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ディープスペースナイン エピソードガイド
第118話「愛の値段」
Ferengi Love Songs

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・イントロダクション
※1煙の立ち込めるクワークの店の中には、何人も士官がいて銃を撃ったりしている。その様子を見ていたが、頭を抱えて立ち去るクワーク。決着はついたのと言ってダックスがやってきた。それがまだというクワークに、もう3日目でしょというダックス。頭が痛いですというクワーク。巣はあったんですが、ほかにもあったという。チーフ・オブライエンは何ヶ月も前に最後のネズミ※2を捕まえたって言ってたじゃないというダックスに、絶対2匹、オスとメスを見逃してたんです、また増えたんですというクワーク。まさにネズミ算ねというダックス。ほんとに腹が立ちますよ、何でもかんでも食い荒らすし早く駆除してもらわないと、と言うクワーク。元気を出してと励ますダックスに、わかってます、バーの閉鎖は一時的なものだしネズミがいなくなればまた商売もできるという。じゃあなぜそんなにいらつくのというダックスに、最近人生がむなしいんですとクワークはいった。
クワークの部屋。ロム※3がやってきて、ヤッホー兄貴と声をかける。落ち込むのはよくわかる、フェレンギ会計監査局※4のブラックリストに載って以来悪いこと続きだもんなというロム。でもこのニュースを聞いたら兄貴も元気が出る、ほんとにすごい大ニュースなんだという。ロムはおいでと呼び、入ってきたのはリータ※5だった。何でリータを連れてきたんだというクワークに、僕たち結婚するんだとロムは言った。死んだ方がましだというクワーク。兄貴は最近変なんだというロム。もう生きていたくないというクワーク。誰か話し相手を見つけるべきよ、優しくいたわってくれる人というリータ。うるさいな、俺は一人が好きなんだというクワーク。僕がめげた時誰を頼るか知ってると尋ねるロム。俺だろというクワークに、本当にめげた時という。チーフ・オブライエンだろというが、チーフもいい人だけどというロム。焦らすのはやめろ、さっさと答えを教えろ、俺は疲れてるんだというクワーク。人生のどんな時も必ずそばにいてくれて、話を聞いてくれ、不安な時は元気付け、悲しい時は慰め、見返りに何も求めずにあふれる愛を注いでくれる人というロム。会いたいわというリータ、俺もだよというクワーク。知ってる人さ、きっと兄貴も抱きしめてくれる、腕を広げてというロム。
雨の降りしきる、フェレンギの母星フェレンギナー。チャイムが何度も鳴り、イシュカ※6が小窓を開けるとクワークがいた。母さんというクワーク。入ってきたクワークは、マミー、俺はもうだめだと言ってイシュカに抱きついた。

※1: 監督はオドー役のレネ・オーバージョノー。DS9第105話 "Let He Who Is Without Sin..." 「享楽の星・ライサ」以来。なおこのエピソードは元々 "Of Love and Profit" という原題でしたが改題されました

※2: ハタネズミ vole
カーデシアのげっ歯類。DS9第37話 "Playing God" 「宇宙の原型」など

※3: Rom
DS9第114話 "Doctor Bashir, I Presume" 「ジュリアンの秘密」以来の登場

※4: Ferengi Commerce Authority
略して FCA。商習慣と商法の励行に関連したフェレンギ政府の機関。DS9第69話 "Family Business" 「クワークの母」など

※5: Leeta
DS9 "Doctor Bashir, I Presume" 以来の登場

※6: Ishka
(Cecily Adams) クワークの母。DS9 "Family Business" 以来の登場。ただしその時のアンドレア・マーティン (Andrea Martin) から俳優が変わっており、2代目となります


