エンタープライズ エピソードガイド
第88話「バベル1号星」
Babel One
イントロダクション
大きな被害を受けた部屋。火花が散り、火が上がっている。 倒れている者もいる。 落ちている物を払って起き上がったのは、アンドリア人のシュラン※1だった。「ブリッジから機関室! 機関室、応答せよ!」 シュランは立ち上がり、クルーの遺体をコンソールからどけた。「戦艦クマリ※2より、帝国軍司令部! テラライト船に猛攻撃を受けている! 主要システムがダウンした、大至急救助を!」 爆発が起こる。 コンピューター:『警告、2分でワープ抑制フィールド崩壊。』 シュラン:「テラライトのブタどもが! 覚えておれ。」 通信機に触れる。「シュランだ。全クルー脱出ポッドへ向かえ。船を放棄する。」 |
※1: Shran (ジェフリー・コムズ Jeffrey Combs) ENT第85話 "Kir'Shara" 「バルカンの夜明け」以来の登場。声:中村秀利 ※2: 吹き替えでは全て「クマリ号」 |
本編
通常航行中のエンタープライズ。 サトウ:「全くここの食事は食えたもんじゃない。あの汚らしいペットの方がよっぽど美味いだろう。」 作戦室の片隅には、ポートスが座っている。「すぐにうちに帰してくれ。それがダメならシェフを変えろ! …それともう一つ、すぐに部屋を変えて欲しい。」 アーチャー:「わけを言ってもらおう!」 「まず一つ。あの部屋は狭すぎる。天井にはプラズマコンジットが通り、うるさくて眠れやしない! 一晩中な。」 「では貨物室で、休むといい。」 「この私に何と?」 「この船は客船じゃないんだ! ここの設備が気に入らんのなら、シャトルにぶち込んでおいていく。…運が良ければ誰かが拾ってくれるだろう! …シェフの料理が気に入らないと言うなら、食べなくて結構! そうなれば当然、最後のデザートにも手をつけるわけにはいかんだろうな!」 サトウは微笑んだ。「……お見事です。」 笑う 2人。 アーチャー:「よその星の大使に、こんな口を聞かなきゃならんとは。」 サトウ:「テラライト人はとにかく文句の多い種族なんです。」 ため息をつくアーチャー。 サトウ:「彼ら流の挨拶だと思ってください。」 アーチャー:「文句の言いようがない場合はどうなる。」 「その時は単に相手を侮辱します。…何を言われても同じように言い返してください。それが礼儀です。」 「ハ…挨拶代わりに言い争ってる種族なら…さぞいい政治家が生まれるだろう。リハーサル、ありがとう。」 「船長。…ポートスの下りは事実です。」 「汚らしいと?」 「違います、美味いだろうのところです。テラライト人にとって、イヌ科の動物というのは…ご馳走だとか。」 出ていくサトウ。 「あ…。」 ポートスは尻尾を振っている。アーチャーは、またため息をついた。 惑星軌道上のエンタープライズ。 『航星日誌、2154年11月12日。テラー・プライム※3の軌道に到着。テラライトの大使を「バベル※4」と呼ばれる中立惑星に送るよう、命を受けた。…地球を仲介役とし、テラライト・アンドリア間の長年に渡る貿易摩擦を解消するためだ。』 廊下を歩いてきたタッカー。 アーチャー:「準備は整ったか?」 タッカー:「ええ、ほとんど。泥風呂作りには、トリプルシフトで未だ奮闘中ですが。」 「泥風呂?」 「大使殿は朝の泥浴びが欠かせないそうで。」 ため息をつくアーチャー。 タッカー:「わかりませんよ。自分らの船じゃなく、なぜ我々に送らせるんですか。」 アーチャー:「バベルはアンドリア領にある。テラライト船は立入を禁止されてるんだ。」 ターボリフトを開けた。 「で? 送迎サービスですか。探査任務が恋しいです。」 「この貿易摩擦は深刻でな。和解できなければ戦争になる可能性がある。」 シャトルポッドがエンタープライズに収容されていく。 発着ベイに入るアーチャーたち。MACO も立ち位置につく。 テラライト人が階段を上がってきた。 アーチャー:「記憶していたより遥かに醜い。」 テラライト人:「うーん。」 「アーチャー船長です。…ようこそ。」 「グラル※5大使だ。」 手を差し出すグラル。 アーチャーは少し間をおいてから握手した。強く握る。 グラル:「うーん。」 アーチャー:「フン。」 歩くように示す。 「この船は宇宙艦隊の誇りだと聞いていたが、思ったより小さくて小汚い。」 「奇遇だ。あなたにも同じ感想を。」 グラルは笑い出した。「では部屋へ案内してもらうとしよう。」 ドアを開けるアーチャー。 グラル:「この船は寒すぎる。」 部下のテラライト人、ナーグ※6。「こんなところに 5日もいなければならないとは。」 ほかにも何人も歩いていくテラライト。 ワープ中のエンタープライズ。 タッカー:「そこで彼が一言。『実はパイロットじゃないんだ。』」 