エンタープライズ エピソードガイド
第40話「消せない汚名」
Stigma
イントロダクション
医療室。 顕微鏡を見ていたフロックス。「神経溶解酵素が先月よりかなり多くなっていますねえ。」 カーテンの向こうから出てきたトゥポルは、制服を正した。「薬が効いていないんですか?」 フロックス:「いずれ、ほかの治療薬も必要になってくると言ったでしょう? ちょうどよく、協議会がある。ヴァルカン最高の医師が出席します。ぜひ、話を聞かなくては。」 「リスクが大きいわ。私は船を降ろされます。」 「あなたが感染していることは告げずに話しますよ。」 「それでもリスクが大きすぎます。」 「選択の余地はありません。このままでは、あなたは命を落とします。」 |
本編
惑星軌道上を航行する小型船※1。 『航星日誌、補足。種族間医療交換計画の協議会がある、ディケンディ3号星※2の軌道に入った。ここで中性子顕微鏡※3を導入する関係で、フロックスの妻の一人と対面できる。』 エンタープライズとドッキングした。 廊下を歩くアーチャー。「どのぐらいになる。」 フロックス:「フィーゼルと最後に会ってからほぼ 4年です、フフン。」 タッカー:「奥さんが 3人いても全然会えないんじゃ意味ないな?」 「デノビュラ人は辛抱強いんですよ?」 エアロックのドアが開くと、デノビュラ人の女性が立っていた。 フロックス:「おお、愛しの君よ。」 フィーゼル※4:「愛しの君。」 顔を近づけ、互いの匂いを嗅ぐ二人。 顔を見合わせるアーチャーとタッカー。 フロックス:「船長、私の 2番目の妻、フィーゼルです。」 アーチャー:「よく来て下さいました。」 フィーゼル:「どうも。」 フロックス:「こちらが、機関主任のタッカー少佐。」 タッカー:「よろしく?」 フィーゼル:「顕微鏡設置をお手伝いしますね?」 アーチャー:「…いえ、それは後で構いませんよ? ご主人と、積もる話もおありでしょうからね?」 フロックス:「バカな、船長。4年会わずにいたんですから、あと一日くらい待てます、フン。言ったでしょう? 辛抱強いんです。」 「では、顕微鏡を運ばせましょう。その間、ランチでも御一緒しませんか。」 フィーゼル:「光栄ですわ?」 一緒に来ないタッカーに言う。「少佐はいらっしゃらないの?」 タッカー:「そう、したいんですが。医療室に運び込むまで、見届けないといけませんので。」 「後でお会いできるわね?」 「ええ。」 微笑むフィーゼル。 ディケンディ3号星の施設。 中は多数の人であふれ、放送が流れる。『異種間移植の医科会は、14時 C会議室に変更になりました。』 ヴァルカン人が入る部屋。 ドクター※5の一人が話す。「奇妙ですね。デノビュラの医師がヴァルカンの病気に興味がおありとは。」 フロックス:「パナー症候群※6はデノビュラの友人が以前から研究していました。病状が胸腺硬変※7に似ていまして。」 「胸腺硬変?」 「命に危険はありませんが治療法が確立していないんです。そこで、パナー症候群の最新の研究結果があれば助けになる。」 最も年老いたヴァルカン人、ドクター・オラット※8。「実を言うとこの病気には触れたくない。ヴァルカンでもごく少数の、サブカルチャー集団に特徴的な病気です。彼らの行動は、社会的に認められない。」 フロックス:「友人もそれはよく知っていますが、デノビュラでは…胸腺硬変はあらゆる階層に見られます。治療法の発見が急務なのです。」 3人目のドクター・ユリス※9。「その病気の文献をおもちですか。」 フロックス:「いえ、現在は艦隊勤務ですので。人間にはない病気です。友人に、連絡は取れますが。文献が届くまで、5日はかかることでしょう。」 ヴァルカン人ドクター:「その頃我々はヴァルカンに帰っている。」 「ふむ、少ないデータでも構いません。デノビュラ人を助けると思って。」 オラット:「検討の必要がありますな。結論が出次第、そちらに連絡しましょう。」 「…ありがとうございます。」 出ていくフロックス。 機械に映像が表示されている。 タッカー:「反射率計が中性子流を増幅するなら、エミッターの前に取り付けるべきじゃないんですか。」 フィーゼル:「増幅するんじゃなくて平行にするのよ。説明書を読めばはっきり書いてあるわ?」 「もちろん読んでみましたけど、完璧にチンプンカンプンだ。自慢じゃないが、今まで見たどんな機械もバラバラにして組み立て直す自信がある。」 笑うフィーゼル。 タッカー:「だからこそ、選ばれてこの船に来たんです。どんな説明書も、読みこなせますからね。ところが、こいつは…」 操作盤を手にする。 「デノビュラ語。わかるわ? だから来たの。ゆっくり進めましょ? 絞りリングの下を見て?」 「…ここ?」 「そうよ? そこに小さい集光レンズをはめて。…じゃあエミッター周波数の調整よ? それで中性子流が出るわ。」 