・本編
ベイジョーに伝わる預言で一番好きなのはホランの第7の預言※7だなというロム。右耳にはイヤリングをつけている。「男はやってくる、さかずきを携えて。とびきりの笑顔で、甘いスプリングワイン※8をあふれさせながら。」随分ベイジョーの預言を勉強したんだなというオブライエン。伝統的な結婚式がリータの希望なんですというロム。あなたもそれでいいのというダックスにうなずく。優しいのねというダックス。リータの方はどうなんだい、少しはフェレンギの文化を勉強してるかい、金儲けの秘訣を覚えるとかと聞くオブライエン。それはないでしょう、結婚を機に仕事を辞めて、家の中で素っ裸で過ごすタイプには思えないと笑うダックス。いいんです、今のリータが好きだしというロム。あなたは考え方が進歩的なのねというダックス。ロムは古いフェレンギの男とは違うのさというオブライエンに、そうかもしれませんというロム。確かにあなたほどフェレンギ人らしくない人は珍しいとダックスが言うと、かもしれませんとがっかりした顔をするロム。だからってけなしてるわけじゃない、昔ながらのフェレンギの男なら、そもそも他の種族の女は選ばないというダックス。習慣が違いすぎるものと言った。
フェレンギナー。実を言うとネズミのせいじゃない、思った通りに運ばない人生に嫌気がさしてさというクワーク。いろいろあったからねというイシュカ。いらつくよ、せっかく金儲けのチャンスがあるのに何もできないというクワーク。ビジネスライセンス※9がなければ、死んだも同じさという。それで逃げ出したくなる気持ちはわかるけど、どうして家にと尋ねるイシュカ。ほかに行くところはないというクワーク。本当にそうなのかい、お前が私に対して批判的なのはわかってるというイシュカ。することなすことが気に入らないんだろう、マミー服を着るのはやめろ、マミー金儲けはやめろ、という。それでもう辞めたんだろうな、金儲けのことだよ、服を着るのも嫌だけどというクワークに、ほら始まったというイシュカ。そりゃあ一緒にいると嫌なこともあるけど母親だしな、心配なんだというクワーク。私にもお前は大事な息子さ、それはそうとして一緒に住むってどれくらいここにいるつもりと聞くイシュカ。1週間、2週間という。わからない、立ち直るまでいても構わないだろう、嫌なら出て行くけどというクワーク。何を言うの、嫌なはずなんかないだろうというイシュカ。それならみっともない服は脱いでくれるというクワークに、付け上がるんじゃないよと言う。荷物を持って立ち上がるクワークに、どこへ行くんだいと聞くイシュカ。部屋だよ、クタクタなんだというクワーク。手作りの料理を食べないかい、汁気たっぷりのおいしいジムシ※10があるよというイシュカ。料理は下手だろというクワーク。ちゃんと噛んであげるからさというイシュカに、今はいいというクワーク。さえぎるイシュカをよけ、歩いて行くクワーク。ため息をつくイシュカ。
ただいま、と言い部屋に入るクワーク。クワークは自分の物がないことに気づく。宝物のマラウダー・モー※11のアクション人形はどこだという。クローゼットを開け、荷物をそこにいる人に渡しまた閉める。気づいたクワークはもう一度開けた。そこにはグランドネーガス・ゼク※12と従者のメイハードゥー※13がいた。ここで何をしとると聞くゼク。母を訪ねてというクワークに、言い訳は聞かん、お前のような落ちこぼれは今すぐフェレンギから出て行けといい、荷物を投げ返すゼク。慌てて逃げるクワーク。
帰らなくっちゃ、ネーガスに見つかっちまったといいイシュカのところに戻ってくるクワーク。だがふと、なぜネーガスが俺のクローゼットにいるんだと言った。ネーガスがというイシュカに、マミーというクワーク。イシュカはあきらめた様子で、ゼキー、出てきてもいいわよと声を上げる。ゼキー、どういうことなんだというクワーク。次に来る時は前もって電話で都合を聞いてから来てよねというイシュカ。答えになってないというクワーク。ゼクとメイハードゥーが部屋にきた。「時と場合によっては質問をすることより、答えを聞くことの方がずっと危険なこともある」※14というゼク。金儲けの秘訣第208条、また何かやらかしたな、今度は何をとイシュカに言うクワーク。俺とは関係ありません、マミー、俺は無実だといってくれという。落ち着きなさい、私は何もしていないというイシュカ。なぜ何かしたと思うんじゃというゼク。わかりません、ネーガスがいらっしゃるから、俺は何を言ってるんだと混乱するクワーク。驚くことなど何もない、つまりなクワーク、お母さんとわしは恋に落ちたんじゃとゼクはいい、イシュカと抱き合った。茫然として、その場に座るクワーク。笑うゼクとイシュカ。

※7: Horran's Seventh Prophecy
「ホランの」は訳出されていません

※8: spring wine
ベイジョーの酒。DS9第86話 "Return to Grace" 「新たなる戦線」より

※9: フェレンギ・ビジネスライセンス Ferengi business license

※10: tube grubs
フェレンギの料理で、生きたままを食べる虫。DS9第83話 "Homefront" 「地球戒厳令(前)」など

※11: Marauder Mo

※12: Grand Nagus Zek
(ウォーレス・ショウン Wallace Shawn) おなじみのフェレンギ商業の指導者。DS9第62話 "Prophet Motive" 「新・金儲けの秘訣」以来久々の登場

※13: Maihar'du
(Tiny Ron VOYにも登場) フーパイリア人。同じく DS9 "Prophet Motive" 以来の登場

※14: No.208 "Sometimes, the only thing more dangerous than a question is an answer."


