USS Kyushuトップに戻る

ヴォイジャー 簡易エピソードガイド
第152話「幻の帰還計画」
Inside Man

dot

・イントロダクション
『艦長日誌、宇宙暦 54208.3。先月は艦隊からのメッセージが届かなかった。そのためクルーは、今月分のデータをいつも以上に期待している。故郷からの便りは、何よりありがたい。』
廊下。
カップを口にしながら歩くキムのところへ、パリスがやってきた。「やっと見つけた。噂の的だぞ、ハリー。」
「随分嬉しそうだな。」
「お前が夕べ地球からの通信を受信したって聞いてな。」
「厳密に言えば今朝だ。夜中の2時きっかり。」
「で? 手紙は?」
「うん?」
「…おい、また受信し損ねたのか?」
「先月の受信し損ねたんじゃなくて、こなかったんだ。」
「で、今月分は?」
「データの容量が、いつもより大きくてねえ。セブンと一晩かけてダウンロードしてるんだけど、なぜかうまくいかない。」
「ハリー! また 1ヶ月なんて待てないぞ!」
「わかってる。任しとけ。」 キムはターボリフトに乗る。
ため息をつくパリス。

キムは天体測定ラボへ入った。「進展は。」
セブン:「なぜうまくいかないか、原因を突き止めた。」
スクリーンを見るキム。「…ホログラムか。光子データを受信できるようには設計されてないからな。でも、何とかダウンロードしなくちゃ。」 コンピューターを操作するキム。
「何をしている。」
「トランシーバーをホロデッキのパターンバッファにつなぐ。」
「システムに互換性はない。連結部が焼けるだけだ。」
「重要じゃないものをわざわざ送ってくるはずはない。連結部を犠牲にする価値はあるさ。」
近くのコンソールが火花を吹いた。チェックするセブン。「トランシーバーがオーバーロードした。」
「でもホログラムは助かったよ。」 微笑むキム。

コンソールを操作するキム。ホロデッキにはジェインウェイもいる。
キム:「よしと。いいですか。」
セブンが操作すると、ホログラムの人物が姿を現した。その男を見て驚くジェインウェイ。「バークレイ※1大尉!」
ホロ・バークレイは言う。「ああ、いえ。ですが彼に設計されました。歩けて話せる、インタラクティブホログラムです。どうぞ、レッジと。」
握手するジェインウェイ。「会えて嬉しいわ、レッジ。」
「私もです、艦長。ハリー、セブン。君らと会えるのを楽しみにしてたよ。」
キム:「そう。」
「わかってる。家族からの手紙を期待してんだろう? だが、運が良ければ、数日の内に、彼らと…直接会える!」

※1: Barclay
(ドワイト・シュルツ Dwight Schultz) レジナルド・バークレイ大尉 (Lieutenant Reginald Barclay)。宇宙艦隊システム診断エンジニア。VOY第144話 "Life Line" 「ジマーマン博士の屈辱」以来の登場。声: 岩崎ひろし

