ヴォイジャー 簡易エピソードガイド
第157話「対決する時空」
Shattered
イントロダクション
※1貨物室。 床に置いたジグソーパズルを並べている。 ナオミ※2:「うーん…。うん、ここだ。」 イチェブ※3:「その通り。相補的塩基対を理解してるようだ。」 「そこにピッタリ当うピースを探しただけだけど…。」 「それじゃ、意味がないだろ。」 「パズルが終わればいいんじゃないの?」 「遺伝学について、学習しながらな。」 「手伝いにきたなら、トゥヴォックの耳の形を探して。」 チャコティが入る。 イチェブ:「副長。」 チャコティ:「そのままでいい。通っただけだ。」 「勝手に貨物室をお借りして、すいません。ナオミの勉強を見てるんです。」 「楽しそうな教材を見つけたな。」 「できれば、セブンには言わないで欲しいんですが。レポートをまとめてる時間なんです。トランスワープの、不安定性について。」 「わかった、秘密は守ろう。これも秘密だ。」 箱から取り出した瓶を見せる。 「それは?」 「アンタリアンのリンゴ酒※4だ。レプリケート物じゃない。もう数本しか残ってなくてね。あの場所をニーリックスに知られたくない。」 「だったら、ボーグの廃棄部品置き場に隠したらどうです? ニーリックスは絶対近づこうとしませんから。気味が悪いって言ってました。」 イチェブの肩を叩くチャコティ。「士官並みの判断力だ。頼めるか?」 「もちろんです。」 出ていくチャコティ。ナオミは苦笑いする。 さまざまな機械部品が散らばっている。ジェインウェイは工具を使って作業している。「うーん。」 チャイムが鳴る。「どうぞ。」 リンゴ酒を持ったチャコティが入る。「遅刻よ。夕食の支度も遅れるけど。」 グラスに注ぐチャコティ。「またか。何度壊した?」 「大昔に一度だけよ。このレプリケーター、記憶力が良くて私を許してくれないみたい。」 「レプリケーターが、執念深いとは思わなかった。」 ジェインウェイにグラスを渡し、微笑むチャコティ。 「何かおかしい?」 「貨物室で、イチェブとナオミがパズルをしてるのを思い出してねえ。」 笑うジェインウェイ。「熱調節器を探してくれない?」 乾杯する。「イチェブはどう?」 調節器を渡すチャコティ。「数年後には、船を仕切ってるかも。」 「ご冗談を。私はまだ引退する気はないわよ。」 船が大きく揺れた。「ジェインウェイからブリッジ。」 艦長席のキム。「何らかの重力サージのようです。緩衝装置が、オーバーロードしました。」 ジェインウェイの部屋を出る2人。 ジェインウェイ:「発生源は?」 キム:『まだ不明です。現在、セブンが解明中。ワープコアが不安定になってると、報告が。』 チャコティ:「私が行ってきます。」 廊下で別れる 2人。 天体測定ラボのセブン。「船の真正面で空間亀裂が起きている。高レベルのニュートリノと、クロノトンを探知。」 キムは命じた。「スクリーンへ。」 ジェインウェイも到着し、スクリーンを見る。「何なの?」 スクリーンに、宇宙空間をうごめく現象が映し出されている。 キム:「わかりません。」 揺れが続く。 機関室で指示するトレス。「抑制を失ってるわ。全員退避!」 チャコティはワープコアのそばのコンソールに近づいた。 空間亀裂に近づくヴォイジャー。亀裂から発せられたエネルギーが、船体を襲う。 それは機関室のコアに伝わり、チャコティを直撃した。吹き飛ばされる。 亀裂からのエネルギーは、船全体を包む。 起きあがったトレスは、チャコティに近づく。「トレスから転送室。チャコティ副長を、すぐに医療室へ。」 チャコティの顔は、異質に変形を起こしていた。 |
※1: このエピソードは、2001年度エミー賞の衣装賞にノミネートされました ※2: ナオミ・ワイルドマン Naomi Wildman (スカーレット・ポマーズ Scarlett Pomers) ヴォイジャーのクルー、サマンサ・ワイルドマンの娘。VOY第143話 "Fury" 「帰ってきたケス」以来の登場。声:永迫舞 ※3: Icheb (Manu Intiraymi) VOY第154話 "Nightingale" 「偽りのナイチンゲール」以来の登場 ※4: Antarian cider |