知り合ったのはどこでと聞くクワーク。トンゴ※15の宇宙選手権大会※16であったというイシュカ。ゼクはマスター部門、イシュカは女性部門のエントリーだったので別室でプレイしていた。すると途中で予想に反してグランドネーガスが苦戦しているらしいというの噂が流れてきたというイシュカ。なぜか仕入れ価格が販売価格を上回って、赤字が減らなかったというゼク。イシュカは体勢を立て直すためのメモを渡してアドバイスし、それが当たってゼクは復活し優勝した。27年連続だ。素敵なお礼の手紙をもらったのがきっかけで、ゼキーと私は文通を始めたというイシュカ。そのうち手紙だけでは物足りなくなって会うことにした。女であること、しかもクワークの母親だということを知ってゼクは驚いた。心臓発作を起こしかけた、もちろん立ち直ったがというゼク。それ以来お付き合いが始まったわけなのとイシュカは言い、顔を合わせる2人。誰かこのことを知ってるんですかと聞くクワークに、もちろん誰も知らん、お前も絶対しゃべるなというゼク。しゃべりませんというクワークに、でないと恐いという。部屋に戻ってきたメイハードゥーは、イシュカに料理を差し出した。ジムシのゼリー寄せ※17、メイハードゥー気が利くわねと喜ぶイシュカ。女王様扱いだわとイシュカに、それは君に女王の気品があるからだというゼク。ゼキー、嬉しいこと言ってくれるじゃないとイシュカは言い、じゃれあう2人。それを見て信じられないとつぶやくクワーク。何かいったかというゼクに、何も、そんなに幸せそうなお顔は初めてでというクワーク。わしもこんなに幸せなのは初めてじゃ、さてイシュカ、そろそろ国の経営に戻る時間じゃというゼク。あまり寂しがるなよという。寂しいわというイシュカ。嬉しいねといい立つゼクに、「ロブキンズ」※18、スケジュールを忘れちゃだめよと言いパッドを渡すイシュカ。ありがとう、お母さんは実に素晴らしい女性だぞ、大事にしろ、わしのようになといった。投げキッスをし、それを受け取る仕草をするイシュカ。出ていくゼクとメイハードゥー。クワークは驚いたなといった。ゼキーとのことでお説教する気ならというイシュカに、俺がマミーにお説教するだって、何を言ってるんだというクワーク。祈ってるよといい抱き合う。これは運が向いてきたぞとクワークはいった。
クワークの店。保安部員が器具を片づけている。ネズミの反応はないな、駆除完了だというオブライエン。いつもより昼休みが長くなってもいいですか、リータのサインをもらうんでといいパッドを見せるロム。それは権利放棄証書※19だ。フェレンギでは女が財産が持つことは認められないんです、権利放棄証書により離婚する際にも妻は夫の財産は請求できなくなると言うロム。リータがサインするとでも思うのかいというオブライエン。僕はイヤリングをしましたよ、リータが承知しなければ結婚はしません、フェレンギの男として譲れないこともありますというロム。決めるのは君だが、やめておいた方がいいぞというオブライエン。でも僕にもプライドがありますよ、リータが僕のことを愛してくれるなら、きっと喜んでサインしてくれますというロム。
何かの冗談でしょう、私はサインしないわよというリータ。何でさというロムに、結婚って全てを分かち合うことじゃないの、お金を含めてという。フェレンギじゃ違うというロム。だけどここはフェレンギじゃないというリータ。僕はフェレンギ人だというロムに、私は違いますという。金儲けの秘訣第94条、「恋愛と結婚は別物」※20というロム。そんな秘訣馬鹿げてるというリータ。馬鹿げてない、君も同じだ、金目当てなんだというロム。誰と同じと聞くリータに、最初の妻さ、愛している振りをしてるけどほんとに欲しいのは財産なんだという。私は愛してるわ、お金じゃなくてあなたをというリータ。ならいいだろ、権利放棄証書にサインしてくれというロム。嫌よというリータ。君と結婚はできないといい、イヤリングを外すロム。リータは仕方ないわねといい、パッドをロムに返すと部屋から出ていった。
おでこを合わせて話しているゼクとイシュカ。君はジムシの匂いがするぞ、あなたもよ、耳がゾクゾクするかい、わしもじゃよと話している。クワークは割って入り、教えて下さい、今日はどうでしたかと聞く。いつもの通りじゃよ、アーサイバイト※21鉱山は期待できるし、ボリアン※22市場における賭博はフェレンギ賭博協会※23が仕切ることで合意に達したしなというゼク。それからとしばらく考えてから、フーパイリアン嗅ぎタバコ※24の研究開発予算を追加配分することに決めたという。一度やったらやめられないほどえもいわれぬ味わいだというゼク。今日も1日忙しくいいお仕事をなさったのねというイシュカ。早速嗅ぎタバコを始めるゼク。わがフェレンギの経済もぐんぐん伸びていくのもうなずけますね、コストはダウン、収益アップといクワーク。金儲けのチャンスはどこにでも転がってるんじゃというゼクに、あなたは素晴らしいというイシュカ。だから国民が支持するんです、その鋭い洞察力に交渉のテクニック、その広い心に寛大な態度というクワーク。持ち上げても無駄じゃ、FCAの決定は覆せんとゼクはいった。舌打ちするクワーク。ビジネスのライセンスを与えるのも取り上げるのも、FCAの権限だという。フェレンギで一番力のある人だ、やろうと思えばなんでもできるでしょうというクワーク。まあな、しかし契約は我々の社会の基盤じゃ、お前は同じフェレンギ人との契約を破ったわけだという。もし肩入れすれば、法を守らぬ者に味方したことになるじゃろうというゼク。それはできぬそうだんじゃと机を叩く。マミー、何とか言ってくれよというクワーク。でもゼキーの言う通りよ、あんたが悪いというイシュカ。全くそれが親の言うセリフかと怒るクワーク。それが親に対する口の利き方か、おいでイシュカ、庭でも散歩しようと言い手をつなぐゼク。クワーク頼みがある、後片付けはお前がやれ、メイハードゥーも年だからのうと言った。皿をクワークに渡すメイハードゥー。
クワークは自室のベッドに寝た。するといきなり転送される音が聞こえてきた。クローゼットを開けるクワーク。そこには「ブラント※25だ。FCAの。」がいた。

※15: tongo
カードとルーレット型の回転盤を必要とする、運と戦略のフェレンギのゲーム。DS9第109話 "The Darkness and the Light" 「一人、また一人、そして…」など

※16: Global Tongo Championships

※17: jellied gree worms

※18: "Lobekins"
訳出されていません。強いて日本語にすれば「耳たぶちゃん」?

