ヴォイジャー エピソードガイド
第82話「プロメテウスの灯を求めて」
Message in a Bottle
イントロダクション
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※1: すぐに気づくと思いますが、トレスが普通の制服の上に、さらにゆったりとした作業着のようなものを着ています。なぜかポケットもついているこの服は、トレス役のロクサン・ドースンが妊娠しているのをわかりにくくするために着ているそうです。実際、映像でもあまり下半身を映していません。TNG のゲイツ・マクファデン (クラッシャー役。シーズンの合間に出産) や DS9 のナナ・ヴィジター (キラ役。劇中で代理母となる) のようにはいかなかったんですね。ただし後のエピソードで…… |
本編
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※2: この図では、どう見てもデルタ宇宙域からベータ宇宙域をカバーしているように見える (プロメテウスの位置もベータ宇宙域?) のですが…まあ深くは気にしないことにします ※3: U.S.S. Prometheus ここだけ「プロメテウス号」と吹き替え。NX-59650。ヴォイジャー上級イラストレーター Rick Sternback デザイン、Foundation Imaging によって CGI として製作。内装はシリーズ製作デザイナー Richard James によってデザインされ、彼によって作られた VOY第44話 "Flashback" 「伝説のミスター・カトー」の再現されたエクセルシオのブリッジの一部を改装して使っています。さらにヴォイジャーの医療室も新しいセットに加わっています。なお、DS9第29話 "Second Signt" 「愛の幻影」に登場する U.S.S.プロメテウス (ネビュラ級、NCC-71201) とは全く別の船です ※4: (Tony Sears 以前はヴォイジャーの美術部門で働いていました) |
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※5: 名前は Nevala (Valerie Wildman) 声:佐藤しのぶ、DS9 ジャッジアなど ※6: 名前のレカーは最後の方で言及されます。(ジャドソン・スコット Judson Scott 映画 ST2 "The Wrath of Khan" 「カーンの逆襲」のヨアキム (Joaquim)、TNG第22話 "Symbiosis" 「禁断の秘薬」のソビ (Sobi) 役) 声:藤原啓治、DS9 ベシアなど (ロミュランのコンビの声優が DS9 科学士官コンビ。いいですね)。ロミュランでは宇宙艦隊の大佐 (Captain) に相当するのが司令官 (Commander) で、その下が副司令官 (Subcommander) です。司令・副司令と訳した方が区別がついて、より的確かもしれません ※7: 奪格 (船体) 装甲 ablative (hull) armor 武器の砲火を受けた際に蒸発させるよう設計された宇宙艦外殻層、それによってエネルギーを分散させ船の内部を守ります。U.S.S.ディファイアントも装備しています。DS9第57話 "Past Tense, Part I" 「2024年暴動の夜(前編)」など ※8: multivector assault mode ※9: 艦名不明、NCC-70915 ※10: 「人間」と吹き替え |
![]() "Beady eyes... terrible bedside manner... I recognize you!だが君はこのデータベースに含まれていないはずだぞ。」 「ほんの一秒、その音声サブルーチンを切ってくれれば説明するよ。私はここから 6万光年離れた場所にいる艦隊の船から派遣されたんだ。」 「6万光年離れた場所? そんなディープスペースに艦隊の船が?」 「宇宙艦ヴォイジャーだ。4年前、エイリアンの力でデルタ宇宙域まで飛ばされたんだよ。何をしてる。」 ベッドにロミュランがいることに気づいた EMH-2※11 は、コンピューターを操作している。「侵入者だ。警報を出す。」 「やめろ、馬鹿なことをするな!」 「保安部…」 EMH-2 の口を手でふさぐドクター。 「話を聞け! この船はロミュランに乗っ取られ、クルーは全員死んだ。艦隊士官は私と君だけだ。わかるか?」 うなずく EMH-2。ドクターは手を放した。すると EMH-2 は「コンピューター、EMH を停止しろ」といい、消えてしまった。あきれるドクター。「コンピューター、EMH を起動だ。」 また姿を現す。「緊急事態の概要を述べて下さい。…何のつもりだ!」 「君の助けがいるんだ。」 「宇宙艦隊保安規約、第28節 D項※12。『敵対エイリアンの支配下に入った場合、EMH は機能を停止し、救助を待つ。』」 「そんな悠長な状況じゃないんだ。君と私の船 2隻の運命がかかってる。いいか、現状をもっと詳しく知りたいんだよ。連邦はロミュランと戦争中なのか。」 「いや、ロミュランはドミニオンとの戦闘※13には、全く関係していない。」 「ドミニオン?」 「あ…長い話でね。」 「とにかくだ、船を我々の手に取り戻すんだ。」 "I'm a doctor, not a commando."「不本意だががんばるしかないな。」 「君は何もわかってない。