エンタープライズ エピソードガイド
第79話「ヒーローたちの帰還」
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イントロダクション
地表に降下してくるシャトルポッド※1。建物が並び、空には別の船が見える。 人で埋め尽くされた会場の中に着陸した。 拍手が巻き起こる中、進み出るアーチャーたちエンタープライズの上級士官。 並んだ上官のうち、フォレスト提督※2がアーチャーと握手した。「よく戻ったな。」 アーチャー:「提督。」 7人は横一列になった。 地球のマークがついたスピーチ台の前に立つアーチャー。「…我々は皆さんに、ヒーローだと言われます。」 声が響き、聴き入る観衆。アーチャーは後ろを見た。「クルーに関しては、私にも異論はありません。」 拍手が起こる。 アーチャー:「でも、忘れないでください。宇宙に散った、真のヒーローたちのことを。27名のクルーが、命を落としました。…私やこの部下たちが、地球へ帰還できたのは…彼らのおかげです。いま改めて、全クルーを代表して言わせてもらいます。…戻れて、よかった。」 改めて拍手が続いた。 |
※1: ENT第49話 "Regeneration" 「覚醒する恐怖」と同じく、青いラインが入った宇宙艦隊司令部仕様 ※2: Admiral Forrest (ヴォーン・アームストロング Vaughn Armstrong) ENT第52話 "The Expanse" 「帰還なき旅」以来の登場。声:白熊寛嗣、ENT ドラムなど (従来の金尾哲夫から変更、ただし第53話 "The Xindi" 「トレリウムD」のあらすじ部分では廣田行生) |
本編
夜のサンフランシスコ。 私服のアーチャーは、賑わうバーに入った。それに気づいた女性、エリカ・ヘルナンデス※3が同席していた相手に言った。「失礼。」 カウンターに来たアーチャー。「スコッチを。」 肩を叩くヘルナンデス。「カウンターは常連が飲む場所よ? …銀河のヒーローはテーブルへどうぞ。」 アーチャー:「…昇進したんだってな。おめでとう、船長?」 「ありがとう。」 「乾杯。」 「乾杯。」 口にする 2人。 ヘルナンデス:「デルフィック領域はどう?」 アーチャー:「明日の報告会には出るんだろ。」 「うん。」 「明日のお楽しみだ。それより、聞きたいことがある。最近ヒットした映画は?」 「うーん、第三次大戦もの※4。」 笑うアーチャー。 ヘルナンデス:「賞を総ナメしたわ? そのくらいかしら。ここ一年、地球は固唾を呑んでた。…ズィンディがとどめを刺しに戻るんじゃないかって。…明るいニュースもあるわよ? 結婚や出産が増えたわ。」 「…君は?」 「私には艦隊が、夫なの※5。」 荷物の整理をしているトゥポル。窓からはエンタープライズがドック入りしていることがわかる。 ドアチャイムに応えた。「どうぞ。」 タッカー:「その服の量なら、一年はもつな。」 「…何か用?」 「船長に船の修理をさせてくれって頼んだが、休みを取れって言われてね。と言うか、命令だな。でも行くところがないんだよ。妹はいないし、故郷は破壊された。…俺の家はここだ。」 「…一緒にどうですか。」 「ヴァルカンへ?」 「輸送船は 11時に出ます。」 「どこへ、泊まればいいんだ?」 「母の家の客間にでも。」 「お母さんの家? 俺のこと、知ってるのかなあ。…何か、話を?」 「…別に何も。」 「となると、何て紹介するんだ…」 「チャールズ・タッカー三世少佐と。…船長に、まだ異星人の文化を見足りないと言っていたでしょ。見に来てはどうです?」 「…11時だな? …仕度するか。」 トゥポルの部屋を出たタッカーは、笑った。 宇宙ドックに入っている、コロンビア NX-02。 ヘルナンデス※6:「各クルーの卓は、直接主要 EPS ジャンクションにつながってるの。」 整備が続くブリッジ※7。 アーチャー:「うちの船も真似して改造していいかなあ。」 笑うヘルナンデス。「構わないわよ? 私の御願いを聞いてくれるなら。」 チップを見せる。「うちの上級士官候補よ。…意見を聞かせて欲しいの、あなたの知り合いの。」 アーチャーは船長席を見る。「椅子は、ちゃんと身体に合わせといた方がいいぞ。大半を過ごすことになる。」 ヘルナンデス:「船体装甲を 12%上げたわ?※8 銃撃戦に耐えられるように。」 「腹部と背面の魚雷発射管に、パルスフェイズ砲か。」 「ご忠告に従ったの。…どうかした?」 「ジェフリーズ大佐※9と口論してしまった。NXクラス※10船の設計者だ。」 「うん、知ってるわ?」 「僕は彼に、戦艦を指揮する気はないと言った。僕の任務は、異星人とのファースト・コンタクトだとね? ヘ。甘かったよ。…兵器は必要だ。多いほどいい。」 宇宙艦隊司令部。 アーチャー:「恐らくトレリウムを採掘するために、ヴァルカン人はその小惑星群に入ったものと思われます。」 