エンタープライズ エピソードガイド
第93話「誘惑の甘い罠」
Bound
イントロダクション
『航星日誌、2154年12月27日。宇宙基地建設の第一候補地、ベレンガリウス星系※1へ航行中。』 ブリッジ。 トゥポル:「ヴァルカンが、50年前第7惑星を調査しています。Mクラスの星で知的生命体はいませんが、豊かな生態系があります。」 アーチャー:「有望だな。」 「ですが、お耳に入れるべき報告内容が一つ。」 「何なんだ?」 「空を飛ぶ爬虫類です。…200メートル以上のものもいるとか。火を吹くとも言われています。」 トゥポルを見るメイウェザー。サトウやリードも反応する。 トゥポル:「信憑性については、長年疑問がもたれていますが。」 アーチャー:「真偽を確かめたいね。」 リード:「…船が一隻。…インターセプトコースです。」 トゥポル:「船籍を特定できません。」 アーチャー:「見てみよう。」 スクリーンに映る異星人船。 リード:「胡散臭いなあ。」 アーチャー:「戦術警報。…用を聞いてみよう。」 サトウ:「応答あり。」 オリオン人※2の男性が映った。『アーチャー船長。』 アーチャー:「そちらは?」 『ハラッド・サー※3だ。武器を直ちに解除しろ。さもないと、攻撃もやむをえんな。」 |
※1: Berengarius system このベレンガリア7号星 (Barengaria VII) は、TOS第25話 "This Side of Paradise" 「死の楽園」で竜がいると言及されました (当時の吹き替えではバレンガリア7番星)。製作陣によると第5シーズンの案として初の宇宙基地に関するストーリーがあり、この惑星が扱われるはずだったのかもしれません ※2: Orion ENT第80話 "Borderland" 「ボーダーランド」など ※3: Harrad-Sar (ウィリアム・ラッキング William Lucking DS9第70話 "Shakaar" 「シャカールの乱」などのベイジョー人フレル (Furel) 役) 声:宝亀克寿、TNG イヴェック、ENT クリタサン船長など |
本編
ハラッド・サーは言った。『まだ照準を合わせているな。』 アーチャー:「そちらもだろ? にらみ合い状態だな。」 『すぐ片がつく。』 「銃を突きつけ合ってても仕方ない。それより、武器を解除しないか。同時に。」 『…いいだろう。』 指を鳴らすハラッド・サー。 操作するリード。 トゥポルはうなずいた。 アーチャー:「それで? 何の用かな?」 ハラッド・サー:『一つ提案がある。』 「聞こうか。」 『仕事の話は直接会ってしたい。…この船に招待しよう。』 「…君らの種族とは以前遭遇済みだが、あの時の二の舞は避けたいねえ。先に何の提案か聞かせてもらおうか?」 『宇宙艦隊とオリオン・シンジケートの関係を改善できるかもしれん。…私のもてなしは評判がいい。…滅多に招待しないがな。そして一度断れば、二度目はないぞ。』 オリオン船は、エンタープライズの隣に来ている。 リード:「前回オリオンと遭遇したときは、クルーを 9人奴隷にされかけました。奴をこっちへ来させるべきです。」 アーチャー:「侮辱と取られる恐れがある。」 「構いませんよ。」 「彼らとの関係を改善するためなら、多少のリスクは負う。敵対的種族は一つでも減らしたいからな?」 アーチャーは MACO と共に、転送台に立った。 機関室のはしごを降りたケルビー※4少佐。「トランスファーコンジット、7本オンライン。8本目は、手こずってますが。」 タッカー:「フェイズ検査をしたか。」 「異常なしでした。」 「バイパスを作ってみろ。」 「すでにかかってます。」 歩いていくケルビー。 「…ケルビー。…ケルビー! おい、どうかしたのか。」 「何の、ことでしょうか。」 「船長に、言われているだけだ。修理が終われば俺はコロンビアへ戻る。」 「お目付役がついても、別に私の不名誉じゃない。」 「そうさ? 俺は 4年主任だったんだぞ。」 「船長は続けさせたいみたいだ。…仕事に戻ります。」 ケルビーは離れた。 トゥポルが近づく。 タッカー:「地位を失うと思ってる。」 トゥポル:「手伝えることはありますか。」 「ケルビーの件で?」 「エンジンの方です。」 「フィールドマトリックスを見てくれると助かる。パターンが変なんだが、どこと特定できない。」 「見てみましょう。」 「頼む。」 「…少佐。最近妙な白昼夢を見ることはありますか。」 「白昼夢?」 「視覚的にも音声的にも鮮明で、私が関係しているかと思いますが※5。」 「…君の白昼夢を見るかってことか?」 「そうです。」 「どうだったかなあ。…いやあ、記憶にないね。」 「忘れてください。」 「俺の夢を見てるのか?」 「どうでもいいことです。」 