笑うが、周りのテラライト人は無反応だ。「わかんねえか?」 並べられた料理を見ているグラル。トゥポルがドアの近くに立っている。 アーチャーが食堂に入った。「室温は?」 トゥポル:「大使の御要望にお応えして、上げてあります。」 「またか?」 近づくタッカー。「思ったより、話しやすい連中です。何せ、遠慮ってものがない。新鮮ですよ? 言いたいことが言えるってのは。」 アーチャー:「我々には、言いたいことが言えないのか?」 「そうは言ってない。」 硬い表情のアーチャー。「いや。真意を説明して欲しい。…着替えて来たまえ、悪臭に耐えられん。」 タッカーは微笑んだ。「ああ、言い合いの練習ですか。なるほどね。」 表情を変えず、無言でタッカーを見るアーチャー。タッカーは咳払いして出ていった。 笑うアーチャー。「フン。郷に入っては。」 トゥポル:「…いま何と?※7」 「何でもない。」 「大使が、話したいと言っておられます。」 「感激だ。」 歩いていくアーチャー。 窓からワープ中の宇宙空間を見ているグラル※8。「もうアンドリア領には入ったのかね。」 アーチャー:「数分前に。」 「…前回来たときは巡洋艦の司令室で指揮を執っておった。あの青い悪魔どもを領内に追い返すためにな。アンドリアはズィンディ危機の時助けに駆けつけたとか?」 「地球の恩人です※9。」 「奴らに借りのある地球人に今回の仲介役が、務まるとは思えんな。」 「和平を望む気持ちはあなた方と同じです。公平性を欠くことはありえません。」 「仲介役など初めてのくせによくもしゃあしゃあと…」 「選り好みできる立場ではないのでは?」 グラルは料理の一つを手に取った。「ここのシェフは我々にケンカを売っているのか?」 アーチャー:「本物の、テラライト料理のはずですが。」 「うん…こういう物が食べたければ、母星に留まっておる。…わしが期待していたのは、地球で食べられている料理だ。」 「ではすぐに用意させましょう。」 笑うグラル。「ああ。」 サトウの通信が入る。『アーチャー船長、ブリッジへ。』 鼻を鳴らし、食べ物を舐めるグラル。 ブリッジに入るアーチャー。 サトウ:「メッセージ受信。アンドリア船からです。」 乱れたシュランの音声が聞こえる。『帝国軍司令部、猛攻撃され…主要システムダウン! 大至急救助を!』 サトウ:「以上です。」 メイウェザー:「付近に船はいません※10。」 アーチャー:「ワープ最大で到着できるのは?」 「2時間後です。」 「…コース変更、バベルに連絡。…到着が遅れると伝えろ。」 宇宙空間に広がる破片に近づくエンタープライズ。 リード:「あの残骸の様子だと、リアクターが損傷しています。」 トゥポル:「おびただしい量のデュラニウム合金を探知しました。アンドリア戦艦の、可能性が高いかと。」 スクリーンを見るアーチャー。 リード:「…脱出ポッドです、生体反応多数。」 アーチャー:「出発ベイに回収。フロックスに言って、負傷者の治療を。」 操作するサトウ。 アンドリア人であふれた医療室。 フロックス:「何歩か、下がっていただけませんか。」 シュラン:「俺たちの身体をわかってるんだろうな。」 治療を受けているのはタラス※11大尉だ。 アーチャーとトゥポルが来る。 シュラン:「助かったクルーは何人だ。」 アーチャー:「19人。」 「……船に乗ってたのは 86人だ。」 「攻撃を受けたと聞いたが。」 「テラライトめ! バベルの貿易協議に出席する大使を送る途中だった。」 アーチャーはトゥポルを見る。 シュラン:「大使の船は、あっという間に破壊されたよ。我々もすぐ戦闘能力を失った。あんな強力な船を、テラライト軍がもっていたなんて信じられん。口先では和平だなどと言いながら、陰で戦艦の改良を図っていたのだ。」 トゥポル:「本当に攻撃を計画していたのだとしたら、なぜ地球を仲介役に立てたのでしょう。」 「そいつは奴らに聞いてくれ。…俺たちのデータレコーダをスキャンしてくれ、攻撃時のログも記録されてる。」 合図するアーチャー。トゥポルは出ていく。 シュラン:「俺たちは助け合う運命らしいな。近くを通ってくれてて助かったよ。」 アーチャー:「偶然ではないんだ。…テラライトの代表団を乗せてる。」 「奴らが乗っているのか!」 「攻撃には無関係だ。」 「首謀者くらい知ってるだろ!」 歩いていくシュラン。 腕をつかむアーチャー。「シュラン! …私の船だ。」 シュラン:「奴らを俺たちに近づけるな。血祭りに、上げられるのがオチだ!」 兵器室。 リード:「破片を分析しました。使用武器は、テラライトの素粒子砲です。」 アーチャー:「ブラックボックスは。」 トゥポル:「メモリーコアは損傷。しかし、センサーデータの最後の 2秒間を復元できました。」 操作すると、モニターに乱れた映像が映る。 異星人船※12がこちらに向かって攻撃していた。 