・あらすじ
ホロ・バークレイによれば、アルファ・デルタ宇宙域双方の赤色巨星を利用してワームホールを作るのだという。ヴォイジャーが放射線に対応できるようにシールドも改造することになり、ホロ・バークレイは船内を歩けるようにドクターのモバイルエミッターを借りた。的確にクルーに指示を出し、必ず帰還できると勇気付けるホロ・バークレイ。一方地球では、バークレイが 2ヶ月連続でホログラムの送信に失敗した原因を探していた。
偏執的に原因を探すバークレイは、休暇を命じられた。放射能を本当に防げるのか疑問に思うドクター。ヴォイジャーからの返信にホロ・バークレイのデータも含まれる。だがその通信は、ミダス・アレイを通し、赤色巨星近くのマローダーに乗っているフェレンギ人が受信していた。彼らはセブンのナノプローブを売ろうと考えているらしい。
休暇中のバークレイは、同じく海岸での休暇を楽しんでいたトロイに相談を求める。バークレイはホログラムの送信に失敗しただけでなく、同時に恋人のリオサも失っていた。リオサには仕事の話をしていたため、ホログラムの消失に関係しているのかもしれない。ホロ・バークレイはヴォイジャーですっかり人気者になっていたが、モバイルエミッターをドクターに返す気は全くなく、強硬な態度を見せる。リオサが宇宙艦隊本部に呼ばれ、バークレイには教師だと話していたが、実際はフェレンギ人の下で働くダボガールだった。トロイの尋問の結果、リオサが情報を漏らし、フェレンギがバークレイのホログラムを盗んだことがわかった。
バークレイはフェレンギ人がナノプローブを手に入れようとしていることを知る。ヴォイジャーではドクターの要請によりホロ・バークレイを調べるが、問題はない。マローダーがワームホールを作り始めた。ホロ・バークレイはセブンの気を失わせる。
マローダーを宇宙艦隊の船で止めるには間に合わない。バークレイはホロ・バークレイになりすまし、計画を中止するようフェレンギ人の説得にかかる。成功し、フェレンギは穴を閉じ始めた。ホロ・バークレイはセブンを連れて脱出ポッドに乗る気だ。発射されたポッドがワームホールを通り、マローダーに到着する。だが中身は空っぽだった。落胆するフェレンギ。ホロ・バークレイは停止させられた。本物のバークレイはトロイの紹介で、新たな女性と休暇を楽しむことになった。


・用語解説など
ホロ・バークレイが言ったフェレンギ金儲けの秘訣 (Ferengi Rules of Acquisition) 第74条= "Knowledge equals profit." 「知識は金なり。」

吹き替えではバークレイが 2回「ラフォージ」と言及しますが、原語では最初が「ラフォージ少佐」、次が「ジョーディ」と言っています

ホロ・バークレイがジェインウェイの物まねをするシーンで、吹き替えでは途中でバークレイの声に戻っていますが、原語では「ありがとう」の前までずっとジェインウェイのままです

最後のトロイとの会話で、「僕なんかいたら邪魔なんじゃないの?」というバークレイのセリフは、原語では "I wouldn't want to be a 'third nacelle.'" と言っています。3本目のワープナセルをもった宇宙艦がないことからきている比喩でしょうね

ディアナ・トロイ
Deanna Troi
(マリーナ・サーティス Marina Sirtis) ディアナ・トロイ中佐。カウンセラー。VOY "Life Line" 以来の登場。声: 高島雅羅
パリス提督
Admiral Paris
(リチャード・ハード Richard Herd) オーエン・パリス (Owen Paris)。宇宙艦アル・バターニの元指揮官で、トム・パリスの父親。VOY第130話 "Pathfinder" 「遥か彼方からの声」以来の登場。階級章はその際の四つ星ではなく、さらに前の VOY第24話 "Persistence of Vision" 「ボーサ人の攻撃」時の三つ星 (中将) に戻っています。声: 阪脩、TNG クイン提督
(ピート・ハーキンズ) 中佐
Cmdr. Pete Harkins
(リチャード・マクゴナグル Richard McGonagle) バークレイの上司。同じく VOY "Pathfinder" 以来の登場。名前は訳出されていません。声: 池田勝
(ゲギス)
Gegis
(フランク・コルセンティノ Frank Corsentino TNG第9話 "The Battle" 「復讐のフェレンギ星人」の初代デイモン・ボーク (DaiMon Bok)、TNG第72話 "Menage a Troi" 「愛なき関係」のデイモン・トグ (DaiMon Tog) 役。フェレンギ人を演じるのは 3人目) フェレンギ人。クレジットされている俳優からすると艦長らしき人物ですが、セリフではナンクが艦長ということになっています。名前は訳出されていません。声:秋元羊介
Yeggie
(Christopher Neiman) フェレンギ人。名前は言及されていません
ナンク
Nunk
(Michael William Rivkin) フェレンギ人。セリフでは艦長 (ゲギスの項も参照)。上の Yeggie と合わせて声はトゥヴォック役の青山穣さん、ニーリックス役の長島雄一さんが兼任していますが、どちらがどちらかは未確認
リオサ
Leosa
(Sharisse Baker-Bernard) 声:岡寛恵
(少女その1)
Little Girl #1
(Brooke Averi)
(少女その2)
Little Girl #2
(Lindsey Parks) 2人とも通信研究センターを見学に来ていた児童。どちらがどちらかは不明
(カバーニャ・ボーイ)
Cabana Boy
(Chase Penny) 海岸でバークレイに飲み物をもってきた異星人。種族名不明