「事情を説明する気は?」 「ありません。」 オリオン人が立っている※6。 ハラッド・サー:「これは私の船で他種族の船を襲うこともあるが、稼ぐ方法はいろいろある。買ったり、売ったり。」 酒を注いでいく。 リード:「略奪も?」 「そういう状況になればな。…だが海賊行為は危険だ、商売がいいねえ。」 アーチャーが口にしたのを見て、自分も飲むリード。 ハラッド・サー:「これは、ゴーン・ヘゲモニー※7産の酒だ。」 リード:「ゴーン?」 「連中は厄介だが、5つの星系で最高のメリド※8を醸造するんだよ。」 アーチャー:「美味いね。」 「そりゃよかった。あんたはあちこちで名を馳せてるようだ。」 「悪名でないといいが?」 「クリンゴン帝国※9とオリオン・シンジケートで指名手配だ。その手の男は何事も貪欲かと思った、もっと…食欲も、旺盛かとね。」 リードと顔を見合わせたアーチャー。「追われる身としては逃げ足が速くないとな?」 ハラッド・サーは笑う。「まあな。」 アーチャー:「何か、重要な提案があるということだったが?」 「もてなしの前に、仕事の話では無粋ってもんだ。…食欲に訴えられんなら…」 ハラッド・サーは手を叩き、指差した。「これはどうだ。」 振り返るアーチャー。音楽が聞こえ始めた。 肌が露わなオリオン人の女性が前に出てくる。全部で 3人。 アーチャーとリードの目前でダンス※10を続ける。 ハラッド・サー:「いかがかな?」 リード:「参ったなあ。」 「船長は。」 アーチャー:「私も戦術士官に同感だな。」 微笑む中央のオリオン人。見つめるアーチャー。 アーチャーの肩に手を置くハラッド・サー。「船長が好みらしい。」 リードも笑いながら、3人の動きを追う。 ハラッド・サー:「あの女の名はナヴァール※11。一番経験豊富だ。」 ナヴァールはアーチャーの前に顔を近づけた。 ハラッド・サー:「3姉妹だ、船長も行ったことのある奴隷市場で買ってきた。…いい女だろう? 憂さも何もかも忘れさせてくれる。…だがいい女には何かと悩まされる。」 アーチャー:「フン。」 また近づくナヴァール。 ハラッド・サー:「銀河のどこへ行ってもそりゃ同じだろう。」 ダンスは終わった。アーチャーを見るナヴァール。 拍手するアーチャーたち。 中央に置かれた獣の肉を手にするハラッド・サー。「では仕事の話だ。」 エンタープライズに戻ったアーチャー。「マグネサイト※12の大鉱脈がある惑星を見つけたそうだ。ワープリアクターを 1,000基は作れる。…それも彼のスキャナーで検知した限りでだ。そこの座標を教えると、言っている。」 トゥポル:「情報を明かす理由は?」 「彼にはマグネサイトを掘るインフラがない。」 「では艦隊に、採掘施設を造れということですか。」 「彼の取り分は 10%だ。…艦隊とオリオン・シンジケートの仲介役も、買って出ると言っている。」 「申し出を受けるのですか?」 「もう受けた。」 「助言のため、私を呼ばれたのでは?」 「取引成立を祝って、ハラッド・サーからの…贈り物を受け取った。…状況的にとても、断れなくてね。」 オリオン人女性たちを案内するリード。「ここは、Dデッキです。クルーの部屋がある場所です。」 通りかかるクルーが見る。 ナヴァール:「アーチャー船長の部屋は?」 「Eデッキで、ここの…一つ下です。」 別のオリオン人のダネッシュ※13。「全部でいくつなの?」 リードの腕に触れる。 リード:「ああ、全部で…」 笑う。「7つ、7デッキです。ここがあなたの部屋です。仕事があるだろ!」 微笑んで突っ立っていたクルー。歩いていく前に触れるオリオン人。 リード:「ああ、ほかの 2人は隣なのですぐ御案内します。…ああ。」 ナヴァールの身体を避けるように、ボタンに触れる。 中へ向かうナヴァール。リードはオリオン人から目が離せない。 ナヴァール:「この船って大きいのね。」 リード:「広いですよ。」 「でも機能的すぎて、色がないわ。」 吹き出すリード。「考えたこともなかったな。」 ナヴァール:「個室はいいけど。…名前は?」 「ああ、大尉のリード。マルコムです。」 「よろしく、リード・マルコム大尉?」 近づくナヴァール。 「マルコムと。誰かに、設備の使い方を説明…させます。それまでどうか、くつろいでいてください。」 外へ向かうリード。「では、ああお二人はこちらへ。」 ベッドに腰掛けるナヴァール。 |
