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エンタープライズ エピソードガイド
第52話「帰還なき旅」
The Expanse

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・イントロダクション
※1※2※3宇宙空間に、突如として球状の物体が現れた。
そこは地球の軌道上だった。地表へ近づく金属製の物体。
物体は高度を保つと、巨大な炎を発した。
それは一直線に地上に注がれる。フロリダ半島だ。
街並みには大きな黒い線として、その爪跡が残る。
発射し続ける物体。
北から南に向かって、キューバ島も通過した。
エネルギーが海に達したところでは、激しく海水が蒸発する。
物体は突然、放射を止めた。そしてバラバラになる。墜落していく本体。


※1: このエピソードは、第2シーズン・フィナーレ (最終話) です

※2: また、2003年度のエミー賞で、特殊映像効果賞および音楽作曲賞にダブルノミネートされました

※3: 更に本国では、次話の第3シーズン・プレミア "The Xindi" 「トレリウムD」の内容を含め、小説版が発売されています (Amazon.com / スカイソフト / Amazon.co.jp)

・本編
クリンゴンの母星、クロノス。
クリンゴンの総裁※4。「二度だぞ。二度も奴を捕らえながら、二度も逃げられるとは。…治安判事の情けなど無用だった。さっさと処刑しておけばよかったのだ。」 何人も集まっている。
評議会メンバー※5:。「デュラス、お前という奴は。アーチャーがかくまっている反逆者どもを、帝国に連れ戻すだけの簡単な任務に、失敗した。奴に馬鹿にされおって。」
「だが名誉挽回のチャンスを与えてやろう。これが最後だぞ。」
デュラス※6:「必ずや成功を。」 胸に手を当てる。

通常飛行中のエンタープライズ。
リード:「きっと、よほど深刻な…」
会議室に入るタッカー。「何事だ。」
リード:「船長から話だそうです。」
「どんな。」
サトウ:「…船長はこの一時間で 3度も、フォレスト提督と話をしてます。」
「…事件だな。」
フロックス:「この前上級士官のブリーフィングに呼ばれたのは、いつでしたか。」
リード:「もしかしたら、船長の話というのは…」
アーチャーが入る。「……地球が攻撃された。」
タッカー:「…どういうことですか、攻撃って。」
「偵察機だ。どこからか飛んできて…地球に向けて火柱が放射され、4,000キロに渡って焼き尽くされた。…フロリダからヴェネズエラまで。100万人規模の犠牲者が出ているらしい。」
リード:「100万!」
「…帰還命令が出た。」
タッカー:「理由は何ですか?」
「…尋ねなかった。」
メイウェザー:「すぐには戻れませんよ。」
クルー:『ブリッジより、アーチャー船長。』
アーチャー:「何だ。」
『フォレスト提督からです。』
「了解。トラヴィス、ワープ5 でコースセットだ。」

向きを変え、ワープに入るエンタープライズ。
窓の外を見ていたアーチャーは、ドアチャイムに応えた。「入れ。」
タッカー:「…失礼します。」
「トリップ。」
「フロリダのどこが攻撃されたか…詳しく聞いてないでしょうか。」
「いや、何も。」
「…きっと無事だ。建築士は、出張が多いから。」
「…お姉さんか。」
「妹の方です。…学生時代、妹のクラスの男どもが手を出さないよう…いつも目を光らせてました。」
「フロリダにいなかったかもしれない。」
「……提督はほかに何かおっしゃいませんでしたか。」
「犠牲者の数が修正された。…300万人だ。」
「誰の仕業なんです!」
またドアチャイムが鳴った。
アーチャー:「入れ。」
トゥポル:「…ソヴァル大使と話をしました。」
「それで?」
「ヴァルカンが中央アジアで偵察機の残骸を回収し、宇宙艦隊司令部に運んだそうです。」
「何かわかったか。」
「いいえ。パイロットは衝撃で死んでいました。」
タッカー:「何者です。種は。」
「わかりません。」
「フロリダの、どこが攻撃されたか聞いてますか。」
「いいえ。」
アーチャー:「…トリップの妹がフロリダにいる。」 呼び出しに応える。「アーチャー。」
リード:『船長、スリバン船が現れました。8隻も。ワープで急接近。』
「…こんな時に。戦術警報!」

エンタープライズを取り囲む、スリバン細胞船。
アーチャー:「呼びかけを。」
サトウ:「…応答しません。」
「もう一度!」
突然、照明が暗くなった。
いつの間にかスリバンがブリッジに来ていた。
走って近づく者、天井を這う者。
鈍い音が聞こえる。
ライトが復旧すると、アーチャーの姿はなかった。
リード:「船長!」

閉じこめられたアーチャー。
部屋にシリック※7がやってくる。「ある方が君に話がある。」
アーチャー:「シリック。そうか、全てお前の陰謀だな?」
「何の話だ。」
「何百万もの人間を、お前が殺したんだろ!」
「何の話かさっぱりわからない。…抵抗しない方がいいぞ。」
「…私に何の用だ。」
「君と話をしたいという方がいる。君の役に立つ情報をおもちだ。心配ない、手出しはしない。」
「何の情報だ。」
「君の同胞についてだ。危険が迫っている。」