スリップストリームドライブ
正確には「量子スリップストリームドライブ (quantum slipstream drive)」。革新的なワープ推進技術。VOY第94話 "Hope and Fear" 「裏切られたメッセージ」など。同エピソードに登場した生命体116 のアートゥリス (Arturis) の名前も言及されていますが、訳出されていません
(ウツボカズラ)
pitcher plant
単に「(精神感応できる) 植物」と訳されています。これは VOY第108話 "Bliss" 「夢を食う謎のワームホール」に登場した巨大生命体のことを言っているため、意味不明な吹き替えになっています
マーケット・ストリート
Market Street
サンフランシスコの通り
(通信研究センター)
Communications Research Center
VOY "Pathfinder" より
セクター395
Sector 395
マレーシア
Malaysia
ゴルフ
golf
VOY第88話 "Vis a Vis" 「人体を渡り歩く異星人」など
(フェレンギ・マローダー)
Ferengi Marauder
フェレンギ連盟が使用する宇宙艦のタイプ。クラス名はデコラ級 (D'Kora-class、コンピューター画面にも表示されています)
(ウー・マックス)
oo-mox
フェレンギ人の耳たぶを触る行為。TNG "Menage a Troi" など。「あれ (=セブンの手) で触られたらたまらん」としか訳されていません
チョコレート・パッションパンチ
chocolate passion punch
ドラゴンズ
Dragons
ペブル・ビーチ
Pebble Beach
カリフォルニアにあるゴルフのメッカ。公式サイト
ゲディ・プライム
Gedi Prime
VOY第149話 "Drive" 「愛の危機」で言及
カディス・コット
Kadis-Kot
盤上ゲーム。VOY第148話 "Imperfection" 「セブンの涙」など
ダボ・ガール
dabo girl
ダボ・ゲームのオペレーターとして雇われた、様々な種族からなる美女。DS9第6話 "Captive Pursuit" 「ワーム・ホールから来たエイリアン」など
ヴェデク
vedek
強い権限をもつヴェデク議会のメンバーである、ベイジョーの宗教的指導者の肩書き。DS9第20話 "In the Hands of Prophets" 「預言者の導き」など
カロライナ
Carolina
連邦宇宙艦。クラス、番号不明。TOS ではダイダロス級の U.S.S.カロライナ (NCC-160) が言及 (TOS第32話 "Friday's Child" 「宿敵クリンゴンの出現」)。「カロライナ」と吹き替え
ピーターソン艦長
Captain Peterson
カロライナの艦長
ママのアップルパイ
Mom's apple pie
アイコニア人
Iconian
恒星間距離の次元転送を実現した、古代の高度に進んだ文明。TNG第37話 "Contagion" 「埋もれた文明」など。そのゲートウェイを「トンネル」と訳しています
マリル
Maril

・感想
ヴォイジャーの帰還プロジェクトに関する、本流のエピソードです。最後にホロ・バークレイの行動を阻止した以外、ヴォイジャーのクルーは全く活躍しませんでした。以前のバークレイ&トロイ話より、登場シーンが多かっただけでもましというべきでしょうか。
バークレイをだました性悪女をトロイが一人で尋問するシーンは、短いながらも印象深いですね。フェレンギ人も出てきて、ヴォイジャーでは面白い部類だと思います。DS9 が始まったのでついつい比べてしまいますが、それは酷ですね。


dot

previous第151話 "Critical Care" 「正義のドクター・スピリット」 第153話 "Body and Soul" 「セブンになったドクター」previous
USS Kyushuトップ | ヴォイジャー エピソードガイド