アーチャー:「テラライトだ。…アンドリアへ向かえ。全速!」 声を荒げるグラル。「言いがかりもいいところだ、バカバカしい! 我々はそんな攻撃とやらは、一切知らん!」 アーチャー:「アンドリア船のセンサーログです。ご自身で確かめるといい。」 「奴らが細工したのかもしれん。」 「船の残骸を見たはずです。」 「自分たちで破壊したのだ、そうに決まってる。…アンドリアの技術は我々より進歩している。我ら一隻で奴ら 2隻に勝てるものかあ。」 「政府と連絡を取ってください。」 無理矢理パッドを渡すアーチャー。「あとで詳細の報告を!」 「おい船長、アンドリアだらけの船じゃ快適な旅は続けられん。…上層部と連絡を取り、奴らを別の船に乗り替えさせろ。」 「はっきり言っておきます。あなたは私の船の客に過ぎん! 船長は私です!」 「どこへ行く気だ。」 「アンドリアに決まってる…」 「ふざけるな! そんなことをすれば、攻撃の責任をとらされ逮捕される!」 「身に覚えがないなら、何も恐れることはないと思いますがね!」 グラルを振り返り、テラライト人の部屋を出て行くアーチャー。 「うーん。」 アンドリアン・エール※13を注いでいるシュラン。「クマリに。」 アーチャーと乾杯した。 一気に飲むシュラン。 アーチャーも口にした。「いい船だった。」 顔をしかめる。「…クルーにも恵まれていたらしいな。」 シュラン:「俺は 12年指揮を執っていた。あのクラスは初めてだ※14。クルーとはもっと長い付き合いだったよ。仕事仲間以上の存在だ、配偶者もよく知ってる。子供らも。…タラスが生きててよかった! あいつを失ったら。」 「君らが、そんな仲とは知らなかったよ。」 「ここ最近のことだ。それまで、部下とそんな仲になるなんて考えたこともなかった。」 「それが、なぜ。」 「…アンドリアの女は、地球の女性と比べて遥かに欲求が強い。俺に、迫ってきたんだ。選択肢は二つ。上司への暴行未遂で告発するかもしくは、交わるか。」 「…後悔しないといいが。」 「…また俺たちの争いに巻き込んじまって、悪かったな。」 「そういう運命なんだろ。」 「今回ばかりは、戦争は避けられんだろう。帝国軍司令部が、あのデータを見たら。」 「妙な話だ。協議に応じておいて、大使を殺すとは。」 「…奴らの頭の構造は、俺たちとは違う。何ヶ月も我々を挑発し続け、6隻の貨物船を破壊しやがったんだ。」 「テラライトも、船を破壊されたと言っている。」 「俺たちより奴らを信じるのか?」 通信が入る。『トゥポルからアーチャー船長。』 アーチャー:「どうした。」 『コース上に船影を感知。…アンドリア船です。』 船長席のトゥポルは立ち上がった。 アーチャー:「何か聞いてるか。」 首を振るシュラン。 背後のアンドリア戦艦が映っている。 アーチャー:「呼びかけろ。」 サトウ:「…応答ありません。」 リード:「武器を装填してます。敵船、発射!」 揺れるブリッジ。 アーチャーはシュランを見た。 |
※3: Tellar Prime 初登場だと思われます。DS9第143話 "In the Pale Moonlight" 「消された偽造作戦」では、単にテラー (Tellar) と呼ばれていました ※4: Babel TOS第44話 "Journey to Babel" 「惑星オリオンの侵略」より。当時の吹き替えでは「バーベル」 ※5: Gral (リー・アレンバーグ Lee Arenberg TNG第161話 "Force of Nature" 「危険なワープ・エネルギー」のデイモン・プラク (DaiMon Prak)、第174話 "Bloodlines" 「怨讐の彼方に」のデイモン・ボーク (DaiMon Bok)、DS9第11話 "The Nagus" 「宇宙商人フェレンギ星人」のグラル (Gral、同じ名前ですが偶然とされています)、VOY第115話 "Juggernaut" 「憎しみはコロナの果てに」のペルク (Pelk) 役) ※6: Naarg (Kevin Brief) 名前は、このエピソードでは言及されていません ※7: TNG第8話 "Justice" 「神からの警告」でも、ライカーとウォーフが似たようなやりとりをしています (ただし当時の吹き替えでは「ローマ帝国だな」) ※8: ここは窓の外からの視点になっています ※9: ENT第76話 "Zero Hour" 「最終決戦」より ※10: 吹き替えでは「目視領域外です」。ワープで 2時間かかる距離を目視できるわけもなく… ※11: Talas (モリー・ブリンク Molly Brink) ENT第65話 "Proving Ground" 「アンドリア人の協力」以来の登場。声:藤貴子、前回の渡辺美佐から変更 ※12: ENT第39話 "Dawn" 「熱き夜明け」に登場した、アーコニアン戦艦の使い回し ※13: Andorian ale DS9第54話 "Meridian" 「次元移動惑星M」など ※14: シュランが乗った初めてのクラスという意味ではなく、クマリが同クラスの中で最初の船 (つまり一番艦) だということ |