あらすじ
チャコティの身体は時間的に分裂されていたが、ドクターが血清を注射することにより治療できた。だがドクターはモバイルエミッターのことを知らないようであり、更にターボリフトに乗っている時に持っていた荷物が消滅してしまった。ブリッジへ着いたチャコティは、ジェインウェイの命令で保安部員に囲まれる。バッドランドへ到着した時の、過去のヴォイジャーにタイムスリップしたのだ。保安部員に付き添われ拘束室へ向かう途中、またも保安部員が消えた。機関室へ入ると、ケイゾンとセスカに捕まる。5年前、セスカたちに船を奪われた時だ。隙を突いて逃げるチャコティ。特定の場所を越えると、チャコティの姿はセスカたちには見えなくなった。 チャコティは過去の医療室に戻り、ドクターに状況を話す。血清のおかげでチャコティは時間の境界線を越えられるのだ。血清をハイポスプレーで用意し、再び過去のブリッジに向かう。ジェインウェイに半ば無理やり血清を注射し、共に別の時間枠に移動する。未来のことを全く知らないジェインウェイと行動し、いくつ時間枠があるかを調べるため天体測定ラボに向かう。昏睡状態のクルーを通りすぎラボに着くと、そこには成長したナオミとイチェブがいた。その未来では、チャコティとジェインウェイは 17年前に死んでいた。 この 17年後の 2人による情報をもとに、ヴォイジャーを元に戻す方法を探す。セブンに協力してもらうことにし貨物室に向かうと、ボーグの姿のセブンがいた。ボーグのやり方で、時空分裂する直前に時間を戻せるはずだ。各時間枠のバイオ神経ゲルパックに血清を打つ必要があるため、医療室で大量の血清を用意して装着する。巨大ウィルスから逃げ、キャプテン・プロトンのプログラム内に入る。だがケオティカに捕まってしまい、プログラムを停止することもできない。 ジェインウェイはアラニクアになりきり、ケオティカに血清を打ってもらい解放された。転送室でマキの服を着たトレスがジェインウェイを非難し、現在にあたる食堂ではトゥヴォックが死んでしまった。デルタ宇宙域に飛ばされることをはじめとして、未来に起こる出来事を知ったジェインウェイ。時間枠を自分がいた時に戻せば、全て防げるという。だが良いこともたくさんあったことを話して説得するチャコティ。最後にセスカがいる機関室へ向かうが、彼女は血清を打つことを拒否し、自分がいる時間枠にヴォイジャーを戻そうとした。 血清を打った他の時間枠のクルーが、ケイゾンを倒す。ジェインウェイがセスカに人質に取られるが、最後に来たセブンによって救われた。クルーが元いた場所へ戻り、チャコティが最後の作業を行えば、それぞれの時間枠も正常に戻り、起こったことは忘れることになる。事件直前の時点へ戻ったチャコティにより、時間分裂は無事回避されたのだった。 |
用語解説など
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感想
ヴォイジャーは DS9 と異なり、基本的に前のエピソードとの連続性は薄いのですが、今回は全く逆でした。過去のいろんなエピソードが登場して、はじめから観ているファンへのサービスと言えるでしょうね。ホログラムであるケオティカは別にしても、またセスカに会えるとは思いませんでした。私は、(まだ CG技術がいまいちだった) 巨大ウィルスが懐かしいです。 タイムパラドックス…というより分断されているという状況自体に不思議な点はありますが、深く考えたら負けですね。初めて最終シーズンらしいエピソードだったかも。 |
第156話 "Flesh and Blood, Part II" 「裏切られたホログラム革命(後編)」 | 第158話 "Lineage" 「母となる者の孤独」 |