部屋に入るアーチャーとシリック。
中央に、未来の人物※8のシルエットが浮かんでいた。
シリック:「姿がよく見えるよう、もっと前に出ろ。」
アーチャー:「…何者だ。」
「話があるそうだ、聞いた方が得策だぞ。」
未来の人物の前に立つアーチャー。「何の用だ。」
未来の人物:「地球が攻撃された。」
「わかっている!」
「攻撃の理由は知らんだろ。攻撃機はズィンディ※9から飛んできたのだ。今後 400年内にズィンディは人間に破壊されることを知ったからだ。」
「そんな先の出来事が、なぜわかるんだ。」
「未来人から聞いたのだ。奴らも時間を超えて交信できるからな。」
「スリバンが仕えている連中か。」
「スリバンが仕えるのは私だ。」
「つまり君だろ? 君がクリンゴン帝国で内戦を仕掛けた黒幕か。最初から私の任務をもてあそんでいた。」
「ズィンディに未来を教えた連中は私とは別の組織だ。…今回の攻撃は小手調べ。ズィンディはそれより遥かに強力な兵器を製造している。それが完成したら今度こそ地球を滅ぼすつもりだ。」
「やられる前にやっちまえか。…なぜ私に教える。」
「ズィンディが未来を知ったのは間違っている。その兵器が配備されれば、タイムラインが汚染されてしまう。お前はそれを阻止するのだ。」
「…信じられない話だ!」
「私を信じなければ地球は滅亡する。」

エンタープライズから去っていく細胞船。

作戦室のトゥポル。「そのタイムトラベラーが人間を守ろうとしているなら、どうして…大勢の犠牲が出る前に教えてくれなかったのでしょう…」
アーチャー:「信じないと思ったのさ。確かにその通りだ。」
「…誰が地球を攻撃したか、艦隊と最高司令部は論理的説明をするでしょう。」
「話は真実かもしれない。もしそうなら、君の協力がいる。疑いはいらない。」

『航星日誌、2153年4月24日。地球に帰還できるのに心は重い。結局 700万人以上が犠牲となった。』
ワープを解除するエンタープライズ。
メイウェザー:「船長。…太陽です。」
スクリーンの中央に、ひときわ明るい恒星が見える。
リード:「…船がワープを解除。」
アーチャー:「どこだ。」
メイウェザー:「左舷より 200キロ。」
「…何者だ。」
リード:「…攻撃を仕掛けてきま…」 すぐに船が揺れた。
次々と武器を発射する、クリンゴン船。


※4: クリンゴン総裁 Klingon Chancellor
(Dan Desmond) セリフでは総裁だとはわかりません。ENT第2話 "Broken Bow, Part II" 「夢への旅立ち(後編)」では Peter Henry Schroeder が演じていましたが、総裁が交代したのか、単に俳優が代わっただけなのかは不明。声はラミレス役の北川さんが兼任

※5: クリンゴン人評議会メンバー Klingon Council Member
(ゲリー・バロック Gary Bullock VOY第61話 "Rise" 「謎の小惑星」の Goth 役) 声:沢木郁也、TNG 旅人など

※6: Duras
(ダニエル・リオーダン Daniel Riordan) ENT第45話 "Judgment" 「反逆の法廷」以来の登場。声:廣田行生

※7: Silik
(ジョン・フレック John Fleck) ENT第27話 "Shockwave, Part II" 「暗黒からの衝撃波(後編)」以来の登場。声:楠見尚己

※8: ヒューマノイドの姿 Humanoid Figure
(ジェイムズ・ホラン James Horan) ENT第26話 "Shockwave, Part I" 「暗黒からの衝撃波(前編)」以来の登場。声:森田順平 (継続)

※9: Xindi

報告するリード。「前方フェイズ砲、やられました。」
アーチャー:「魚雷があるだろ!」
トゥポル:「クリンゴンの、バード・オブ・プレイ※10です。」
魚雷で応戦するエンタープライズ。
バード・オブ・プレイの攻撃は激しく、ワープナセルからプラズマが漏れ出す。
サトウ:「船長が狙いです。船長を引き渡せば船は攻撃しないと。…アーチャーは帝国の敵である。名誉回復のために奴を裁きの場に引き出さねばならん。」
アーチャー:「デュラスか。」
連続で火花が散る。

クリンゴン人の砲撃手※11。「かなりのダメージを与えました。」
デュラス:「武器は。」
操舵手※12:「攻撃はできません。」
「攻撃やめ。乗り込む準備をしろ。」
砲撃手:「…船が 3隻接近!」
宇宙艦隊の僚船※13が、一斉にデュラスの船を攻撃する。
砲撃手:「地球船です。」
デュラス:「撃ち返せ!」
操舵手:「シールドダウン!」
「…オフラインなのか。」
「いいえ。」
「では攻撃を続けろ。」
砲撃手:「ディスラプター、3 と 4 をやられました。」
「…退却! ワープで退却だ。」
地球船に追われ、バード・オブ・プレイはワープで逃げた。