「ああ…機具は。」 身体が触れあうほどに近づき、渡すフィーゼル。 タッカー:「…やり方を、その教えてくれますか。」 フィーゼル:「簡単なのよ? 太い方をそこに差し込んで? 周波数がプログラムされるわ? もう外していいわよ? …中性子が流れるわ?」 「ああ、コツがわかってきたかな。あのう…次の 2、3ステップ教えてもらえれば、独りでやれると思います。」 「ええ、いいわ? 少佐は自信たっぷりなのね?」 「…努力はしてます。」 「ふーん。…もう少し近くに来ないと見えないわよ?」 船長用食堂のアーチャー。「フロックスが戻ったようだな。」 トゥポル:「…上陸していたんですか?」 「昨日の朝見なかったのか? 協議会に出るっていうんでソワソワしてた。欲しい医療器具が、山ほどあったらしいよ?」 「ドクターも、交換計画※10の会議は久しぶりですし。」 「ヴァルカン代表団もいるらしい。君も行ったらどうだ? 知り合いがいるかもしれない。」 「ヴァルカンに医師は 100万人以上います。」 「だけど、同じ種族の仲間に会いたいんじゃないのか?」 呼び出しに応えるアーチャー。「アーチャーだ。」 サトウ:『地表からのヴァルカン船が、ドッキング許可を求めています。』 「…噂をすればだ。行かずに済んだな? 第2ドッキングポートで迎える。」 『ドクターと副司令官にも面会したいそうです。』 「ドクターに伝えろ。」 『すぐに。』 廊下を歩くアーチャー。「何の用か心当たりはあるか。」 トゥポル:「地表と連絡は取っていませんので。」 「…まあ、お茶しに来るわけじゃなかろう。」 部屋に通したアーチャー。「食事でもどうです? トゥポル副司令官のおかげで、我々のシェフもプロミーク・スープ※11を作れますよ。」 オラット:「ご厚意は感謝しますが今日はドクターに話がありましてね。よろしいでしょうか?」 「もちろんです。ご用があれば、呼んで下さい。」 「トゥポルも残っていただければありがたい。」 「……ご希望だ。」 出ていくアーチャー。 「検討しましたが、やはりパナー症候群のデータの譲渡には、躊躇せざるをえない。」 フロックス:「…副司令官は私の要請のことは知りません。なぜ、留められたんでしょう。」 ヴァルカン人ドクター:「ヴァルカンの疾病の情報を集めるのに、ヴァルカン人科学士官に話さなかったんですか?」 「そうです、副司令官は医学は専門ではありませんので。」 オラット:「この病気を御存知かな、副司令官。」 トゥポル:「もちろんです。」 「…説明してもらえますか。」 「…あなた方は医師です。私の説明は不用かと思いますが。」 「頼みます、うかがいたい。」 「…不治の病とされ、シナプス経路が崩壊します。内分泌と免疫システムにも影響が出ます。」 ヴァルカン人ドクター:「見事な定義ですね。感染経路を言っていただけますか。」 「テレパス行為を通じてです。」 オラット:「具体的に言うと何ですか。」 「精神融合です。そのせいで中脳の電気信号の崩壊が起き、症候群の初期段階が始まります。」 ヴァルカン人ドクター:「副司令官は精神融合をよしとなさいますか。」 立ち上がるトゥポル:「なぜ私をここに留めたのか、うかがいたいのですが。」 フロックス:「同感です。質問攻めは理解しかねますね。」 オラット:「ドクター・フロックスはパナー症候群の治療に関するデータを見せてくれと言ってきた。その要請は、君と関係があるのかな?」 「理由ははっきり言ったはずです。」 ヴァルカン人ドクター:「ええ、デノビュラの御友人ですね。ドクターは最初おっしゃいませんでしたが、この船にヴァルカン人がいるとわかり、ほかにも理由があるのではと考えています。」 「…ほかと言いますと?」 ヴァルカン人ドクターは立ち上がり、パッドをトゥポルに渡した。「これらの名前に、見覚えはありますか。」 トゥポル:「いいえ、ヴァルカン人のようですが。」 返した。 その様子を見ているオラット。 ヴァルカン人ドクター:「融合者※12です。思考や記憶を伝え合うことのできるヴァルカン人です。融合者に知り合いはいますか?」 ため息をつくフロックス。 トゥポル:「いいえ、出会ったことならありますが?※13」 ヴァルカン人ドクター:「ではもう一度聞きます。融合をよしとしますか。」 トゥポル:「それがドクターの要請とどう関係があるのでしょうか。」 オラット:「社会的に容認できない行為だ。パナー症候群は融合者が媒介する病気で、治療は優先事項とはされていない。」 フロックス:「では研究はなされていないんですか。」 「公表するものは何もない、悪いがね。」 トゥポル:「ドクターの力になる気はないと言うためにわざわざいらしたんですか。」 「エアロックへ案内してもらえるか?」 ドアを開けるトゥポル。 パッドがスキャンされ、そのデータが別の装置にかけられる。 画面に状態が表示された。 ユリス:「確かなんですか?」 ヴァルカン人ドクター:「間違いない。…症候群にかかってる。」 |
