発射される。効いてるぞというパリス。シャトルが揺れた。こちらのビームに合わせて、反物質パルスを送っているのだ。『警告、構造維持フィールドがダメージを受けました、53%から減少中。船体崩壊まで 2分20秒です』というコンピューターの声※23が響く。推進と武器システムのパワーを回して、パリスにというトレス。『警告、船体崩壊まで 2分10秒です。』 効果がなく、揺れは止まらない。『警告、構造維持フィールドが崩壊しました。船体崩壊まで 2分。』 だめだ、脱出しようというパリス。『警告、船体崩壊まで 1分50秒。』 2人はシャトルの後部で、ヘルメットなどを取り出す。カターティ船はワープコアを牽引したまま飛び去った。
環境スーツ※24を着たパリスとトレス。コンピューターに、ヴォイジャーに救難信号を発信、座標を知らせろと命じるパリス。だが応答がない。通信システムがダウンしたのだ。転送装置はまだ作動する。転送準備をし、パリスは自分のスーツをトレスと線で結んだ。転送。宇宙空間で実体化する 2人。そして、遠くでシャトルが爆発した。

※20: スーザン・ニコレッティ Susan Nicoletti 艦隊士官。VOY第22話 "Twisted" 「空間変動波」など

※21: Shuttlecraft Cochrane
VOY "Threshold"、VOY第64話 "Real Life" 「ドクターの家庭」でも使用された 9型シャトルクラフト。名前はゼフラム・コクレイン博士にちなんで

※22: 名前は Lumas
(アラン・アルトシュルド Alan Altshuld TNG第144話 "Starship Mine" 「謎の潜入者」のポメット (Pomet)、第156話 "Gambit, Part I" 「謎のエイリアン部隊(前編)」のイラナック (Yranac)、VOY第47話 "False Profits" 「救世主フェレンギ」のタカール人靴職人 (Takarian sandal maker) 役) 声だけの出演。声:古田信幸、DS9 ダマール、VOY ホーガンなど

※23: (メイジェル・バレット Majel Barrett) 声:岩本裕美子

※24: いわゆる「宇宙服」。映画第8作 "Star Trek: First Contact" 「ファースト・コンタクト」などで使用

宇宙空間を浮遊するパリスとトレス。「パリスよりヴォイジャー。聞こえますか? 応答せよ。パリスよりヴォイジャー。」 「呼んでも無駄よ。このスーツの通信システムじゃ、パワー不足だわ。」 「ま、通常エンジンが修理できれば、探しに来てくれるさ。」 「でも私は、ただ漂いながら助けを待ってるなんて人任せは嫌なの。打つ手があるはずだわ。」 「同感。……もしお互いのスーツの通信システムを接続できれば、強いフェイズキャリアウェーブを発生できるかもしれない。ヴォイジャーが受信すれば、僕らからだとわかるはずだ。」 「いいわね。システムにアクセスさせて。」 「へえ、協力的たね。」 線をたどり近づく 2人。「いいわ。もしこれでハイパースパナがあれば、ずっと簡単なんだけど。抑えてて」といい、スーツの腕の部分にあるボタンを操作するトレス。「どうせならこうやって環境スーツ※25で外に放り出される前に、ファースト・コンタクトのプログラムを始動させれば良かった。」 「いくじなしね。宇宙に放り出されてまだ 30秒よ。もう帰れないと思ってるの?」 笑うパリス。「ひどい言い草だな。機関部が危なかった時は、こんな僕だって一応 4分は粘って、がんばってただろ。」 「いいわ。キャリアウェーブを発生させるわよ。」 その途端、耳障りな高音がパリスを苦しめた。「ごめん。大丈夫?」 収まる音。「ああ。ヴォイジャーに着くまで、ウェーブがもってくれることを祈ろう。」
ヴォイジャー作戦室。セブンがやってきた。「お茶でもどう? コーヒーか…」というジェインウェイ。「液体をとる必要はない。アルコーヴからエネルギーをとっている。」 「もう食料をとる準備ができてるはずだけど。」 「ドクターもそう言っていた。なぜ私をここへ?」 「ここでは事故があると、どんな小さな事故も調査するの。また起こる可能姓を最小限にするためよ。」 「懸命な行動だ。」 「トレスが艦を離れる前に話す機会がなかったから、機関部で起こった事故についてあなたに聞きたいのよ。ログにはワープコアへタキオンが流入した記録が残ってる。何が原因かわかる?」 「いや。タキオンを噴射するため、ディフレクターを改造した。それが悪かったのだろう。」 「タキオンを管理していたのは?」 「ヴォーラック少尉。」 「あなたは何を?」 「トランスワープ周波数を監視していた。」 「一度でもディフレクターのコントロールにアクセスした?」 「あなたは私が原因だと思っている。私が破壊活動に及んだと。あなたも私を脅威と考えている。」 「……はっきり言うわ。疑ってる部分はあるの。今までタキオンでこういう事故はなかったから。」 「艦長、私は疑われるのに慣れていない。ボーグの中で嘘をつくのは不可能だ。隠し事もない。私が保証する、今回の事故に私は無関係だ。」 「信じるわ。ありがとう。」 セブンはため息をつく。
"I am finding it a difficult challenge to integrate into this group. It is full of complex social structures that are unfamiliar to me. Compared with the Borg, this crew is inefficient and contentious... but it is capable of surprising acts of compassion.