プロメテウスは、実験段階のプロトタイプなんだ。つまり僕もだ。だから…だから、実地テストだってまだ済んでないし、第一そんな任務をする設計はされていない。」 怪我をしたロミュランを覗き込む EMH-2。ドクターに肩をつかまれ、驚く。ドクターは言う。「いいから落ち着け。私がついてる限り大丈夫だ。その方面の経験は豊富でね。よし、順にゆくぞ。まず患者だ。私は火傷、君は骨折を治療する。」 手術台が動き始める。「本気なのか?」 「至って本気だが。」 EMH-2 は手術台を戻した。「敵なんだぞ。」 「彼には治療が必要だ。ヒポクラテスの誓い※14は知ってると思うがね。」 「考えろ。わからないのか? ロミュランは君を利用してるんだ。」 「ふーん。」 トリコーダーでロミュランを調べるついでに、EMH-2 にも近づけるドクター。 「ふーん? 何だ?」 「君のホロマトリックスは不安定だ。不可解な行動もうなずける。」 「まだ実験段階だと言ったろ。1ヶ月半前にインストールされたばかりだ。」 「それでも君の力がいる。彼にもな。」 トリコーダーを確認する EMH-2。「死にはしない。放っておいて、僕らは機能を停止しよう。」 「だめだ! どうしてもというなら好きにしろ。データプロセッサーの中で、縮こまってるがいい。独りでやる。」 再び手術台のスイッチを入れるドクター。EMH-2 は出ていこうとするが、ドクターに言う。「僕らは医療用ホログラムなんだぞ。船いっぱいのロミュラン相手に、何ができるって言うんだ。」 「わからないね。今はな。だがこれまでもいろいろと切り抜けてきた。エイリアンの侵攻、マクロウィルス※15の蔓延、時間を旅してボーグにも遭遇した。」 「君、最近自己診断をしてみたか? EMH マーク1 は、医療室でのみ機能するようになってるはずだ。」 「ヴォイジャーは 4年前に医療主任を失った。それ以来立派にやってる。」 「4年前? 道理で妄想を見るわけだ。プログラムが古くなり過ぎて劣化したってわけだな。」 「私は完璧な健康体だ。 I was saving Voyager from annihilation when you were only a gleam in your programmer's eye.船の奪還を手伝う気があるのか!」 「……そこの血栓モジュレーター※16を取ってくれ。」 ドクターは並べられた道具の中から、一つを手にしてスイッチを入れた。「ん?」 「コーンの形をしたやつだよ。早く渡してもらえますでしょうか。」 ドクターから受け取る EMH-2。「君がいなくなってた間に、医療技術は多少進んでるんだ。デルタ宇宙域って言ったか?」 「ああ、そうだ。」 "We don't use scalpels or leeches anymore. I suggest you let me handle the medical side of things.代わりに船の奪還とやらは、経験豊富な君に、一任させてもらうとするよ。」 ため息をつくドクター。 ![]() ![]() ![]() "Traditionally, one crawls in head first."「そうか。」 やっとで頭から入る EMH-2。奥へ行く。無言のドクター。EMH-2 は戻って来て、手で合図する。ニューロジンを渡すドクター。そして扉を閉じ、鍵をかけた。 ![]() ![]() ![]() |
※11: 緊急医療ホログラム-2 Emergency Medical Hologram-2 (Andy Dick) 声:柴本浩行 ※12: Security Protocol 28, Subsection D 宇宙艦隊一般命令・規則 (Starfleet General Orders and Regulations) の一つ ※13: 何を勘違いしたのか、「自治領との内紛」と訳されています…… ※14: Hippocratic Oath 医師にとっての伝統的な倫理規約。VOY第60話 "Darkling" 「ドクターの内なる闇」で言及。DS9第76話「苦悩するジェム・ハダー」の原題 ※15: 巨大ウィルス macrovirus VOY第54話 "Macrocosm" 「巨大ウィルス」より ※16: thrombic modulator ※17: Mark ジェインウェイの恋人。VOY第1話 "Caretaker, Part I" 「遥かなる地球へ(前編)」、VOY第24話 "Persistence of Vision" 「ボーサ人の攻撃」など ※18: テレリアン病 Terrellian plague 危険な病気。TNG第177・178 (最終) 話 "All Good Things..." 「永遠への旅」より。テレリアン (Terrellians) は DS9第59話 "Life Support" 「バライルの死」で言及 ※19: "Rodeo Red's Red Hot Rootin' Tootin' Chili" ※20: axonol ※21: neurozine ※22: アネスチジン anesthezine 即効性麻酔。TNG第59話 "The Hunted" 「恐怖の人間兵器」など ※23: Torothka virus ※24: 後にも登場。(タイニー・ロン Tiny Ron DS9第11話 "The Nagus" 「宇宙商人フェレンギ星人」に初登場した、グランド・ネーガス・ゼクの従者であるフーパイリア人、メイハードゥ (Maihar'du) 役) 声:辻親八、TNG/DS9 オブライエンなど ※25: Hirogen 「ヒロージェン族」と吹き替え |