※1: ディケンディ船籍なのか、デノビュラ船籍なのかは不明。ENT第19話 "Acquisition" 「獲物たちの罠」で登場した、フェレンギ船の使い回し ※2: Dekendi III ※3: neutron microscope ※4: フィーゼル・フロックス Feezal Phlox (Melinda Page Hamilton) フロックス以外のデノビュラ人 (かつ女性) が登場するのは初めて。声:小金沢篤子 ※5: 名前はドクター Strom (Dr. Strom) (ボブ・モリシー Bob Morrisey ENT第72話 "The Forgotten" 「デグラの決断」の爬虫類船長 (Reptilian Captain) 役) ですが、言及されていません。声:水野龍司 ※6: Pa'nar Syndrome ※7: thymic sclerosis ※8: Dr. Oratt (マイケル・エンサイン Michael Ensign TNG第89話 "First Contact" 「ファースト・コンタクト」のクローラ保安大臣 (Secutiry Minister Krola)、DS9第17話 "The Forsaken" 「機械じかけの命」のヴァルカン人 Lojal、VOY第47話 "False Profits" 「救世主フェレンギ」のタカール人詩人 (Takarian bard) 役) 声:秋元羊介 ※9: Dr. Yuris (ジェフリー・ヘイエンガ Jeffrey Hayenga TNG第103話 "Ensign Ro" 「流浪のベイジョー星人」のオータ (Orta) 役) 声:村田則男 ※10: 原語では「IME」と言っています。種族間医療交換計画 (Interspecies Medical Exchange) の略 ※11: Plomeek soup ENT第4話 "Strange New World" 「風が呼んだエイリアン」など。ENT で原語でもスープと呼ばれるのは初めて (今までは broth) ※12: melder ※13: ENT第17話 "Fusion" 「果てなき心の旅」で登場した、ヴァークラスに乗っていたトラリスたちヴァルカン人たちのこと |
医療室のフィーゼル。「ほら見て? 鎖状のタンパク質分子よ? 拡大もできるし、クリアーにも。ヌクレオチドが一つずつ見えるまでね?」 後ろでフロックスが作業している。 タッカー:「すごいな、これ何なんです。」 「炭素原子よ。…やってみて?」 「まずは中性子流を初期化する。」 「その通り。…いいわ? 次は、量子フィルターよ?」 「…クソったれ。※14」 「…何ですって?」 「ああ、あなたじゃなく…」 フロックスの方を見たタッカー。「その、顕微鏡のことです。」 振り返るフロックス。「ヴェセナ※15は、グロズニク※16を許したのか。」 フィーゼル:「とんでもないわ? グロズニクは 2度謝っただけよ。あと 2年はお許しが出そうにないわね?」 「でも妻は後 2人だろ? フン…」 「いいえ、1人よ。ケシル※17は 3番目のご主人がいるティーザ・プライム※18へ引っ越したの。」 タッカー:「間違ったかなあ、画像が出ないぞ。」 「周波数パラメーターを入れてないからよ。」 フロックス:「3番目の夫? ああ、クレイバン※19か。」 「ボガー※20よ。クレイバンはフォーリザ※21の夫。確か最初のね?」 タッカー:「よーし、きたぞ。…何かボケてるな。」 「絞りを固定し忘れてる。これは画像フィラメントからの反射よ?」 笑うタッカー。 肩に手を置くフィーゼル。「大丈夫? 中性子流を初期化してやり直しましょう。」 フロックス:「フォーリザか、フー…」 笑い、近づく。「フォーリザ。あー懐かしいねえ、ヘッヘー。昔、2番目の妻になって欲しかったが…既に夫が 3人いた。」 一緒に笑うタッカー。 通信が入る。『アーチャーよりドクター・フロックス。』 フロックス:「…はい、船長。」 『作戦室へ来てくれるか。』 「わかりました。…すぐ戻る、愛しの君よ。それじゃ。」 出ていくフロックス。 フィーゼルはタッカーに微笑んだ。 待っているアーチャー。「入れ。」 フロックス:「何でしょう。」 トゥポルも作戦室にいる。 「2人に話がある。ヴァルカンの高官相手に恥をかいたのは久しぶりだ。」 「…は?」 「ついさっきドクター・オラットと話した。ドクター、君は…ヴァルカンの病気に関するデータを要請したって? …デノビュラの、友人のために。」 「ええ、はい…。」 「そして 2人ともその件とトゥポルとは関係ないと言ったんだな? …君らは私にも、同じ嘘をつくつもりなのか?」 