※4: Kelby (デレク・マジャル Derek Magyar) ENT第91話 "Affliction" 「クリンゴンの苦境」以来の登場。声:飯島肇、前回は高階俊嗣 (飯島さんはその回および前話 (後編) ではクヴァグを、高階さんは前話でクレルを演じていました) ※5: ENT "Affliction" より ※6: オリオン船の内装が登場するのは初めて ※7: Gorn Hegemony ゴーン人は TOS第19話 "Arena" 「怪獣ゴーンとの対決」など。国家名 (Hegemony=主導権) が言及されるのは初めてですが、非正史の書籍などでは以前から設定されていました ※8: Meridor ※9: ENT第45話 "Judgment" 「反逆の法廷」など ※10: オリオン商売女 (オリオン奴隷女、Orion slave girl) は TOS第1話 "The Cage" 「歪んだ楽園」など。振り付け師 Travis Payne による指導。マドンナ、マイケル&ジャネット・ジャクソン、ブリトニー・スピアーズなどを担当した経歴があり、映画では「ケーブル・ガイ」(1996)、「コヨーテ・アグリー」(2000)、「アメリカン・スター」(03) ※11: Navaar (サイア・バッテン Cyia Batten DS9第77話 "Indiscretion" 「デュカットの娘」などのデュカットの娘、(初代) トーラ・ジヤル (Tora Ziyal)、VOY第149話 "Drive" 「愛の危機」のイリーナ (Irina) 役。ダンサーでもあり、プッシーキャット・ドールズの元メンバー) 声:森下こなみ (一部資料では森下こみな) ※12: magnesite 菱苦土鉱。TNG第162話 "Inheritance" 「アンドロイドの母親」など ※13: D'Nesh (クリスタル・アレン Crystal Allen ファン製作ムービー "Star Trek: Of Gods and Men" にもナビゲーター (Navigator) 役で出演。ドラマのセックス・アンド・ザ・シティ「女はそれを我慢できない」(1999)、ザ・ソプラノズ「予兆」(2002)、ボストン・リーガル「シュミット参上」(05)、映画「メイド・イン・マンハッタン」(02) に出演) 声:森夏姫 もう一人のオリオン人は Maras (メニーナ・フォーチュネート Menina Fortunato ダンサー、モデル) ですが言及されておらず、セリフもありません。一部日本語資料では「マラス」としています |
『航星日誌、補足。ハラッド・サーから、例の星の座標を受け取った。真偽のほどを確かめに行く。』 ブリッジ。 トゥポル:「クルーたちから、懸念の声が出ています。」 アーチャー:「懸念?」 「オリオンです。…任務の妨げになっています。」 「ああ、わかる。…クルーは、オリオンの女性に慣れていないからな?」 「それでは済みません。…彼女らが今朝食堂へ行った結果、12名のクルーがシフトに遅刻しました。」 「なるほどな。」 「問題はあの服装です。」 「まるで下着だ。」 アーチャーは笑みを消し、咳払いする。「服を支給させよう。」 「話をしていただければ、さらに助かります。…まだ、船長を主人と思っているようです。…艦隊は奴隷制度を認めないはずですが、その後変更でもありましたか。」 笑うアーチャー。「時間が取れ次第話す。」 トゥポル:「よろしく。」 ジムで運動しているメイウェザー。「大尉…。」 ルームランナーに立つリード。「もう見たか。」 メイウェザー:「廊下で一人と会いましたよ。もうほんと…」 「ああわかる。わかるよ。」 リードは走り出した。 メイウェザーはダンベルを置いた。 リード:「無茶してるなあ。」 メイウェザー:「雑念を消さなきゃ。ああ…これが一番だ。」 また持つ。「やってみます?」 「…そうだな。」 自分もダンベルを手にするリード。 「…両親の船で以前、難破してたデルタ人※14を拾ったことがあります。」 「知らない種族だな。」 「女性がみんな恐ろしくセクシーで、すごくオープンだし…」 メイウェザーはダンベルを降ろした。「…僕は 15 だった。…頭は妄想だらけ。…ゼイゼイ言ってました。親父とのウエイトトレーニングで、何とか乗り切ったんです。」 笑う。「クタクタに疲れてれば、余計なことは考えない。」 「効いたのか。」 「…筋肉にはね。」 ダンベルを持ち上げるリード。 メイウェザー:「まだ軽すぎる。」 大声を出すメイウェザーを、リードは見た。 機関室に入るダネッシュ。クルーが一斉に注目する。 ダネッシュは楽しそうに辺りを見て回る。 ケルビー:「何、してるんだ?」 ダネッシュ:「お礼に来たのよ、今朝は食堂まで案内してくれてありがとう。」 「…あんなのは別に。その、それより。」 「すごい。これがエンジン?」 ダネッシュに見とれていた男性クルーを、女性クルーが引き戻す。 ケルビー:「ワープリアクターだ。」 ダネッシュ:「たくましいのね。…案内してくれるって言ったわ。」 「…ああ、そうだが。」 避けるように立ち去る女性クルー。 ダネッシュ:「ハラッド・サーは部屋を出してくれなかったの。」 