通信を伝えるサトウ。「イントレピッド※14の、ラミレス船長※15です。」
ラミレス:『何者だったんです?』 スクリーンに映る宇宙艦隊士官。
アーチャー:「クリンゴン人だ。名前は、デュラス。…恨まれてる。」
『おかえりなさい、船長。こんな状況での御帰還、残念です。』

フロリダ上空軌道上のエンタープライズ。
スクリーンを見つめるクルー。
タッカーは視線を落としていた。
フロリダから南にかけて、くっきりと線が見える。

宇宙艦隊司令部。
フォレスト※16:「君の話を司令部に伝えたが、信じてはもらえなかった。」
アーチャー:「ほかに思い当たる敵がいますか? …大使はどうなんです。私が幻でも見たとお考えですか。」
ソヴァル※17:「ヴァルカン科学理事会はタイムトラベルは不可能だと考えています。」
「再び攻撃される危険があります。エンタープライズで、ズィンディを探し出す。私の願いはそれだけです。失うとしても宇宙船一隻のみ。万が一奴の話が本当だった場合、支払う犠牲は…わずかです。」
「ズィンディがどこにあるか御存知かな?」
「ワープ5 でおよそ 3ヶ月です。」
「デルフィック領域※18の中にあります。」
「…デルフィック?」
「2,000光年という広漠たる空間をもつ場所です。ヴァルカン船が入りましたが…ほとんど戻っていません。」
「まるで、バミューダ・トライアングルみたいですね。」
「残虐で危険な種がいるという報告もあります。不思議な異常現象。ある地域では物理の法則が成立しない。…20年前、クリンゴン船が戻ってきたことがありましたが、乗っていたクルー全員が身体を裏返しにされていました。…身体は外に開かれたまま、生かされていたのです。ズィンディを探すなど、愚かとしか言いようがない。」
アーチャーはフォレストに言った。「危険は覚悟の上です。…クルーも私についてきてくれるでしょう。」
ソヴァル:「典型的な衝動行動だ。真実だという根拠は全くないのに、君はクルーたちを危険にさらそうとしています。」
フォレスト:「既に大勢の犠牲が出ている。…エンタープライズを行かせるんなら、宇宙艦隊司令部は確かな証拠が欲しい。」
アーチャー:「私が話したのが未来人かどうか、それはわかりませんが…こういう反応が出ると、彼は予想していました。ですから…証拠を残したのです。」

部屋に入る 3人。
アーチャーはスキャナーを取りだし、多数の偵察機の残骸※19に近づいた。
フォレスト:「ジョン?」
アーチャー:「残骸の量子年代をスキャンします。…こちらへ。この残骸の主な合金は、ここ 4年間で合成されています。…こっちは 1年早い。」
ソヴァル:「船長、一体何が言いたいのかね?」
「…こっちは 12年間。」
フォレスト:「つまり何だ。」
「いま説明します。」 反応が出た物体を取り出すアーチャー。「これはどう思いますか。」
スキャナーを受け取るフォレスト。「…スキャナーが壊れているんじゃないか?」
アーチャー:「なぜです。」
「…量子年代が、マイナス420 と出てる。」
「おかしいですか?」
「量子年代で過去を示すのはプラスの数だ。」
もう一つのスキャナーも使うアーチャー。「…ではこれも壊れてる。」
自分で数値を見るソヴァル。「船長の話した人物によると、その未来人たちは時間を超えて交信するだけだと。では未来人はこれをズィンディに実際に渡したと言うのかね?」
アーチャー:「何とも言えません。だからといって、スキャナーの結果は変わりはしない。未来からきたこの物体の、説明がつくなら別ですが?」
「…説明できないから、あなたの話が正しいとは言えない。」
フォレスト:「司令部に、話をしてみよう。」
うなずくアーチャー。「死体を確認します。」
保安部員が見守るポッドを開けるフォレスト。
その中に、黒くなった遺体が冷凍されていた。
スキャナーで調べるアーチャー。
ソヴァル:「それは、ズィンディ人なのかね?」
アーチャー:「それを確かめに行くんです。」