「この集団に同化するのは、非常に難しいと感じている。クルー同士の関係が非常に複雑でみえにくい。ボーグと比べ非能率的で、よく対立もする。だが時々、予想外に軟化した態度を見せる。」

"Unexpected acts of kindness... are common among our group. That's one of the ways we define ourselves."

「予想外の優しさこそ、私たちの長所ね。それが人間の特徴なの。」
「ほかにも話が?」 「ええ、まだタキオン漏れの原因が見つかっていないわ。推進システムのパワー変動について覚えてることを教えて。」
トレスはパリスに話しかける。「アカデミーでやったシミュレーションと全然違うじゃない。あれは気持ち良く、浮かんでる感じだったけど、これは…全然違う。気持ち悪くなってきたわ。」 「ドロップアウトしたからだ。3年目じゃ、6週間実際に、宇宙遊泳※26して宇宙酔いを経験するんだ。」 「どうせ 3年間はいられなかったわ。私が辞めなくっても、学校が放り出した。」 笑うパリス。「あの頃君に会いたかった。」 「きっと嫌われてた。」
"I can't imagine a time I wouldn't have found you fascinating."

「どんな時に会っても、君は最高に魅力的だよ。」
突然、2人に異変が襲った。「おい、何だ今の。」 「またイオン嵐だわ。」 『警告、酸素レベルが 114ミリバールに低下。』 「僕の酸素が、どっかから漏れてる。」 あえぐパリス。 『警告。酸素レベルが 93ミリバールに低下。』 「私のを分けるわね。」 トレスはケーブルをつなぎ、酸素を送った。「少しは楽になった?」 「ああ、ずっといいよ。ありがとう。」 トレスは何かに気づいた。「どうした?」と尋ねるパリス。「イオン嵐よ。私のスーツにも傷がついてる。酸素は最低 24時間分あるはずなのに、あと 30分しかもたない。」