※19: Waiver of Property and Profit

※20: No.94 "Females and finances don't mix."
これは劇中で初めて、実際に発売された書籍 "Rules of Acquisition" から取られたものです。本の出版された後に劇中で登場した条文で、本の条文と食い違っているものもあります (もちろん劇中のが実際の条文になるわけですが…)

※21: acrybite

※22: Bolians
青い皮膚と半分に割れたような顔を持つ種族。TNG第25話 "Conspiracy" 「恐るべき陰謀」など。

※23: Ferengi Gaming Commission

※24: 正確にはフーパイリアンゴキブリ (カブトムシ) 嗅ぎタバコ (Hupyrian beetle snuff)
DS9第27話 "Rules of Acquisition" 「フェレンギ星人の掟」など

※25: バーラント Brunt
(ジェフリー・コムズ Jeffrey Combs) DS9第97話 "Body Parts" 「クワーク、絶体絶命」以来の登場。それにしても2人もサブレギュラーを演じるとは…いやはや


俺のクローゼットで何してやがると怒るクワーク。もちろんFCAの捜査に決まっている、2人の邪魔をしたくなかったもんでねというブラント。2人ってというクワークに、とぼけたって無駄だ、お前の母親とネーガスとの老いらくの恋のことなら知っているという。俺とは関係ない、今日まで知らなかったんだからなというクワーク。とはいえ息子だろう、責任を免れるものではないというブラント。あの女はフェレンギ社会の基盤を揺るがそうとしているんだ、この瞬間にもグランドネーガスの耳の中にくだらない戯言を吹き込んでいる、女が男と平等なぞという。早く2人の関係をやめさせないと、女が白昼堂々と服を着て目抜き通りを闊歩する羽目になると言うブラント。もしできないなら商いの塔※26のてっぺんに登り、民衆に向かってお前の母親の罪を弾劾してやりたいと声を上げる。しかしグランドネーガスの体面は何としても保って差し上げなければならない、2人の交際は終わらせるが、静かに内密にだとブラントは言う。それでどうするんだとクワークが聞くと、私は何もしない、君だという。当然だろ、イシュカはお前の母親だしなぜかは知らないがネーガスはお前を気に入ってるし、2人の仲を裂くにはお前は最適だというブラント。なぜ俺がやらなきゃいけない、ライセンスを剥奪した貴様のためにというクワーク。なら再現化してやろうとブラントは言った。その話乗ったというクワーク。
またしても、おおネーガス、あなたがフェレンギで最も賢く最も優れていることが証明されましたというフェレンギ人のレック※27。それで金をもらってるからのうというゼク。レックは笑い、ラチナムを置いてそのまま後ろ歩きでそこから出ていった。疲れた様子のゼク。続いてクワークが駆け込んでくる。止めるメイハードゥーだが、ネーガスに個人的なことでお話がある、心配するなというクワーク。何のようだというゼクにいわれ、御機嫌伺いにといい中へ入るクワーク。まずちゃんと払えというゼク。慌ててラチナムを箱に入れるクワーク。満足したら帰れというゼクに、申し上げたいことがあるという。今回のことは息子として光栄です、母も本当に運のいい女ですというクワーク。同様にわしも運のいい男だ、運が向いてないのはお前だけのようだなと笑うゼク。クワークも笑い、母にあんなに親身になってもらってなんてお礼を言ったらいいか、母は世間からいろいろと悪い噂も立てられているのにという。それはイシュカが金儲けをしていたことか、そのことなら全て知っているというゼク。儲けたラチナムは全てFCAに没収されたはずだという。そのことではありません、母は儲けを隠していますというクワーク。ゼクは馬鹿げているという。そうですとも、もっとひどい噂もありますというクワーク。隠した金で革命運動を支援しているというのです、フェレンギの男性支配を打破すべくという。つまり女にも権利を認めろというのかというゼクに、正気じゃありません、それは確かに母は服を着ていますし、フェレンギで最も影響力のある男性の心を射止めましたというクワーク。罪ではないなというゼク。それで母はきつい性格で男顔負けだが、だからといって疑う理由にはならないと続けるクワーク。大切なのは母があなたを愛しているってことです、あなたを利用して世界制覇を企むなんてとんでもないといった。世界制覇だと、女がかというゼク。わかります、考えるだけでぞっとします、でもただの噂ですからねというクワーク。では失礼します、今夜もお待ちしております、マミーも楽しみにしておりますといい出て行くクワーク。何をと聞くゼクにあなたのお越しをといい、部屋から出ていった。クワークの言う通りじゃ、グランドネーガスの前で服を着るとはとんでもない話だとゼクはいった。