スペースドック入りしているエンタープライズ。
医療室に入るアーチャー。
フロックス:「ドクター・フェラット※20です。」
ヴァルカン人がいる。
アーチャー:「…あまり時間がない。何です。」
フロックス:「ヴァルカンの調査チームが、残骸から硫化鉱放射能※21の痕跡を感知しました。」
「艦隊は感知してない。」
フェラット:「我々のテクノロジーは地球より進んでいます。」
フロックス:「残骸に近寄った者は全員治療が必要で、ドクターは被曝量を調べにいらしたのです。」
「すぐ終わります。どうぞこちらへ。」 スキャナーを使うフェラット。「吐き気を催したり、めまいを感じたりは?」
アーチャー:「いえ。」
「手足の痺れは?」
「全くない。」
「船長はあの残骸が未来から来たとお考えとか。」
「そうです。ヴァルカンはタイムトラベルを信じない。」
「信じる者もいます。…それで、あなたが会ったそのタイムトラベラーは、ヒューマノイドなんですか?」
フェラットを見るフロックス。
アーチャー:「なぜそれを知ってる。」
フェラット:「事前に説明を受けました。」
「私にはそう見えたが、断言はできない。」
「あなたは未来人と会ったことがあるとか。」
「何度もあるが、それと放射能と何か関係があるのか?」
「ただの好奇心です。…何度も人にこの話を聞かれるのは…面倒でしょうね。イライラしますか?」
「仕方ない。」
「なぜそう感じるんでしょう。」
「仕方ないと言っただろ?」
「この話をするあなたには、怒りが感じられる。」
「…ヴァルカン人が私の感情に興味をもつとは、不思議だなあ。」
「そうですか。…被曝量はわずかでした、治療は必要ない程度です。未来人と会えば、不安を強く感じるのは当然だと思いますよ?」
コンソールを見ていたフロックスは近づいた。
アーチャー:「なぜそう思うんだ?」
フロックス:「検査はもう終了ですねえ。」
フェラット:「すぐ終わります。」
「終わりです。ヴァルカンのデータベースをチェックしたら、ドクター・フェラットは一人だけ。あなたは病理学者じゃない、精神分析医だ。」
アーチャー:「ソヴァル大使もしつこいな。何を調べてる。私がおかしくなった証拠か!」
フロックス:「君は身分を偽った! 医学の倫理はどうなってる!」
フェラット:「私は命令に従っただけです。」
アーチャー:「私の船から、さっさと出てってくれ! ドクターがよければ、客人をエアロックに御案内してくれ。」
フロックス:「喜んで。」

辺りを見渡すタッカー。
リード:「こりゃひどい。」
2人の前の地面は、地下深くまでえぐり取られていた。その「溝」がずっと続いている。
指さすタッカー。「家はこのすぐ近く。一キロも離れていない。…あの辺りには、古い映画館があってね。子供の頃、妹を連れて行かないと大声で泣かれたもんさ…。」
リード:「…その時妹さんがいたのは確かですか。」
「無事なら消息がわかるはずだ。」


※10: bird-of-prey
ENT では第14話 "Sleeping Dogs" 「名誉に生きる者」で言及されていましたが、登場するのは初めて。デザインは映画 ST3 "The Search for Spock" 「ミスター・スポックを探せ!」で初登場した、23〜24世紀のものと似ています。ということは、同映画の初期稿にあった「元々バード・オブ・プレイはロミュランのものを盗んだ」という裏設定を公式に否定するものとも言えます

※11: クリンゴン人クルー Klingon Crewman
(David Figlioli) 声はフェラット役の平野さんが兼任

※12: クリンゴン人クルーその2 Klingon Crewman #2
(L. Sidney) 声:中田和宏

※13: 船のタイプは 2種類あり、2隻ある方はオープニングでエンタープライズの前に登場する、月面上を飛行するワープ船に似ています (が、似ているだけで異なります)

※14: Intrepid
登場する 3隻のうち、一隻しかないタイプの船かもしれません。後の U.S.S.イントレピッドには TOS第15話 "Court Martial" 「宇宙軍法会議」などのコンスティテューション級 (NCC-1631)、TNG第65話 "Sins of the Father" 「クリンゴン戦士として」などのエクセルシオ級 (NCC-38907)、VOY第98話 "In the Flesh" 「偽造された地球」などのイントレピッド級一番艦 (NCC-74600、ヴォイジャーのクラス) があります。吹き替えでは「イントレピッド

※15: Captain Ramirez
(Josh Cruze) 声:北川勝博

※16: フォレスト提督 Admiral Forrest
(ヴォーン・アームストロング Vaughn Armstrong) ENT第50話 "First Flight" 「運命の飛行」以来の登場。声:金尾哲夫

※17: Soval
(ゲイリー・グラハム Gary Graham) ENT第41話 "Cease Fire" 「戦場の絆」以来の登場。声:山路和弘

※18: Delphic Expanse

※19: ロサンゼルス北部の砂漠にある廃品置き場から持ち込まれた、飛行機の残骸

※20: Dr. Fer'at
(ブルース・ライト Bruce Wright DS9第85話 "Crossfire" 「ジェラシー」のサリシュ・レズ (Sarish Rez) 役) 声:平野俊隆