攻撃はやまない。 アーチャーはシュランに言う。「一体何の真似だ!」 メイウェザー:「…ワープフィールドが不安定になってる。インパルスに戻します。」 「…やめさせろ!」 シュラン:「話をさせてくれ。…帝国軍のシュラン司令官だ、攻撃はやめろ! ……俺の部下が乗ってるんだぞ、聞いてるのか。すぐに攻撃をやめろ!」 攻撃を続けるアンドリア船。 アーチャー:「フェイズ砲で撃ち返せ!」 リード:「…ダメージなし。」 「シールドを破壊したい、方法は。…あんたが何もしなければ、我々は全滅だ!」 シュラン:「……ターゲットアレイに座標を打ち込ませてくれ。」 リードのコンソールを操作する。「これがシールドジェネレーターの座標だ。」 「攻撃しろ!」 リード:「…命中です!」 サトウ:「…シールドに影響ありません。」 シュラン:「そんなバカな!」 アーチャー:「…シュラン!」 リード:「…背面プレートダウン寸前!」 メイウェザー:「右舷スラスターダウン!」 アーチャー:「魚雷発射、出力最大。」 炎が巻き起こる。 メイウェザー:「…離れていきます。」 トゥポル:「敵のパワーグリッドに、揺らぎが。」 アーチャー:「よくやった。」 リード:「私ではありません。パワーグリッドは狙っていない。」 会議室のアーチャー。「地球に仲介役を頼んでおきながら、なぜ我々を攻撃する!」 グラル:「これで全ての辻褄が合う。救難信号を送ったのは、あんたを罠にはめるためだ。」 反対側に座っているシュラン。「我々に宇宙艦隊を襲う理由はない!」 グラル:「現にこの船を破壊しようとした。」 「船長、俺が保証する。アンドリア政府は、今回の攻撃には一切関与していない。」 「いい加減認めろ! …帝国軍ははなから和解する気などないのだ。ついに本性を現して攻撃してきおった。」 「貴様、我が帝国軍を裏切り者呼ばわりする気か。」 「呼ばわりも何もない、本当のことを言ったまでだ。」 立ち上がるシュラン。グラルも立った。 シュラン:「あの船はアンドリア船とは限らん。」 アーチャー:「何?」 「シールドマトリックスの設定が我々の船とは完全に違っていた!」 グラル:「だから何だと言うのだ。」 「我が軍の戦艦が、数隻行方不明になっている。テラライトが一隻を拿捕し、改造したのかもしれん!」 笑うグラル。「この男は被害妄想にかかってるぞ。」 シュラン:「…俺は正気だ、攻撃したのはお前らだろ!」 「下らん嘘はたくさんだ!」 揉み合う 2人。 アーチャーは MACO と共に止める。「やめろ! …暴れたいなら、拘束室でやれ。存分に殺し合うといい!」 静止しているエンタープライズ。 部屋に戻されるグラル。出ていく MACO。 ナーグ:「どうでした。」 グラル:「アーチャーは公平を主張しているが、アンドリアに肩入れしてることは明らかだ。地球を信じた我々が間違ってたのかもしれん。」 「部屋の外に兵士まで立たせてやがる。我々は捕虜と一緒です。アーチャーもアンドリアと共謀し、我々を罠に陥れる気かもしれませんぞ。」 うなるグラル。 司令室に入るシュラン。 アーチャー:「面白い事実が判明した。」 トゥポル:「まずはクマリのレコーダーの記録を。これはパワーサイン。クマリを攻撃した船のものです。」 船体図とグラフが映っている。「このサインは、エンタープライズを攻撃したアンドリア船のものです。」 2つのグラフが重なった。 アーチャー:「同じものだ。」 シュラン:「こんなことはありえん。」 トゥポル:「…ご自分で確認を。」 「センサーの精度が低いのだ。記録ミスでは?」 アーチャー:「確認済みだ。」 「だったら何が言いたい。その 2隻が、同じ船だったと言うのか。」 「今の時点では何とも言えん。だが、思い込みは捨てるべきだ。」 「テラライトは、我々とのあらゆる同意事項を破ってきた。…信用ならん連中だ。…和平を望むあまり真実を見失うな、船長。」 トゥポル:「司令官…」 「貴様は黙ってろ! …ヴァルカン人は嘘の達人だ、全てはお前の差し金か。」 アーチャー:「私の副長を侮辱する気か?」 通信が入った。『タッカーからブリッジ。』 アーチャー:「続けろ。」 機関室のタッカー。「10分で、ワープエンジンが復活します。プレートは後一時間下さい。」 アーチャー:『逐次報告を。』 アーチャー:「我々を攻撃した船のワープ痕跡を発見した。追跡する。」 シュラン:「重体のクルーもいるんだぞ、一刻も早く母星の医者に診せなきゃならん。」 「アンドリアまでは 4日もかかる。