ケルビーの両肩に手を置く。「こんな場所初めて見たわ。」 ケルビー:「…じゃあ、案内するよ。」 「あなた叱られたりしない?」 「…大丈夫。」 サトウは医療室に入った。「頭痛に何かない?」 フロックス:「原因によりますねえ、フーン。…いつから、痛みがあるんです?」 スキャナーを手にする。 「2、3時間。…何なの?」 「キーリー少尉※15も、頭痛で来ましたよ。」 「彼女平気?」 「ええ、問題なし。うーん、あなたもですよ。」 「多分ストレスだわ。」 「最近多いなあ。」 「新しい乗客のせいよ。」 「…オリオンの女性が原因だと?」 「男性クルーのメロメロぶりが、ちょっとショックで。」 「ああ、健康的ですよ。血流も良くなる。」 「良すぎて頭に血が上ってるわ?」 「意外でしたね。」 「何が?」 「嫉妬するタイプだったとは。…これで、治るはずです。」 ハイポスプレーを持つフロックス。 だがフロックスは姿勢を崩し、倒れた。 サトウ:「フロックス!」 起き上がるフロックス。「平気です。いやあ、冬眠が近いかな。」 サトウ:「したばかりじゃ。」 「…そうでした。先週だ。」 部品を手にする機関部員。 タッカー:「問題は多分そいつだ。分解しろ。」 うなずく部下。 笑い声が聞こえた。ダネッシュがケルビーと話している。 ワープコアから降りるタッカー。 ケルビー:「これで、ダイリチウム結晶室に注入する。」 ダネッシュ:「物質と反物質がミックスされるの?」 「そうだ。」 「結晶が反応を制御するのね?」 「その通り。」 タッカー:「ケルビー※16、ちょっといいか。」 咳払いする。 ダネッシュから離れるケルビーは、うっすら汗をかいているようだ。 タッカー:「…どういうことだ。」 ケルビー:「何です。」 「EPS タップの再調整はどうした。案内は後だ。」 「ほんの 2、3分のことですよ。」 「部外者は入室禁止だ。…俺に聞くべきだった。」 険しい顔をして、話を聞いているダネッシュ。 ケルビー:「やることなすこと文句ですか。」 タッカー:「…とにかく、出てってもらえ。」 「断ります。まだ彼女と話したい。」 「命令だぞ。」 「従う気はない。」 タッカーはケルビーの腕をつかんだ。「どういうつもりだ!」 ケルビー:「戻ってきた瞬間から俺を目のかたきだ、いい加減ウンザリですよ。言いなりにはならない。」 「ケルビー。限度ってものがある。」 「こっちのセリフですよ。」 「自室で謹慎だ。」 「もし嫌だと言ったら。」 「自室が嫌なら、拘束室だ。…さあ出ていけ、今すぐ!」 ダネッシュを見るケルビー。機関室を出て行った。 ため息をつくタッカー。 ナヴァールの部屋。 ベッドで横になっているナヴァールは、ドアチャイムに応えた。「どうぞ。」 アーチャーが入る。 ナヴァール:「いつ来てくれるのかと思ってた。2日前からあなたのものなのに。」 微笑む。 アーチャー:「ナヴァール。…君たちは私のものじゃない。…誰のものでもない。」 「どういう意味?」 アーチャーの首に口を近づけるナヴァール。 「私の星では、数百年前から奴隷制度は違法だ。」 「私達を、欲しくないの?」 「君たちは、我々の客人で…所有物じゃない。」 「生まれてずーっと奴隷だったわ。」 ベッドに座るナヴァール。「いろんな星で仕えてきたのよ? 私はどうなるの?」 「新しい人生だ。…まず、船での規則を担当しているホシ・サトウにルールを説明させよう。艦隊職員以外、立入禁止のエリアがある。」 「ええ、機関室ね。ダネッシュには話をしたわ、ごめんなさい。」 「謝ることはないさ。君らには一大変化だ。」 「…一つ聞いていい? …私には、惹かれない?」 「そう言ったら嘘になる。」 「優しい人って、滅多にいない。ご主人様になってくれなくても、あなたを喜ばせたいの。…これが私の意思でも…」 ナヴァールはアーチャーの頬にキスした。「船の規則違反になる?」 「ならないだろう。」 「うん。」 口づけする 2人。 トゥポルの通信が入る。『ブリッジよりアーチャー船長。』 アーチャーは口を離そうとはしない。ナヴァールの腰に手を回す。 トゥポル:『ブリッジよりアーチャー船長。』 アーチャーはベッドを離れ、コンソールに触れた。「アーチャーだ。」 トゥポル:『星に到着します。』 ナヴァールはキスをやめない。 アーチャー:「…すぐ行く。」 抱き合う 2人。 エンタープライズは惑星に近づく。 ターボリフトのドアが開くと、アーチャーは後ろ向きに立っていた。ブリッジに入る。 船長席から立ち上がるトゥポル。 リード:「戦術警報を出しておきましょう。何かの罠でないとは限りません。」 アーチャー:「いいだろう。」 トゥポル:「マグネサイトの鉱脈は検知しました。」 「本当だったようだな。」 「そのようです。」 