※21: pyritic radiation

スペースドックでは、NX級の船が建造されている。
『航星日誌、捕捉。連日の議論の末、宇宙艦隊はようやく新しい任務に出る許可を出した。』
検査ポッドで近づくアーチャー。「NX-02※22 か。」
フォレスト:「14ヶ月後には出発できる。」
「うん。先ですね。」
「それまでには、戻ってくれよ?」
「ええ。…どんな兵器が入るんです?」
「エンタープライズで改良している、同じ物が搭載されるだろう。…クルーには話したのか?」
「今朝。」
「…何名残る。」
「決めていない者もいますが、降りるのは 7、8名に留まるでしょう。…先ほど、ケイシー将軍※23と話をしました。」
「彼のチームは、8時に着くことになっている。…軍に頼んだと聞いて驚いたよ。…軍人たちを同乗させて、大丈夫か?」
「艦隊以外の人員に抵抗はありません。…最高のチームを結成してくれました。危険な場所に行くわけですから、手に入る力は何でも欲しい。」
「領域内のどこを探せばいいのか聞いていないんだろう。」
「手がかりさえない。」
「ズィンディの、新兵器だが…いつ完成するのか、聞いてるのか?」
「それを阻止すると思ったからこそ警告したのでしょ。」

医療室のフロックス。「副司令官。…何か、御用ですかな?」
トゥポル:「ドクターは、ご自分の決断に自信がおありですか。」
「何の決断ですか?」
「エンタープライズに残ることです。200匹の雪虫※24を載せたシャトルが到着するとフラー乗組員※25から聞きました。」
「私の後任が積んだのかも。」
「雪虫を使うドクターなんて、宇宙艦隊にはあなたぐらいです。」
「…それで…君自身は?」
「…デルフィック領域には行くなと、ヴァルカン最高司令部にきっぱり言われました。」
「肝心な君の気持ちは?」
「…司令部に背くべきではありません。」
「そうですか。…初めてじゃ、ないでしょう。…面白いですよ? 私達は、この船でただ 2人の異星人でしたねえ。降りるのか、残るのか。私は船長に忠誠心があるので、すぐに決断できました。それに、悲しいかなこうした困難な任務においてドクターはより必要とされています。だが、あなたにとっては難しい決断でしょ。あなたの忠誠心は最高司令部にあるんですか? それともアーチャー船長に?」
クルーが箱を運んできた。「ただいま到着しました。」
パッドで確認するフロックス。「ああ!」
出ていくトゥポル。「ありがとう、ドクター。」
雪虫に向かって声を出すフロックス。

兵器室には、筒状のケースがいくつも配備されている。
リード:「これが、光子魚雷※26です。有効射程距離は、通常魚雷の 50倍以上もあり…パワーの調整も可能です。またシャトルポッドを傷つけずに内部の通信アレイを不能にし、小惑星に 3キロのクレーターを作ることも可能です。」
タッカー:「発射管を変更するのにどれくらいかかる。」
「3チームで作業してますので、スペースドックを出るまでには終わるでしょう。パワーグリッドに統合する作業を、すぐ開始します。」
「よし。」

ターボリフトを降りるリード。「何かされる予定なんですか? 彼女の。」
タッカー:「リジーのか?」
「ええ。」
「遺体も何も残ってないんだ。葬式なんて無意味さ。」
「追悼式でも、やるのかと思っただけで。」
「それほど大物じゃないよ。」
「…2ヶ月ほど前に、犠牲者の追悼式があったそうですね。出られなくて、残念でした。」
「なぜ追悼式にこだわる。」
「あ…私は別に。」
「妹は死んだ! 700万人の犠牲者と共にな。あの娘だけが、特別な存在じゃない。」
「少佐にとっては特別だ。それが普通の感情です。」
「君にあれこれ言われるのはもうウンザリだよ。…リジー※27が殺されたと何度も思い出させなくて結構。もう俺に、構わないでくれ。…君は兵器改良に専念しろ。敵をすぐ叩きのめしてやれるようにな。」 タッカーは歩いていく。

宇宙艦隊司令部。
アーチャー:「失礼ながら提督、私にこれを見せる目的は? これを見れば私が恐れをなしてこの任務を降りるとでも?」
ソヴァル:「敵を知ることは…大事です。…救難信号を受信した時、ヴァンカーラ※28はデルフィック領域に入って 2日も経っていませんでした。この通信は、6時間後に届きました。」
再生されるのと同時に、大きな声が響く。
映像は乱れているが、ヴァルカン人クルーだとわかる。互いに争っている。相手の首を絞める者。
見つめるトゥポル。
後ろから攻撃されるヴァルカン人。倒れた者の血を顔に塗る男。
悲惨な光景がしばらく続いた後で、映像は切れた。
ソヴァル:「その後一時間もしないうちに、ヴァンカーラは破壊された。機能不全や攻撃の兆候は、全くなかったのに。」
アーチャー:「行ったのが間違いだと言いたいのか。」
「出発を思いとどまるよう進言いたします。」
フォレストに聞くアーチャー。「ほかに御用件は。」
首を振るフォレスト。出ていくアーチャー。
アーチャーに続くトゥポルを、ソヴァルは呼び止めた。「トゥポル、話があります。」