それからでは、手遅れだ。」 窓の外を見ているアーチャー。船はワープしている※15。 トゥポル:「お口に合いませんか?」 アーチャー:「食欲がない。……私は急ぎすぎか?」 「タッカー少佐はこの速度なら、安全は守られると。」 「…そういう意味じゃない。今回の話し合いの結果は、地球に大きく影響する。なのに私は現状すら把握していない。…彼らは一世紀以上も反目し合ってきているんだ。ヴァルカン政府に、委ねるべきだろうか。」 「最近アンドリア政府と和解した※16とは言え、彼らが我々を信用するわけありません。」 「酸素を吸うこと以外、アンドリア人とテラライト人に共通項があるとは思えん。」 「地球人とヴァルカン人もそうでした。」 飲み物を注ぐアーチャー。「今朝、ヴァルカンから君宛てに通信が入ったと聞いたが?」 トゥポル:「私的な連絡です。…コスからでした。結婚を解消したのです。」 「すまなかった。」 「謝る必要はありません。」 リードの通信。『ブリッジから、アーチャー船長。』 アーチャー:「どうした。」 『例のアンドリア船と思われる船を発見。』 「すぐに向かう!」 アンドリア船でも、テラライト船でもない異星人船※17が停止している。 中央の構造に近づく人物、ニジル※18。 部屋に入ってきた男、ヴァルドア※19。「報告。」 ニジル:「損傷個所を特定することができません。」 「だったら倍の努力をしろ。ここは敵の領域だ、これ以上留まることはできん。」 中央部には、たくさんのケーブルでつながれたマスクを被った者が座っている。 ニジル:「船が接近中。」 ヴァルドア:「見せろ。」 エンタープライズが映る。 2人は、ロミュランだ。 |
※15: 窓から見える星が左から右に流れているため、船長用食堂は右舷側にあることがわかります ※16: ENT "Kir'Shara" の事後だと思われます ※17: VOY第113話 "The Fight" 「眩惑のカオス・スペース」に登場した、異星人漂流船の改造 ※18: Nijil (J・マイケル・フリン J. Michael Flynn TNG第59話 "The Hunted" 「恐怖の人間兵器」のザイナー (Zayner)、ENT第23話 "Fallen Hero" 「追放された者への祈り」のマザール人役人 (Mazarite Official) 役) 名前は、このエピソードでは言及されていません ※19: Valdore (ブライアン・トンプソン Brian Thompson TNG第34話 "A Matter of Honor" 「錯綜した美学」のクラッグ大尉 (Lt. Klag)、DS9第27話 "Rules of Acquisition" 「フェレンギ星人の掟」のイングラトゥ (Inglatu)、第95話 "To the Death" 「戦士の宿命」のトマントラックス (Toman'torax、シュラン役コムズがウェイユン役で共演)、映画第7作 "Star Trek: Generations" 「ジェネレーションズ」のクリンゴン人操舵士 (Klingon Helm) 役。ドラマ「X-ファイル」(1995〜2000、サブレギュラー)、「バフィ〜恋する十字架」(97〜98)、テレビ映画「アルゴノーツ 伝説の冒険者たち」(00、ブラロックと共演) にも出演) 名前は言及されていません。映画第10作 "Star Trek Nemesis" 「ネメシス/S.T.X」に登場した、新型ロミュラン・ウォーバードと同名 |
ブリッジに戻るアーチャー。「アンドリア船と言ったろ?」 リード:「わけがわかりません。ワープ痕跡を追ってたらあれが。」 スクリーンに映るロミュラン船。 トゥポル:「主要システムは切られています。」 アーチャー:「呼びかけろ。」 サトウ:「…応答ありません。」 トゥポル:「生体反応、確認不能。」 アーチャー:「拡大。」 前面が見える。 アーチャー:「あの無数の棒は?」 トゥポル:「亜空間トランシーバーのようです。」 サトウ:「なぜあんなにたくさん。」 「マルチスペクトル・エミッターも、装備されています。」 アーチャー:「何のために。」 「推測は避けたいと。」 「調査班組織。兵士を連れて行け。」 リード:「生命維持装置、オフライン。」 「ではトリップも。修理が必要だ。」 ロミュラン船。 通路に転送されてくる 4人は、環境服を着ている。 フェイズ銃を持つリード。「2人は、奥を捜索。」 MACO:「了解、大尉。」 スキャナーを使うタッカー。「このセクションは減圧されてる。」 リードは頭をぶつける。「ああ。船中こんなに狭っ苦しいんでしょうか。」 タッカー:「隔壁からは何もわからんな。」 「警戒を。」 報告するニジル。「推進マトリックスがまだ機能しません。」 ヴァルドア:「いつ直る。」 