「スキャン続行。…埋蔵量を知りたい。」 スクリーンに見える惑星。 「大丈夫ですか?」 「平気だ。」 「…エネルギー検知。地表ではなく、大気からです。」 「船か。」 「不明です。」 「呼びかけろ。」 「雲が高度にイオン化しており、正確なスキャンができません。」 「接近しろ、10キロ以内だ。」 サトウ:「応答ありません。」 リード:「見えました。」 スクリーンに近づくアーチャー。船※17が向かってくる。 トゥポル:「船籍は不明です。」 リード:「こちらにロックオン!」 無言のアーチャー。 異星人船は攻撃してきた。 リード:「威力は弱く、傷もついてません。」 トゥポル:「センサーを数多く装備しており、科学船のようですね。…恐らくは、偶然居合わせただけでしょう。」 「また撃ってきます。」 かすかに揺れるブリッジ。 リード:「被害なし。何発でも平気です。」 アーチャー:「フェイズ砲だ。」 「…船長?」 トゥポル:「フェイズ砲では大破します。」 アーチャー:「そうなれば、もうこっちを撃ってくることもないだろう!」 船長席に座る。 「一時撤退すれば、彼らは攻撃をやめるはずです。」 「やめなかったら? …照準を。」 従おうとしないリード。 アーチャー:「大尉。」 リード:「船長。」 「フェイズ砲ロックだ!」 「…嫌です。」 アーチャーは戦術コンソールに近づいた。リードをどける。 メイウェザー:「船長、引き返していきます。」 去っていく科学船。 廊下を歩くダネッシュ。周りをうかがいながら、ドアチャイムに触れた。 ドアが開くとケルビーがいた。キスを始める。 |
※14: Deltans 映画 TMP "Star Trek: The Motion Picture" 「スター・トレック」より。アイリーアの種族 ※15: Ensign Keely ※16: 原語では「大尉」と呼んでいます。前回同様、ケルビーはタッカーと同じ少佐の階級章です ※17: ENT第10話 "Fortunate Son" 「復讐の連鎖」に登場した、ノーシカン船の使い回し |
ケルビーの部屋。 裸のケルビー。「経験は同じだけある。頭もいいし。若いんだ。」 ダネッシュ:「彼より上よ。」 キスする。 「周りはそう思ってない。」 「タッカーはここに、戻ってこようとしてるの?」 「否定してるが、残る気なのが見え見えだ。」 「そんなのズルいわよ。」 「そうさ。…その話はやめよう。」 ケルビーの手を避けるダネッシュ。 ケルビー:「何だよ。」 ダネッシュ:「欲しいものは奪い取るのが男じゃない?」 「何の話をしてる。」 「バカにされたままでいいの?」 「上官だから仕方ないさ。」 ため息をつくダネッシュ。 ケルビー:「どこ行くんだ。」 ダネッシュ:「情けない男ね。」 「行くなよ! …待て。…いてくれ。」 「…ずっと私と、一緒にいたくないの?」 「…ずっと。」 「そのために闘う?」 「…もちろん、何だってする。」 口づけをする 2人。ベッドに倒れ込む。 機関室にいるタッカー。 背後のハッチが開き、ケルビーが入った。コンピューターの操作を始める。 気づかずワープコアから離れるタッカー。大きな音が響いた。 周りを見るタッカー。警報が鳴る。 タッカーはケルビーに気づく。「ケルビー!」 急いで近づく。「何をしてるんだ。」 止めようとしたタッカーを、ケルビーは殴った。タッカーは倒れたが、タックルする。 殴り合う 2人。ケルビーは意識を失った。 タッカーは機関部員に命じた。「ダンプナー作動だ! …早く!」 エンタープライズのワープナセルから光が消え、姿勢を崩した。 廊下を歩くタッカー。「ジャンクション全部が焼き切れてました。あと少しで船が跡形もなくなってた。」 アーチャー:「いつ出発できるんだ。」 「できるか怪しいですね、隅々までやられています。」 そのまま医療室に入るアーチャー。「ケルビー。」 ケルビーはベッドに拘束されている。「俺は何もしてない。」 アーチャー:「何があった。」 「そいつが言ったことは、嘘だ!」 「ほかの 3人もお前がしたことを見てる! わけを言え!」 「そいつは、俺を陥れようとしてる…」 詰め寄るアーチャー。「ケルビー!」 フロックス:「船長、アドレナリンが異常に高レベルで危険です。鎮静剤を打たないと。」 ケルビー:「離せ、全部でたらめだ。俺は何もしてない!」 アーチャー:「質問に答えてからだ。」 フロックス:「この状態ではとてもまともに答えられませんよ…」 ケルビー:「ドクター、頼む機関室に戻らせてくれ。機関室に戻りたいんだ!」 アーチャー:「わかった!」 フロックス:「静かに!」 ハイポスプレーを打った。 タッカー:「どうしちまった。」 「クルー全員に異常が起きています。強力なフェロモンのせいですよ。」 ろれつが回らなくなっているフロックス。