![]() ![]() "Stop breathing down my neck."「スラスターコントロールか?」 「触るな! 何かわからないんだぞ。自爆スイッチかもしれん。」 「不安そうだな。」 「ただ、集中してるんだ。」 「ほんとはまるでお手上げなんだろう。これはシャトルでもないし、ここはホロデッキじゃないからなあ。」 「シーッ!」 「『私は船も出られるんだ。』 経験豊富なんじゃないのか?」 「考えてるんだ。あ、あった、これだ。これがエンジンパワー・コントロールだ。」 「それで、それで?」 「ミスター・パリスがやったのを 1度見たことがある。エンジンフィールドを軽いオーバーロード状態にすれば、ワープフィールドが崩壊する。」 コンピューターの警告音がなり、船が揺れた。前のめりになる 2人。「どうなったんだ?」と尋ねる EMH-2。 「やったぞ! 止まった。はあ。後は何とか宇宙艦隊に救難信号を送ればいいだけだ。」 だが警報が鳴っている。音を真似する EMH-2。「ピピピ、ピピピ? こんなの聞いたことないぞ。」 ドクターは後ろのコンソールを確認する。「まずい。」 「どうした?!」 「よくわからないが今の操作のせいで、ワープコアがオーバーロードしそうだ。」 「じゃあ船が爆発するっていうのか? 早く止めてくれ。」 操作するドクター。音が止まった。「はあ、大解決。」 だがまた別の音が鳴る。 「今度は何だ?」という EMH-2。ドクターは操舵席をチェックする。「間違いだといいが。そうであることを切に祈るが、ロミュラン・ウォーバード 3隻がインターセプトコースでやってくる。」 ![]() ![]() ![]() |
※26: Gray's Anatomy ヘンリー・グレイ (Henry Gray) 著、1858年出版。「グレイの」は訳出されていません (「解剖学の本」とも吹き替え) ※27: ドクター・レナード・H・マッコイ Dr. Leonard H. McCoy ジェイムズ・T・カーク船長指揮下の初代宇宙船エンタープライズの主任医療士官。"Comparative Alien Physiology" ※28: T'Met ※29: Rekar ※30: Almar 声:河野智之 ※31: Akira-class 映画第8作 "Star Trek: First Contact" 「ファースト・コンタクト」で初登場した、4種類の CGI 製クラスの一つ。日本のアニメ映画「アキラ」にちなんで名づけられています (日本から来たスタートレック) この船の名前は U.S.S.スペクター (U.S.S. Spector)、NCC-65549 だそうです ※32: ご存知 DS9 の U.S.S.ディファイアント (U.S.S. Defiant)、NX-74205 を試作艦とするクラス。この時点で、既に量産されていることがわかります |
![]() "The secondary gyrodyne relays in the propulsion field intermatrix have depolarized."「船を何とか安定させないと。補助動力を微調整スラスターに回してくれ。」 ブリッジに蒸気が吹き出す。「補助動力を微調整スラスターへ転送。」 揺れが止まった。「よくやった、マーク 2。」 「どうも。」 「じゃあ戦略ステーションだ。自分の身は自分で守る。」 立ち上がり、ブリッジ後方へ行く EMH-2。「戦略ステーションね。」 「何をしてる! 撃て! 撃て!」 「パネルがいっぱいあってわからないよ。」 「発射と書いてあるところを探して押すんだ!」 「全然だめだあ。フェイザーがダウンしてるって表示が出てるよお。」 「じゃあ光子魚雷を使え!」 ボタンを押す EMH-2。 ![]() "You hit the wrong ship!"目標を指示してやるんだよ。」 戦略コンソールに火花が走り、驚く EMH-2。「うわー!」 「ナビーションコントロールがダウンした!」 「全部ダウンだ。フェイザーにシールドに…」 「それだけじゃないぞ。ウォーバードが 2隻迫って来ている。」 「優秀な僕もこれで終わりか。ディープスペースの探検にも出かけられず、バラの香りもかげなかった。それに、セックスだって。」 EMH-2 はパネルに手を置いた。反応があり、コンピューターが『分離シークエンス、起動します』と伝える。 「何だこれ? 僕何かしたの?」 『10秒後に分離を開始。』 ドクター:「分離を開始? こりゃ確か、ロミュランがやってたぞ。」 『9、8、7…』 EMH-2:「どうやって止めるの?」 ドクター:「止められないよ。」 『6、5、4、3、2、1。』 「私の記憶通りならこの次は揺れるぞ。」 『分離シークエンス始動しました。』 「つかまってろ。」 船が揺れ、コンピューターが質問してきた。『攻撃パターンの指定を。』 「攻撃パターン? アルファ?」 『ターゲットの指定を。』 2人は声を合わせた。「ロミュランだ!」 ![]() ![]() ![]() "Sixty thousand light-years... seems a little closer today." |
感想
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第83話 "Hunters" 「宇宙の闇に棲む狩人」![]() |