ヴァルカン船の船体図が表示されている。 ウィリアムズ※11:「トレリウム?」 「空間のひずみを防ぐ、複合物質です。領域内では、それで船を防護してる。」 ヘルナンデスも同席している。 「航星日誌によるとセレヤ※12内ではクルーが『妄想に取り付かれ、襲ってきた』とか。」 ※13「ドッキングしてすぐです。トレリウムはヴァルカン人に有毒で、彼らの神経に損傷を与えます。その結果感情を抑制する能力を失ってしまう。」 ソヴァル※14:「日誌によれば、セレヤのクルーの死亡原因はリアクターの亀裂とか。」 「あれは事故です、防ぐことはできなかった。」 「…セレヤのクルーを、一人でも救おうとは思わなかったのですか。」 「救える状態じゃなかった。」 「あなたが医療的判断を?」 「…フロックスの判断です。」 「…我々の専門医にあなたのデータを見せたところ、クルーの症状は十分に治療が可能でした。」 「…だが我々には無理でした!」 「トゥポルもトレリウムにさらされたが。」 「彼らとは量が違う!」 「感情的になる必要はありません。…あなたは数時間、船の副司令室で過ごしています。その際、内部センサーへアクセスしようとしましたか。もしくはデータベースの、ダウンロードとか。」 「いいえ?」 「要するに、我々は事実を知りようがないのです。」 「どういう意味です!」 「記録がなければ、セレヤの破壊に関する正確な事実を知る術はない。」 「私はさっきから正確な事実を言ってるつもりです!」 フォレスト:「船長。」 「人殺しだと責められて黙っていろと?」 ソヴァル:「誰も責めてはいませんよ、船長?」 「あなたにも責任の一端はあるのでは?」 「…何ですと?」 「ことあるごとに我々を邪魔してきた。アンドリア人の方が、ヴァルカン人よりよっぽど情け深い!」 フォレスト:「よしたまえ、船長!」 ソヴァルに詰め寄るアーチャー。「あんたらに従ってたら、この星は消滅してる!」 フォレスト:「もう十分だ!」 空になった部屋。 アーチャー:「なぜ彼の肩をもつんです。」 フォレスト:「私は誰の肩ももっていない、あれは言い過ぎだ!」 「我々の邪魔しかしない奴に、なぜ弁明を続けなければならないんです!」 「…報告会は延期だ、無期限に。少し休みを取って、頭を冷やせ。」 「お言葉ですが提督、休みはいりません。」 「これは命令だぞ!」 出ていくアーチャー。 荷物をたくさん運び、廊下を歩くフロックス。「あー、あー大尉、少しいいですか?」 動物の鳴き声が聞こえる。 リード:「ああ、ああ…ああ。ずいぶんと大荷物なんだなあ。」 笑うフロックス。「これも、すいません。旅をより心地よく楽しみたいので、うん。」 リードは荷物をほとんど持たされた。「地上ではくれぐれも警戒を怠るなよ?」 フロックス:「警戒?」 「おい、聞いてないのか? アンドリア人とライジェル人※15が襲われたろう。」 「なぜです。」 「…ズィンディの一件以来、異星人嫌いが広まってねえ。時代錯誤もいいとこだ。ヴァルカン人も家に閉じこもったきりらしい。」 「フン、私には関係ない。休みを取りやめる理由にはなりませんよ? …地球には以前、住んでいたこともあります。」 「もうその頃の地球とは違う。みんなが、責める標的を探してるんだ。」 「ご忠告感謝します。ドアを。」 苦労して開けるリード。 フロックス:「どうも?」 木々が生い茂る山場※16。ロープの準備をしていたアーチャーは、近づいてきた人物に気づいた。 ヘルナンデスだ。大きなリュックサックを背負っている。 アーチャー:「そこで何してるんだ。」 ヘルナンデス:「あなたと一緒、山登りに来たのよ?」 |
※3: エリカ・ヘルナンデス船長 Captain Erika Hernandez (Ada Maris ドラマ "What a Country" (1986〜87)、"Nurses" (91〜94)、"The Brothers Garcia" (2000〜03) に出演) 名前は言及されていません。初登場。声:泉裕子 ※4: 原語では「また第三次大戦もの」と言っており、以前にも映画があったことがうかがえます ※5: 原語では「私は艦隊と結婚したの、あなたと一緒よ」 ※6: 女性の船長 (艦長) が映像に登場するのは、VOY のジェインウェイ以来初めて。また、TOS第79話 "Turnabout Intruder" 「変身! カーク船長の危機」に由来する、「TOS 以前は女性は船長になれなかった」という誤解を打ち消すものでもあります (そのエピソードのジャニス・レスター博士の主張は、単なる思い込み) ※7: コロンビアのクルーは、ヘルナンデスをはじめとしてエンタープライズとは異なったパッチを制服に着けています。公式サイトで壁紙としてダウンロードでき (他の画像でのネタバレ注意)、それによると船のモットーは "Audentes fortuna juvat" だそうです。