※25: 「宇宙服」と吹き替え…しちゃまずいですよね、やっぱり

※26: space walk

機関部のヴォーラックがジェインウェイに報告する。あと 1時間ほどで通常エンジンの修復が完了する。エンジンが動いたらまた知らせて、というジェインウェイ。セブンは「艦長、事故の原因を見つけた」といい、パッドを手渡した。「ワープパワーにおかしな変動記録がある。タキオンが共鳴周波数に達すると、圧力が増すのだ。」 「それじゃ事故だったのね。」 チャコティが作戦室に入る。船体キャリアウェーブを受信しました、トムたちだと思いますが、呼んでも応答がありませんという。事故に遭ったのね、通常エンジンが復帰次第…というジェインウェイ。更にトゥヴォックがブリッジへ来るように伝えた。
カターティの艦隊が接近していますというトゥヴォック。通信が入り、スクリーンに出す。ラーミンだ。「やあ艦長。」 「お友達も一緒ね。」 「困っている。また食料をもらえないかと、やって来た。」 「悪いけど、全員に行き渡るほどの食料はあげられないといったはずよ。」 「そして引き下がった。君らの方が強かったからな。しかし状況が変わっただろ? 今はこちらの方が有利だ。君らのワープコアをもっている。もっと気前よくなってもらおう。」 「あげられるものは全部あげたわ。コアを返して。そうすれば行きます。」 「我々の船 1隻では何の脅威にもならないだろうが、27隻ならかなりのダメージを負うぞ。我々は必死なのだ。全ての食料に、武器、ありったけのトリウムを送れ。それから船で見たボーグもだ。あの女もよこせ。我々の受けた仕打ちの復讐をしたいという仲間が大勢いる。」 ジェインウェイはセブンと顔を見合わせた。
「酸素の比率を下げるよ。これで何分かは延びる」というパリス。「なんだか、めまいがする。」 2人とも声に生気がない。 「酸素が足りないんだ。」 「なのに下げたの。」 「可能な限り生き長らえるためだ。」 「これって皮肉ね。」 「何が?」 「今日、名誉の日に、私はここで死ぬんだわ。」 「僕らは死にやしない。そんな風に考えるな。」 「現実を見つめなきゃ。」 「ずっと聞きたかったことがある。」 「今しかないわよ。」 「初めて会った時、僕にあまりいい印象がなかったろ。」 「そんな言い方甘いわ。率直に言えば、傲慢で、自己愛の強いブタよ。」 「お誉め頂いても酸素量はあげないよ。でも僕は変わったろ。」 「とっても。今は頑固で独裁的なブタ。冗談よ。悪い癖ね。またあなたを拒んだ。あなたの言う通り、いつでもそうよ。人を遠ざけるの。」 「傷つかないためには、一番いい方法だ。」 「私って臆病者?」 「シーッ。」 パリスはトレスに体を近づけた。
ヴォイジャーを取り囲む、何隻ものカターティ船。我々の武器の方が強力だ、戦いましょうというチャコティ。何かあげたらどうですというキム。何を、少しくらいで満足するわけがないわというジェインウェイ。セブンは私が行くと言った。私が行けば、ヴォイジャーは危害を受けずに済むかもしれない、と。ありがとう、でもあなたを渡したりしませんというジェインウェイ。私は集団にベストな選択を示しただけだというセブンに、あなたも集団の一員、だから守る、この話はおしまいという。早くトムとベラナを探さなきゃといい、トゥヴォックに武装状態を尋ねる。 攻撃準備はできていますが、シールドの強度が非常に低いというトゥヴォック。必要外のシステムを落としてパワーをシールドへ回し、交戦することにするジェインウェイ。だがセブンはその必要はないと言った。カターティの技術はトリウムに頼っている、アイソトープがあれば自給自足できるというセブンに、余分なトリウムは残っていないというキム。ボーグが同化した時残った彼らはアイソトープ複製技術を失った、技術は私が保持している、トリウムを大量複製できるエネルギーマトリックスを生成できるという。そんなこと、なぜもっと早く言わなかったと尋ねるチャコティ。そういう考え方に慣れていない、ボーグは技術を渡さない、ただ同化するのみだとセブンは言った。なぜ今渡そうと思ったのと聞くジェインウェイ。よくわからないというセブンに、多分あなたの予想外の親切心じゃないといった。ヴォーラックとマトリックスを作るように命じる。その間私たちはカターティを説得するというジェインウェイ。
セブンは小さな機械を持ってきた。これで 1日に 944グラムのトリウムができると説明する。もう困ることもない、複製の技術だって再構築でしょう、これで行っていいかしらとラーミンに話すジェインウェイ。全員に一つの装置では不十分だというラーミン。これを手本にいくつでも同じ物を作ればいい、製造方法と部品は供給するというセブン。ラーミンは行って結構だと言った。機械を持ち、ありがとうと言って立ち去る。セブンは「どういたしまして」と言った。セブンも部屋を出ていった。ジェインウェイは独り、微笑んだ。
『警告。酸素レベルが 104ミリバールに低下。』 「トム。起きて。目を開けて。」 『警告。酸素レベルが 87ミリバールに低下。』 「夢を見てた。」 「あなたに言うことがあるの。」 「僕も。
I'm glad the last thing I'll see is you."

最期にこの目で見たのが君で良かった。」
「今まで本当に臆病だった。大事なことから逃げてばかり。」 「いや、君は自分に厳し過ぎるよ。」 「違う。
I'm going to die -- without a shred of honor. And for the first time in my life, that really bothers me.

私は死ぬの。何の名誉もなく。生まれて初めてそれが悔しいと思ってる。
だからどうしても言いたいのよ。」 『警告。酸素レベルが 71ミリバールに低下。』 「私…本当のことを言うわ。」 「本当のことって?」
"I love you. Say something."

「あ……愛してる。……何とか言って。」

"You picked a great time to tell me...."

「何だ、もっと早く言ってよ…。」
抱き合う 2人。目をつぶる。トレスのヘルメットにヴォイジャーが映り込んでいる。ジェインウェイの通信が届いた。『ヴォイジャーからパリス。トム、聞こえる? 応答して。』 「ここです…。」 『転送に備えて。』 2人は抱き合ったまま、転送された。


・感想
"Displaced" 「消えてゆくクルー達」などで見られた、パリスとトレスの関係が一つの進展を迎えます。このあっさりとした終わり方がいいですね。クリンゴンとしてのトレスは、あまり深く描かれたことがなかっただけに、ホロデッキを利用した今回のような形は歓迎できます。

サブストーリーは人間性を少しずつ取り戻していく「セブン」の話。ぶっきらぼうな受け答えが今後どのように変わっていくのかが楽しみです (それはそれで面白いんですが)。


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