「…船長に嘘をつくなど、とんでもありません。」 「トゥポル? 君はいつ私に、深刻な病気のことを、話す気だったんだ?」 トゥポル:「…船長。」 「うーん。何か手渡されたろ? パッドか何か。ピンときたか? 指紋が残った。それでテストされたんだよ。…なぜ彼らに嘘をついた。」 「彼らは無関係です。」 「助けを求めるなら関係あるだろ。……いつから病気のことを知ってた。」 フロックス:「一年近く。」 「士官の一人が命に関わりかねない病気を患っているのに、報告しようと思わなかったのか!」 「地球でも、医者に守秘義務があるのは同じだと思いますが?」 トゥポル:「人間には感染しません。※22…言う必要はないと思いました。」 アーチャー:「彼らになぜ嘘をついたか、まだ答えを聞いてないぞ。…ドクターも友人のためなんて嘘で、本当に…協力が得られると思ったのか。」 フロックス:「パナー症候群という病気は、ヴァルカンでは恥辱なのです。」 トゥポル:「最高司令部に病気が知れれば、私は恐らく罷免になるでしょう。」 アーチャー:「…病気だというだけでか。」 「病気そのものよりも、病気の感染経路が問題なのです。」 「…続けろ。」 「…ある少数派からしか感染しません。彼らは、生まれながらに親密な方式のテレパシーを使います。」 「親密というと?」 「精神の融合です。」 「以前出会ったヴァルカン船、確か感情の実験をしてたが…」 「…彼らもそうです。その少数派です。ヴァルカンを離れたのは、偏見を逃れるためでもありました。…精神融合は不道徳と見なされ、社会的脅威なのです。」 「君もその少数派なのか。」 「いいえ。」 「…でも…」 フロックス:「精神融合を仕掛けるのは少数派ですが、ヴァルカンなら誰でも受け手にはなれるんです。」 「…なぜそんな危険を冒した。」 トゥポル:「…意思に反してです。…ヴァルカン船の、乗員に。」 「襲われた※23、覚えてる。…だったら最高司令部もわかってくれる。」 「それを言う気はありません。」 「…なぜだ。」 「とにかく言いません。」 「…病状はどうなんだ。」 フロックス:「チェックを続けていますが進行しています。それで最新の研究を知りたかった。」 「だから嘘をついて頼んだわけだ。動機が何だったにしろ…君はもう協議会に出られない。ヴァルカン側が手を打った。」 「…仕方ありません。」 「今の最優先事項は、私の副官の健康だ。彼らが助けになるデータをもっているなら、それを手に入れる。」 発進するシャトルポッド。 アーチャーは待たされていた。立ち上がり、ため息をつく。 ヴァルカン人ドクターがやってくる。「お待たせしましたか。」 ユリスもいる。 アーチャー:「正直言えば、ええ。」 「何の御用です。」 「…トゥポル副司令官とドクターに事情を確認しました。」 「ああ、トゥポルの病気はお気の毒ですね。」 「…ドクター・フロックスは患者との間の守秘義務を果たそうとしただけです。嘘など滅多につきません。」 「そうだといいですが。」 「…失礼はありましたが、どういうわけで、病気の研究結果を見せていただけないんでしょうか。トゥポルの治療に必要だということは御存知ですよね? まさか、ドクター・フロックスへの懲罰ということですか?」 「そんな意図はありません。」 「ではどういう意図なんです。」 「パナー症候群は好ましくない一集団に特徴的な病気です。ごく少数なのが救いですが。」 「好ましくない集団だから治療するには、値しないと言うんですか。」 「彼らが行う親密な行為は不道徳です。ヴァルカン社会の全てを否定する。」 「親密な行為? 精神融合のことですか?」 「…感情を抑える能力を永々とつちかってきたのに、感情を分かち合うとは。すみませんが、会議終了前に仕事はたくさんありますので。」 「助ける気がないのなら、せめてこの件を内密にしてもらえますか。最高司令部に知らせる必要はない。」 「必要かどうか決めるのは、我々じゃありません。」 「遺伝子情報をもってるんでしょ? 彼女がその少数派でないのはわかっているはずだ!」 「同じです、感染方法は一つなのですから。それでは。」 ユリスはアーチャーを見た。ヴァルカン人ドクターに続いて去る。 ろうそくの火を見ているトゥポル。呼び出しに応える。「はい。」 私服だ。 サトウ:『地表からメッセージが入っています。』 「…ここへ回して。」 『すぐに。』 文章を読むトゥポル。 アーチャーはドアチャイムに応えた。「入れ。…ああ。今呼ぼうと思ってた。かけて。」 座るトゥポル。 アーチャー:「…すまない。あまり成果は上げられなかった。彼らかなり…偏屈なようだ。パナー症候群となるとね? そして君の病気を、秘密にしておくつもりはなさそうだった。」 