イシュカが来たことがわかると、クワークは持っていたフェイザーを自分の耳に当てて椅子に座った。鼻歌を歌いながらやってきたイシュカは、もうすぐゼキーも来る頃だわ、おいしそうなナメクジのステーキ※28でしょといって夕食をテーブルに置く。腹が減ってないというクワークに、電池が入ってないわよというイシュカ。落ち込んでたから気づかなかったというクワーク。FCAの処分が辛いのねというイシュカに、金儲けをしたくてもチャンスをもらえない悔しさがわかるかいというクワーク。よくわかる、女の私もそうだからというイシュカ。男はなおさらだ、今は議論をする気分になれない、生きるのさえ辛いといって再びフェイザーを耳に当てるクワーク。わかったわ、ネーガスに話してあげると言い出すイシュカ。ライセンスを出してくれるようにお願いしてみるという。マミーと甘えるクワークに、ほんとに人を利用するのが上手な子よねというイシュカ。ありがとうというクワーク。もうすぐゼキーが来るわというイシュカに、お邪魔虫は消える、マミーをあてにしてるといって部屋から出て行った。
DS9、プロムナード。たとえクリンゴン人でもステーションのルールは守って頂かないと困ります、とオドー。それはわかっている、しかしマートク将軍は偉大な戦士だ、拘置所に入れるのはどうかと思うがというウォーフ。部下を投げ落としたんですよというオドーに、それはクレトック※29への教育だ、それに怪我はなく失神しただけだという。でも下にいたボリアン大使にぶつかるところだったんですよというオドー。無事だったろうというウォーフ。話を聞いていたシスコはオドーに命じ、マートク将軍を釈放するようにいった。そして将軍にここがクリンゴンのステーションではないことを伝えろ、規則が守れないならガウロン総裁から別の指揮官を送ってもらうとなとウォーフにいう。歩いていくウォーフ。いいかとシスコにいわれ、結構ですというオドー。するとどこからか、泣き声が聞こえてきた。声のする方へいってみると、ロムが作業をしながら泣いていた。大丈夫かというシスコに、大丈夫です、お気遣いどうもというロム。結婚取り止めでというオドー。残念だというシスコ。いいんですよ、これは喜びの涙なんですというロム。シスコはがんばれよと声をかけ、オドーと共に離れた。
その上の2階では、リータとキラが話しながら歩いている。もう大嫌い、好きなくせに、彼も金の亡者なのよ、それは違うわ、式を挙げる前に正体がわかって助かったわ、また強がって、あんな嫌な男と結婚しなくてほんとに良かった、嘘ばっかりと続ける2人。少佐、私の話聞いてますというリータ。聞いてるわよ、ロムを愛しているのねというキラ。リータは泣き始めた。リータの肩を抱き、歩いていくキラ。
クワークの家。クワークが帰り窓から中を覗くと、イシュカが泣いていた。中へ入り、マミーただいま、うまくいったと尋ねるクワーク。ライセンスは出るって、どうした、ネーガスはだめだってという。イシュカはクワークの頭を叩き、自分のことしか考えられないのと叱る。ただ自分優先なだけだ、どうしたんだというクワーク。彼が別れようって、お前にもう一度ライセンスを出してやれって頼んだら、いきなり怒り出して政府転覆を企んでいるからだと言われたと泣くイシュカ。そんな馬鹿なというクワーク。近づいたのも利用するためだろう、私は金の亡者で、彼を愛してのは振りだけの、服も脱がない謀反人だといわれたという。そりゃひどいというクワーク。彼なしではやっていけないわ、ゼキーも私なしではやれないのにと急に泣き止むイシュカ。クワークは残念だけど仕方がない、この方が良かったかもしれないしという。しかしイシュカは、大惨事になる、みんなにとってもといい部屋から出ていった。取り合わないクワーク。コンピューターに近づき、呼び出す。映し出されたのは「ブラントだ、FCAの」だ。建設的な1日を過ごせたか、俺はそうだったというクワーク。お前が笑顔ということはお母さんはそうではないのかなというブラント。恋人と別れたら普通は泣くさ、さて俺のビジネスのライセンスだがというクワークに、この瞬間からお前のライセンスは有効だという。おめでとうクワーク、またフェレンギ人になれたなといい、通信を終えた。俺はいつでもフェレンギ人だよというクワーク。

※26: Tower of Commerce
全フェレンギ同盟の商業活動を調整する行政中心地。フェレンギナーのシーンでそびえ立つ塔のことです。DS9 "Family Business" より

※27: Leck
(Hamilton Camp VOY第97話 "Extreme Risk" 「心は闘いに傷ついて」のヴレルク指揮官 (Controller Vrelk) 役) 後にも登場