外に出るソヴァル。「順調にいけば、君は一年以内に地球の任務に戻ってこられます。興味が残っていればですが。…君は久しくヴァルカンに戻っていません。情報省での新しい仕事に就けば、気分転換にもなるでしょ。」※29
トゥポル:「なぜサンフランシスコに残ることができないんですか。」
「君は人間と長く過ごしすぎた。しばらく母星に戻るのが一番いい。」
「…エンタープライズの初任務でヴァルカン人を乗せたのは無理があったとお考えですか。なぜ転属を。」
「…君は科学士官として…衝動的な人間の行動を論理で抑える役割を担っていましたが、デルフィック領域では論理は役に立ちません。」
「転属は決定ですか。」
「最高司令部は極めて明解です。君はヴァルカンに戻るのです。」
「…私が自分で決めることでは?」
「そういう問題ではありません。司令部に対する反抗は、即解任を意味する。わかってますね?」

エンタープライズの廊下を歩くアーチャー。「大使から、彼女をヴァルカンに送る許可が出ました。よろしいですか。」
フォレスト:「ついでだ、いいだろう。…船の改造は、終わりそうか?」
エアロックのコンソールを操作するアーチャー。「…6時には終了する予定です。」
フォレスト:「……期待の大きさを…今さら君に言うまい。…よくわかってるな?」
「はい。」
手を差し出すフォレスト。「幸運を。」
アーチャーは固く握り、エアロックのドアを開けた。

エンタープライズの係留が外される。
起動されるエンジン。
エンタープライズはスペースドックを発つ。

デュラスは尋ねた。「敵はワープに入ったか。」
砲撃手:「まだです。」
「…武器装填。攻撃態勢に入るんだ。」


※22: NX-02
船名はまだ書かれていません

※23: General Casey

※24: snow beetle

※25: Crewman Fuller
ENT第27話 "Shockwave, Part II" 「暗黒からの衝撃波(後編)」で言及。この部分は訳出されていません

※26: photonic torpedo
ENT第14話 "Sleeping Dogs" 「名誉に生きる者」では、サトウがクリンゴンのものを "photon torpedo" と訳していたにも関わらず、ここでは "photonic torpedo" と呼ばれています。残念ながら吹き替えでは今回も「光子魚雷」と訳されてしまっています。たとえ原理が 23世紀以降のものと全く同じとしても、原語で違う単語を使っている以上は「光子魚雷」「光子魚雷」といった訳を当てて欲しかったですね (ネタバレになりますが、第3シーズンでも一貫して "photonic torpedo" と呼ばれています)

※27: 原語ではここはエリザベス (Elizabeth) と呼ばれています

※28: Vaankara
吹き替えでは「ヴァンカーラ

※29: ここで建物の名前が見え、"Fleet Operations Center" (艦隊作戦センター) と書かれています

ワープ航行中のエンタープライズ。
アーチャー:「2人して不眠症とは情けない。」
ボトルを置くタッカー。「ポートスはどうですか。デルフィック領域から人間が戻れないなら、犬だって戻れない。」
アーチャー:「あいつは人間より器用だ。よく寝るしな。」 2人とも私服姿だ。
「…科学士官は決めたんですか。」
「いや。」
「…彼女のこと、でしょ。」
「うん。…彼女が任命された時、ソヴァルを絞め殺したいと思った。」
「彼女も船長が好きになった。」
「…トゥポルをエアロックから突き落とすのは君だろ?」
「そんな。……ヘンリー・アーチャーに。」 乾杯するタッカー。「自分のエンジンが人類を救うなんて、親父さんはどう思ったか。」
「……船長を命じられた時、私のもつ責任は人類初のワープ5船と同じぐらい巨大だった。その後我々は様々な敵に…遭遇した。それでますます 83名の安全を考えるようになった。」
「今はもっと危険が増しています。」
「…地球の重さだな。」
「そうですね。……早くデルフィック領域に入って、攻撃した奴らを突き止めてやる。絶対惑わされないで下さいよ。異星人には干渉しないというヴァルカンの下らない方針には。…彼女が出ていくのはいいことかも。」
「我々はやるべきことをやる。……危険があろうと。」
うなずくタッカー。船が揺れた。

エンタープライズは、バード・オブ・プレイに攻撃されていた。
トゥポル:「デュラスです。」
アーチャー:「…新しい魚雷を試すいい機会だ。」
リード:「出力は。」
「ローから始めろ、追っ払えればいい。」
2発の光子性魚雷を発射するエンタープライズ。※30

クリンゴン船内に火花が散る。
デュラス:「今のは何だ。」
操舵手:「反物質弾頭です。」
「シールドを強化しろ。砲門を狙うんだ。」

攻撃は続く。
リード:「まだ追いかけてきます。」
アーチャー:「出力を上げろ。50%。」

デュラスの船のコンソールが吹き飛ばされた。
デュラス:「馬鹿者、砲門を狙えと言っただろ!」
操舵手:「防御プレートが強化されています。」
砲撃手:「ワープドライブが停止します。」
うなるデュラス。

