起きあがるアーチャー。「報告!」 
 リード:「熱反応爆発があったようです。左舷前方です。損傷、Cデッキと、Dデッキ。」 
 気を失っているサトウに近づいたトゥポル。「医療室へ、ブリッジで負傷者です。」 
 フロックス:『了解。』 
 アーチャー:「非常用隔壁は。」 
 リード:「閉まってますが、8区画で減圧してます。」 
 「誰かいたのか。」 
 「今のところ、不明です。」 
 「原因を調べろ!」 サトウの様子を見たアーチャー。「マルコム!」 
 「わかればお答えしますが、センサーには何も出てません。全システム正常でした。」 
 「アーチャーより機関室。」
  
 火災が発生している機関室。「火を消すんだ!」 
 タッカー:「船長、何だったんです!」 
 アーチャー:『君に聞きたいよ。』 
 「こっちはプラズマファイヤー発生、EPS グリッドオーバーロード、原因は見当もつきません。攻撃か、小惑星か。」
  
 サトウに近づくクルー。 
 アーチャー:「センサーには何も出てない。機関部員は無事か。」
  
 タッカーは答えた。「かすり傷はありますが、無事です。」 
 アーチャー:『また報告しろ、以上だ。』 
 コンピューターの船体図には、破損した部分に反応が出ている。
  
 尋ねるアーチャー。「負傷者の報告は。」 
 リード:「今入ってきてます。現在 17名、ホシも含めです。死者はありません。」 
 サトウを運ぶクルー。「担架に移そう。頭に気をつけて。そーっとな。」
  
 慌ただしい医療室。「じっとしてて下さい。」 
 フロックス:「イメージチェンバーに入れて?」 
 クルーの声が飛ぶ。「血が止まらないんだ。」「ハイポスプレーを。」「バイタルチェックだ。」 
 寝ている女性士官※3。「何だったの。攻撃されてるの?」 
 フロックス:「わかりません。」 
 次々と怪我人が入ってくる。「ドクター!」※4「誰か御願い。脚が折れてるみたいなの。」「大丈夫よ? すぐ良くなるわ?」
  
 メイウェザーは報告した。「船長、今何かが船に当たりました。右舷側の…後部上方です。」 
 アーチャー:「映像は出るか?」 
 船体が映し出された。特に何も見あたらない。 
 アーチャー:「そこだ。プラズマ排出口の後ろ。見えるか。」 
 拡大される。揺らめく何かの機体が見える。 
 メイウェザー:「遮蔽した、船ですか?」 
 アーチャー:「小さすぎるなあ。」 
 トゥポル:「生体反応は検知していません。」 
 機体は完全に姿を見せた。 
 リード:「爆弾を検知。トリコバルト爆弾※5です。恐らく機雷でしょう。先ほどの爆発からすると、これと同じものかと。」 
 アーチャー:「今も生きているのか。」 
 「死んでる根拠はない。」 
 トゥポル:「船長、第2インパルスリアクターの近くです。もしあの位置で爆発すれば、船は航行不能です。」 
 アーチャー:「あの辺の外壁を、装甲モードにしたらどうだ。」 
 リード:「何で起爆するか。行って信管を外すしかありません。私が行きます。訓練を受けてますから。」 
 考えたアーチャーは、うなずいた。向かうリード。 
 アーチャー:「機雷原なら、2機だけということはないだろう。…量子ビーコンは今もグラップラーについているか。※6」 
 メイウェザー:「そう思いますが。」 
 「降ろして準備しろ。ビュースクリーンを調整して。」 
 グラップラーが出される。 
 アーチャー:「量子ビーコン起動。」 
 惑星上空が映される。特に変化はない。 
 トゥポル:「現在はスリバンの遮蔽装置に合わせてあります。位相変動をシフトさせてみます。」
  
 用意される環境服。 
 リードは最後にヘルメットを被った。
  
 ヘルメットを閉め、ライトが灯る。 
 リードはスイッチを押し、上部のハッチが開いた。 
 リード:「リード大尉よりブリッジ。外部ハッチを開けました。祈ってて下さい。」 
 操作すると、リードの身体は浮き上がっていく。
  
 トゥポルは言った。「ガンマスペクトルに、何か反応があります。位相変位は…0.0075 です。」 
 スクリーンに、たくさんの物体が見えてきた。 
 完全に見えるようになった機雷は、何十個とある。 
 ため息をつくアーチャー。
  
 エンタープライズの外を歩くリード。人の背丈ほどもある機雷に近づく。「表面に細かいへこみが多数。微少隕石の衝突によるものでしょう。長い間軌道上にあったようですねえ。スパイクには磁力があり、2本で外壁に吸着しています。待機を。内部のスキャンをしてみます。…接近センサーはありますが、稼働してないようですねえ。船に当たったのを検知してないんです。アクセスパネルらしきものがありました。今から外して中を…調べてみます。」
  
 リードの話を聞いていたブリッジに、タッカーがやってきた。 
 アーチャー:「ひどいのか。」 
 タッカー:「減圧したセクションに実際行ってみないことははっきり言えませんが、相当やられてるでしょうね。一つ、いい知らせがあります。数えましたが全員揃ってます。」 
 「うん。…マルコムが機雷を解除できるかどうかはわからない。船体外壁をその部分だけ外して、飛ばせるか。」 
 「…EPS コンジットをつなぎ直さないと。ほんの、300個所ぐらいですが。やれますけど。」 
 「時間は。」 
 「3、4時間ですか。でも勧めませんね。インパルスマニフォルドがかなりむき出しになる。」 
 「一チームかからせろ。やるにしても最後の手段だ。」 
 リード:『パネルを外します。』
  
 機雷から円筒状の構造が突き出してくる。 
 リード:「起爆装置が出てきました。」 
 リードは外したパネルから手を離す。漂っていくパネル。 
 その時、上方に一隻の宇宙船が姿を現した。 
 リード:「船長。」
  
 アーチャーは応えた。「ああ、見えてる。」 
 スクリーンにも、その船が映っている。
 
 
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※3: 怪我したクルー Injured Crewmember (Elizabeth Magness) 後にも登場
  
※4: 医療技師 Med Tech (Tim Glenn)
  
※5: tricobalt explosive TOS第23話 "A Taste of Armageddon" 「コンピューター戦争」など。U.S.S.ヴォイジャーもトリコバルト装置を搭載していました (VOY第2話 "Caretaker, Part II" 「遥かなる地球へ(後編)」)
  
※6: ENT第26話 "Shockwave, Part I" 「暗黒からの衝撃波(前編)」より
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