ラテン語での "Fortune favors the bold" 「大胆さは運を呼ぶ」 (DS9第129話 "Favor the Bold" 「ディープスペース・ナイン奪還作戦(前編)」でも言及) ※8: 吹き替えでは「12%に上げたわ?」。以前と比較して 112%になっているという意味ですので… ※9: Captain Jefferies ENT第50話 "First Flight" 「運命の飛行」より。NX級の設計者 (原語ではそのうちの一人) という設定は、マット・ジェフリーズが初代エンタープライズをデザインしたことに由来しているんでしょうね。肩書きは前と同じく「主任」と訳されていますが、名前は「ジェフリー」ではなく「ジェフリーズ」と正しくなっています ※10: 吹き替えでは、なぜか「NKクラス」と誤訳 ※11: ウィリアムズ中佐 Commander Williams (ジム・フィッツパトリック Jim Fitzpatrick) ENT第49話 "Regeneration" 「覚醒する恐怖」以来の登場。声は前回 (3回目の登場) の福田信昭から変更 (初回の楠見尚己、2回目の仲野裕のいずれでもありません) ※12: ENT第57話 "Impulse" 「幽霊船」より。吹き替えでは「セレヤ号」 ※13: この部屋にあるモニターは 3面構造となっており、TOS でエンタープライズの会議室にあったものを意識したプロップです ※14: Soval (ゲイリー・グラハム Gary Graham) ENT第60話 "Twilight" 「留められない記憶」以来の登場。声:青山穣、VOY トゥヴォックなど (今までの山路和弘から変更) ※15: Rigelian ENT パイロット版 "Broken Bow" 「夢への旅立ち」など。アンドリア人も地球にいるんですね ※16: マリブ・クリーク州立公園でロケ |
地表や空が赤茶けた惑星※17。船が飛行している。 トゥポルは家のドアを開けた。 タッカー:「来るときに火山が見えたろう。あれがタナラ山?」 トゥポル:「ターハナ山※18。」 「活火山?」 「ええ、たびたび噴火しています。」 「へえ。」 「興味があるなら、火口巡りをしてみては?」 「ああ、火山に遺跡に炎の平原※19。どこから行くかなあ。ここが家か。…想像と違う。」 「というと?」 「何か、綺麗だ※20。」 「ヴァルカンは美を尊びます。」 「それはよくわかってるよ、いつも服のセンスいいし、ヘヘ。」 荷物を降ろすトゥポル。「タッカー少佐、私…」 ヴァルカン人の女性※21が出てきた。「お客様が来るなんて聞いてないわ。」 トゥポル:「…お母様、いたの。」 「ご覧の通りよ。よく戻りました。…元気そうね?」 タッカー:「あの、チャールズ・タッカーです。お会いできて光栄です。」 咳払いするトゥポル。タッカーはヴァルカン・サインをした。 挨拶を返すトゥポルの母。 ヴァルカン語で話す※22。「(なぜこちらをここへ?)」 トゥポル:「(…私の同僚ですが、ぜひヴァルカンを見たいと)」 「(…ここに同僚をお連れするなんて、初めてのことね?)」 視線を落とすトゥポル。 トゥポルの母:「長旅で疲れているでしょ?」 屋敷の中に入る。 トゥポルの母:「客間は南の突き当たりです。」 歩いていくタッカー。 トゥポル:「…今日は科学アカデミー※23に行かないのですか。」 トゥポルの母:「…もう教師は辞めました。…手紙は? 艦隊から転送されてない?」 「領域は、通信が途絶えがちでしたから。」 腰を下ろすトゥポル。 「驚くことないわ? 計画してたことよ。長い人生ですもの、いろいろ経験したいわ? あなたの帰郷を知っていた人もいるようね?」 手紙を手にする母親。「昨日届いたの。」 それを開くトゥポル。「…コス※24です。」 トゥポルの母:「あなたを忘れると思う? …返事を出すわね?」 「彼に話はありません。」 「あなたのフィアンセよ。」 「元、フィアンセです。」 「コスもそう思ってるかしら。…話した方が賢明です。」 岩場を上るヘルナンデス。「兄から聞いたんだけど、私が行ってた高校…あなたの名前に改名したって。これで何校目?」 アーチャー:「数えてない。」 「2、30校はいくわ。ゼフレム・コクレインだってそんなにないんじゃない?※25 フン。」 険しい山登りは続く。 ヘルナンデス:「それでもう見てくれた?」 アーチャー:「何を。」 「上級士官候補の名簿よ、戦術士官はどう?」 「もっと実戦の、経験者を入れたらどうだ。軍人とか。」 「ブリッジに軍人をおくっていうのはどうもね。」 「僕ならケイシー将軍※26に掛け合って、全軍そっくり乗船させる。」 垂直なガケを進むアーチャー。「宇宙へ行けば、理想は吹っ飛ぶよ。嫌でも四六時中、戦闘に巻き込まれる※27。」 