トゥポル:「ドクター・ユリスからメッセージがありました。」 「…3人のどれだ。」 「最年少です。…市の北部へ会いに来るように言われました。……力になってくれるようです。」 「『力に』? …そんな気は毛頭なさそうだったぞ?」 「独りで来いと言われました。」 夜の街中を歩くトゥポル。異星人が歩いている。 ユリス:「副司令官。」 隠れていた。「これを役立てて下さい。」 ケースを受け取るトゥポル。「何ですか。」 ユリス:「病気の研究データです。」 中にはいくつもロッドが入っている。 トゥポル:「持ち出すのは相当のリスクだったのでは。」 ユリス:「喜んでリスクを負いますよ。」 「なぜ。」 「今のヴァルカンは千年前よりずっと不寛容になっている。変えるべきです。」 「軽蔑する相手を救う気になったのはどうしてです。」 「私は自分を、軽蔑したくはありません。…私は少数派なのです。」 |
※14: 原語では "This is a bitch." ※15: Vesna ※16: Groznik ※17: Kessil ※18: Teerza Prime この部分は「3番目のご主人のそばへ引っ越したの」と訳されています ※19: Klaban ※20: Bogga ※21: Forlisa もう何が何やら… ※22: 原語では「伝染しません」のみ。空気感染しないという意味でしょう ※23: 吹き替えでは「誘い込まれた」。attack と attract の聞き違い? |
そばに腰掛けるトゥポル。「私は少数派とは違いますよ?」 ユリス:「同僚たちに言わせればあなたも同じなんです。精神融合を受けると同意した者は軽蔑の対象ですから。」 「……同意していないとしたら。」 「…強制されたんですか。…だったら告げるべきです。それなら共感が得られる。」 「あなたも患者なのですか。」 「いいえ、患者はごく一部です。……ただ同僚の前では、私もあなたの味方はできません。どうかわかって下さい。」 「あなたに御迷惑はかけません。」 「もう戻らなければ。精神融合は、強制された結果だと彼らに言うんです。」 「…ご厚意感謝します。」 うなずき、去るユリス。 サトウは食事している。「意味がわからないわ?」 タッカー:「何で。」 「軌道を周回中なんですよ? 上陸自由なのに映画会開いても、船に残って映画観る人なんているわけないじゃないですか。」 「バカだな。今夜は黒猫だぞ。ボリス・カーロフと、ベラ・ルゴーシ※24だ。」 「少佐が映画選んでるんじゃないですか?」 「俺が?」 「そんな聞いたこともないホラー映画、ほかに誰が選びます? ほかにないんですか、もっとこう…ロマンチックなの。」 タッカーは食堂に、フィーゼルがやってきたことに気づいた。料理を選んでいる。 サトウ:「私は地表に降ります。」 タッカー:「おい、まだいろよ。全部食べてないだろ。」 「18時にシャトルが出るんです。」 「まだ、時間あるさ。パイ食うか? シェフの傑作だぞ。」 座るサトウ。「でも、ちょっとしかいられませんよ?」 フィーゼルが近づく。「いいかしら。」 サトウ:「どうぞ。サトウです。ご挨拶したいと思ってました。」 フィーゼル:「フィーゼル・フロックスよ? 言葉の天才の方ね? 夫からいつも聞いてますわ?」 デノビュラ語で話すサトウ。「(フロックスからデノビュラ語を)」 フィーゼル:「(素晴らしいわ)」 「(他動詞が難しいです)」 タッカー:「被害妄想じゃないがまさか俺の話か。」 サトウ:「わかっちゃいました?」 タッカーは妙な反応を見せた。「ん…」 フィーゼルがテーブルの下で足を伸ばし、タッカーの足につけていた。 フィーゼル:「発音もほとんど完璧ね? 少佐が魅力的だと言っていたのよ?」 サトウ:「浮かれないで下さい、文法の話してたのよ?」 タッカー:「わかってるよ。」 「もう行かないと。お先に失礼します。」 出ていくサトウ。 フィーゼル:「『浮かれて』ないわよね? 足は地についているわ?※25」 足を伸ばし続ける。 タッカー:「ん…ええ、まあ何とか。あの…」 笑う。「ああ、光栄なんですが、でも結婚してますよね。」 「私は女。大事なのはそれだけでしょ?」 「ああ…いや、俺もそろそろ行かなきゃ。…船長に言われてて、今夜の映画のあらすじ書くんで。」 「席はある?」 「楽しくないですよ。ホラーですし、それにあれは……人間じゃないとわからないと思います。じゃまた、明日。」 タッカーも食堂を後にした。 微笑むフィーゼル。「うーん!」 タッカーはジムに入った。「また迫られた。」 笑うリード。「いいじゃないですか、彼女魅力的ですよ?」 一緒にサイクリングマシンをこぐタッカー。「おい、やめてくれよ。…笑い事じゃない。フロックスにバレたらどうする。」 リード:「妙な目つきで見たりしたんじゃないです…」 「そんなことするか! …ドクターに言うべきかな。」 