「できるだけ、急ぎます。」 「オーバーロードに備えろ。」 「はい?」 「時間内に修理できないなら、宇宙艦隊を追い払うのに手段を選んではいられん。」 連絡するタッカー。「タッカーからエンタープライズ。」 アーチャー:『どうした。』 「まだクルーの歓迎は受けてません。コンピューターインターフェイスだ。しかし、パワーが来てません。どうすればいいか、トゥポルから指示を。」 トゥポル:「スキャナー、アップリンク。」 ロミュラン船内に高い音が響き始めた。 リード:「これは?」 タッカー:「何もしてないぞ。」 メイウェザー:「船長。」 スクリーンを見るアーチャー。 ロミュラン船が起動し、移動し始めた。エンタープライズに攻撃を行う。 アーチャー:「回避行動。調査班を戻せ!」 素早く移動するロミュラン船。 中のタッカーたちは揺さぶられる。ぶら下がった状態になり、落下する MACO。 タッカー:「船長、いつでも転送してください!」 トゥポル:「プレートが強化されました。…一人ずつしか転送できません。」 タッカー:「まずはカレンダー※20とマイヤーズ※21だ。」 転送される MACO。 トゥポル:「一人、転送完了。…EPS 連結器がやられました。」 アーチャー:「非常用に切り替えろ。…武器を集中攻撃。」 転送台に実体化する女性 MACO。その時、背後のパネルが爆発した。 メイウェザー:「プレート消失寸前。」 サトウ:「転送装置、オフライン。」 アーチャー:「調査班は。」 「兵士のみ収容。」 「トゥポル!」 トゥポル:「主要フェイズコイルが焼けました。修理に数時間を要します。」 サトウ:「…Cデッキ、セクション3 で減圧が起きています。」 「ひとまず撤退を。」 アーチャー:「…アーチャーからトリップ。転送装置がダウンした。」 加速に身体を支えるタッカー。「了解!」 アーチャー:『戻るまで何とか耐えてくれ。』 リード:「ご心配いりません。」 アーチャー:「脱出だ、トラヴィス。ワープ最大!」 エンタープライズはワープに入った。 細かく手を動かす、ロミュラン船のパイロット。 ニジル:「撤退します。」 ヴァルドア:「追跡しろ。」 ロミュラン船もワープに入った。 姿勢を崩すリード。背中のパイプが外れてしまい、空気が漏れ出す。「トリップ!」 元に戻すタッカー。メーターを見る。「8分ぶんしかなくなった※22。」 自分のパイプをつなぎ、スイッチを押す。 リード:「すいません。このままじゃ、そう長くはもちませんね。」 「ここの、生命維持装置を直す。」 「ええ、フッ素が出てくるような気がしますが。」 エンタープライズ。 メイウェザー:「ワープ 4 ポイント 9。」 揺れるブリッジ。 サトウ:「敵船接近中。」 「ワープ 5。」 火花が散る。 トゥポル:「敵船も加速。」 アーチャー:「新しいインジェクターを試そう。」 「…5 ポイント 02。ポイント 04。5 ポイント 06。」 トゥポル:「振り切りました。」 「インジェクター安定してます。速度維持。」 メイウェザーの肩を叩き、船長席に戻るアーチャー。「コース維持。」 部屋にいるタラス。「歩き回るのはやめてくれない? 司令官?」 それでもウロウロするシュラン。「グラルは今回の攻撃について、絶対に何か知ってるはずだ。なぜアーチャーにはそれが見抜けん!」 タラス:「とにかく今は全て彼に任せるしかないわ?」 「アンドリアの安全をピンクスキンに委ねる気はない、ほかの誰にもだ! …テラライトには一度欺かれた、同じ過ちは犯さん。…正しい方法で説得すれば、グラルもきっと吐くだろう。」 「アーチャーがグラルを追い込めるとはとても思えないわ。」 「だったら俺が自分で尋問する。」 「部屋の外には見張りが立ってるし、グラルがどこにいるかもわからないのよ?」 「お前なら保安プロトコルを盗めるだろう?」 操作しているタッカー。 リード:「調子は?」 タッカー:「大気リサイクラーらしきものさえ見つからない。そもそも、生命維持装置なんてあんのか。」 「少なくとも、ブリッジにはあるはずです。」 「…気前よく貸してくれりゃあいいが。」 向かう 2人。 報告するニジル。「あの船は、センサー領域を越えました。」 ヴァルドア:「奴らは知りすぎた。逃がすわけにはいかん。」 「こちらの船は、プロトタイプだ。戦闘は不可能だと言ったはずです。」 「いいから探せ!」 |
※20: Carender ※21: Myers どちらもエキストラ ※22: 吹き替えでは「8分ぶんなくなった」。残り 8分になったという意味 |