ヘルナンデス:「シニカルになったこと…。」 「報告書を読んだのか。」 「ええ、読んだわ。…見て。」 動物の足跡が見える。 スキャナーを使うアーチャー。「クーガー※28だ。何日か経ってる。」 ヘルナンデス:「そう、出てきたら守ってね?」 外で鐘を鳴らすトゥポルの母。まだ薄暗い。 上半身裸で眠っていたタッカーは、ドアを叩く音に応えた。「どうぞ。」 鐘が聞こえる。 トゥポル:「朝です。」 「いま何時?」 「4時ですけど?」 「早すぎ。」 「朝食の用意をしなければ。それが御客の務めです。」 「…そう。」 朝食を取る 3人。 トゥポル:「今年は、もうナール・ヴァイン※29が咲いたのね。」 トゥポルの母:「たっぷり世話してやったから。」 「何だか、時間を持て余してるみたい。」 「あなたはなぜここへ来たの?」 「…理由が必要ですか。」 「最高司令部に戻るのかと思ったわ?」 「…艦隊に入隊の申請を。…許可が下りれば、3、4年は家に戻れません。」 無言の母親。 口にしようとしたタッカーは、その食べ物を見た。 トゥポルの母:「ギャスパー※30が新鮮じゃないでしょ? 保存ユニットを取り替えないと。」 タッカー:「うん、よければ見ましょうか。ワープリアクターも直せるんだから、何とかなると思います。」 「娘は昔から異星人に興味があるの※31。…だから学校も終えずにヴァルカンを去ったわ。」 トゥポル:「お母様も賛成してくれたはずでしょ。」 「子供を巣立たせるのは親の務め、戻るのは子の務めよ。…地球では、子供は自分で人生を選べるようね? 家族の願いを顧みずに。」 タッカー:「まあ、そうですけど。」 「それに感化されたのね?」 トゥポル:「…艦隊での任務は、最高司令部の任務に劣らず重要です。きっと御父様も賛成を。」 「お父様はヴァルカン社会に貢献することをお望みでした。」 「地球は我々の同盟者です。」 「どうしたって言うの。」 「…お客様の前で、よしましょう。」 メモにサインを書くリード。「ありがとう、これからも頑張るよ。…ただ残念ながら、船の案内は禁止されてるんだ。上の方針が変わったら、真っ先に連絡するよ。」 女性たちは離れていった。笑うリードとメイウェザー。 メイウェザー:「早速制服効果だ。」 ジャケットを羽織っているリード。「服なんか関係ない。俺の魅力だよ、ハハハ。」 バーにいる男※32が近づいた。「酒はどうだい。」 フロックス:「ああ、とても美味しいです。」 「あんたらの種族は酒なんか飲まねえって聞いたからよ。」 笑うフロックス。「それはヴァルカン人です。」 男:「へえ、そうかい。異星人ってのはどれも一緒に見えちまってな。」 リード:「何か、我々に用ですか。」 「いやあ、居心地が悪くねえかと思ってよう。ここは人間ばっかりだ、お友達にとっちゃ俺らは異星人だろ?」 フロックス:「とても快適です。」 「そりゃどうかな。もし俺ら人間と飲むのが不愉快なら、橋の向こうにヴァルカンの領事館がある。…そこでなら、地球人じゃないあんたでも美味い酒が飲めると思うぜ?」 「…我々はそろそろ、帰りますか。」 リード:「いや、どこへも行く必要はない。」 男:「帰るって言ってんだから帰してやれよ。」 メイウェザー:「いつ帰ろうが俺たちの勝手だろ。」 「あんたら艦隊の連中もどうかと思うぜ。宇宙を飛び回っちゃあ異星人に地球の場所をペラペラ言いふらしてよう。…それがどういう結果を招くか少しでも考えたことあんのか。」 リードは立ち上がった。「すいません。向こうでおとなしく、飲んでてもらえませんか。」 男の周りにも人々が集まってきた。 敬礼の真似をする男。「失礼ですが提督、あんたに命令される義理はない。」 リードを小突いた。 メイウェザー:「聞こえたろ、さっさとどっかへ消えてくれ。」 後ろを向く男。振り向き様に殴ってきたが、リードはそれをかわした。 メイウェザーも加わり、乱闘が始まる。 フロックス:「やめて下さい!」 騒ぐ周りの客。 男はフロックスに殴りかかろうとした。 その時フロックスの顔の周りが膨らみ、2倍ほどの大きさになった。驚く人々。 メイウェザーも殴ろうとしていた手を止める。 暴漢たちは逃げていった。「行くぞ。」 口を緩め、元の顔に戻るフロックス。 リード:「ドクター。」 フロックスは座り、つまみを口にした。 |