「言うって何を。奥さんに誘惑されたって? ハ、やめた方がいいな。」 「顕微鏡の設置に後 2日もかかるんだぞ? ……やっぱりフロックスに言うべきだよ。」 「ドクターを怒らせるより、彼女を避ける方が賢明ですよ。フロックスが動物に噛まれた時の怒りようったら。ハ…すさまじかったですよ?」 タッカーも一緒に笑うが、ため息をついた。 モニターを見るフロックス。「治癒とはほど遠いですが、これで病気の進行は遅くすることができるでしょう。ヴァルカン科学理事会は、もっと成果を上げていると思っていましたよ。」 トゥポル:「治療には、ほとんど感心がないようですからね。」 「ふーん、私の方で研究は進められます。」 医療室に入るアーチャー。「役に立つか。」 フロックス:「とても。症状が悪化する前に、治療法を改善できそうです。」 「うん。…なぜユリスはそれを渡してくれたんだ?」 トゥポル:「わかりません。……連絡が?」 「数分前だ。……君を罷免するそうだ。」 フロックス:「……そんな権限があるんですか。」 「ドクター・オラットにな。彼は医師会※26の役員なんだ。…会議が終わったら君を、連れ帰る気でいる。」 トゥポル:「…最高司令部への報告は。」 「ヴァルカン帰還後らしい。……オラットに言うんだ、真実を。強制されてのことだと。それさえわかれば、彼らも罷免しようとまではしないだろ。君の意思じゃなかった。」 「言いません。」 「何でなんだ。」 「病気は、事実です。経緯が知れても違いはありません。」 「いいや大きな違いだ。君は『少数派』じゃないじゃないか。強制された結果だ、間違いないんだろ?」 フロックス:「船長の言うとおりですよ。」 トゥポル:「…いいえ、違います。強制されたのだから私は許されるべきだと主張するなら、差別を認めることになる。少数派の全員をおとしめることになるんです。できません。」 出ていく。 ディケンディ3号星。 アーチャーは部屋に入った。「オラットは。」 ヴァルカン人※27:「お忙しいので私が、伺いましょう。」 「あんたじゃダメだ。」 話しているヴァルカン人を確認していく。「今回は貴重な意見交換ができた…」 奥にいるオラットを、窓を叩いて呼ぶアーチャー。 ヴァルカン人:「お帰り下さい。」 アーチャー:「話があるんだ!」 出てくるオラット。 ヴァルカン人:「止めたんですが。」 オラット:「何か御用かな。」 ヴァルカン人に離れるように合図する。 アーチャー:「科学士官を連れ去る権利はないぞ。」 「権利は十分すぎるほどある。」 「私生活での生活様式が気に食わないというだけで、解雇していいのか。」 「トゥポルを解雇してはいない。ヴァルカンへ連れ帰るだけだ。任務に適するかどうか決めるのは最高司令部だ。」 「適する? ヘ。たった一度の精神融合で、彼女のキャリアをぶち壊すのか? ……この病気にかかったら終わりなのか? …自分たちが認めない連中のためには、治療法を研究する気もないんだろ。」 「我々の複雑な文化を理解してもらえないのは残念だ。36時間後には、彼女を引き渡していただこう…」 「まだ終わっていない。これを知っているかな、ドクター?」 パッドを見せるアーチャー。「通信士官がヴァルカンのデータベースからダウンロードした。これは医師会の、全規則をまとめたものだ。倫理に反するとして告発を受けた場合には、『最初に告発のなされた地方もしくは地域において、現地最上級役員の』審問を受ける権利がある。この場合、あなたですよね?」 「トゥポルへの告発に関しては議論の余地などない。」 「地球の常識では大いに余地があります。それにこの規則に照らしても、私の科学士官は、審問を受ける権利がある。」 「時間の無駄だ。」 「それはどうでしょうね!」 「いいだろう、だが出発は遅らせない。『審問会』は明日の午後執り行う。」 「明日の午後ですね? いいでしょう。」 |
※24: 順に The Black Cat、Boris Karloff、Bela Lugosi。1934年 ※25: 原語ではサトウが "She's pulling your leg, sir." 「彼女 (フィーゼル) は足を引っ張ってる (=『からかってる』という意味) んですよ、少佐」と言ったことに対して、"I wasn't exactly "pulling" your leg, was I?" 「足を『引っ張ってる』わけじゃないわよね」 ※26: ヴァルカン医師会 Vulcan Council of Physicians ※27: ヴァルカン人ドクター Vulcan Doctor (Lee Spencer) 声:三戸貴史 |