※28: slug steak
「ナメクジ」と訳されています

※29: K'retok
訳出されていません


やはり雨の降っているフェレンギナー。クワークが朝食を持ってきたが、食べたくないというイシュカ。何か食べなくちゃ、人生は続いていくんだ、男はいくらでもいるというクワーク。またディープスペースナインへ帰るんだねというイシュカ。何でわかったと聞くと、わざわざ朝食を作ってくれたのは良心が痛んでる証拠だという。私を一人にするのが心配で、でも大丈夫、私は強いよ一人でもねというイシュカ。そうか、と鼻歌を歌いながら立ち上がるクワーク。そこへ通信が入った。相手はゼクだ。やあロムというゼクに、クワークですという。ちゃんとクワークといったろ、すぐに商いの塔まで来てもらいたい、長く待たせるなといった。ネーガスが何の用かしらというイシュカ。見当もつかないとクワークがいうと、私のことかもと期待するイシュカ。それはないというのを取り消し、でもそうかも知れない、どっちにしろマミーとネーガスがうまくいくようにがんばるよといい、出ていくクワーク。ため息をつくイシュカ。
私をネーガスの第一書記※30にしてくださるんですかというクワーク。わしに経済運営のアドバイスをする仕事じゃ、恐ろしい女から助け出してくれたお礼じゃと言っておこうというゼク。私にはバーがというクワークに、一生バーテンで終わってもいいのか、もっと上に行かなくてもいいのかという。せっかく栄光あるフェレンギ帝国の政策決定に関わるチャンスをやろうというのにというゼク。そうおっしゃって頂けるんでしたらというクワーク。結構、では早速今日の謁見のスケジュールを教えてくれといい、パッドを投げ渡すゼク。操作し、ネーガスのアクセスコードをお願いしますというクワーク。374-155と教えられたコードを打ち込むが、違うようだ。押し間違えたんじゃろうというゼク。だがやはり出ない。154じゃったかなとゼクにいわれるが、それも違う。何じゃったかな、最初の3桁は何と言ったと尋ねるゼク。374とクワークがいうと、ほんとにそうか、わからなくなったぞというゼク。すみません、そんなつもりはというクワーク。するとメイハードゥーがおもむろにパッドを取り、コードを打ち込んだ。それを受け取り、ああ6でしたよ※31というクワーク。何がというゼクに、最後の数字がという。だから言ったろうが、数字の1つや2つ誰にも度忘れはあるというゼク。それより仕事じゃ、1人目の謁見者はと尋ねる。デモン・アイゲル※32です、デュラニウム※33の利権を公開市場で売るか、先物取引で売った方がいいかという相談だと説明するクワーク。面白い質問じゃなというゼク。何も言わないクワークに、何を突っ立っとる、早くデュラニウムの相場を調べろという。過去3年間の取り引きをみますと、デュラニウムはまず7と4分の3上がりました、それから2と8分の1下がり、また11と8分の3上がったと説明して行くクワーク。約18の上がりかというゼクに、いえ、約17ですというクワーク。何をいっとる、7と4分の3から2と9分の1を引いたらと計算し始めるが、デュラニウムなんか誰が気にするかと言い出すゼク。デモン・アイゲルがとクワークがいうと、それは一体誰だ、わしの知り合いかとゼクは言った。首を振るメイハードゥー。
ロムの部屋。テーブルの上に山と積まれたラチナムの前にいるロム。チャイムが鳴り、迎え入れるとやってきたのはオブライエンだった。フェイズカリブレーターを返してもらえるかなというオブライエンに、そこの道具箱に入ってますという。何をしてるんだと聞くオブライエン。これが僕の財産です、僕が持ってる全てです、ほんの少しですけどというロム。なぜ2つに分けたんだとオブライエンが聞くと、半分をリータにやろうかな、そうすればサインしてくれるかもしれないと思ってと言う。つまり賄賂ってことかというオブライエン。賄賂は効きますよというロムに、権利放棄証書にサインすればもらった金も返さなきゃならないんだろという。そうだった、それじゃだめですねというロム。リータは絶対権利放棄証書にサインしないと思うぞというオブライエン。この輝くラチナムを見て下さい、綺麗でしょ、肌触りもいいんですというロム。リータを取り戻したくないのかとオブライエンが言うと、「愛が錆びるが金は錆びない」※34、秘訣の229条という。愛があった方が人生楽しいぞ、正直に言ってみろ、リータを取り戻したいかとまた尋ねるオブライエン。リータのためなら何も惜しくないとロムは言った。ロムの持っていたラチナムの板を取り、ほんとだなと聞くオブライエン。
リータは神殿の横で、食べ物を売っている。ジャムジャ※35スティック1本下さいというロム。一瞬驚き、何味にしますというリータに、実はジャムジャスティックは嫌いなんだという。嫌いなら何しに来たのよというリータ。結婚したいんだとロムは言った。でも私はサインしないわよというリータに、しなくていい、もう必要ないんだという。僕には財産がないからといった。ラチナムは全部キラ少佐に渡した、ベイジョーの戦争孤児基金に、キスされたという。私のためにそこまでと喜ぶリータ。2人のためだよ、愛しかないけどそれでいいと聞くロム。他には何もいらないわといい、リータはロムと口付けをした。その前に私のお給料さえあればといい、口付けをするリータ。2階から2人を見ているオブライエンとベシア。大成功だな、キューピッドと言うべきかと言うベシア。何とでも言え、僕はロマンチストなのさとオブライエンはいった。笑うベシア。
どこにいってたのと聞くイシュカに、ネーガスのとこだ、第一書記になったというクワーク。今日一日惨めな思いをしたでしょというイシュカ。人生最悪の日だ、何でわかると聞くクワーク。相場が199ポイントも急に暴落していた。マミーにいったらまずいかもしれないけど、ネーガスは実はというクワークに、知ってるわ、記憶力が落ちてるのよねというイシュカ。耳たぶを引っ張ってみたかと聞く。ネーガスの耳たぶを引っ張れるわけないだろというクワーク。でもしゃんとするわよ、それと何か言う時は繰り返して言うことねというイシュカ。2回でもだめで3回言われてやっとわかるときもあるという。クワークは向き直り、ただの恋人同士じゃなかったんだな、マミーがネーガスを操って経済運営をという。そこまではやってない、ただアドバイスするの、例えばこの事業はこれから伸びるとか、ここに投資しておけばいいとかというイシュカ。何で言ってくれなかったんだ、それを知ってれば俺はあんなというクワーク。あんなってなにというイシュカ。答えないクワークに、あなたがゼキーとの仲を引き裂いたのね、あることないことゼキーの耳に吹き込んだんでしょうという。知らなかったんだというクワークに、そそのかしたのは誰と聞くイシュカ。誰だと思うと聞くクワーク。ブラントね、見返りはどうせビジネスライセンスでしょうというイシュカ。「儲けないフェレンギ人はフェレンギ人にあらず」※36ってのはマミーの教えだろうというクワークに、金儲けの秘訣ではこのピンチは乗り切れないという。199ポイントの大暴落というクワークに、まだ序の口よというイシュカ。満足でしょ、あなたはゼキーと私の人生を破壊した上に、フェレンギの経済崩壊の引き金を引いてしまったんですからねと言った。後悔しても遅いわよといい、歩いていくイシュカ。