※17: ヴァルカン星が登場するのは ENT では初めて。また、都市が見えるのは史上初 ※18: Mount Tar'hana 1998年に発売されたテーブルトーク RPG、"The Way of Kolinahr" に登場するそうです ※19: 火の谷 Fire Plains VOY第38話 "Innocence" 「怯える子供達」より ※20: 日本庭園っぽくもありますね ※21: 名前は T'Les (ジョアンナ・キャシディ Joanna Cassidy VOY ジェインウェイ役のオーディションを受けていました。ドラマ「スパイ大作戦」(1972〜73)、映画「ブレードランナー」(82)、「アンダー・ファイア」(83)、「ロジャー・ラビット」(88)、「企業買収/250億ドルの賭け」(93、テレビ) に出演) ですが、言及されていません。初登場。声:久保田民絵 ※22: 英語字幕が表示されますが、日本語版では字幕を入れる手間を嫌ったのか、この個所も吹き替えされてしまっています ※23: ヴァルカン科学アカデミー (Vulcan Science Academy)、TOS第44話 "Journey to Babel" 「惑星オリオンの侵略」など ※24: Koss ENT第8話 "Breaking the Ice" 「彗星は去り行くとも」より ※25: TNG ラフォージの出身校であるゼフレム・コクレイン高校は、映画第8作 "Star Trek: First Contact" 「ファースト・コンタクト」で言及 ※26: General Casey ENT第52話 "The Expanse" 「帰還なき旅」より ※27: "boldly going into battle" ※28: mountain lion ※29: Nar'ru vine ※30: gespar この部分は訳出されていません ※31: "My daughter's always been fascinated by alien worlds." ※32: バーの客その1 Bar Patron #1 (Joe Chrest) |
家に戻るトゥポルの母。食材を持ってきた。 タッカー:「泊めて下さってありがとうございます。」 トゥポルの母:「ヴァルカン人は礼など言わないの。」 「トゥポルはよく言ってますが。」 「気づいています。」 「…トゥポルは幸せだ。こうして、帰れる家があるんだから。」 「娘を好いていることは知っています。…否定したところで無駄よ?※33 もうどのくらい想っているの?」 「ああ、初めての口論で不思議な感覚に襲われたのは事実です。初めて口論を楽しいと思いました。…しかし意外だなあ、トゥポルがあなたにそんなことを?」 「違うわ。」 頭を下げるタッカー。 トゥポルの母:「母の勘です。」 タッカーは直していた装置を壁の機械に取り付けた。起動する。 トゥポルの母:「直ったの?」 タッカー:「フィールドジェネレーターをいじっただけです。…新品同様だ。」 「よければ、フードシンセサイザー※34も見ていただけないかしら。 ドアを叩く音。 トゥポルの母:「お願い。」 タッカーが開けると、ヴァルカン人の男性が立っていた。 トゥポルの母:「コス※35!」 コス:「トゥポルに話が。」 外に出るトゥポル。 コス:「人間の船は、どうだった。興味深い※36経験をしてきたのだろう?」 「……なぜここに。」 「わかっているはずだが。」 「手紙を読んだでしょ? 私は結婚をする気はないの。」 「勝手に決められることじゃない。僕の両親は古いしきたりを重んじてる。婚約破棄は許されないことだ。」 「相手を選び直せば済むことです。」 「そのつもりはない。」 「…私は病気に冒されています。」 「病気?」 「…いつ回復できるのかわかりません。…回復できるかさえも。」 「力になる。父は権力者だ。最高の医者に診てもらおう。…僕が必ず治すよ。」 「カリフィー※37を宣言したら?」 「この僕に、決闘をしろと。…あの地球人となら、相手に不足はないよ。」 「冗談で言ってると思う?」 「いや? さっさと挑戦者を呼んでくれ。僕は何だってやる。」 「…帰って下さい。」 出ていくコスは立ち止まった。「お母さんに力を貸そう。」 トゥポル:「どういう意味です。」 「父なら復職させられる。」 「…自分で辞めたのです。」 「…仕方なくね。」 「…どういうこと。」 「余計なことを言った。」 コスはまた近づいた。「結婚をするなら、ヴァルカンには一年いるだけでいい。…その後艦隊に入り直しては?」 「結婚だけして、あとは消えてくれと。」 「妻を応援したい。」 「…帰って。」 家を後にするコス。トゥポルはため息をついた。 薄暗くなってきた山で、アーチャーは空を見上げた。「ああ、あれだ。」 ヘルナンデス:「何?」 「北極星の左の星。…すぐ近くに Mクラス※38の惑星がある。」 「いつか人間が行くわね? コロニーを造りに。」 「どうかな。大気中に有害な物質があったため、上級士官たちでさえ互いを殺しそうになった※39。…やっぱり宇宙探査は、早すぎたかな。」 「早すぎた? じゃいつまで待てばいいの?」 「僕らのせいで地球は滅びかけた。」 「エンタープライズは、地球を救ったわ。」 「僕らが面倒を起こさなきゃ、あの 700万人は死なずに済んだんだ※40。」 「宇宙探査に行っただけじゃない。」 「それでも罪は罪だ。」 