腹を見せるメイウェザー。「ディケンディの人気スポーツなんだ。」 赤くなっている。 フロックス:「誘われても参加する必要はないんですよ?」 「ああ…でも名誉なんです。簡単そうだったし。」 「もう少し下でなくてよかったですねえ? それで、そのスポーツの目的は、何です?」 「ファーガン※28って動物がいて、コブのある牛みたいなんだけどね。メロンが大好物でね。あれメロンだよな。4人の男が、ファーガンだらけの大きいサークルに入って、お互いメロンを投げ合うんだ。先にカゴのついた棒を使ってね。地球のラクロスってゲーム、知ってます?」 「…知りませんねえ。※29」 「とにかく、しばらくするとファーガンも事態が飲み込めてきて、で…」 タッカーが医療室に入った。「ちょっといいかな。」 フロックス:「具合でも悪いんですか?」 「いやあ、具合はいいんだ。その…ちょっと話がある。」 「いいですよ? 何でしょう。」 「よければ、その…2人だけがいいんだけどな。」 「ああ…治療は済みました。2、3日ファーガンには近づかない方がいいですよ?」 メイウェザー:「ありがと。」 笑い、外へ向かう。「失礼します。」 タッカー:「またな。…ああ…マルコムにはよせって、言われたんだが。でも…言うべきだと思うんだよ。」 フロックス:「何です?」 「フィーゼルは…いやその…フロックス夫人は、ほんとに美しい人だ。それに、すごく頭もいい。俺が今まで出会った誰よりも、量子光学に詳しい。」 笑うタッカー。 「素晴らしいでしょう?」 「素晴らしい。ああ…確かにそうだ。」 「…ほかに何か。」 「…ああ、あるんだ。…わかってほしいんだが、俺は完璧に紳士を通してる。全く、何もないからな。…彼女がその…その何だ……非常に積極的なんだ、わかるかい。」 「…つまり性的にですか?」 「…そうなんだよ。」 微笑むフロックス。「…バラの花びら風呂に入りましたか?」 タッカー:「いやいやいや、そんなことしてない。」 「健康なデノビュラ女性の誘いを無視するなんて実に愚かなことだ…。魅力を感じませんか。」 「感じるさ! いやあ、だからドクターの奥さんだろ。」 「それが何です。」 「奥さんだろ?!」 「ああ、バカな、バカな、うーん! 人間のモラルに、縛られすぎだ。新しい文化を学びたくて宇宙艦隊に入ったんじゃなかったんですか。」 「そりゃそうだけどさ! 人の女房には手を出しちゃいけないって教わって育ったんだ。うん、それについちゃ考えを変えるつもりはないね。」 「お好きに? もったいない。」 トゥポルはドアチャイムに応えた。「どうぞ。」 アーチャーが入る。 荷造りをしていたトゥポル。「…また地表へ行ったと聞きました。」 アーチャー:「…ドクター・オラットと話した。…君に言えばやめろと言うだろうから、黙って行ったんだ。」 「失敗に終わったようですね。」 「そうでもない。…ホシに、医師会の規則を調べてもらっておいた。君には審問会を要求する権利がある。」 「…拒絶されます。」 「それが飲んだんだ。」 「…彼らの決定に逆らう気はありません。」 「…あくまで弁明する気がないなら、せめて君が守ろうとしている少数派のために一言いってもいいんじゃないのか? …君は言ってたな、彼らの差別を認めるようなことはしたくないんだろ? 沈黙するのも同じことだぞ。」 「…知っておいて下さい。強制されたということは言いません。」 「それは尊重しよう。約束する。…だが君も知っておいてくれ。簡単に君をあきらめはしない。」 ディケンディ3号星。 ヴァルカン人ドクター:「パナー症候群自体が罷免の理由ではありません。」 3人のヴァルカン人は正装している。 アーチャー:「そう。問題なのは感染経路ですね? 精神融合は、1年以上前だ。」 「時期は問題ではありません。」 「つまりこうですか。もしもヴァルカン人が、たとえ…科学理事会のメンバーだとしても、思考と記憶を…異なる方法で伝達した場合には、それだけで処罰されるんですか。」 オラット:「精神融合を行うのは、サブカルチャーに属するヴァルカン人のみだ。社会的に認められない行為を行うことを自ら選択した。」 トゥポル:「自ら『選択した』のではありません。そう生まれついたのです。」 ヴァルカン人ドクター:「その通り。とはいえ、あなたのような者たちを餌食にしている。忌まわしい行為を試そうとする愚かな者をね。」 話を聞いているユリス。 アーチャー:「『君たち人間は、激高しやすく、不合理で偏狭に過ぎる!』」 立ち上がる。「ヴァルカン人に会うたび、ずっとそう言われ続けた。だが『偏狭さ』にかけては全く、敵わないと思いますね。…我々は差別感情をとっくに克服した。違いを恐れはしません。迫害などせず、共に歩んでいく。進化した種族を自認するなら、自分とは異なる種類の者たちを、受け入れるべきじゃないんですか!」 ヴァルカン人ドクター:「ヴァルカン文化は、規則が支配している。規則を無視はしない。」 