※30: First Clerk

※31: セキュリティ・アクセス・コード security access code
"3-7-4/1-5-6"

※32: DaiMon Igel
デモン (DaiMon) はフェレンギの肩書きで、おおよそ宇宙艦隊の大佐と同じ階級です。TNG第5話 "The Last Outpost" 「謎の宇宙生命体」など

※33: duranium
合金の一種。TOS第16話 "The Menagerie" 「タロス星の幻怪人」など

※34: No.229 "Latinum lasts longer than lust."
これも本から取られました

※35: jumja
ジャムジャの木の樹液から作られる、スティック上の甘い菓子

※36: No.18 "A Ferengi without profit is no Ferengi at all."
DS9第60話 "Heart of Stone" 「可変種の定め」でも言及され、その時は「金儲けできないフェレンギ人はフェレンギ人とはいえない」という吹き替えでした


ネーガスの執務室で、パッドをいくつも使い計算しているクワーク。今朝はまた随分早いな、昨日の暴落じゃそれも当然だといってブラントがやってきた。打つ手はない、199ポイントの大暴落だからな、これほどの暴落はグランドネーガス・スミート※37の時以来だと笑う。唯一在職中に殺されたネーガスだ。そして殺されたのは、第一書記も同じだった。今日は事態も好転するというクワークに、無理だね、今日は市場は一日中閉鎖されたままだというブラント。FCAの精算事業委員会は緊急会議を開く、グランドネーガス・ゼクが喚問され、会議が終わる頃にはゼクもお前も首だという。なぜ巻き込むんだ、いわれた通りにしたじゃないかというクワーク。馬鹿な奴だといい、ブラントはネーガスの席に座って、グランドネーガス・ブラント、父が喜ぶだろうなという。最初からネーガスのことを知ってたんじゃないのかと聞くクワーク。記憶力減退のことか、どうだったかな、今お前に言われて初めて気づいたが知っていたよとブラントは言った。母と別れさせようとしたのはネーガスを守ろうとしたからじゃない、追い落とそうとするためだったのかというクワーク。お前に心の底から感謝している、だからビジネスライセンスはそのままにしておくというブラント。もうあきらめて荷物をまとめ、さっさとちっぽけなバーに戻るがいいと言った。
クワークの家。何でまだここにいるの、ライセンスは戻ったんだからディープスペースナインに帰りなさいというイシュカ。お前はまさにフェレンギ人だわ、自分の利益のためなら家族も友人も裏切るという。クワークはやっとマミーに誉められたけど、地球人どもと付き合って長いから感じちゃうんだよねと言った。罪悪感をだ。認めたくないけど地球人に染まらないように抵抗してきたが、毎日バーであいつらの価値観や倫理観を聞いて商売してると洗脳されるのと同じだというクワーク。可哀相にねというイシュカに、俺は真剣なんだというクワーク。それはよくわかるけど、こんな事態になった以上そんなことで悩んでいる暇はない、もっと大きな問題が持ち上がっているとイシュカは言う。ブラントがネーガスになっていいのというイシュカに、冗談じゃない、自分のために国の経済を混乱させるような奴だぞというクワーク。だけどフェレンギ人らしいじゃないというイシュカ。確かにそうかもしれない、でもネーガスはもっと品性があるべきだという。自分の欲望を国民の欲望に反映させる人じゃないと、ゼキーのようにというイシュカに、そうというクワーク。さてこれからどうしたものかしらねとイシュカはいい、2人は座って考え込む。
笑いながら戻ってくるゼクとクワーク。奴等の顔を見たか、わしを舐めおってというゼク。痛快だった、どんな質問にもちゃんと答えたんじゃからなというゼクに、実にお見事でしたというクワーク。ブリーン人※38との貿易交渉の状態、ロカール豆への投資をやめた理由、なぜ今のうちに手に入るゼヴォナイト※39の利権を買い占めたかもだというゼク。素晴らしい答弁でした、ブラントのやつめ思い通りに行かないので頭が吹き飛びそうな顔をしてましたというクワーク。ブラントの頭なら後でわしが吹き飛ばしてやるというゼクに、また大きく笑う2人。あいつはわしのことを甘く見過ぎていたんじゃ、お前のこともなというゼク。私は何もというクワーク。ごまかせたが自分まではごまかせん、わしは記憶力が最近とみに衰えてきておってなというゼク。記憶力減退の治療にかけてはヴァルカン人が進んでいるって聞いてますというクワークに、どうも苦手じゃな、金儲けを馬鹿にするし、だがヴァルカンの医学はそんなにすごいのかというゼク。