報告するメイウェザー。「ワープ、解除されました。」
リード:「魚雷待機中。」
うなずくアーチャー。「奴らエンジンの修理に、どのぐらいかかる。」
トゥポル:「…わかりませんが…」
「経験による推測でいい。」
「…3時間か、それ以上。」
「こっちの速度は。」
メイウェザー:「ワープ3 です。」
「4 か、5 に上げろ。奴らがエンジンを修理する前にヴァルカンに着けば、これ以上攻撃してこないだろ。」

作戦室。
制服に戻ったアーチャーは、ドアチャイムに応えた。「入れ。」
トゥポル:「…少尉によると、2日でヴァルカンに着くそうです。」
「…座らないか。…よかったな、2日後には本物のヴァルカン食にありつける。」
「…シェフはほぼヴァルカンの料理に近い物を作ってくれました。」
「…そうか。でも君は、人間の食べ物の臭いも苦手だったな。もう耐えなくて済む。」
「慣れました。」
「…連日君を悩ませた人間の感情はどうだ。」
「…それにももう慣れました。いくらか。」
「…あ、ああ。…よく考えて決めたんだろ? …ヴァルカンには君を待っているものがあるんだろうな。」
トゥポルは立ち上がった。「…私は戻りたくありません。」
アーチャー:「何?」
「…エンタープライズに残りたいのです。船長の許可がいただければ。」
「それは私が許可する問題ではない。…最高司令部が同意しないだろ。」
「士官を辞めることにしました。」
「なぜだ。…君はよく働いた、トゥポル。」
「…船長はこれから非常に危険な場所に行こうとしています。私は残るべきです。」
トゥポルの肩をつかむアーチャー。「大丈夫だ。」
トゥポル:「科学士官が必要です。それが最高司令部の一員であろうが、なかろうが。」
「誰を任命するべきか、迷っている。」
「是非、私を連れて行って下さい。」
アーチャーはトゥポルを見た。外へ向かう。

ブリッジに入るアーチャー。トゥポルも続く。
アーチャー:「クリンゴン船を追っ払うのは、予想以上に難しいようだ。」
メイウェザー:「船長?」
「ヴァルカンには行かない。……メイウェザー少尉。デルフィック領域にコースをセット。」
「了解。」
微笑むサトウ。

『航星日誌、補足。ワープ5 で 7週間飛び続けている。いつになったら任務をスタートできるのか。』
ワープを解除するエンタープライズの前には、紫色の空間が広がっている。
アーチャー:「距離は。」
メイウェザー:「ほぼ 100万キロです。」
タッカー:「それよりずっと近い気がする。」
トゥポル:「よくある間違いです。このような大きさのものを見る時。」
アーチャー:「拡大。」
雲の一部が大きくなる。
タッカー:「あまり変わらないな。」
メイウェザー:「この密度がずっと続くわけじゃない。」
アーチャー:「ヴァルカンによると領域は、熱気圧雲の厚い層に覆われてる。この前船が入った時、抜け出るのに 6時間近くかかったそうだ。…長距離センサーには何か出てるか。」
トゥポル:「先には何も。」
「……インパルス、0 ポイント 2 だ。…前進。」
雲の中に入るエンタープライズ。

ブリッジに戻るアーチャー。「……変化は。」
トゥポル:「何も。」
サトウ:「中に入って、もう 6時間以上です。」
アーチャー:「気長にいこう。」
タッカーがやってきた。「艦隊にテストシグナルを送るため、通信ブイを打ち上げました。」
アーチャー:「船の位置を常に知らせておけ。」
サトウ:「了解。」
センサーに反応がある。
アーチャー:「何か出たか。」
スコープを覗くトゥポル。「はい。」
タッカー:「ブイじゃないですか?」
「…ブイは 3つも発射していません。」
エンタープライズの後方から、バード・オブ・プレイが迫る。3隻だ。
攻撃を始めた。
揺れるエンタープライズ。

クリンゴン船は何発も発射するが、あまり当たらない。
操舵手:「標的スキャナー、ロックオンできません。」
デュラス:「では、もっと接近しろ。」
デュラスを見る部下。

火花が散るブリッジ。
タッカー:「クリンゴンはここまで追いかけてはこないはずじゃ。」
アーチャー:「まだ領域じゃないんだ。コースを維持。…フルインパルスだ。」
「それは危険です、船長。吸気マニフォルドはかなり消耗していますから。」
「言うとおりにしろ!」
メイウェザー:「クリンゴンに追いつかれます!」
サトウ:「…呼びかけです。」
アーチャー:「スクリーンへ。」
デュラス:『降伏しないと、おしまいだぞ。』
「地獄へ堕ちろ!」
『攻撃力はこっちが上だ。向きを変えて乗船に備えるんだな。…命令に従わなければお前たちの命は…』
通信を切らせるアーチャー。
トゥポル:「…雲が途切れてきました。前方は綺麗に晴れています。」
アーチャー:「…だからデュラスは転回させたかった。領域を恐れたんだ。速度を上げてくれ。」