トゥポル:「少数派を弾圧せよという規則などありません。」 「では病気の拡大を放置しろと。だからあなたを罷免するんです。」 「いいえ。あなた方は容認できる行為の枠に当てはまらない者を、恐れているだけのことです。」 「支離滅裂で全く意味不明です。結論は出ている、審問は終えましょう。」 ユリスが口を開いた。「意味は明らかなんじゃないでしょうか。」 オラット:「…決定に疑問を挟むのか。」 「我々の暮らしに忌まわしいと言われることなど何もありません。」 ヴァルカン人ドクター:「我々?」 「簡単に線引きできるようなことなんでしょうか。…精神融合ができる我々も、あなた方と変わりません。」 オラット:「自分のキャリアを危険にさらしているのがわかっているのか?」 「考えの伝え方が違うというだけで、罰せられるいわれはありません。」 「罰するべきかどうかは、最高司令部が決める。2人ともな!」 立ち上がるオラット。 「…彼女は全くの無実です、強制されたんです。」 トゥポル:「約束したはずです!」 「意思に反して精神融合させられた。」 オラット:「証明できるのか。」 トゥポル:「ほんとに? いつからダブルスタンダードになったのです。本人の望まない精神融合なら、同情するというのですか。」 「船長は知っていたのか。」 アーチャー:「…彼女はその件について話すつもりはないようなので…尊重するだけです。」 ユリス:「直接聞きました。彼女に黙っていろと言われたんです。…すまない。もう嘘はつきたくないんだ。君もそうした方がいい。」 トゥポル:「…彼らに言うことはありません。」 エンタープライズ。 フロックス:「不安定な装置だと妻が言っていました。」 タッカー:「でも大体のことはわかった。おかしくなったら報告してくれ。起動シーケンスは、始めてるのか。」 フィーゼルが医療室へやってきた。 フロックス:「愛しの君。」 また匂い合う二人。 顔を背けるタッカー。 フロックス:「この次は 4年も待たずに会いたいねえ?」 フィーゼル:「ええ、そうね? でもほかの奥さん 2人も会いたがってるわよ?」 「…少佐が、この顕微鏡を完璧な状態に保つと約束してくれました。」 「あなたもドクターとして少佐を完璧な状態に保ってね? そしたらもっと度々訪ねてくるわ?」 「うーん、親しくなるチャンスがなくて、残念だったね?」 「うーん。」 タッカー:「じゃ、俺はエンジンを見に戻らなきゃ。今…プラズマが、熱すぎるんでね。」 「その感じわかる。」 フロックス:「フフン。」 タッカー:「あ…それではまた。」 出ていった。 フロックス:「人間は。」 一緒に笑うフィーゼル。 作戦室にいるアーチャーは、ドアチャイムに応えた。「入れ。…ドクター・ユリスは停職になった。」 トゥポル:「…予期していました。」 「…彼は審問会を断ったそうだ。ヴァルカンへ戻ったら交換計画への参加資格も取り消されるらしい。」 「…それも、予期していました。」 「ただ…一つだけよかったことがある。…君について、彼が言ったことは信用された。……罷免はなくなった。」 「……よろしければ、司令部に連絡したいのですが。…ユリスをこのままむざむざ、解任させるわけにはいきません。」 「…ああ、許可しよう。…彼が君との約束を破ったのは不満なんだろうが、身勝手なことを言えば、私は嬉しいよ? …君を失いたくない。」 「…今回の件で、ほかの者たちも声を上げるでしょう。」 アーチャーは、うなずいた。「そう願おう。」 |
※28: fargan ※29: 原語では「デノビュラではモンキー・イン・ザ・ミドルやります?」「やらないと思いますねえ」。monkey-in-the-middle は、ボールを投げ合う 2人の間に入った 1人が、そのボールを取ろうとするゲームだそうです |
感想
トゥポルが主役の「現実の社会問題を連想させる」エピソード。いまいち薄い連想のままで終わってしまいますが、人種差別、エイズ、中絶、同性愛…といったキーワードが思いつきます。コメディに終始したフロックス夫人とタッカーのサブストーリー (またもやトリップが…) も、実は「既成概念の破壊」という意味でつながっていると言いたいんでしょうね。 以前の話でヴァルカン精神融合が失われていたもの、ということは判明していました。今回はそれにも増して、「行う側」としては一部の者にしかできないという設定が加わりました。今までのシリーズではヴァルカン人なら誰でもできるような印象でしたから、かなり違いますね。病気は克服できたとしても、その後何らかの理由で、一般的に精神融合できるようになったのでしょうか? 第2シーズンも半分が終わりましたが、ここにきてやっとで多少持ち直してきているかな…という印象です。 |
第39話 "Dawn" 「熱き夜明け」 | 第41話 "Cease Fire" 「戦場の絆」 |