メイハードゥーにヴァルカンに予約を入れておけと命じる。お前のしてくれたことは決して忘れんぞロムというゼクに、クワークですという。それ引っかかった、記憶力はなくしてもユーモアのセンスはなくしておらんと笑うゼク。一緒に笑うクワーク。これからも第一書記として頼むというゼクに、ありがたいですが私ではご期待に答えられませんといい、メイハードゥーに指示するクワーク。お前に謙遜の美徳があるとは思わなかった、悪徳じゃ、アドバイザーがいなければ困るというゼク。それではご紹介しましょう、私の経済アドバイザーですというクワーク。メイハードゥーがフードを被った人を連れてきた。まさかそれはというゼク。もちろんそれは、イシュカだった。なぜその女を連れてきたというゼクに、ネーガスには国で一番有能な経済アドバイザーが必要だからですというクワーク。マミーこそその人材です、今日のアドバイスは全てマミーのものですと言った。正直に言うと私は男女平等を信じている、あなたにもそう思って欲しいけど、傷つけたりはしないとイシュカは言う。だがクワークが言っていた噂はどういうことじゃと聞くゼク。あれは全部嘘、そうよねといわれ、クワークは誇張して申し上げましてという。ゼクは怒り、お前は首じゃ、しかし問題は君の処分じゃがという。あなたの好きなようにしてというイシュカ。女からそう言われて、嬉しくない男はおらんわいとゼクは言った。帰って食事にしましょうというイシュカに、食事はメイハードゥーじゃ、君はわしといいことをするんじゃとおでこを付けるゼク。笑う2人。それを見て喜んだメイハードゥーは、クワークの肩を持って体を持ち上げた。痛がるクワーク。
クワーク、料理ができたわよというイシュカ。クワークは荷物をまとめながら、すぐに行くと言う。これも持っておいきと言ったイシュカが差し出した箱には、マラウダー・モーのアクション人形※40が入っていた。捨てられたと思っていたと喜ぶクワークに、捨ててないわ、倉庫にしまっておいたの、ディープスペースナインに持って帰りたいだろうと思ってと言うイシュカ。もちろんだ、この人形がどれくらいするか知ってると聞くクワークに、箱に入れてとっておけばもっと高く売れたのに、お前が言う通りにしないからという。あの頃からマミーのアドバイスは正しかったんだな、ありがとうマミーというクワーク。イシュカは私こそありがとうといい、キスをして出て行った。転送の音がする。クワークがクローゼットを開けると、「ブラントだ、FCAの。」がまたいた。いつまでそう言っていられるかなというクワーク。私のことは心配するな、生き延びてみせるさというブラント。それで2人はうまく元のさやに収まったのか、これを国民が知ったらという。知れたりしないさ、お前はばらせる立場じゃないというクワーク。なぜそう言いきれるというブラントに、ネーガスを甘く見るな、逆らったりしたらお前が負けるというクワーク。ブラントは負けるのは嫌いだといい、クワークはフェレンギ人はみんなそうだという。ネーガスを追い落とすことができなくても、お前は別だというブラント。ライセンスを取り上げるつもりか、ネーガスのご機嫌を損ねても知らないぞというクワーク。ブラントはその反対だ、私はお前に目を光らせている、そのうちお前はまたミスを犯すという。その日が来たら失うのはライセンスだけではすまんぞという。だがそれは先の話だ、クローゼットにとっとと消えなというクワーク。ブラントはクローゼットに入り、勝負はまだこれからだぞといいながら扉が閉まった。いいから今日はおとなしく帰れというクワーク。転送される音がする。ミミズがぬるくなっちゃうわよというイシュカの声に、今行くよというクワーク。アクション人形を手に取り、それで遊んだ。

※37: Smeet

※38: Breen
ヒューマノイド文明。DS9第113話 "By Inferno's Light" 「敗れざる者(後)」など

※39: ジェヴォナイト jevonite
カーデシアで産出する貴重な宝石。TNG第137話 "Chain of Command, Part II" 「戦闘種族カーデシア星人(後)」より

※40: フェレンギ人の人形です。STファンがフィギュアを集めているのと同じなのが笑えます


・感想
前々話に引き続きフェレンギ主体の話でしたが、今度はやはりコメディ調でした。数々登場のサブレギュラー陣が、それぞれの個性を存分に出しているところがDS9らしいところですね。金儲けの秘訣も久々に沢山言及されたので、フェレンギ研究家(?)には嬉しいところでしょうか。ロムとリータの異色カップルも何とか順調にいきそうです。


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