「人間の男性がさらされると代謝が上がり、攻撃的になって妄想まで起きます。」 モニターで分子構造を見るアーチャー。 タッカー:「オリオンか?」 フロックス:「うーん、女性にも影響がある。…頭痛と無気力の訴えが。非常に! 多くなっています。…女性は競争相手ですから防衛的に…働くんでしょう。うーん。」 「大丈夫か?」 「…私の睡眠サイクルにも、影響しています。」 自分でハイポスプレーを使うフロックス。「こうしないと、寝てしまう。」 アーチャー:「お前は平気なようだな。」 「大勢スキャンしました。今のところ影響がないのは、トゥポルと…少佐だけです。」 タッカーに近づいてジロジロ見るアーチャー。 タッカー:「何でだ。」 フロックス:「詳しくテストしないと。我々には、影響が累積しています。…長く接するほど、影響は更に…強くなる。」 廊下を歩いてきたアーチャーは、MACO がついている部屋に入った。除菌室の中に、オリオン人が 3人ともいる。 気づくナヴァール。「ねえ、新しい生活って言ってたのはこういうことだったの?」 小さな装置を見せるアーチャー。「君の部屋にあった。」 ナヴァール:「ああ、もうプライバシーもないようね。」 「これは通信装置だなあ。…2時間前までハラッド・サーと連絡を取り合っていた。」 「だったら何なの。」 「破壊工作をしに来たんだな? それが奴の目的だろ。」 「ハラッド・サーは待遇が悪くないか聞いてきただけよ。」 「フロックスの分析では、君たちのフェロモンに長時間さらされると男は妄想を起こし、さらには君らの言いなりになるらしいな。ケルビーにもそうやって、エンジンを壊させたんだ。」 ダネッシュ:「彼が勝手にやったことよ。私は関係ないわ。」 ナヴァール:「妄想を起こしてるのはあなたじゃない?」 壁を叩くアーチャー。「ふざけるな! ほんとのことを言うんだ!」 ナヴァール:「ああ、あなたが心配だわ。具合が悪そうよ。」 「自分の心配をしろ!」 「脅しはあまり慣れてないようだけど?」 「実行はためらわないぞ。」 「私達は、贈り物よ? 指揮官のくせに楽しむ度量もないのね。」 「教えろ。…奴はいつ襲ってくる。」 「誰も、襲ってなんか来ないわ。…お願い。解放して。」 ナヴァールの顔を追うアーチャー。ナヴァールは視線を落とす。 アーチャーはボタンに手を近づける。 トゥポル:「船長。」 我に返るアーチャー。 ナヴァール:「あなたを動かせる女がほかにもいたのね。」 出ていくアーチャー。トゥポルも続く。 様子をずっと見ていた MACO。その男性を見つめる 3人。 振り返るアーチャー。「君は機関室へ行き、トリップを手伝ってくれ。」 トゥポル:「ブリッジにいるべきかと。」 「私を見張る必要はない。」 「船長もフェロモンで判断力が鈍っています。」 「心配いらない! 今はエンジンの修理が最優先だ! 奴が襲ってきた時、狙い撃ちされたくない。…これは命令だ。」 廊下を歩いていくアーチャー。 機関室に入るトゥポル。「ここを手伝うよう、言われてきました。」 タッカー:「助かる。じゃあ、この点検を頼む。一個所でも焼けてないとこ探してくれ。…奴は来ると思うか?」 「恐らく。…彼女らが連絡した記録を見ると、ハラッド・サーの船は近づいてるようです。」 「…スリバンと遭遇した最初のミッションをよく思い出すよ。…バカみたいに甘かったね。戦うのもあれが最後だと思ってた。」 クルーが騒ぎ出した。「…やめろと言っただろう!」※18「手を離せ!」※19 タッカー:「やめないか、命令だ! この次は拘束室にぶち込むぞ! …お前はマッサーロ少尉※20を手伝え。早く!」 話す機関部員。「しっかりしろ…」 タッカー:「作業に戻れ。…この一時間に 3度目だ。」 トゥポル:「船中で言い争いが起きています。船長も影響されていて心配です。」 「何で俺だけ平気なのかさっぱりだよ。」 「私と関係があると思います。」 「…何?」 「ヴァルカンは心理的なつながりができます。…交わった※21相手と。」 「マシな言い方ないのかな。」 「どう言えば※22。」 「ま、いい。…心理的つながりってのは。」 「難しいのですが、感情や思考や心象も共有します。」 「白昼夢だ。」 「え?」 「…聞かれたとき白昼夢は見ないと言っただろ。あれは嘘だった。…じゃあつながってるとして、オリオンに影響されないのとどう関係があるんだ。」 「ヴァルカン人は、フェロモンに免疫があるのです。」 「で俺にも免疫が?」 「そのようですね?」 「へえ。いいのか悪いのか。複雑なとこだ…。」 ブリッジを歩くアーチャー。「…戦術警報。」 メイウェザーやリードも汗をかいている。 アーチャー:「距離は。」 メイウェザー:「現在、400キロ。」 サトウ:「呼びかけです。」 アーチャー:「つなげ。」 オリオン船の映像が切り替わり、ハラッド・サーが映った。『何かトラブルか? 牽引、しようか?』 アーチャー:「武器はまだ使える。この船が簡単に手に入ると思うな。」 『あんたを殺したくはないんだがね。やむをえんかな。…シンジケートはあんたの首を欲しがってる。胴体がついていようがいまいが関係はない。』 |
