『艦長日誌、宇宙暦 54208.3。先月は艦隊からのメッセージが届かなかった。そのためクルーは、今月分のデータをいつも以上に期待している。故郷からの便りは、何よりありがたい。』
廊下。
カップを口にしながら歩くキムのところへ、パリスがやってきた。「やっと見つけた。噂の的だぞ、ハリー。」
「随分嬉しそうだな。」
「お前が夕べ地球からの通信を受信したって聞いてな。」
「厳密に言えば今朝だ。夜中の2時きっかり。」
「で? 手紙は?」
「うん?」
「…おい、また受信し損ねたのか?」
「先月の受信し損ねたんじゃなくて、こなかったんだ。」
「で、今月分は?」
「データの容量が、いつもより大きくてねえ。セブンと一晩かけてダウンロードしてるんだけど、なぜかうまくいかない。」
「ハリー! また 1ヶ月なんて待てないぞ!」
「わかってる。任しとけ。」 キムはターボリフトに乗る。
ため息をつくパリス。
キムは天体測定ラボへ入った。「進展は。」
セブン:「なぜうまくいかないか、原因を突き止めた。」
スクリーンを見るキム。「…ホログラムか。光子データを受信できるようには設計されてないからな。でも、何とかダウンロードしなくちゃ。」 コンピューターを操作するキム。
「何をしている。」
「トランシーバーをホロデッキのパターンバッファにつなぐ。」
「システムに互換性はない。連結部が焼けるだけだ。」
「重要じゃないものをわざわざ送ってくるはずはない。連結部を犠牲にする価値はあるさ。」
近くのコンソールが火花を吹いた。チェックするセブン。「トランシーバーがオーバーロードした。」
「でもホログラムは助かったよ。」 微笑むキム。
コンソールを操作するキム。ホロデッキにはジェインウェイもいる。
キム:「よしと。いいですか。」
セブンが操作すると、ホログラムの人物が姿を現した。その男を見て驚くジェインウェイ。「バークレイ※1大尉!」
ホロ・バークレイは言う。「ああ、いえ。ですが彼に設計されました。歩けて話せる、インタラクティブホログラムです。どうぞ、レッジと。」
握手するジェインウェイ。「会えて嬉しいわ、レッジ。」
「私もです、艦長。ハリー、セブン。君らと会えるのを楽しみにしてたよ。」
キム:「そう。」
「わかってる。家族からの手紙を期待してんだろう? だが、運が良ければ、数日の内に、彼らと…直接会える!」
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※1: Barclay (ドワイト・シュルツ Dwight Schultz) レジナルド・バークレイ大尉 (Lieutenant Reginald Barclay)。宇宙艦隊システム診断エンジニア。VOY第144話 "Life Line" 「ジマーマン博士の屈辱」以来の登場。声: 岩崎ひろし
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