「じゃどうしろと? 宇宙船には乗るなって言うわけ?」 「いや、乗るのはいい。ヴァルカン人も乗ってる。だが探査はしない。ヘ、母星のそばにいる。誰が来るかわからんからな?」 「それじゃ艦隊に入った意味がないわ。」 「…君も何人か部下を失えば気が変わるさ。」 火の前で両手を合わせ、瞑想しているトゥポルの母。 トゥポルがやってきた。 目をつぶったままの母親。「そこに立たれていては瞑想ができないわ。」 トゥポルは近づいた。「退職したのは、本意でなかったそうね。」 トゥポルの母:「それは正しくありません。解雇より退職を選んだのは私よ? …保安省に呼ばれ取り調べを受けたのです。アカデミーのアーカイブから極秘データにアクセスしたと。」 「したの。」 「まさか。」 「…どういうことです。」 「私がアカデミーから去れば、尋問はやめると言われたわ? それが目的だったの。」 「…なぜ保安省がそんなことを。……私のせい?」 母親は目を逸らした。 トゥポル:「プジェムでの一件で怒りを買ったから※41。」 トゥポルの母:「修道院が破壊された後、首席大臣が解雇されたの。…保安省はあなたを恨んでる。」 「…お母様に罪はないはずです。…卑怯なことを! …なぜ黙って従ったの!」 「変わったわね? 昔から感情的だったけど、きちんと抑制してたわ? きっとタッカー少佐のせいね? コスとの婚約を断ったのも彼のせい? ヴァルカン人が、地球人と結婚できると思っているの? あなたたちに子供ができたとして、その子がどんなに恥をかくか※42。」 「それは、お母様には関係のないことです。」 トゥポルは出ていった。 焚き火のそばで眠っているアーチャー。獣の鳴き声に目を覚ました。 ヘルナンデスは気づいていない。アーチャーは荷物からフェイズ銃を取り出し、歩き出した。 突然殴られた。爬虫ズィンディだ。 フェイズ銃を落とすアーチャー。ズィンディを蹴るが、相手はもう一人いる。 ナイフで顔を切られた。殴って抵抗するアーチャー。 だが爬虫ズィンディ 2人に押さえられ、ガケから投げ落とされた。 遥か下に落ちていくアーチャー。 アーチャーは飛び起きた。 ヘルナンデスがいる。「大丈夫?」 アーチャー:「…ああ…もう自分でもよくわからない…。」 「話したら? …山での出来事は、山においてくのが登山家だから。」 「ここに来たのは…駆け寄ってくる連中が、いないからだ。握手をしろだの、写真を撮れだの子供の理想だの言われるのはもうまっぴらだ。…そんな資格はない…。」 「船長なら誰でも同じことを…」 「拷問※43もか? …無実の人々を見殺しにもした※44、そんなことをする船長がいるもんか。」 荷物を持つアーチャー。 「どこ行く気。…真夜中に山登りを?」 「悪いか?」 「足を踏み外せば谷に真っ逆さまよ。…でもその苦しみからは解放される。」 「僕が死ぬつもりだって言うのか?」 「違うかしら。」 アーチャーは荷物を置いた。「…君から逃げたいだけだ。」 ヘルナンデスの肩をつかむ。「君を見てると、父の遺志を継いで探検家になった 3年前の自分を思い出すんだ。…どうすればあの頃に…戻れるんだろう。」 ヘルナンデスは顔を近づけ、アーチャーと口づけをした。 アーチャー:「今のは。」 ヘルナンデス:「私がずっとしてなかったこと。…どうすれば戻れるか、私も一緒に考える。」 |
※33: 原語では "There's no logic in denying it." 「否定するのは非論理的よ」 ※34: food synthesizer ※35: Koss (マイケル・ライリー・バーク Michael Reilly Burke TNG第153話 "Descent, Part II" 「ボーグ変質の謎(後編)」のゴーヴァル (Goval)、DS9第38話 "Profit and Loss" 「クワークの愛」のホーグ (Hogue) 役) 初登場。声:桐井大介 ※36: "fascinating" ※37: kal-if-fee TOS第34話 "Amok Time" 「バルカン星人の秘密」など ※38: これまで ENT ではミンシャラ・クラスと呼ばれていましたが、のちの時代同様 Mクラスと言及されるのは初めて ※39: ENT第4話 "Strange New World" 「風が呼んだエイリアン」より ※40: 原語では「死なずに済んだかもしれないんだ」。もちろんズィンディが攻撃してきた直接の理由は「未来で地球人に滅ばされる」と球体創造者から聞いたからであり、エンタープライズは関係ありません。その後のセリフは、ヘルナンデス「面倒を起こしたんじゃなくて、宇宙探査に行ったのよ」 アーチャー「そんなに違いがあるとは思えない」 ※41: ENT第7話 "The Andorian Incident" 「汚された聖地」など ※42: スポックを意識したセリフでしょうね ※43: ENT第54話 "Anomaly" 「オサーリア人の襲撃」より ※44: ENT第71話 "Damage" 「球体創造者」より。原語では「無実の人が大勢乗った船を置き去りにした」と言っており、よりわかりやすくなっています |