エンタープライズ。 『航星日誌、補足。被害個所の修理を済ませ、異星人船の捜索を開始した。』 作戦室でドアチャイムに応えるアーチャー。「入れ。」 トゥポル:「少佐から来たデータを分析しました。…テラライト船でもアンドリア船でもありません。」 「所属を知る手がかりは。」 「役に立つかどうか。…パワーマトリックスに使われているのは、ボリディウム※23・セルです。以前酷似したテクノロジーを感知したことが。」 「ロミュラン機雷原※24。…だが、あの時のテクノロジーより遥かに高度なものだ。」 「だから役に立つかどうかと。」 「うん、ロミュラン船だとしたら…なぜこんなに遠くまで来る必要がある。」 「彼らは脅威と見なすものは、徹底的に排除します。」 「我々はもちろん、アンドリア人やテラライト人も脅威ではない。何かほかの脅威かもな。この領域に住む種族が、和解した例はない。今回の協議はそれを変える一歩だ。」 「同盟関係を恐れていると?」 「現に協議は延期されている、無期限にな。当面双方が和解することはないだろう。…トリップからは?」 「まだ、通信可能域には達していません。」 「フン、逐次報告を。」 ドアのロックが焼き切られた。 フェイズ銃を持っているリード。「またアクセスチューブか。」 タッカー:「この船にはブリッジなんかないんじゃないか?」 「ああ。」 「もう 26分ぶんまで減ってる※25。」 「ブリッジは、下にあるのかも。いつも上にあるとは限りませんからねえ。」 「…あのコンジット見えるか。」 「ええ。」 「ブリッジに、通じてるかもしれん。」 「…そういえば副長、結婚を解消したそうですねえ。」 「だから?」 「少佐はどう思ってるのかと。」 「お前は彼女の父親か?」 笑うリード。「いいえ、ほんの好奇心です。」 タッカー:「マルコム、おい。これ見ろ。」 天井から気体が噴き出している。 パネルを開けるリード。タンクが並んでいる。「何です。」 タッカー:「移動用※26スラスターだ。」 「ああ。」 「酸素を使ってくれてるといいが。化学燃料だ。液体水素に、酸素!」 「ちょっと失敬しますか。」 MACO※27 の後ろのドアが開いた。下着姿のタラスが立っている。 MACO:「どうした。」 タラス:「ちょっと話したいなあと思って。…あなたってほんとに、鈍感よね。結婚の決まったアンドリアの女は、最後に一度別の男と寝ることを許されてるの。地球の男とは一度も寝たことがないから、ずっと誘いを待ってたのに。」 「自分の部屋に戻れ。」 「迷ってもくれないの?」 足跡が響いた。後ろに近づくシュランを殴る MACO。 だがタラスに殴られ、銃を奪われた。身構える MACO。 殴り合いになるが、結局倒されてしまった。 部屋から出てきて、うなるシュラン。銃を拾った。 廊下を歩き出す。 警告音に気づくヴァルドア。「どうした。」 ニジル:「液体燃料タンクの一つに問題が。」 「機能不全か。」 「いえ、右舷のバルブが開かれています。人為的に。」 「内部センサーを起動しろ。」 タンクを操作するタッカー。「どんな調子だ?」 リード:「…フラフラしてます。」 「前からそうだろ。」 笑うリード。 タッカー:「俺にはよくわからん。」 リード:「何がです。」 「職場恋愛についてだよ。」 「ああ。」 「トゥポルを狙ってるなら、俺に遠慮はいらん。」 「…そんなこと言ってません…。」 「『いいケツ』してるって言ってたろ※28。」 「それは事実だ…。」 「酸素だ。遠慮すんなよ。」 タッカーはリードのパイプをつないだ。 「ああ。」 息をつくリード。「どうも。」 メーターが上がっていく。次は自分のをつなぐタッカー。 ロミュラン船内の映像が次々と切り替わる。タッカーとリードが映った。 ヴァルドア:「止めろ。画像を拡大。…地球人だ。」 ニジル:「もしブリッジに向かわれたら※29。」 「スタビライザーは切ってあるか。」 「はい。」 パイロットに近づくヴァルドア。「回避行動を取れ。」 船の向きが変わり、通路を落ちていくタッカーとリード。壁に当たった。 リード:「重力ブーツをオンに。」 スイッチを押すと、足が床に張りついた。 歩き出す 2人。 廊下にいる MACO。天井に隠れていたシュランに撃たれた。 下に降りるシュランとタラスたち。他のアンドリア人も続く。 グラルと話しているナーグ。「ここは強気に…」 ドアが開き、タラスが入ってきた。 ナーグ:「何だ貴様らー!」 タラスに殴られる。 シュランはグラルに銃を向け、座らせた。「なぜ俺の船を攻撃したのか、答えてもらおう。その後で我々に対して犯してきた罪の全てを、告白してもらう。」 ブリッジに戻るアーチャー。「どうした。」 トゥポル:「例のエミッターの使い道がわかりました。」 サトウ:「ホログラムのプロジェクターです。」 スクリーンにロミュラン船の構造図が映っている。 サトウ:「カモフラージュシステムで、いかなる形状の船にも化けられます。」 アーチャー:「マルコムによればクマリは、テラライト船の武器に破壊されたそうだが。」 