※18: ウォルシュ Walsh (Duncan K. Fraser) クレジットではクルーその2 Crewman #2 ですが、ENT第69話 "Hatchery" 「トゥポルの反乱」などに登場したウォルシュ (エキストラ) と同じ俳優・役職のため、同一人物と見なしてよいものと思われます ※19: クルーその1 Crewman #1 (Christopher Jewett) ※20: Masarro 原語では階級は言及されていません ※21: ENT第67話 "Harbinger" 「新たなる脅威の兆し」より ※22: 原語では、タッカー「俺たちは『結婚』(mate、「交わる」と同じ単語) しなかった」 トゥポル「ああ… (特にセリフなし)」 |
攻撃するハラッド・サーの船。 リード:「武器を不能にする気です!」 アーチャー:「向こうの武器を狙え!」 ほとんど動けないまま、フェイズ砲を発射するエンタープライズ。 リード:「船首フェイズ砲ダウン!」 アーチャー:「船尾砲を守れ。」 メイウェザー:「敵は速すぎます。」 「…アーチャーより機関室。」 タッカー:「トリップ。」 アーチャー:「スラスターにパワーを回せるか。」 タッカー:「…やってみます。」 火花が散る機関室。 リード:「…船尾砲もダウンです!」 タッカー:「重力プレートのパワーを回そう。…足下軽くなるぞ! 丁度いい、ダイエット無用だ。」 トゥポル:「重力プレートを、90%に。」 メイウェザー:「スラスター、フルパワー!」 アーチャー:「面舵一杯!」 「…まだ遅すぎます。」 「魚雷準備!」 リード:「…今ので破壊されました!」 突然静かになった。 リード:「武器を、パワーダウンしてる。」 メイウェザー:「接近してきます。」 オリオン船はエンタープライズに向けて、グラップラーを打ち出した。 揺れるブリッジ。 アーチャー:「スラスター全速後進!」 リード:「…パワー足りません!」 サトウ:「呼びかけです。」 うなずくアーチャー。 ハラッド・サー:『そのままノンビリ揺られていろ。』 アーチャー:「どこへも行かないぞ。」 『悪いがオリオンの略奪船 2隻が待ってるんでねえ。』 「ハ。」 『客を待たせるわけにはいかない。』 「船を解放するんだ。」 『動揺も無理はない、気の毒なことだ。…だが私にはどうにもできん。お互い、この状況は奴隷なんだよ。』 「……操られているのか。」 『やっと気がついたか。そうともあんたは勘違いしている。…奴隷なのは男の方だよ。女でなくな。』 トゥポルはタッカーを見た。 タッカー:「同じ考えだよな。」 トゥポル:「グラップラーは、ディフレクターの真上ですね。」 「ブリッジへ行け、俺もすぐ追う。」 ワープコアに登るタッカー。 エンタープライズを連れたまま、惑星を離れるハラッド・サーの船。 ブリッジに戻るトゥポル。コンソールにつき、操作を始める。 画面を見るアーチャー。「ディフレクターか。」 トゥポル:「グラップラーにポジトロン・バーストを流してやれば、エネルギーカスケードが起きるかもしれません。」 「奴の動力を奪えるな。急げ!」 「トゥポルより機関室。」 タッカー:「もうすぐいける。メイン EPS コンジットをつなぎ直す。」 トゥポル:「了解。」 その時、ターボリフトからオリオン人たちが降りてきた※23。 リード:「船長。」 ナヴァール:「船長?」 「除菌室、応答を。」 「誰もいないわ?」 「部下に何をしたんだ。」 「出てってもらったのよ? …開けてもらってから。」 ダネッシュ:「素直に聞いてくれたわよ?」 アーチャー:「ブリッジから出ていけ!」 ナヴァール:「本当に追い出したいの? …もしそうなら言うとおりにするわ。」 アーチャーのあごに触れる。「あなたのためなら何でも。」 様子を見ているサトウ。 ダネッシュはリードに近づいている。 ナヴァール:「やっぱり追い出したくないのよ。」 トゥポル:「船長。」 「彼女妬いてる。…私達を引き裂くためなら船だって壊すわよ?」 「判断力に影響が出ています。」 「逮捕して。」 サトウ:「駄目です!」 「早く。」 「船長!」 アーチャー:「リード大尉。」 リード:「はい。」 ダネッシュになでられている。 「トゥポルを拘束室へ。」 ダネッシュ:「聞こえたでしょ?」 ドアの開く音がする。 リードはフェイズ銃を取り出し、立ち上がった。「了解。」 撃たれるリード。