ヴァルカン。巨大な石像※45が建ち並び、地面には至るところでマグマが流れている。 見下ろす岩場に立っているタッカー。「地球へ戻ったら、俺がいろいろ案内するよ。…お返しだ。…何かあったのか?」 トゥポル:「…話したいことがあるの。…コスと結婚をします。」 「…あの男と?」 「…彼と結婚すれば、母はアカデミーに戻れるのです。…彼の父親は大臣で、権力者ですから。」 「無理矢理、承知させられたのか?」 「私の意思です。…母は私のせいで退職を。」 「だってあいつを愛してないって、3年前に言ってたじゃないか。…艦隊辞めて、ヴァルカンに戻るのか。」 「…コスの家族と、交渉中です。」 「『交渉中』だ?」 「…同居は、免除してもらいました。しばらくはエンタープライズに、残れます。」 「寛大なことで。」 「こうするしかなかったの。いろいろな事情で。」 「俺はどうすりゃいい。」 「…ごめんなさい。…私…」 「ごめんか。…16光年※46も旅して、君の結婚式を見せられるとは思わなかったよ。…ヘ…。」 タッカーは歩いていった。 昼の山を登るヘルナンデス。「…カメラがあればね。」 アーチャー:「夕べ話した惑星だが、山脈があってね? 同じように美しかった。」 景色を見る。 「この調子で登っていけば、日暮れまでに頂上へ着けるわ。急ぎましょう。」 「ここで十分だよ。」 荷物を降ろすアーチャー。「君がいてよかった。」 「ねえ、ずっとわからなかったことがあるの。」 「何だい。」 「…私達なぜ別れたのかしら。」 「僕は、君の上官だった。恋愛は御法度だ。」 「……もう上官じゃないわ。」 キスし、抱き合う二人。 ヘルナンデス:「艦隊も認めてくれるんじゃない? ワープ5 船の船長同士の恋愛を。」 アーチャー:「それは山へおいていこう。」 笑い、また口づけするヘルナンデス。 修理中のエンタープライズ。 サトウ:「それで、診断は? 生きられそう?」 私服姿で医療室にいる。 フロックス:「パラサイト※47はもうほとんど、見られない。これで、最後の仕上げだ。」 「今夜大丈夫そう?」 「うん?」 「…マダム・チャンの店※48。忘れたとは言わせないわ?」 「ああ、その…治療に使うウナギ※49の調子が悪くてねえ。しばらくそばに、ついていないと。」 「だって、私の顔見てはかき玉スープ飲みたい飲みたいって言ってたのドクターなのよ?」 「味見は君とメイウェザー少尉に任せるよ。」 ハイポスプレーを押さえるサトウ。「トラヴィスに聞いたわ。…なぜそんな顔に?」 フロックスは笑う。「ああ、膨れたことか。ブッ…本能的に、防御反応が働いただけだ。」 サトウ:「もう地球へは行かない気? バーでケンカ売られたくらいで…」 「私がいることで誰かが、怪我することになったら。」 「それじゃ偏見はなくならないわ? 積極的に地球へ行って、平和を好む異星人もいるってことをみんなにわからせなきゃ。」 「誰も彼らを責められやしない。地球が襲われたのは事実だ。傷は簡単には癒せんよ。それに私にはウン、君らがいる。」 フロックスはサトウに注射した。「…一つ、頼みがあるんだが。」 「スープのテイクアウトでしょ?」 「うーん。」 宇宙艦隊司令部。 ウィリアムズ:「報告会の詳細は、評議会の命により極秘扱いとします。」 フォレスト:「…質問がなければ終わります。」 立ち上がる一同。 ヘルナンデスはアーチャーに目配せし、出ていった。 アーチャーはソヴァルを呼び止めた。「あ、大使。…お詫びさせて下さい。先日は、私が言いすぎました。」 ソヴァル:「ええ、確かに。」 「…やっと意見が一致したようですね?」 外へ向かうアーチャー。 「船長。あなたの行動は道義的に疑問が残るものの、正当でした。…私はあなたがエンタープライズの船長になることに反対しましたが、間違いだったようです。デルフィック領域を放置しておけば、ヴァルカンを含む数百の星系を飲み込んでいたとか。…あなたの尽力で、救われました。」 手を差し出すソヴァル。「ありがとう。」 握手するアーチャー。 鏡を見ているタッカーは、ドアを叩く音に応えた。「どうぞ。」 正装している。 トゥポルの母が入る。「コスの家族がお見えよ?」 タッカー:「急いで、行きます。…これでどうでしょう。」 襟を直すトゥポルの母。「この服は、夫のものだった。よく似合うわ。」 タッカー:「…娘に愛のない結婚をさせて、ほんとにいいんですか。」 「あの子は家族の義務を果たすの。…私も夫とは一度しか会わずに結婚を。それでも深く理解し合えたわ?」 「でも…彼女は、理解したい相手はほかにいるのでは。」 「トゥポルには言ったの?」 