トゥポル:「ディスラプターには 3層のエミッターを使用しているので、多用な武器のシミュレートが可能です。」 拡大されるディスラプター。 メイウェザー:「唯一偽装できないのがパワーサインなのか。だから 2隻とも…」 通信が入る。『保安部から、船長。』 アーチャー:「どうした。」 『Gデッキで武器反応、大使の部屋の外です。』 「すぐに向かう、兵士を集めろ。Gデッキ封鎖。」 押しつけられるグラル。 シュラン:「貨物船不明の裏に、貴様らが絡んでるのはわかっている。」 タラスはナーグに銃を向けている。 グラル:「知るか、我々は無関係だ。」 「アーチャーはまんまとだませても、この俺はだませない。艦隊の武器にはそう詳しくないがこれだけはわかる。」 設定を変えるシュラン。「ここに合わせりゃ、貴様のぶ厚い腹に穴を開けるのくらい朝飯前だ。…真実を言え。早く!」 うろたえるグラル。 廊下で MACO と撃ち合うアンドリア人たち。倒れるアンドリア人。 MACO:「援護しろ、行くぞ!」 別の方からやってきたアーチャーが、フェイズ銃でもう一人を倒した。部屋に入る。 アーチャーに向かって手を広げるシュラン。「引っ込んでろ、ピンクスキン。」 アーチャー:「シュラン、よく聞け。攻撃したのは、テラライト船じゃない。」 「ヘ、この目で見たんだぞ!」 「別の船だと証明できる。」 ナーグは銃を向けているタラスを見ている。 フェイズ銃を向けるのを止めるアーチャー。MACO も続く。 アーチャー:「どちらもはめられたんだ。…クマリは両者の和解を阻もうとする連中に襲われた。」 シュラン:「誰だ。」 「…頼みがある。船長同士としてだ。先に証拠を見てくれ。あとで悔いるようなことをする前に。」 シュランはグラルに向けていた銃を手に取り、設定を戻した。アーチャーに渡す。 タラスも銃を下ろす。その時、ナーグが武器を奪い取った。 そのままタラスに向けて発射する。ナーグもアーチャーに撃たれて倒れた。 タラスに近づくシュラン。息をつくタラス。 アーチャー:「フロックスを呼べ。」 向かう MACO。 タラス:「傷は?」 シュラン:「ほんのかすり傷だ、心配ない。」 微笑む。 歩き続けるタッカー。「ブリッジは、この向こうだ。」 パネルを操作する。 中に入る 2人。その部屋には誰もおらず、中央の構造が左右に動いているだけだ。 左右に動くロミュラン船パイロット。 ニジル:「ブリッジに入りました。」 ヴァルドアは窓の外を見つめる。そこは宇宙空間ではなく、巨大な建物の中だった。 そばには円形の構造。ロミュランの母星、ロミュラス※30だ。※31 |
※23: boridium 吹き替えでは「ポリディウム」と聞こえます ※24: ENT第29話 "Minefield" 「許されざる越境」より ※25: 吹き替えでは、ここも「もう 26分ぶん減ってる」 ※26: 吹き替えでは「回避用」 ※27: MACO クルー MACO Crewman (Jermaine Soto) ※28: ENT第16話 "Shuttlepod One" 「引き裂かれたクルー」より ※29: (この話の結末に関わるネタバレ) 吹き替えでは「もしブリッジに行かれたら」。これだとロミュランがいるところがブリッジでないことを示唆してしまうので、不適当ですね ※30: ENT 初登場。映画 "Star Trek Nemesis" と同じ CGI 素材を使っているため、全く同じ構造になっています (もちろん映像まで同じというわけではありません) ※31: その他の声優は奈良徹、駒谷昌男、高階俊嗣、近藤広務 |
To Be Continued... 次回へつづく
感想など
タイトルにも使われている惑星バベルは当然のことながら、アンドリア人&テラライト人といえば、TOS "Journey to Babel" 「惑星オリオンの侵略」のオマージュとわかりますね。とはいえストーリーは全くといいほど異なっており、ついに満を持してメインに登場したロミュランが関わってきています。この時期に起こったとされている、地球・ロミュラン戦争を意識したものですね。テンポよくあっという間に終わった感じで、このエピソードと次の話の間に打ち切りが発表されたのは、何とも皮肉なことです。 今までも ENT でちょくちょく登場・言及していたテラライト人について、設定が増えたのは嬉しいところですね。なお邦題では原題を直訳したつもりで「バベル1号星」となっていますが、本編では一切そのようには呼称されず、さらに TOS ではバベル (バーベル) が「小惑星」ともされていました。"one" は一号星という意味ではなく、「初のバベル会議」という解釈をした方がよさそうです。 |
第87話 "Observer Effect" 「死の観察者」 | 第89話 "United" 「ロミュランの陰謀」 |