報告するクリンゴン人砲撃手。「ほかの船は退却していきます。」
確認するデュラス。「臆病者め。…我々でやってやる。」
操舵手:「領域に近づきすぎです!」
引きずり降ろし、自分で操縦するデュラス。

光子性魚雷を発射するエンタープライズ。デュラスの船は攻撃するが、他の 2隻は引き返していった。
リード:「あと一隻です。」
アーチャー:「…攻撃を続けろ。」
トゥポル:「5分以内で領域に入ります。」
タッカー:「デュラスは逃げ出すかも。」
アーチャー:「待ってはいられん。…新しい魚雷はさっきより効果がないようだな。」
リード:「船尾シールドを前に移したので、新しい魚雷でも貫通できません。」

機関室で炎が立ち上る。
2階から落ちるクルー。

報告するタッカー。「反物質インジェクターを 3つやられた。これ以上やられたらもちません。」
アーチャー:「シールドを前に移したとしたら、船尾はどうなってるんだ。」
「…追われてるんですよ?」
「船尾のシールドは!」
トゥポル:「微弱です。」
「…この速度で L-4 は可能か。」
メイウェザー:「…やってみます。」
「一番高密度の雲の層を探せ。船長より全員に告ぐ。衝撃に備えろ!」
スクリーンを見つめるトゥポル。
雲が迫る。
メイウェザー:「船長!」
濃い雲が見えている。
アーチャー:「いいぞ。」
その中に入っていくエンタープライズ。
そして一気に上昇する。

操縦するデュラス。前には雲しか見えない。
雲を出るバード・オブ・プレイ。
エンタープライズの姿はない。
デュラス:「船はどこだ。」
顔を見合わせるクルー。

360度回転し、降下してくるエンタープライズ。前にはデュラスの船。
アーチャー:「…今だ。」
リードは操作した。

光子性魚雷がバード・オブ・プレイの船尾に命中する。
爆発が起こるブリッジ。
さらに攻撃を受け、船はバラバラになった。
残骸の中を通り抜けていくエンタープライズ。

アーチャーはメイウェザーの肩に手を置く。「よくやった。」
メイウェザー:「またこんな指令を出されたら、身がもちません。」
ため息をつくアーチャー。
サトウ:「…領域が迫っています。」
リードに向かってうなずくアーチャー。「ほかにやられたインジェクターはあるか。」
タッカー:「いいえ。…いつでも行けます。」
アーチャーはサトウを見る。そしてトゥポルに言った。「気持ちは変わらないか。」
トゥポル:「…論理に従います。」
うなずくアーチャー。船長席の前に立つ。「風を恐れるな※31、メイウェザー。…未知なる世界へ。」
雲を進むエンタープライズ。それが晴れ、星々が見えてきた。


※30: 第1船体後部、ナセル間にある構造物から発射されています。旧魚雷と同じ発射管を使っているはずなのに、全く別のところ (しかも離れた場所) から撃ち出されているため、問題視する見方もあります

※31: 原語では "Straight and steady." 「まっすぐ、しっかりと」。ENT第1・2話 "Broken Bow, Part I and II" 「夢への旅立ち(前)(後)」より

・感想
第2シーズンの最終話は、新たな第一話ともいえるほどの大転換が唐突に図られました。冒頭で地球が攻撃されるというショッキングな描写に始まり、シーズン・フィナーレらしいテンポ良い展開が次々と続きます。一応以前のエピソードからクリンゴンのネタは引き継いではいるものの、ほとんど噛ませ犬に過ぎません。「9・11」との関連も少なからずあったんでしょうが、これから先を観るには絶対必須の話です。
必須とはいえますが、面白いかというと…評価が難しいですね。とりあえず謎めいたネタをこれでもかと詰め込んではいますが、序章に過ぎませんし、「未来は決まったものじゃない」というコンセプト自体は基本的に第1シーズンのクリフハンガーと同じです。700万人も殺されている点から、このこと自体が「なかったこと」になりはしないかという心配も…。ここまで話を広げると、「地味な」ロミュラン戦争なんかはとても描けそうにないですね。
余談として、当初は帰還したアーチャーが (元?) 恋人レベッカと出会うシーンが入る予定でした。女優セレナ・スコット・トーマス (Serena Scott Thomas) が演じ、サンフランシスコの中華街レストランで会う設定で、パラマウントのニューヨーク街セットが使われたそうです (Jim Lau 演じる「店主」というクレジットも)。ですが最終的にカットされたようで、後に DVD化される場合には収録されるという噂もありました。まあ、なくてよかったでしょうね。

まるごと70時間」のせいおかげで駆け足で終わった第2シーズンのエピソードガイドですが、福岡 FBS を含めて、日本語版が第3シーズンに入るのはしばらく待たされそうな雰囲気です。それまでは、また DS9 の初期分に戻りたいと思います。


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