「何をです。」 「愛してると。…感情を抑制していても鈍感ではないわ。」 「…ここに来るまで、自分の気持ちに気づいてませんでした。彼女が結婚すると聞いて…初めて気づきました。…ショックでした。あの時、言うべきでしたよ。」 笑うタッカー。「もう遅い。」 立ち去ろうとしたトゥポルの母だが、タッカーに向き直った。「遅くないわ。」 タッカー:「あなたは、認めなかった。」 「認めるかどうかは別問題として、娘は真実を知るべきだわ。」 「彼女は俺の気持ちを知ったからといって、結婚を延期するでしょうか。…これ以上プレッシャーをかけて、トゥポルを苦しめたくはありません。」 出ていくトゥポルの母。タッカーはため息をつき、あとに続いた。 鐘が鳴らされる。コスが待っている。 並んだヴァルカン人。ガウンを着たトゥポルの母とタッカーが出てくる。 ドレス姿のトゥポルの前に立つタッカー。「…綺麗だ。」 トゥポル:「…来て下さって感謝します。」 「何があろうと駆けつけるよ。」 トゥポルの母:「…時間です。」 進み出る。 タッカーもついていこうとしたが、トゥポルが腕をつかんだ。タッカーの頬にキスをする。 そのまま外に出たトゥポルはコスと向き合い、互いにひざまづく。右手を合わせた。 間に立つヴァルカン人司祭※50。「ヴァルカン星創始以来、変わらず受け継がれし婚礼の儀をここに執りおこのう。汝らヴァルカンの心、ヴァルカンの魂に従い夫婦の誓いを立てたまえ※51。」 険しい表情で立っているタッカー。※52 |
※45: 映画第1作 TMP "The Motion Picture" 「スター・トレック」のディレクターズ・エディション DVD でも、新たに加えられた巨大な石像のシーンがありました。この場所がタッカーのセリフにあった炎の平原 (脚注※19) で、Dan Curry の映像効果班による製作 ※46: 地球とヴァルカンの距離が言及されるのは初めて。またこの距離は、従来ファンの間などでヴァルカン星系と言われていたエリダヌス座40番星と同じものであり、公式に認めるものと言えます ※47: ENT第75話 "Countdown" 「地球攻撃10時間前」より ※48: Madame Chang's ※49: 原語では「治療に使う」の部分はなく、「浸透性ウナギ (osmotic eel)」と言っています。ENT第2話 "Broken Bow, Part II" 「夢への旅立ち(後編)」など ※50: Vulcan Priest (ジャック・ドナー Jack Donner TOS第59話 "The Enterprise Incident" 「透明宇宙船」のタル副司令官 (Subcommander Tal) 役で、36年前にロミュランを演じて以来のスタートレック出演。映画第10作 "Star Trek Nemesis" 「ネメシス/S.T.X」では、ロミュラン政務長官の役でオーディションに参加。ドラマ「スパイ大作戦」(1966〜73)、「チャームド」(99) 、「バフィ〜恋する十字架」(2001)、「ロズウェル」(02)、映画「スティグマータ/聖痕」(99) にも出演) 初登場 ※51: このセリフは TOS "Amok Time" で、スポックとトゥプリングの儀式の際にトゥパオが言ったものと同じです。そのエピソードの吹き替えでは「ここに参加した以上、儀式の始めから終わりまでを見てもらいたいのです (この個所は解釈が全く異なっています)。これはヴァルカンの心であり、ヴァルカン人の魂であり、我々の流儀です」 ※52: その他の声優は武虎、高階俊嗣 |
感想など
強力な敵と戦った後の後日談、文字通り「ホーム」に帰った面々ということで、どうしても TNG "Family" 「戦士の休息」を思い出してしまうエピソードです。その出来は決して比べてはいけないですけどね。アーチャー、トゥポル&タッカー、フロックスたちと 3つに分けて描いていますが、あまりにもバラバラで…。以前の ENT はもちろん、TOS に関連したセリフ・設定が多いのは興味深いところではあります。最後のところはブツ切りの印象を受けますが、ダラダラ続けるよりは辛うじてよかったです。 脚本は製作スタッフでもある Michael Sussman、79話ですので TOS に並んだことになります。ロケである山のシーンは当然別ですが、一部の新規セット (および CG との合成) の出来が悪かったと感じるのは気のせいでしょうか。質と言えば、シリックに続いて統一されていないサブレギュラー声優が残念。ソヴァルはファンサービスのつもりかトゥヴォック役ですし、フォレストは前シーズンで爬虫類ズィンディの親分をやってた人ですよね? |
第78話 "Storm Front, Part II" 「時間冷戦(後編)」 | 第80話 "Borderland" 「ボーダーランド」 |