タッカーだ。 ナヴァール:「取り押さえて!」 向かってこようとしたアーチャーも、タッカーはフェイズ銃で撃った。メイウェザーもだ。 タッカー:「いいぞ。」 操作するトゥポル。 エンタープライズから発した光が、グラップラーを伝わっていく。 オリオン船に達し、グラップラーはちぎれた。内部で爆発が続く。 トゥポル:「…敵船のエンジン、武器、ダウン成功です。」 ナヴァール:「……タッカー少佐? …驚いたわ。…本当の指揮官が誰かよーくわかったわ。」 タッカー:「やめとけよ、指揮官はアーチャー船長だ。おべんちゃら言っても無駄だね。行くぞ。」 ターボリフトを開ける。 顔を見合わせるオリオン人。全員ブリッジを出ていく。 ワープ航行に戻ったエンタープライズ。 『航星日誌、補足。贈り物はハラッド・サーに返し、彼の船はインパルスで帰途についた。』 ハイポスプレーを受けるアーチャー。「あ、よーし。おっと。」 ふらつく。リードも首をさすっている。 フロックス:「ああ…目まいは 2、3時間で消えます。」 「助かるね。」 リード:「フェロモンの影響は薄れてる。しばらく雑念は消えてた。10分ですけど。」 タッカー:「クルー全員がフラフラしてる。毒でも盛られたみたいですね。」 フロックス:「後遺症は、2、3日続くでしょうね。」 アーチャー:「よくやった。」 トゥポル:「それはどうも。」 「記録はしないでおこう、お前が味方を次々と撃ったことはな?」 タッカー:「そりゃあ助かります。」 トゥポル:「締めくくりが軍法会議では残念ですから。オリオンについて多くを学びました。」 笑うリード。「女性支配だとはね。」 タッカーもだ。 トゥポル:「どれほど好ましくない種族にも見習うべき点はある、という証明です。」 トゥポルを指差すリード。 アーチャー:「私の勘違いか?」 リード:「違うでしょう。」 「今ジョークを言ったように聞こえたぞ。」 タッカー:「未遂ですね。」 トゥポル:「もしもジョークを言ったなら、相手に伝わるはずです。…間違いなく。」 「…ほーら、まただ。」 アーチャー:「トゥポル、トリップの悪い癖が移ったのかと思ったよ。」 笑う 3人。にらむトゥポル。 医療室を出たタッカー。「また証明されたな?」 トゥポル:「何がです?」 「俺たち名コンビだってさ。」 「確かに息は合うようですね?」 「今じゃお互いの、頭ん中にいるしな。」 「…コロンビアへ戻るのですか。」 「ヘルナンデス船長が、主任機関士の帰りを待ってるだろうからな。」 「船の修理はまだ終わっていませんよ?」 「ケルビーがちゃーんとやるさ。俺の仕事をよく見てたからなあ。船を吹き飛ばそうとする前は。」 「ケルビーは有能ですが、経験不足です。」 立ち止まるタッカー。「素直に言えよ。」 トゥポル:「…何をです。」 「戻ってきて欲しいって。」 「言ったつもりですが? …タッカー少佐は、この船のためには欠くべからざる存在ですからね。」 「違う。…君の気持ちだ。」 「…意味がわかりませんが。」 「じゃ、誤解か。またな。」 「…待って。トリップ。……戻ってきてください。」 「…まあ、考えてみる。」 「トリップ!」 トゥポルはタッカーに近づき、口づけをした。 唇に触れるタッカー。「3日前に、ヘルナンデス船長に再転属を願い出たよ。」 トゥポル:「3日前に?」 「俺の居場所はここなんだ。それには、この俺たちのことも? …大したこっちゃない。」 「…同感です。」 「さて、仕事が呼んでる。」 廊下を歩いていくタッカー。 トゥポルも少し考えた後、歩き出した。※24 |
※23: 雑誌 Star Trek Communicator 第155号 13ページには、このシーンと思われる写真が掲載されていますが、3人の服装は「おとなしい」ものになっています。そもそも前にトゥポルとの会話でアーチャーが服を支給すると言っているのに、実際は最後まで同じドレスを着たままです ※24: その他の声優は植倉大、大久保利洋 |
感想など
6話ぶりの単独エピソードは、初めてオリオン人だけに焦点を当てたものです。導入・展開・結末、どれを取っても TOS 風味あふれるオーソドックスさですね。でも真っ先に影響を受けそうなタッカーがそうはならなかったこと、オリオン社会の真実が明かされるところは、ひねりが効いていました。初心者向け…とまでは言えないものの、たまにはこういう話もいいかもしれませんね。たまには。 ゲスト俳優には DS9 のサブレギュラー 2人が配されています。冒頭の「ドラゴン」は、通好みのネタですね。トリップは結局 3話で戻ってきました。 |
第92話 "Divergence" 「優生クリンゴン」 | 第94話 "In a Mirror, Darkly, Part I" 「暗黒の地球帝国(前編)」 |